ザマダール王国(2003/11/30)
マリーナ・フラジャイル[女戦士]、ウーモン・カンダール[男騎士]
開拓民を受け入れて数週間経ったある日のこと、傷付き息も絶え絶えになった数人の男たちがカランダへ辿り着いた。彼らは、ウーモンから資金を貰い、イスタ河の上流方向へ向かった一団であった。
マリーナが話を聞いてみると、彼らは森林部を開墾していたのだが、ある時化け物が出て、家もなにも壊されてしまったのだと言う。
マリーナから話を聞いたウーモンは、騎士の一団を率いてその化け物の討伐へ出ることを決める。マリーナは、カランダに駐在中のゴブリンの傭兵団《ハシャクの牙》の動員を提案し、
騎士団とゴブリンの混成部隊による討伐隊が組織されたのだった。
開拓民らによると、化け物は巨大な石の身体を持っていて、恐ろしく力が強いのだと言う。
彼らの話を裏付けるように、開拓民達が切り開いた開墾地の家々は見るも無惨に薙ぎ倒され、破壊されていた。
ウーモンは森林の捜索を指揮すると同時に、その石の化け物についての情報を集めた。
開拓民の話によれば、石の怪物は森の奥から現れたらしい。
と、平原に待機させていた騎士団から怪物が現れたとの一報が入った。
怪物は予想通り、ストーンゴーレムの一種であるようだった。
すぐさまウーモンは自ら騎馬を駆り、先陣を切ってこのゴーレムに立ち向かった。
騎士団の一斉突撃と、弓兵隊の掃射と傭兵団の擲弾攻撃に、ゴーレムは徐々にその力を削がれ、ついには崩壊して果てたのだった。
しかし、ゴーレムは一体だけではないらしい。
傭兵団《ハシャクの牙》のシャーマンであるヴィネは儀式を執り行い、怪物が現れる原因となった何かについて神託を求める。
それによって、森の奥に何らかの原因があると言うことが判ったウーモンは、森林部の捜索を傭兵団のレンジャー隊に一任する。
発見されたゴーレムは巧みに森から平原におびき出され、一体一体殲滅されていく。
そして、2週間目、ようやく森の中に原因と思しきモノを発見した。
それは地面に口を開けた開口部だった。
地面の下に何らかの建造物があるようで、その天井の一部が崩れているのである。
おそらく、開拓民らが石材を求めてこの辺りを掘り起こし、この穴を開けたようだった。
穴の中は出口の全くない広い部屋になっていた。中央には怪しげな魔法文字に覆われたオベリスクが建っており、同じような文字が床や壁、天井を覆い尽くしている。
これが何らかの魔法装置(恐らくはゴーレムの動力源かなにか)であると見当をつけたウーモンは、この穴を埋めることを決めた。
全員が表に退避し、ヴィネがこの穴を埋めるために、魔術を使って天井を崩壊させたときだった。
不意に一人の男が現れた。
鋼の仮面に素顔を隠し、黄色いマントを纏ったその男は、埋められた部屋を見て嘆息し、何故装置を破壊したのかを問うた。
彼によれば、魔法装置はゴーレムを制御するためのもので、部屋はゴーレムを閉じ込めておくためのものであるらしい。しかし、部屋の一角が崩れ、魔法文字の欠けたその部屋は、
その力を失い、ゴーレムが森に彷徨い出たようだった。その男は、今から500年ほど前に、当時その一帯を破壊して回っていたそれらのゴーレムを封じ込めるためにこの部屋を作ったのだと言う。
そして、今、魔法装置が破壊された事を感じ取った彼は、何が起きたのかを確かめるために駆け付けたのだと言った。
魔法使いであるらしいその男は、装置が破壊されてしまった以上、ゴーレムを制御する事は不可能だと告げる。だが、語っている途中で何か考えを改めたように、装置を作り直すことが
できれば、再びコントロールを得ることが出来るかもしれないと言った。
魔術を使い、何気ない仕草で部屋を元通りに掘り起こしたその男は、部屋のオベリスクに向かって呪文を唱えた。
すると、オベリスクの頂点に描かれていた文字の一つが奇妙に蠢き始めた。
マリーナとウーモンには、その文字に見覚えがあった。
亡霊都市ヘルハンの尖塔の小部屋で見掛けた怪しいタペストリーを飾っていたのは、間違いなくこの文字に似た紋様であった。
蠢く文字はやがて形を変え、見たことの無い模様を形作り、黄金色の輝きを放って静止した。
魔法使いは、書き替えが済んだ事を宣言する。一同が表に出てみると、4体のゴーレムが整列して待っていた。
男は、これらのゴーレムがウーモンらの手に負えない事を理由に、その全てを引き連れて去って行った。
ゴーレム退治を終えたウーモンは続いて、ハーパノースに駐留しているブラックサンド軍が一斉に引き上げたとの報を受けた。
これが、シュリークと交わした密約に基づいてのことだと見たウーモンは、ハーパノースへマリーナを向かわせる。
しかし、部隊を引き連れてハーパノースへ到着したマリーナが見たのは、固く閉ざされた城門であった。
どうやら、ブラックサンド軍が留守の間に、ハーパノースに潜んでいた盗賊たちが蜂起し、支配権を奪い取った模様だった。
マリーナは部隊を一時下げ、カランダのウーモンに現状を報告し、指示を仰ぐ。
ウーモンは一計を案じ、ハーパノースを内部から切り崩す策をマリーナに授けた。
マリーナは部隊をくつろがせ、毎夜贅沢に暮らしている様を演じさせた。ハーパノースの連中にそれを充分に見せつけた後、彼女は兵の中から数人を選んで商人に扮装させ、
ハーパノースの中へと紛れ込ませた。
街へ入り込んだ彼らは、かねての手筈通りハーパノースを探り、盗賊たちによる支配に苦しむ人々の中に協力者を作りだしていった。
その手際たるや、百戦錬磨の盗賊達を出し抜くに充分であった。
ある夜、マリーナはハーパノースの閉ざされた城門が開くのを見る。その期を逃さず、一斉に突入したマリーナらは、ハーパノースの住民達が立ち上がり、不法に街を占拠していた
盗賊らに立ち向かう様を目の当たりにした。
突然の反乱に驚いた盗賊たちは、体勢を立て直す間もなく突入してきたカランダの軍隊を見て、総崩れとなりさしたる抵抗もなく殲滅された。
ハーパノースを手に入れ、従来のアッパーホース・カランダとを繋ぐ広大な領土を手にしたウーモンは、ここにひとつの決断をする。
今まで己の拠点としてきたアッパーホースを出、彼はカランダを己の直轄とした。そして、カランダを王都とし、自らを王とするザマダール王国の建国を宣言したのである。
to be continue
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