十二人の申し分なき妹達 篇

2002/01/26

 まず簡単なOPデモが流れる。12人の妹が12様の呼び方で兄を呼ぶのだが……兄くん、おにいたま等々の奇抜な呼び方を実際に声付きで聞くとかなり不気味なものがある。ヒィ。そして画面中をその奇抜な単語が乱舞した日にはもう、う、うああーーっ! という感じでありこれを正視しぬくことができた者だけにシスタープリンセスをプレイすることが許される、のか。

 九人の妹からパーティーに呼ばれる。九人てなあ。しかし主人公くん、その事実をごく平然として受け止めている模様。それどころか各妹の兄を呼ぶ名にあわせて自分の一人称を「おにいたま」「お兄ちゃま」等使い分けるという器用なことまでしてらっしゃる。やるな。とか思ってたら咲耶に対しては「僕」とか言ってる。精神年齢の低い相手に対してのみ使い分けを行う模様。統一せえよ。何故そこまで気を使う? 多量の妹と一緒に過ごした十数年の歳月がそうさせるのだろうか。まあ、「多量の妹と一緒に過ごす」という点に関しては、主人公のほうに一日どころか十数年の長があるのだ。彼のやり方がもっとも賢明なものなのであろう。

 パーティーの翌日三人のエクストラ妹が訪ねてきた。「驚いたなあ。父さんも母さんも日本に帰ってきてないから、まさか新しい妹が来てるとは思わなかったよ」とは主人公の弁。妹に新しいも古いもねえだろォォがァァ――――ッ! この親子は本当に人類の一員なのか。

 12人の妹との面通しが済んだあと、「もし12人の中から一人選ぶとしたら」とマイシスターなるものを選ぶ羽目になる。選ぶってどういうイミ!? というわけでそこはかとなく七瀬優(註1)風味なオーラを発散する千影を選んでみる。一体どのような経緯で兄くんなどという奇抜な二人称を使用することになったのだろう。
 選んだ直後「ま、選んだからってどうってワケじゃないけどね」とおっしゃる主人公。妹12人という事実に圧倒されがちであるがこの主人公もなかなかいい性格してんなあ。まあ妹がそんなにいたら性格も歪むわな。

 一日の終わりに妹から送られるメールをチェックする。君ら全員口語体でメール書くのな。

 2月14日、聖バレンタインデー。妹たちがこぞってチョコを持ってくる。登校前の自宅で、登校途上で、学校で、そして帰り道ふらりと立ち寄った場所で、ことごとく。わざわざ主人公が回収して回ったという気配がないでもないが。
 夜に千影がわざわざやってきてチョコをくれた。「食べる勇気があったら食べてくれ」とのこと。ちょうど今日「毒入りチョコレート事件」(註2)を買ってきたばかりだけに猛烈にいやな予感がする。その後メールが届いて「お礼は兄くんの体で」とも言ってきた。文脈から察するに、兄くんを剥製にして保存したいと言っているとしか思えない。こいつはかなりの倒錯趣味ではないのだろうか。

(註1)七瀬優:センチメンタルグラフティのヒロインの一人。他者には理解しがたい行動様式の持ち主、という点ではそっくりといえる。

(註2)毒入りチョコレート事件:アントニィ・バークリー著、創元推理文庫。郵送されてきたチョコレートを食べて死亡した、という事件を犯罪研究会の面々が独自の調査、六人六様の仮説を立てて論争するという話。

2002/01/27

 ここではじめてマニュアルを読んでみる。
「お兄ちゃん(主人公)には9人のかわいい妹がいる。でも、事情があって、妹たちは普段、いろいろな家庭に別々に預けられている。」とある。
 たしかに、日本という国では10人きょうだいを育てるというのはかなりの難事ではあろう。しかし「別々の家庭に預けられている」とはどういうことなのか。「子供が多すぎて育てられないからあんたんとこに預けるわ」といわれてはいそうですかと預かる人はいるまい。つまり、妹たちを預かっているほうにも、子供を預からねばならない、あるいは自分から能動的に預かろうとした理由があるはずだ。ちょっと考えてみて思いつくのは――

1:遺伝子操作またはクローン実験等の結果。あるいは「ブラジルからきた少年」(註1)的環境再現実験とか。
2:かつて彼らは山中の洞窟で人知れず原始的生活を営んでいた一族だったが、発見保護されてその後里親募集が行われ、散り散りに連れられていった。
3:実は父親が多子を宗旨とする新興宗教の教祖。妹たちを預かっているのはその信徒たち。

 どれも仮説の域を出ないが、どこかにすべてを説明しうる真実があるはずだ。それは妹たちの発言の端々から少しずつ推測していくしかないだろう。全ての鍵を握るのは父親であろうが、出てくるとは思えないし。

 早朝、衛、可憐、雛子と立て続けに三人の襲撃を受ける。朝っぱらから急用か、とか思ったら「一緒にマラソンの練習しよう」とか「一緒に学校に行こう」とかいう。おまえらもう少し落ち着けよ。結局雛子と一緒に学校にいくことになったのだが、どうも主人公、この明らかに小学生としか思えない雛子と同じ学校に通っているらしい。嘘だろう。いわゆるエスカレーター式の同系列の学校(註2)という意味か? 謎だ。こいつ一体何歳だ。あと常にYの字のポーズを取っているのも謎。

