色
アカデミーを卒業して、晴れて忍者の身となった者達が必ず受ける
授業がある。
それは『色』についての講義だ。
出来れば忍者になる前に受けさせておくのがベストなのだろうが、
如何せんアカデミーは子供ばかり。おまけに忍者にならない子供も混
ざっているので、道徳的に問題があるという事で特別にアカデミーを
卒業した後に受けるのだ。当然それは、男女別の講義である。
異性に溺れて任務を失敗しました、では洒落にならない。
その為には知識をつけておく事も重要なのだ。
「…でも、イルカ先生もじっちゃんも鼻血吹いて立ってば。」
「う〜ん、でもねぇナルト。コレ一応必須なわけよ。」
だから大人しく話を聞いててね♪とカカシはナルトの頭を撫でながら云った。
そりゃ、カカシだって『色』の講義なんて馬鹿らしいと思っている。幾ら講
義をした所で、無駄な時は無駄なのだ。
それでも行われているのは、エスカレーターでしつこいまでに『小さいお子
さまの手を引いてお乗り下さい』とか云っているのと同じ様なノリである。
つまり、『こっちは一応注意はしたぞ。だからその後の事はそっちが責任も
ちやがれ』みたいなものだ。
カカシもその事は重々承知していたので、面倒だと思いながらも講義をする。
参考資料は「いちゃいちゃパラダイス」なのだから、全く持っていいかげんな
ものである。
「…こんなんだったら、修行してた方が増だ。」
「サスケぇ、なにか云ったかな?」
「ふんっ、もう耳が遠くなったのか。これだから年寄りは…。」
大げさに肩を竦めてみせるサスケは、明らかに腹を立てていた。
先ほどカカシがナルトの頭を撫でていたことが気に入らないのだ。
「え?何だって?先生年寄りだからなぁ〜。」
まるで意に介していない様にカカシは笑うが、その内心腸が煮えくり返って
いた。
(こんのガキャ〜……。これが俺の生徒じゃなかったら…。)
(教師のくせに生徒に手なんて出すんじゃねぇ!)
目と目で会話をする、険悪な師弟。
そして、そんな彼等に怯える忍者が一人。
一般人ならカカシの背負う不吉なオーラに気づかなかったかもしれないが
(そう、カカシは一見サスケを軽くあしらっている様に見えるのだ)、毎日
物言わぬ動物たちの世話をしてきたキバだは感情を読む術が恐ろしく長けて
いた。
「…カカシ先生って、なんか不気味だな……。」
「………。」
同意を求めて隣を見れば、シノは相変わらずの無表情。
(こいつだって不気味だけど、カカシ先生に比べりゃ可愛いもんだよな…)
キバは半ば引きつりつつ、『カカシ先生が担当じゃなくって良かった』と安
堵した。
「せんせぇ、講義は?」
「あ、そうだったな。」
暫くサスケと二人の世界(…)に突入していたカカシだが、ナルトの一言で
現実に引き戻された。
本を開き、講義を再び開始しようとした所に再びサスケの横やりが入る。
「結局やるのかよ。」
今度こそ、カカシは切れた。
「やるよ〜。……上忍を怒らせると恐いんだぞ。」
最後の一言は、サスケにだけ聞こえるよう小声で発せられた。
何を思いついたのか、カカシはニヤリと不気味な笑みを浮かべるとナルトを
手招きして呼び寄せる。
「ちょっとおいで、ナルト♪」
「なんだってばよぉ〜。」
ちょこちょこと素直にカカシの元に寄ってきたナルトに、カカシはそっと耳
打ちした。
そんな二人を見て、またもサスケが口やら手やらを出しそうになったが、そ
れをキバとシノが押さえ込む。
流石のルーキーも二人がかりで押さえ込まれれば大した抵抗もできず、モゴ
モゴと口を動かす事くらいしかできない。
「え?いいのかってばよ。」
「いーの、いーの♪先生が許可だしてるんだから。」
「…イルカ先生に止められてるんだけどなぁ…」
ブツブツと言いながらも、ナルトは両手で印を結ぶ。
カカシは一体ナルトに何をやらせる気なのか、皆が固唾を呑んで見守る中で
ナルトが煙幕の中に消えた。
そして代わりに現れたのは全裸で金髪碧眼の美女。
美女はサスケに歩み寄ると、そのままサスケの顔を豊満な胸に抱きとめる。
どんなにクールぶっていても、サスケはまだ12の子供。性に関して知識は
あれど、それだけでしかなく…。
皆があっけに取られる中で、サスケは鼻血を吹いて倒れた。
「せんせぇ、これで良かった?」
「うん、上出来♪」
カカシは見事サスケを叩きのめした。きっとサスケは、好きな子の前で鼻血
を吹いたという事に暫くの間は立ち直れないだろう。
上機嫌でナルトの頭を撫でると、他の班の子供達に向き直ってカカシは云っ
た。
「これで解ったろう。『色』を侮っちゃいけないよ」
思わず皆が、コクリと頷いた。
「よっし、じゃ今日は解散。」
そう云うとカカシは、美女に変化したままのナルトを抱えて何処かへと消え
去ってしまった。
「……何だったんだ……」
呆然とキバが呟くが、それに答える者はいない。
ただシノが、変化したナルトも可愛いな…などと相変わらずの無表情の下で
考えていた。
何やりたかったんでしょう…。思いついただけです。スミマセン…。
お色気ナルト、結構好きなんですけど書き方が解らないんです。(涙)
しかもシノやらキバやら、出てきた意味がない…。
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