邂逅(2001/11/18)
マリーナ・フラジャイル[女戦士]、エース・ランナウェイ[男盗賊]、スルーズ・ソア[女戦士]、セラフィナ・ノートン[女神官]、アーシア[女神官]、ウーモン・カンダール[男騎士]
カランダの別荘を襲撃した時の手際を認められ、一行は望むままの技術の手ほどきを受ける事ができた。
『クリムゾン・ヘルカイト』の教官役であるグランパはその全ての時間を彼らの為に裂き、様々な技術を彼らに教え込んだ。
七本刀の四、『クリムゾン・ヘルカイト』随一の美少女であるラヴと親しい付き合いを重ねるようになったエースは、ある日彼女から、『クリムゾン・ヘルカイト』の偽物が出没している噂を耳にする。
赤備えの『クリムゾン・ヘルカイト』はその装束を真似る事が容易であり、その残酷さから狙われた者は戦うまでもなく逃げ出す事が多い。
エースは、『クリムゾン・ヘルカイト』にきちんとした目的があるのなら、逆にその偽物に『クリムゾン・ヘルカイト』として滅んで貰い、自分たちがその名声を持って名を挙げればいい、とラヴに告げた。
ラヴはその意見をその次の四天王・七本刀の会議で発言したが、今までのやり方に固執する副長クリムゾンがこれを拒絶。方針を覆すには至らなかった。
それからしばらくして、カランダの行方を追っていたウィンドが情報を掴んで戻ってきた。
赤牙山脈の奥、既に使われなくなった古砦にカランダは潜んでおり、『クリムゾン・ヘルカイト』の追っ手を恐れて防備を固めていると言うのである。
『クリムゾン・ヘルカイト』はこの砦を攻撃する事を決定。一行はリビングデッドの隊に編入され、出撃準備に取りかかった。
一方、領主カランダの息子であるウーモンの元には、救援を求める父からの知らせが舞い込んでいた。
ウーモンは、勝手の分からぬ古砦で敵を待ち受けるより、自分の領地であるアッパーホースの里で迎え撃つ事を選び、至急父親を呼び寄せるべく迎えを差し向ける。
これと同時に、カランダは既にアッパーホースの里に匿われているとの流言を撒き、あからさまな防衛戦の準備に取りかかった。
勿論、この情報は『クリムゾン・ヘルカイト』の知る事となる。
ウィンドが短時間で調べ上げたアッパーホースの情報が軍議に掛けられ、領主ウーモン・カンダールが極めて変わり者であり、通常平原で使用される騎馬を山合の里に大量に集めている事や、
近隣の領主には珍しく、民草と交わって共に働くような男である事が伝えられた。
目標であるカランダが古砦に居るのかアッパーホースに居るのか、判断の付かなかった『クリムゾン・ヘルカイト』だったが、副長クリムゾンが自らの主張「万が一、古砦に籠もったままとしても、
アッパーホースを先に潰して逃げ場を封じるべきだ」を押し通し、アッパーホースを襲撃する事が定められた。
アッパーホースへは『クリムゾン・ヘルカイト』約200名で押し寄せる事が決まり、一行はリビングデット隊の一員としてこれに加わった。
そんな中、神官のアーシアは戦いを回避するべく、代行案をリビングデッドに掛け合うが、「それらの事を考えるのは上のする事で、自分らは命じられたままに戦うだけだ」と信じるリビングデッドを
説得する事は敵わなかった。アーシアは矛先を変えて、『クリムゾン・ヘルカイト』の最古老でもあるグランパに相談を持ち掛ける。
グランパは、アーシアと語り合い、その真意をくみ取った後、その話を上層に掛け合ってくれる事を約束してくれた。
一方、エースはアーシアの行動など知らず、直接団長であるシモンに掛け合っていた。
アッパーホースの領主が変わり者だと言うなら、その知恵を手に入れる為に和睦してはどうかと持ち掛けたのである。少なくとも、馬を山岳地に集めるなどと言う、奇妙な振る舞いをする以上、
そこには何か誰もが思いつかなかったであろう策があるに違いない、と。
元々、他人を傷付けることに倦み疲れていたシモンは、次の会議でその旨を決める事をエースに約束し、その場を立ち去って行った。
