ロスからハワイに向かうジャンボジェット機がハイジャックされた。ハイジャッカーは米軍機密の最新鋭戦闘機、シャドー81を名乗ってジェットの死角に入って乗客を人質に取り、二千万ドルの金塊を要求してきた。未曾有の事態に大統領府までが動き出すとなったが……という話。
古典。冒険小説と犯罪小説の混成作品というところか。決行までの下準備を描く第一部、ハイジャックの過程と地上で起こる混乱を描く第二部、後始末を描く第三部、と冒険小説と犯罪小説のいずれともとれる。米軍最新鋭戦闘機をいかに持ち出すか、というくだりとか非常に細かく描写されているので俺でも持ち出せるかも、と思えるほどだ。
冗談です。
主人公にしてシャドー81のパイロット、グラントが「俺はベトナム戦争なんかで死んでられねえ、人として産まれた以上為さねばならない大義があるはずだ」とかいいつつハイジャックの目的は結局金かい、というところはやや萎えだったが、特に第二部の手に汗握る展開は非常によかった。
タイトルが「天空の劫火」に似てるのと、上下巻のあらすじ説明がかなり違うというので気になっていたこの作品であるが、読んでみたらかなり豪快な話だった。ロシアの政権を握ったジリノフスキーが、小惑星に爆弾をしかけて軌道変更しアメリカに落っことし、その混乱をついて一挙にヨーロッパを征服するという陰謀を行おうとしているらしい! 穏便な方法で小惑星の激突を避けるには、猶予がたった五日しかない! でもまだその小惑星がどこにあるのかわからない! よォしみんなで望遠鏡で探すぜ〜! という話。で、ロシアは17世紀の天文学者の写本を参考にその小惑星を特定したらしいので、主人公は写本を探しにイタリアで大冒険。時折17世紀の天文学者の話に飛んだりするのでいわばSENCE OFFの椎子の話のようでもある。オチもかなりアホでありすごくオモシロでした。今年のバカミス候補作だな。でもあとがきによるとこの作品をかのクラークが激賞したらしい。む〜……
気象学者フィンドホーンは北極の氷山に取り残された科学調査チームの救出に向かった。調査チームは氷山の中に閉じこめられた50年前の墜落機の発掘が行われており、フィンドホーンは機内である日記を発見した。それはどうやらマンハッタン計画に携わった物理学者ペトロシアンの日記であるらしく、フィンドホーンはアルメニア語で書かれた日記の内容を解読すべく独自の調査を開始する。ところが謎の組織がフィンドホーンを狙い始めたのでさあ大変。日記が解読されて行くに連れ、フィンドホーンはことの重大さを理解せざるを得なくなる――日記には、ペトロシアンが傾倒していたテーマ、真空からエネルギーを取り出し超高性能爆弾を作る方法が記されていたのだ……という話。
かの傑作「天空の劫罰」の著者ネイピアの第二作。今回も期待したとおりのバカ小説で楽しかった。前作の敵は小惑星落としを敢行せんとするジリノフスキーだったが、今作の敵はシリウス星からやってきて、世界を陰から操るすごい宗教団体。失敗者には死をというネオアトランティス並の鉄の掟があったりしてものすごくB級だ。しびれるぜ。