ローレンス・ノーフォーク

Lawrence Norfolk

ジョン・ランプリエールの辞書(東京創元社)

評価:☆☆

 時は18世紀、物語の始まりはフランスとイギリスの間に浮いているジャージー島。子爵家の娘の水浴姿を見てしまったジョンの父は猟犬にかみ殺されてしまった。ジョンは遺産相続の手続きのためにロンドンへ向かったのだが、遺産の中に奇妙な書類を発見する。それはランプリエール家の先祖フランソワが、東インド会社の収益10分の1を得る権利を確約した合意書だった。以降、身の回りで立て続けに神話を元にした見立て殺人が起き、ジョンは密約を巡った一大陰謀劇にまきこまれるのでした、という話。東インド会社の設立、地中海を東へ泳ぐ鯨の伝説、果てはユグノー弾圧の最終局面ラ・ロシェル包囲戦、そして包囲戦のさなか現れた空飛ぶ妖精の言い伝え等々歴史の虚実を取り混ぜながら紡がれる歴史ミステリーである。さらにオートマタは出るわロンドン地下に巨大迷宮があるわ(巨大な恐竜が化石化したその胎内だそうで)自動ジャガイモ潰し器はでるわ誰もゴールにたどり着けない謎双六は出るわと次から次へとわけのわからないものが出てきてそれはもうごちゃごちゃしているのだが読み終わってみるとそこそこまとまった話になっているので不思議である。かなりごつい小説でした。帯の文句にエーコ+ピンチョン+ディケンズ+007とありどれ一つとして読んだことが無いのだが、まあわからないでもない。