この棚で紹介しているシステム達の説明の前に、まず大本であるゲームのジャンル、TRPG(テーブルトークロールプレイングシステム)についてご説明しましょう。
まずこのゲームの特色として最大の物から。
このゲームには明確な勝敗の基準がありません。通常、全てのゲームには自分と対戦者、という明確な線引きがなされている物ですが、このTRPGにはそれが無いのです。しいて言えば、全員が一丸となって目標に突き進むチームワークのゲームと言えるでしょう。
では具体的にはどんな事をして遊ぶのかと言いますと、決められたルールを使用して、自由に行動を楽しみながらそのゲーム内で決められている目標をクリアするボードゲームのようなもの、と言って良いでしょう。
ゲームの参加者達はまずゲームマスターとプレイヤーという二つの種類に分けられます。
ゲームマスターとはこのゲーム内で、ルールを活用し、ゲーム内での目標を設定するいわば審判役です。ゲームマスターは基本的には一つのゲームに一人。このゲームマスターはゲーム内での目標と、それが何故必要なのか、そしてどうしてその目標があるのかをプレイヤーに説明して、それを物語調に見せる役割りでもあります。
さて、プレイヤーはその目標のためにできた物語を冒険する自分の分身達、つまりキャラクターをルールに基づいてつくり、そしてそのキャラクター達のつもりで考え、ゲームの中で行動させていきます。
このゲームは基本的には必要とされる道具は筆記用具、サイコロ、そしてほんのちょっとの想像力だけです。ゲームマスターやプレイヤー達はそのゲーム内でキャラクター達が見ているであろう情景や、その時の気持ち、表情を会話で説明し、またそこからルールが必要な状況ならそのルールに従って処理していってゲーム、つまり一つの物語を造り上げていくわけです。話だけ聞いているとめんどくさそうだって? それほど難しい話じゃありませんよ。普段の会話と同じようにやればいいんです。
例えばこんな感じに。
| ゲームマスター(GM):「えー、とA君が路地裏に飛び込むと、そこは薄汚い袋小路になってて、ちらばったゴミ箱の合間から赤い光が二つ、目だね、こりゃ。それが君の方を睨みつけているよ」 プレイヤーA(PLA):「悲鳴が聞こえたはずだろ? 誰か倒れてないのか?」 GM:「おう、こりゃ失礼。その赤い目が見えるゴミ箱の隙間から、女の人らしい足が覗いているよ」 プレイヤーB(PLB):「俺もここに来ていいんだよね? じゃあ、それを覗きながら『まだ生きているようだな。おい、助けてやら無いのか』ってつめたーい感じでAに言っておくよ」 PLA:「お前助けないの?」 PLB:「俺はクールなキャラクターにしたいからね。こういうヒーローっぽいのは君に任せる(笑)」 PLA:「うーん。なんだかいいように使われてるだけな気がするなぁ。ま、いいか。じゃあ、その赤い目に向ってビシッと『おい貴様! そこの女の人を離せッ』ってかっこつけていってみるよ」 PLB:「お、なんか主役っぽいね(笑)」 PLA:「うるせいやい(笑)」 GM:「(笑)。じゃあ、A君の言葉にその赤い目の奴は答えずに、行動で返事をしようか。そのゴミ箱を跳ね飛ばして出てきたのは全長は8メートルはあろうかという大蛇だよ」 PLB:「さっき言った事後悔してない?(笑)」 PLA:「い、いや、だいじょうぶさぁ」 GM:「おいおい、声が震えてるぞ(笑)。じゃ、楽しいバトルのお時間としましょうかね?」 |
と、まぁ、こんな感じにゲームが進んでいくわけです。もちろん、話の中では喋ってばかりでしたが、何か物事が上手くいったかどうかを決めるために、ルールが必要になります。だって、今の話で考えると、大蛇と戦うためにはどうやったら勝てるか、お喋りだけでは解決はしないですよね? そこでルールが必要となるわけです。
ただ、この中でゲームマスターはプレイヤー達の敵となって出てくる大蛇を出していたりします。この場合では、ゲームの目的は『大蛇を退治して女性を助ける』と言うわけですが、このときゲームマスターはプレイヤー達の目的達成を阻止するのが目的ではありません。ここがこのゲームの特殊な所ですが、ゲームマスターはあくまでもゲームを楽しめる状態を作るホスト役でもあるので、プレイヤー達を打ち負かすのが目的ではないのです。もちろん、プレイヤー達がゲームの中で、目的達成に対してあまりにも上手くないやり方をしたときはゲームマスターはきっちりとプレイヤー達を打ち負かして構いません。ですが、プレイヤー達が冴えたやり方でゲームの目標を達成しようとするならば、公平な審判役として、それは達成させなければいけないのです。
TRPGにおける勝敗の基準とは、ゲームマスターはプレイヤー達がそのゲームを堪能し、それによって賛辞を受ける事が勝利であり、そしてプレイヤー達はゲームマスターが設定した目標を楽しみながら、愉快に達成した物が勝利だと言えるでしょう。そう、このゲームにおいては勝利は双方にもたらされるべきものなのです。
さて、前置きが長くなりました。後はこのゲームを楽しむためのルールの説明とまいりましょうか。そして、試行錯誤を繰り返しながら、このゲームを楽しんでみてください。自分の想像力を駆使したまったく新しいゲームが楽しめる事でしょう。
使用するサイコロの種類
このゲームではいくつかの種類のサイコロを使用します。多面体のサイコロはゲームショップ等で手に入りますが、手に入らない場合はトランプのカードを数字に見立てて用意してやるのもいいでしょう。
サイコロの呼び方
ルール中、サイコロの振り方を指定する場合、必ず略称を使用します。略称の呼び方は、『1D10』というように頭の数字がサイコロを振る個数、そして最後の数字がそのサイコロの種類を表すようになっています。例えば、
『1D6』では六面体サイコロを一個振る、といった具合です。
また、このサイコロの略称にさらに『〜+10』等と記号がつく場合があり、この場合はサイコロの結果に、指定された数値を足したり引いたりするという意味です。
特殊な例としては『1D100』という物があり、これは十面体サイコロを二個、または二回振って、片方を十の桁、もう片方を一の桁としてみて、1〜100までの数字を表現する物です。
これで説明はおしまい。
後は私の作ったシステムや、ゲームショップにおいてある市販の品々等を手にとって、お友達を誘ってやってみてください。もし、やり方がまだピンと来なかったら『TRPG』等でインターネット検索をかければ結構ひっかかりますし、チョット声を掛けてみればやった事ある人がいるかもしれません。
もし、少しでも興味を覚えたならぜひ遊んでみてください。コンピュータやネット越しに楽しむRPGとはまた違った楽しさを体感できるはずです。
それでは、よい冒険を!