IN THE YEAR 1875 |
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いよいよ始まるのね、公開処刑・・・じゃなくて裁判が!!でね、そしたらトンマウリツィオの奴、一丁前にシラ切る気なの。 「まったく心外メポ。誇り高きこの勲章を事もあろうに陛下の御前で侮辱されるとは、子供の悪戯とはいえ不愉快の極みメポ」 脳ミソ溶けて流出してるくせに、よくそんな長いセリフ吐けたものだわ。20文字が限界だと思ってたのに。何が「誇り高きこの勲章」よ、偽物のくせに!外道!恥知らず!不愉快の極みはこっちのセリフよ。愚ラゼーラなんかもっと酷かったわ。 「アルフレドは小さい頃から反抗的で、父親のビットリオもいたく餅を焼いておりました」 アハハハハハ!餅って何よ、餅って!それを言うなら“手”でしょ!?こんなトコで笑いをとってどうすんのよ、愚ラゼーラ36歳!!笑いすぎてお腹痛いわ、もう!・・・ってゆうか、小さい頃から反抗的って・・・どう考えてもアルフレドじゃなくて自分のことでしょ!?あたしも我慢出来なくてつい「嘘です!」って叫んじゃって氷に怒られるし・・・んもうっつ、氷のヤツ一体どっちの味方なのかしら?それならトンマウリツィオの奴のメポ言葉の方がよっぽど「言葉を慎みなさい」じゃない。 そしてマリオ・・・じゃなくて国王さまがアルフレドとトンマウリツィオの奴の話を聞いて、『お裁き』とやらを下すって事になったの。・・・大岡越前ですか・・・?ちなみに勝てば「真実を愛する心正しき者」、負ければ「嘘にまみれた卑劣漢」なんだって! 卑劣漢・・・ぷっ、なんてトンマウリツィオの奴にピッタリな言葉!これは負けられないわ!!みんな、応援してねっ☆・・・って、あたしったら一体誰に頼んでるのかしら(^^;; |
でも先手を取ったのはトンマウリツィオの奴!アルフレドの事を 「父親を逆恨みし、屋敷に火を点けたメポ!」だの 「その火事で両親が命を落としたメポ!」だの 「出奔し、今では煙突掃除夫をやっているメポ!」だの 「邪悪な気配を感じるメポ!」だの と、まぁここぞとばかりに言いたい放題なの!なんか子供相手にすっごく必死で笑っちゃう。あまりに良く動く口だから、塩を詰めて縫いつけてやろうかと思ったわ!おまけに愚ラゼーラ・サーティシックスまでも調子に乗って 「この子の友達はススと灰なのミポ!」 とか言っちゃって・・・つか、トンマウリツィオの影響か、アンタも語尾おかしくなってるから。流行りなのかしら・・・?まあそれはともかく、周りからはクスクスと笑い声も聞こえたわ。ふーん、そんなにおかしいんだ。世の中にはサッカーボールや愛と勇気だけが友達って連中もいるのにね。だけどね、この後のアルフレドの反応は本当に素晴らしかったの。ちょっと長いけど書き留めておくわ。 「僕は煙突掃除夫になってから本当の友達と呼べる仲間に出会いました。みんな、僕と同じ煙突掃除夫です。毎日ススにまみれ、灰にまみれて一生懸命働いています。でもみんなはどんなに辛くても希望を失いません。それは、お互いが信じ合っているからです。人を信じる心の尊さ、信じられる心の素晴らしさ・・・その心を大切にする事では貴族も煙突掃除夫も違いはありません。僕はそれをみんなから学びました。その事を誇りに思います」 ・・・最ッ高!トンマウリツィオの奴の悪口雑言とはレベルが違うわよ、レヴェルが!!最初に「無礼者!」って叫んだクソハゲジジイがすっごく矮小に見えるよ。クスクス笑ってた若い侍従や兵士・・・サイッテー!!後で覚えておきなさいよ。あたしはアルフレドほど寛容じゃあなくってよ! |
