Mysterious Diary

11月15日(月)

『今日の仕事もバードだったな。
あとは各部屋の消灯をチェックしてと・・・・・』

俺は今、終業前、人気のないオフィスを一人歩いている。
薄暗い廊下に、俺の足音だけがコツコツと響く中、各部屋の消灯確認をしながら、一階へと向かっている途中だ。

『何回やっても、この作業ってあまり気持ちの良いもんじゃないよなぁ・・・』

そう思いながらも、一通りの部屋をチェックし終え、
最後にトイレの消灯と自分の「用足し」の為にトイレに向かったが、すでにトイレの灯りは消えている。

『おいおい・・・。ますます気持ち悪いじゃねえかよ。えーっと、たしかこの辺りだったよな・・・。右の壁の・・・』

もうすっかり日も暮れてしまい、手探りで蛍光灯のスイッチを探し、ボタンを押してみるが反応がない。

『ありゃ!?。壊れてんのかな。ううっ、背に腹は変えられぬ。
ここは女子トイレで・・・っと。』

廊下を挟んだ向かい側の女子トイレで用を足そうと振りかえると・・・!!!!

今まで消灯しながら歩いてきた、廊下の一番奥の部屋から順番に、部屋の明かりが点いてきている!
時計の秒針が時を刻むように、刻々とそして確実にこちらに向かって明かりが押し迫ってきている!
逃げ出そうとするが、体が全くいうことをきかない。
幸い「漏らす」ことは回避できたのだが、そのまま意識が遠のいて・・・・・・

気がつくと、俺は自分の部屋のパソコンの前で、仕事着のままうつ伏せになって寝ていた。どうやらいつもの様に仕事から帰って来て、メールチェックをしてる時にそのまま寝てしまったようだ。

『最近仕事がハードなうえに、毎晩のネットサーフィンじゃぁな。体ももたんわな。ちょっと生活見つめる必要ありってか』

モニターには受信メールの一覧と、最近メール交換するようになった女性からのメールが映し出されている。
一通りのメールに目を通して、ホームページの掲示板のチェックをするべくアクセス。

『おっ。投稿ホヤホヤの新規発言ありか。さてどんな内容かなっと。』

ー初めまして。最近私もホームページを作り始めました。お暇な時にでも覗きに来てください。ー

『なんだ、宣伝か・・・。まあいいや、一度見てみるか。』

早速リンクされているアドレスをクリックしてみる。
アクセス完了まで多少時間がかかったものの、
ようやくタイトルらしきバナーがぼんやりと映し出され・・・・・

ん?なにか様子がおかしい。画面が少しずつ歪んでいっている気がする。そのうちマウスポインターの自由が利かなくなり、勝手に次々とリンクをクリックし始めた。

次々と目の前に映し出される画像。
なんの変哲もない天気予報、経済欄、スポーツ速報等が、フラッシュのごとく映し出され、その更新スピードは徐々に増して行く。そしてその間に廃退的画像が挟まれていく。
PUNKS、モヒカン、女性の裸体、そして目を覆いたくなる画像の数々が、やがて目で追いきれないスピードで映り変っていき、頭がクラクラとし始める。

『・・・・ビ・・ジュアル・・ドラッグ・・・・か・・・・』

自分の視点がどこを見ているのかわからなくなってきて、
またも、しだいに意識が遠のいていく・・・・・・

次に気がついたのは、薄暗い自分の部屋のベットの上だった。壁に掛かった時計に目を凝らしてみると、仕事から帰って来てから3時間ほどたっている。先程までの出来事の記憶は鮮明に残っている。

『夢・・だったのか?』

ボーッとした意識の中で、今の自分の状況を把握しようとしていると、背後で何かが崩れ落ちるような音が!?。
体を起こして振り返ろうとするが、異常に体が重く上半身を起こす事すら出来ない。

『金縛りか・・・・』

金縛りは何度か経験があり恐怖は感じない。
仕事で疲れているときに度々体験しているので、心霊現象云々というのは、あまり信用していないほうである。
ただ、今回に関しては、やたらと背中に汗をかいている。
でもまあ、暫くボーっとしてりゃ元に戻るだろうと、そのまま横になっていた。

「ガリッ、ジジジッ、カリカリカリッ・・・・・・」

パソコンのハードディスクが動く音で気がつく。
正確に言うと、先程までの意識とは別の部分と言うか、金縛りのまま横たわっている自分とは別の所で、ハッと気がついたというか・・・(全然正確じゃないな・・・)

びっしょりと汗をかいた、少し重たい体でパソコンのモニターを見てみると、定時に起動するようにセットしてあるウィルスチェックソフトが、ハードディスクの中を血眼になって検索してやがる。

『今日はもういいよ。久しぶりに更新ネタ出来たことだしな。久しぶりに日記でも書いてみるか』

と、ウィルスソフトを強制終了してみると、画面に残っているのは、メール一覧、女性からのメール、そして・・掲示板。

今、この原稿を書くべくキーボードを叩いている。
今ではすっかり目も覚めて、意識もはっきりしている。
これを書き終えれば、いつもの如くサーバにアクセスして、アップロード作業。その後ネットサーフィンと掲示板チェック。

・・・果たして、
今現在、この瞬間は現実なのだろうか。

                        - momiji -

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