お茶汲みさんを探せ!(2001/06/03)
マリーナ・フラジャイル[女戦士]、エース・ランナウェイ[男盗賊]、アービン・ファロット[男魔術師]、スルーズ・ソア[女戦士]、セラフィナ・ノートン[女神官]
晴れて盗賊団『クリムゾン・ヘルカイト』の一員となった若者達は、彼らの隠れ里へと迎え入れられた。
そして、七本刀の三ノ太刀、この『クリムゾン・ヘルカイト』の最長老であるグランパから様々な技術の手ほどきを受けながら過ごしていた。
しかし、訓練をしながら過ごす内に、彼らは奇妙な事に気が付いた。
四天王の最後の一人、つまりこの『クリムゾン・ヘルカイト』を率いる首領である人物の姿を、一度たりとも見掛けないのである。
不思議に思った若者達は、様々な人に尋ねて回るが、下位のメンバーは誰一人その姿を見た事が無いと言う。
その上、七本刀の七人も四天王の三人も、首領が何処に居るかは答えてくれないのである。
いよいよ怪しんだ彼らだが、突破口はどこにも見あたらない。
そんな中、ソアがある事に気が付いた。
初めて出会った頃から色々と親身になってくれている、賄い方のお茶汲みの男の物腰がただ者では無い、と言う事に。
グランパから様々な事を学んだせいだろうか、今まで気付かなかったその男の立ち振る舞いは、どう見ても手練れのそれに見えた。
早速、ソアはお茶汲みの男と手合わせを望むが、男はいつも通りに笑って断る。
だが、尚も諦めずにソアが頼み込むと、やむなくお茶汲みは木刀を受け取ってくれた。
しかし、唐突に現れた副長クリムゾンによって、その立ち会いは中止され、お茶汲みの男は用事を言い付けられて連れ去られてしまったのである。
ソアの疑惑は更に深まった。
彼女はお茶汲みの男についてあちこちに聞き回った。すると、不思議な噂が耳に入って来た。
この『クリムゾン・ヘルカイト』の七本刀には、密かに八本目の『隠し刀』と言われる部隊があると言うのだ。
その『隠し刀』のメンバーが誰なのか下位のメンバーは誰一人知らないのだが、四天王の暗殺者ウィンドが隊を率いていて、メンバーは普段一般隊員の中に紛れていると言うのが通説だった。
そして、件のお茶汲み男はそのメンバーの一人ではないか、と言う噂があったのだ。
ソアはますます興味を深め、お茶汲み男の正体を明かすべく、隠れ里中を走り回って行った。
彼女は手当たり次第に聞き回った。彼女がお茶汲みを探していると言う話は、あっと言う間に里に知れ渡った。
ソアは七本刀全員に尋ね回ったが、やはりお茶汲みの居場所を答えてくれる者はいなかった。しかし、彼らはみな一様に奇妙な反応をした。
何かを隠しているように吹き出したり、白っとぼけたりしているのだ。
最後に、四ノ太刀のラヴの教えてくれた方向……四天王の会議室……へ向かったソアは、ようやくお茶汲みの男と再会する事ができた。
渋るクリムゾンを宥めながら、ようやく手合わせを承知してくれたお茶汲みの男は、翌朝、彼女と対峙する。
木刀二本を無造作に引っ提げたその姿に緊迫感はまるで無かったが、ソアの気が一瞬逸れたその瞬間、彼は目にも止まらぬ勢いで打ち掛かって来た。
最初の一撃でソアの着けていたバックラーが粉砕され、続く二撃目をソアは辛うじて防いだが、防ぎ切れてはいなかった。
体勢を立て直す間も無く、嵐の如き勢いで畳みかけてくるお茶汲みの男に、ソアは防戦一方に押し切られ、10秒と持たずに敗れ去った。
若者達の疑惑はここに晴れた。
お茶汲みの男はシモンと名乗り、この『クリムゾン・ヘルカイト』の長である事を明かした。副長クリムゾンは、いわば影武者なのだと。
彼らはシモンの正体について固く口止めされ、そしてこの『クリムゾン・ヘルカイト』の真の目的を聞かされる。
彼らは30年程前、突如現れた魔法使いによって滅ぼされた王国カルバーンの生き残りであり、亡国カルバーンの復興の為に活動しているのだと。
既に王家の血筋は絶えているが、近衛騎士団の一員だったシモンは、王家の恨みを晴らす為に戦い続けているのだ。
to be continue
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