翌日、アーシアはグランパに招かれ、団長シモンと直接まみえる機会を与えられた。アーシアは『クリムゾン・ヘルカイト』の団長がシモンであることを初めて知り、しかも団長直々に上申する事が認められて
大いに慌てたものの、グランパに促されて自らの意見を口にした。
これが面白くなかったのが、その場に居合わせた副長クリムゾンだった。ろくに戦いの場へ出た事もない神官風情が、隊の方針を覆そうと言うのである。彼は事あるごとにアーシアの言葉を遮り、
その意見を拒絶した。
アーシアはその干渉に不当なものを感じ取り、臆する事無く、自分を招いたのは団長であり、話をしている相手も団長である事を指摘した。それまで黙ってクリムゾンの干渉を見ていたシモンは、
初めてそこでクリムゾンを遮り、アーシアに続きを語るように促した。彼は、アーシアがその程度の反論で自説を引っ込めてしまう人間が否かを見ていたのだ。
さもなければ、『クリムゾン・ヘルカイト』全体を動かす意見を口する資格などないと、彼は考えていたのである。
アーシアの意見を直接聞いたシモンは、エースもまた戦いを避けるように上申していたことを告げ、エースをも呼び寄せる。
シモンは、アーシアとエースに向かって、二人の意見を採り入れる事を告げ、その代わりに『クリムゾン・ヘルカイト』を代表する使者としてアッパーホースへ赴くように命じた。
アーシアとエースは、マリーナ、セラフィナ、スルーズの三人を伴い、アッパーホースへ向かって出立した。
一方、アッパーホースの領主であるウーモンは、その使者が向かっている事を聞き、父カランダと僅かな騎兵を引き連れてこれを出迎える事を決意。
里を出て『クリムゾン・ヘルカイト』の使者を自ら出迎えた。
エースは団長シモンから預かった書状をウーモンへ手渡し、ウーモンはその書状の書式から改めて『クリムゾン・ヘルカイト』の長が騎士の作法を修めている事を確信すると、会見の座を設ける事を承知した。
この時、『クリムゾン・ヘルカイト』に狙われた上、実の息子にさえその素行をなじられていたウーモンの父、カランダは窮地に陥り、密かに、禁じられていた召喚の法を用いて二体の悪魔を呼び出した。
突如現れた恐ろしげな悪魔は、カランダが贄として定めたウーモン麾下の騎士達に襲い掛かる。
ウーモンは咄嗟に騎士達を叱咤激励して統制を取り戻し、全員を散開させて悪魔に備え、マリーナとスルーズの二人は果敢にもこの悪魔へ挑んで行った。
しかし、悪魔のその更に向こう側に、一行はもう一人の気配を感じ取る。そこには、漆黒の禍々しい鎧に身を固めた男が立っていた。
その黒騎士は、一行には目もくれず、ただ領主カランダに向かい、彼が魔王ザラダンの機嫌を損ねた事を告げ、その命を以て罪を贖うように告げた。
ウーモンは実父が如何に堕落していたかを知り愕然としたが、父の処罰は自分で与えると言い切って自らの手でカランダの首を刎ねた。
その後、一行を見渡した黒騎士は、『クリムゾン・ヘルカイト』を揶揄するような台詞と共に、二体の悪魔を引き連れて去った。
数日後、『クリムゾン・ヘルカイト』のシモンと、アッパーホースのウーモンは直接まみえた。ウーモンは、『クリムゾン・ヘルカイト』の真意を問い質し、その為に取ってきた手段が間違っている事を指摘した。
真に、亡国カルバーンを復興させたいのならば、山賊紛いの行動ではなく、武勇を以て天下に名を知らしめ、覇を唱えねばならない、と。
そして、もしもシモンにそのつもりがあるのなら、力を貸そう、と。
シモンはその言葉を受けて、山賊『クリムゾン・ヘルカイト』の解散を宣言し、カルバーン王国騎士団『クリムゾン・ヘルカイト』でもなく、個として亡国カルバーンの復興を志す事を誓う。
シモンと、彼に付き従って残った約100名を除いた者たちは、それを聞いて立ち去り、この日山賊団『クリムゾン・ヘルカイト』は消滅したのだった。
to be continue
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