チャーリー・スウィフトは犯罪集団「猿の檻」に所属する銃の使い手。今回の仕事は他組織のボス、ベガーからの依頼で、奪われた裏帳簿を取り返すことだった。奪還には成功したものの、直後FBIがチャーリーを追いにかかった。おまけに猿の檻のボス、スタンはベガーに拉致され、猿の檻のメンバーが片っ端から暗殺される。とんでもない泥沼にはまったことを悟ったチャーリーだが、オレのボスをコケにする奴はだれだろォが許さない、とばかり手元の裏帳簿を武器に反撃に出る……という話。
面白い。とにかく主人公チャーリーのキャラクターが愉快過ぎだ。ドートマンダーの職人気質とMrクインの饒舌を兼ね合わせ、そしてニック・コーリーのように情け無用でブチ殺す。話の展開自体は単調なきらいがある、というか複数対一という状況を何度も切りぬけるとか、切り抜けられなかった場合は気絶させられるだけですむ、とかいうのがやや作り物めいている感はあるが、面白いからまあいいや。
トーマス・アビィは天才作家マーシャル・フランスの伝記を書くため、彼が生前住んでいた街ゲイレンにやってきた。フランスの娘アンナは父の伝記を書こうとするものをことごとく追い払ってきていたのだが、トーマスは無事彼女のおめがねにかなったようだった。執筆を続けているある日、目の前で少年がトラックにはねられた。トーマスは下宿のおかみからこんな質問を受けた――「あの男の子、はねられる前は笑ってました?」
ごくありふれた田舎の街、だが、トーマスはなにかおかしいものを感じ始めた、という話。
キャロルというとかなり昔に「我らが影の声」を読んでオチの意味不明さに悩んだものだが、コレは面白かった。世界観を超自然の領域へ持っていくくだりがかなり豪快だったが、まあこんなもんだべ。最後にどか〜んと炸裂するのがいい。オチもいい。
アメリカで実際あった殺人事件のノンフィクションらしいのだが、あおり文句に過去の亡霊がどうのこうのとか書いてあって、ノンフィクションのくせにゴシックホラー風味が混じっているのか、と興味を引かれて買ってみた。しかし内容は、事件そのものよりはむしろ、著者の兄がどうして人を殺すに至ったか、その精神形成の過程、家族の来歴について詳しく書いてある。「度をすぎた幼児虐待は一生のトラウマになる」という、今ではごく一般的に知られている事実が、実体験に基づいて、それはもう詳細に書いてある。このような家庭では、そりゃあ人も殺したくなるわ。ブルブルブル。