君へ〜残されし者〜




 なぁ、かなみ。何で泣くんだよ。

 もうホーリーは追っ払ったし、俺もちゃんと無事だぜ?それにほら、君島だ
って…。

 ほうら…って、起きないなコイツ。こんだけ起こしても寝てるって事は熟睡
かぁ?まったく、しょうがないな。

 大丈夫だって、かなみ。そのうち君島の奴も目ぇ醒ますって。

 取り敢えず、家帰ろうぜ。君島の奴、さっさと落ち着かせてやりたいしさ。


 おいおい、かなみぃ〜。なんて顔してんだよ。大丈夫だって。

 あ、残念だけど歩きな?俺、車なんて運転できねぇし。


 あーあ、しっかしコイツも重いな。家まで持つかな。

 ここで捨てていったら、後でうるせぇんだろうなぁ…。


 おい、かなみぃ。何ボサッと突っ立ってんだよ。さっさと家帰ろうぜ。

 …あ?何で泣くんだよ。泣く必要なんて、どこにも無いだろ?

 ホラ、俺が手ぇ繋いでやるから。

 お、かなみの手は温かいな。コイツとは大違いだ。

 君島のヤツ結構体温低いみたいでさ、冷たいんだよ。

 え…?あ…、どうしたんだよ?

 さっきからずっと、そんな顔して。

 は?何だって?

 馬鹿だな、かなみ。そんな事ある筈無いだろ。お前がそんな事思ってたなん
てコイツに知られたら、笑われるぞ。

 …なぁ、早く家帰ろうぜ。俺達の家にさ。

 さっきから、寒くてしょうがないんだ。


   自分を誤魔化せ。  誤魔化すために書け。  吐き出してしまえば、楽になるから。   

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