サスケには、常々不思議に思っている事があった。

 それは、‘何故ナルトにキスマークがつかないのか’という事。

 独占欲丸出しのサスケは、自分のモノだと主張するために大量のキスマーク
をつけるのだ。

 念の為云って置くが、ナルトは別にサスケの所有物ではない。サスケが勝手
にそう思いこんでいるだけで、ナルトはサスケの気持ちを一切知らない。
 
 だからキスマークだって、ナルトが眠っている好きにこっそりつけるという
ヘタレっぷり。まぁこの際その事は脇に置いておくとしてだ。


(…何故、何故なんだぁ〜!!)

 内なるサスケは絶叫する。 

 幾らサスケがナルトにキスマークをつけても次の日になるとすっかり消えて
いる。最初は自分の付け方が悪いのかと思って自分の腕で試してみたら、一週
間も残ってその間だ誤魔化すのが大変だった。

 
「…サスケ、一体何なんだってばよっ!」

 思わずサスケ、ナルトをじっと見つめていたらしい。けれどサスケの目つき
の悪さが禍してか、睨んでいる様にしか見えない。

 そしてサスケもそれを改めようとしないのだから、二人の仲は拗れるばかり。
しかしそれもサスケに云わせれば‘喧嘩する程仲がいい’で片づけられるのだ
から、ホント素晴らしい神経の持ち主だ。

 んで、サスケ手招きしながらナルトを呼んだ。

「…ちょっと来い。」

「何だってば!こーゆー時は‘来て下さい’だろっ。」

 怒りながらも近づいてくるナルトを見て思わずニヤリ。思い切り凶悪です。
そんなサスケにナルトが気づかなかったのは幸運だったのか不幸だったのか。

 ナルトが目の前まで来たのを確認すると、サスケはナルトの頬を思いっきり
つねった。

 咄嗟に何が起こったのか分からず、ナルトは呆然としていたが漸く自分が抓
られているという事に気がついた。
 
 何もしていないのに、どうして自分が抓られなければならないのか。
 
 ナルトは思いっきり恨めしげにサスケを睨み付けた。

「〜〜〜ザ〜ズ〜ゲェ〜?(怒)」

 それでもサスケは手を離そうとせず、ナルトの頬を抓ったままだ。

 そのあまりの痛さに、思わず涙が出そうになったが、サスケの前で泣くなん
て屈辱的な事は出来ない。

「離せってばよっ!!」

 サスケの腹に一発入れてなんとか手を振り払ったが、抓られた頬はヒリヒリ
している。

「もぉ、サスケなんか知らないってば!」

 ナルトはサスケに向かって怒鳴ると、そのまま去っていってしまった。

 その後ろ姿を見送りながら、サスケは呆然と呟いた。

「……やっぱりな……」

 怒って去っていったナルトの頬に、抓られた痕は微塵も残っていなかった。
かなり強く抓ったから、ナルトの白い肌なら一日や二日残るのが通常だ。
 
 それなのに、だ。残っていなかったと云うことはつまり、

「あいつは丈夫なんだな……。」

 サスケはナルトの治癒力が異様に高いと判断したようである。

 そんなヘタレなサスケがナルトの謎に気づく日は一体いつなのか、それは誰
も知らない謎である…。



 自分、何がやりたいの…?  ただ、ナルトって九尾の力でキスマークすらろくにつかないだろうと思った のです…。それだけです。(涙)

〔 戻る 〕