竜崎さんがこわいので 篇 |
| 2002/03/19 空高くそびえるマラソン大会へも ――ウェールズの童謡 花穂は、ひたすらにドジな娘である。紹介には「意外にちょっとドジっぽいところもあるみたい」とあるが、この表現は生ぬるいというものだ。むしろドジという単語を体現するかのごとき少女であり、用意された罠にはことごとくひっかかる。用意されていない罠にも自らひっかかりに行く。下を見るなといわれたら思わず下を見てしまうようなタイプ。生まれながらにしてドリフ発生装置を内蔵しているに違いない。一人にしておけば世間の荒波にすごい勢いでさらわれてしまうことだろう。兄たる僕には、彼女を庇護する義務がある。 |
| 2002/03/24 登下校を付き合ったのだが、花穂はたった一日で三回も転んだ。多過ぎだ! 幸い怪我はないようだが。まあ、何回も転んでいれば、怪我しないように転ぶ術も勝手に身につくだろう。関東以西で雪が降って路面凍結して転んで怪我人が何人も出たというニュースがたまにある。これを聞いて雪国の人間は腹を抱えて大笑いするわけだが、これは別に東北人は転ばないわけではない。転ぶけれども、転んだときに怪我しないような体勢をとることを幼児の時から学んでいるのだ。まあそういうことなのだろう。しかし凍結もしていない道路でこけるのはどんなものだろう。三半規管が未発達なのか? |
| 2002/03/25 花穂と一緒に植物園にいく。グリーンフィンガー捕獲のため、僕は寝る間も惜しんで用意を行った。トリモチセミ取り網ゴキブリホイホイ、果ては地球破壊爆弾まで用意は万端だッ! と勇んでいったはいいものの植物園は平和で動くものといえば花に群がる虫どもしかいない。さてどこから捜索したものカシラ、と悩んでいたのだが、気がついたら花穂の姿が消えていた。はぁぁッ! きっと、ドリフ発生装置が発動してグリーンフィンガーに襲われているに違いない。よォしとっつかまえて一躍有名人になっちゃうぞ〜と慌てて僕は花穂の姿を探した――が、実のところ花穂は花に見とれ、浮かれて僕の元を離れただけだった。 |
| 2002/03/27 話に夢中になりすぎると転ぶから危ないよ、と教えてやったのだが花穂はなにやら自信ありげな模様。最近は足元をしっかり見て歩いているから心配御無用、と言いきったが、直後街灯に激突した。君は、その年で、なんで体を張ってまでお約束なことをするのだ。将来、天然系アイドルでデビューを狙ってみるのはどうかね? |