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真実を明らかにすべく、両親の形見の勲章を手に国王さまに申し立てるアルフレド。偽勲章まで作ってあたしたちに親殺しの汚名を着せようとする腐れ外道・トンマウリツィオ&愚ラゼーラ36。お兄ちゃんを信じてはいたけれど、このあたりのやり取りは心臓BAKUBAKUだったわよ。だってトンマウリツィオのヤツ、やけに自身オオアリクイだったんだもん。でね、ついに国王さまの判断が! 「私はニセの勲章を本物と偽って憚らぬ者こそ、嘘にまみれた卑劣漢と考える」 そんなの当たり前じゃん!って思ったけど、相手と場を考えてツッこむのは止めたわ。だって国王さまだもんね、見た目マリオだけど。そして、ドッキドキの勲章チェーックが始まったの。 そして・・・そして・・・そして!トンマウリツィオの勲章には、本物の勲章に付いている「祝福のしるし」が無かったの!!・・・今の国王さまのお父さまが、あたしたちのお父さまに勲章を授けて下さったときに刻まれた「祝福のしるし」・・・ニセ物はトンマウリツィオの勲章だって分かったの!そう、嘘にまみれた卑劣漢は当然ながらトンマウリツィオに決定〜、なワケ!やったねお兄ちゃん!でもまさかあの十字キズにそんなエピソードがあったなんて!あたしもただのキズだと思ってたわ・・・許せ両親。 一方、まさにトンマウリツィオには痛恨の一撃。だって彼らは「しるし」の事すら知らなかったんですもの。というわけで、嘘にまみれた卑劣漢・トンマウリツィオ君&愚ラゼーラ36さん!君たちはめでたくギロチン行きよ!!最後くらいは一流の悪党らしく潔く・・・って思ったら、さすがは卑劣漢、やってくれました! 「愚ラゼーラ・・・お前が最初に私をそそのかしたんだ・・・」 「トンマウリツィオ、何もかも私に罪を被せようっていうの・・・!?」 って最後の最後まで見事に卑劣漢ぶりを見せつけて、あたしたち兄妹の引き立て役になってたわ。ご苦労様、せいぜい地獄では仲良くね。 |
それからの時間は、まるで夢のようだったわ。賑やかなお屋敷からバルコニーに出たあたしとアルフレドを静寂が迎えてくれたの。降りしきりる粉雪がまるで妖精のよう。とても寒いはずなのに、アルフレドの隣はとても暖かかった。あたしは「アルフレド」って呼びかけて、 「天国にいるお父さまとお母さまも、きっと喜んで下さっているわね・・・」 って聞いたの。そしたらお兄ちゃんは「ああ・・・」って答えて優しく肩を抱いてくれたわ。温もりに溢れていて、雪の中とは思えないくらいだった。ふと見上げたら、お兄ちゃんもあたしを見つめてた。まるであたしを包み込むように・・・でもどこか寂しげな目。これって・・・これって・・・愛、だよね!?暗闇にともしびの様に浮かぶ晩餐会の明かり。・・・静寂の中を舞い散る白い粉雪。・・・世界中にあたしとお兄ちゃんしかいないみたい・・・。時間が止まってしまえばいのに・・・本気でそう思って・・・、 キスして・・・。 って瞳を閉じようと思った・・・矢先、マダム・アイスが呼びに来たの。 「国王陛下がお呼びですよォ」 ですって。がっくし。っってゆーか、空気読みなさいよ、この野暮天がッ!!あ〜あ、すっごくイイ雰囲気だったのにぃ・・・氷のバカバカ!溶けて消えろ。マリオに二人っきりの時間を邪魔されるのはシャクだけど、仕方ないよね。ビアンカにもそれくらいの分別はあるよ。 「いこう、ビアンカ」 「はい」 二人だけの時間はこれからもあるよね。ね、お兄ちゃん。 |
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