IN THE YEAR 1875

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サーカスに行きたいな、の日 1

 あーあ、お兄ちゃんが死んでしまってからというもの、毎日がつまらないし、なんだか何もやる気が出ないの。でも「死んだ人は、生き返りはしないのよ」ってセイラさんも言ってたし、あたしも元気出さなきゃ、だよね。

 そんなある日ね、変態教授が「20リラでヤラせてくんない?」とか言ってくんの。アルプスの雪よりも真っ白い目で見てたら、

「ハハハ、冗談だよ、ジョーダン。マイケル冗談!なんちって、ガハハハハ!実はおつかいを頼もうと思ってね!この2リラをロミ夫たちに届けて欲しいんだ。昨日の薪運びのお礼にね!」

 とか、ロシアの冬将軍も真っ青のオヤジギャグで誤魔化してたわ。頼み事一つにもセクハラを必ず挟んでくるこの変態教授の家に居続けていいのかしら・・・?でもアルフレドの意志だし・・・困っちゃうのよね。

 とりあえず外出した方が気晴らしになるし、2リラをロミ夫たちに届けることにしたわ。どうせあの連中、仕事サボッって公園でたむろしてるに決まってるんだから!昨日だって変態教授の家で薪運びのアルバイトだもんね。煙突掃除って実は結構楽な仕事なんじゃないのかしら?親方は飲んだくれが多いし、子供はサボリ魔。誰よ、生きては帰れないなんて言ってたのは・・・。

 なーんて事を考えながら公園に行ってみたら・・・ほーら、やっぱり居たぁ!・・・って思った矢先、茂みの陰から飛び出してきた子とぶつかって転んじゃったの!もぉ、痛いなぁ!誰よっ!?って見たら、ミカエルじゃん!!しかも目を閉じて歩いていたらしいの!信じられない!バカだとは思っていたけど、ここまで救いがないバカだとは思わなかったから、怒ることも出来なかったわ。

 でもレディを転倒させておいて「失礼」の一言もないなんて、マジで死んだ方がいいと思う。ってゆーか、死ね。

サーカスに行きたいな、の日 2

 ロミ夫たちに2リラを渡したんだけど、何だかモメてるの。何かと聞いたら、いまミラノにサーカスが来ていて、入場料が2リラらしいの!・・・サーカス・・・見たいぃ〜!と思ったら、コイツら、100%あたしのことは完全無視で、自分たちの中だけで誰がサーカスを見に行くかでモメてるの!まーったく、誰がその2リラを持ってきたと思ってんのかしら!?ま、あたしのお金じゃないけどさ。この野蛮人どもにレディーファーストって言葉を教えてやりたいけど、無理な話よねぇ・・・。

 で、結局モメにモメた挙げ句、ケンカまで始まってしまったわけで・・・あたしなんか審判役までやらされちゃったのにさ。アフガンやソマリアばりの内ゲバを繰り広げる彼らにムカッ、なわけで。ついにあたしの中の野生が吠えちゃったの。

「やめてっ。やめて、みんな!・・・・・・ヤメロってんでしょうが、このへなちょこ役立たず共!!ケ×の穴に生ハムブチ込まれたいのッ!?」

・・・シ〜ンってなっちゃった(^^;;

 ししししししし仕方ないよね!?いつまでも下らないことでモメてる男子がいけないんだもの!ロミ夫なんか、リーダーのくせに一番酷いカッコになってたのよ。本ッッッ当に男の子って幼稚なんだから!

 そしたら、ロミ夫ったらヤケを起こしたみたい。「黒い兄弟全員でサーカスに行く!」とか言い出しちゃったの。そりゃあ、気持ちは分かるけど・・・。全員で行くには20リラも足りないのに、物理的に不可能なことを高らかに宣言されても・・・ねぇ?素直に「やったぁ!」とは言えないわけで。それはみんなも同じ気持ちみたいで、

「コイツ、とうとうイカレたか!?」

みたいな顔でロミ夫の顔を、不信感いーっぱいの眼差しで、まじまじと。

 同じリーダーでも、アルフレドなら不可能に思えることも「この人なら平然とやってのけるッ!」みたいな感じだけど、ロミ夫にはそういう神通力ってゆーか、カリスマみたいのが皆無だから・・・。本当にどうする気かしら?

えええええェェェェ、お掃除ィィィ?、の日

 サーカスを見に行きたい、でも、みんなで行くにはお金が足りない。・・・で、ロミ夫が考え出した答えが、あるお屋敷の

『何年も使われずに放置されて、埃と蜘蛛の巣&ボロボロになった離れをキレイキレーイにして、お金をもらっちゃおう!』作戦。

 しかも、サーカスは土曜日までしかいないから、それまでに。

 ・・・ムチャです、はっきり言ってムチャクチャです。だって、すっごいボロなんだよ?こんなのよく見つけてきたわねってくらい。第一、いったい誰がお掃除するの?みんな、煙突掃除のお仕事があるでしょう?ヒマな人なんか・・・って、まさか・・・あたし!?無理無理無理無理無理無理無理!ぜぇ〜ったいにムリだから!女の子にこんな大掃除やらせる気!?ありえないから!・・・アルフレドとならいいけど。

 みんなも無理だって思ったみたい(当たり前だけど)。

アントニオ「悪いけど、手伝えないぞ。親方が外で仕事すんの許してくれないんだ」

ミカエル「みんなそうさ!仕事がいっぱいだもん!」

 は!?何言ってんの、コイツら。いっつも暇そうに公園でたむろってるくせに!?こんな時だけ逃げ口上デスカ!?

ダンテ「大聖堂がひっくり返ったって無理だね!」

 ・・・何て言うのかな、こういうの聞いてるとグワって燃えて来ちゃうのよね、あたし。マルティーニ家の血なのかしら?気が付いたら口走ってたのよねー・・・。

「わかったわ、やりましょう!」・・・って。

 そりゃあ、あたしは変態教授に頼めば120%、サーカスだろうが、イスカンダルだろうが連れていってもらえると思うけど・・・そんなの絶対にイヤだもの。

お掃除はハヤテのごとく、の日々

 ハァ〜・・・なんであたし「やりましょう」なんて言ったのかしら・・・?

 朝は眠いし、寒いし、ホコリは凄いし、蜘蛛の巣はウギャーッだし!もぉ、最悪!お兄ちゃん、ビアンカは三国一のお馬鹿さんだったのよ・・・!

 そして何よりも、ロミ夫!いったい何なの、アイツ!?毎朝一番乗りなの。こっちも負けまいと夜明け前に家を出ても、ロミ夫の方が絶対先に来て掃除してるのよ!夜明け前よ?夜明け前!オカシくない!?信じられないわよ・・・。もしかしたら、タダモノじゃないのかもしれないわね・・・。お兄ちゃん、まさか見抜いてた?

 でも何だかんだで、みんなも煙突掃除の合間に手伝いに来てくれて、明日の朝には終わりそう!始めは絶対無理だと思ったけど、絶対なんてことないんだね、お兄ちゃん! 

 さぁ、明日はサーカス最終日!ギリギリ間に合っちゃうもんねっ☆

 何だか、チョー楽しみになってきたよ!?

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