ロリのとき 篇

2002/02/07

 雛子はロリータ属性に分類されるのではなかった。ある意味で、ロリータそのものだった。

 ――ダニー・フェン「狩りのとき」

 さもなくば、磯野ワカメがオバサンに見えるような目に遭わせてやる。

 ――ボブ・リー・スワガー「極大射程」

 最年少であるところの雛子をマイシスターとして登録した。全員クリアを目指す以上は避けて通れぬ道なのだ。「おにいたま」と呼ばれる運命から、僕は目をそむけない。
 これまでのプレイではあまり接する機会がなかったので、一番ちっこいということ以外はあまりよくわからない。Yの字のポーズを取りたがることぐらいか。どうなりますやら。

 いきなり「明日のしみつのお約束」という衝撃的なタイトルのメールが届く。舌足らずのため秘密をしみつと発音してしまうのはしかたがないが、しかし書くときまで「しみつ」とするのはどうかなあ。それとも「しみつ」とは秘密ではなくなにか別のことを示す言葉なのか。謎。
 あとこれは別に雛子だけに言えることではないのだが、妹たちメールの内容にハートマーク使いすぎ。HTMLメール送ってんのかよ?

 雛子からチョコレートを受け取る主人公。「おにいたま、うれしいなあ」とかなり退行してしまっている受け答えをする。最初に書いたとおり、主人公は精神年齢の低い相手の前では相手の二人称をそのまま一人称として使用するのだが。それはどうだろう。でも桜橋涼香サン(註1)は一人称「お姉ちゃん」だったしなあ。主人公の思慮深さの為せる技、と解釈しておきたい。

 河原にて、一人で川に石を投げこんで遊んでいる雛子を発見。年端も行かぬ幼女がそのような行為に打ち興じるとはなにやら寂しさを感じる。話しこんでいるうちに、最近雛子が蝶々結びを覚えたという話題が飛び出る。おにいたまにもリボンを結んであげるとか言い出した。いや僕はクラウド・ストライフじゃないっての(註2)。一瞬「よォしじゃあおにいたま雛子を川に投げちゃうぞ〜」とか思ったが、でもあまりにも雛子が強引に迫るので「う、うん。」と承諾してしまった。僕は幼女にも言い返せない。僕の口はそのようには動かないのだ。

 毎朝雛子と登校しているのだが、今日は学校の前で雛子と別れた直後、するりと春歌がやってきた。ヒィ! 一瞬でも雛子と別れるタイミングが遅かったら、おそらく雛子は春歌に撲殺されていただろう。春歌は兄の回り半径3メートル以内にいる人間は誰であろうとその拳の餌食にしようとするからな……ほんとに誰か彼女を鎖につないでくれよ、と思った。僕の役目かなあ……。彼女の拳はそのようには動かないのだ、と信じたいが。

(註1)桜橋涼香:18禁ゲー「秋桜の空に」のヒロイン。お姉ちゃん。

(註2)僕はクラウド・ストライフじゃないっての:FFタクティクスにおいて登場したクラウドは、本来女性専用装備であるリボンを装備できた。

2002/02/10

 雛子のおにいたまとなって早半月。なにやら子供のお守ばかりさせられているような具合である。まあしかしある意味これは兄と妹の正しい姿であるような気がしないでもない。

 雛子のような幼女と登校する、というだけで高校生の僕にとってはかなりの羞恥プレイなのだが、今日は歌を歌い始めた。作詞作曲雛子。ヒーナは元気、げんげん元気〜♪ 待機中のソララトフのように無になりたい、と思った。ひ、ひぐーっ!

 雛子に乞われ、一緒にアニメの映画を見に行く。ゴダールという謎の猿のごときキャラクターが出てくるアニメだった。怪盗ゴダール(註1)って猿だったのか?

 今日の春歌さん。野良犬を殺そうとした。ところが逆襲されて逃げ出す始末。なるほど彼女の殺人拳からは犬で身を守ればいいのか。オバQのような奴。なにやら殴ろうとしてから、それが犬だと気づいた、という感じだった。兄君様に近寄るものはとりあえず本能的にぶん殴る、らしい。老若男女人畜問わず。彼女の心はそういう風に動くのだ。

 ひな祭り。雛子は亞里亞とウォータースライダーで遊んでいた。「亞里亞、滑り台、こわい。」と怖がる亞里亞を「下にお菓子があるから」などと言って滑らせようとする雛子。この会話から察するに雛子のほうが精神年齢が高そうに見えるのだが……

 学芸会見にこいや、という雛子のメールを受ける。なんで三月という妙な時期に学芸会をやるのか果てしなく謎なのだが、しばらく前から僕自身も衣装作成、セリフの練習等色々手伝わされていた手前、見に行く。雛子は壇上で堂々と演技していた。寝ている男の子にストンピングかまして泣かせていたのがちょっと気になったが。ピーターパン第二部ティンカーベル争奪戦(註2)で謎のアンテナ拳法使いと戦っているシーンだろうか。

 公園で雛子に会う。常に一人で遊んでいるところを見かけるのだが、友達がいないんだろうか。まあ、学芸会の劇中に寝ている相手にストンピングをかますような奴とは、……控えめに言っても、あまり友達にはなりたくない。
 一緒にブランコに乗ろう、と誘われた。雛子はおにいたまと同じ位ブランコが好きらしい。僕はブランコごときと同列かい!

 鈴凛のメモリ抜き取り事件またしても発生。それにしても、人がコーヒーを入れに行くという短時間の間にパソコンのケースを取り外しメモリを抜き去ってそして元通りにする、とはなかなかすごい芸当であるな。機械方面に関して英才教育を受けてきたのだろうなあ。幼児のときにガラガラのかわりにドライバー持たされた、とか。

 学校帰り、雛子は寂しげだった。離れ離れのママのことを思い出したらしい。ほう? 離れ離れ? どういうことだろう。じゃあ今雛子は誰と住んでいるのか。謎めいた発言である。その晩届いたメールには「ヒナね、きっとさびしいさびしい病にかかっちゃったの。」と書いてあった。雛子が漢字書けなくて良かったなあ、と思った。

 クリア。「おにいたまのお嫁さんになる」とは言われたが、血が繋がっていない云々の話は出なかった。どっちのエンドだ? 血縁? 非血縁?
 結局子供のお守に終始した話だった。仮想恋愛ならぬ仮想子守りとはなかなか斬新ではあるが斬新さが即ち面白さにつながるというわけではなくて、つまりオレ的に雛子はどうでもいいということだ。単にちっこいだけで、特別な性格をしているわけではないからな。
 次は春歌にする。兄として、彼女のシュヴァルツヴァルト殺人空手をなんとしても止めねばならない。春歌は、全般的にどうかしている妹たちの中でも、ひときわどうかしている。

(註1)怪盗ゴダール:「怪盗ゴダールの冒険」(フレデリック・アーヴィング・アンダースン、国書刊行会)の主人公。いやゴダールという名を聞いた途端反射的に思い出したもので。

(註2)ピーターパン第二部ティンカーベル争奪戦:もちろん第三部はピーターパン宇宙飛翔篇。