「徳」
汝、若者よ
未来に無限の可能性を持ち
無辺なる世界に挑まんとする者よ
汝の歩みを始める前に
老いたる私の言葉に耳を傾けよ
汝の脚は我より速く
汝の目は我より見え
汝の耳は我よりも聞こえよう
されど、我は汝より多くの地を歩き回り
汝より多くの物を見
汝より多くの事を聞いた
されば汝よ
汝よりも世界を知りたる
我が言葉に耳を傾け
我の述べし八つの物を手に
旅へと出るがいい
汝が背嚢(はいのう)に、「誠実」というロープを入れよ
それは、苦難という崖を友と乗り越える時に
汝と友を強く結びつけよう
水袋には、「慈悲」という水を入れるといい
それは、情に乾いた人を癒す何よりの薬となろう
足には、「武勇」という靴を履け
それは、どんな困難な道でも
汝に踏み越えさせる力となろう
汝の腰に「公正」という剣はあるか
それは、汝が悪に立ち向かう時
汝の力となるだろう
「献身」という明かりは携えているか
暗き世にありて嘆く人を
汝はそれを以って照らすことができよう
その身に「名誉」という名の鎧をつけよ
それは、あらゆる恥ずべきものから
汝の心を守るものとなろう
汝は「崇高」という地図を持つべきである
道を歩むとき、常にそれを眺めよ
汝の道行きが何処(いずこ)に辿り着くかを知るために
そして汝よ、「謙譲」という名の外套(がいとう)を纏え
汝が正しくそれを身に付けておらば
人は正しく汝のことを知ろう
汝よ
我の述べし八つの物は携えたか
ならば汝よ
無窮なる世界へと歩み出すがいい
いかなる艱難辛苦が汝の上にあり
万里よりも遥か遠い道を歩む事になろうとも
聖者の軌跡たる八徳と
それによって現されし三つの原理が
必ずや汝を導くだろう