 昼には白雪の襲撃を受けて一緒に鍋を食う羽目になる。学校で。そして「手作りのお弁当が食べられるなんて結構幸せな気分だ」とのたまう主人公。これを「手作りのお弁当」と言いきるのかッ! こやつなかなかの大物のような気が……

 放課後鈴凛が自らの手によるメカ鈴凛試作1号機を連れてくる。そしてまたしても研究資金をせびられるアニキ。パトロンなんだから「2号機は核バズーカを撃てるようにしてくれたまえ」(註3)とか言ってやれ、と思った。それにしても兄の小遣い程度で作れるようなおもちゃとは思えない。投資の金額は具体的には書かれてないがかなりの額ではないのか? ブルか?主人公はブルなのか?(註4) この謎の家族の正体を示す手がかりの一つとして覚えておこう。

 放課後も咲耶、春歌、四葉と襲撃を受け予定を狂わされる主人公。
「まあ、かわいい妹のせいで予定が狂うんじゃあ、納得するしかないけどね」
 それがおまえの処世術か……。同情したくなってきた。

 千影のペット影千代が唐突に現れて胸騒ぎを覚える主人公。見ただけで胸騒ぎを覚えるペットとはいったいどのような生物なのか。手がかりとなる描写は唯一、「飛ぶ」らしい。鴉か?

 毎日、一緒に登下校する相手を選べるらしい。のだがマイシスターたる千影は学校が遠いので誘えないとのこと。というわけで適当に片っ端から誘ってみることにした。で、咲耶を選んでみたら「咲耶とは学園が一緒だから」と主人公はいった。それはとりもなおさず咲耶と雛子が同じ学校に通っている(註5)ということなのだが……嘘だろう?

 河原で千影が霊と語り合っておられた。しゃべり方が妙に七瀬優に似てるよなあ。だが別れの挨拶が「また、来世」というのはどうだろう。

 喫茶店近くにて咲耶の御学友に出くわす。彼女らの間では咲耶は重度のブラコンで通っているらしい。ところが本人曰く「私がブラコンだなんて根も葉もない噂だわ」。嘘つけェェ――――ッ! つうかむしろ君のために作られたとしか思えぬ単語だってえの。でも「咲耶の言うとおりだね」と答える主人公。それが彼の処世術なのだ。

 基本的に千影嬢につきまとうようにしているのだが。言動から察するに、彼女はなにやら人外の生命体であるような気がしてきた。遺伝子操作説にポイント1。彼女一人だけ住んでいる世界が違うような気がするのだが……

 咲耶と可憐がコンビを組んで昼休みに教室を襲撃してきた。咲耶のあまりのラブっぷりに引くクラスメイト。しかし主人公は「ま、かわいい妹のおふざけだからな」と納得する。クラス内での評判より妹をとるのか主人公。妹たちから好かれる理由がだんだんわかってきた。

 日曜早朝亞里亞宅のメイドさんの襲撃を受けた。亞里亞から「じいや」と呼ばれているので(亞里亞の世話をしてくれる人間の職業名を「じいや」と思っている模様)、主人公にも「じいやと呼んでください」とおっしゃるメイドさん。それはどうよ。で、何故急遽やってきたかというと亞里亞が「兄やに会いたい」とダダをこねている、とのこと。行ってみたら、自家用メリーゴーランドが点検中のため動かないから兄やが馬になれ、だって。必死こいて馬になり部屋中を駆けずり回る主人公。あまりに好評だったので「亞里亞、兄やお馬さんに乗りたくなったら、兄やすぐにおうちにかけつけてきてね。ニンジンやるから」とまで言われた。そォれ馬のよォに鳴いて見せろ〜! とかいう感じで。おまえはルカ王子(註6)か?

(註1)「ブラジルからきた少年」(アイラ・レヴィン、早川文庫NV):ナチスの残党ヨーゼフ・メンゲレがヒットラー復活の実験を行う話。ヒトラーの遺伝子を使用して生まれた子を、ヒトラーとまったく同じ環境の元で育て、肉体精神ともにヒトラーそのものの人間を作ろうというものである。

(註2)同系列の学校:その後初頭部とかいう単語が出てきたのでどうもそうらしい。花穂は初等部とのこと。

(註3)2号機:ガンダム0083.言うまでもないようなことのような気がするがまあ念の為。その後鈴凛は様々な発明品を繰り出してくるのだがことごとくが試作1号機。もう少しひとつのことに集中せえよ。

(註4)ブルなのか?:だがその後「今月は厳しいのでコーヒー一杯飲むのにも迷う」という発言があったのでそうでもない模様。ということはメカ鈴凛も実は制作費がかなり安いということか? 先行者並?

(註5)咲耶と雛子が同じ学校に通っている:中等部と初等部、ということなら納得できる。

(註6)ルカ王子:幻想水滸伝2の登場人物。村を一つ丸ごと焼き払った際、命乞いする村人に「ならば豚のまねをして見せろ」と言ってさんざん豚のような鳴き声をあげさせた挙句「豚は死ね!」と斬り捨てる、というオモシロエピソードあり。

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