| 小マリア | 「はぁ・・・・・・」 |
| マリア | 「あら、どうしたのマリア?ため息なんてついて・・・。体の具合でも悪いの?」 |
| 小マリア | 「なんだ、マリアお母さまか・・・。お呼びじゃないわ、あっちへ行って下さい」 |
| マリア | 「そんな・・・・・・何か悩みがあるなら相談してちょうだい。私たちは家族なのよ・・・」 |
| 小マリア | 「ふ・・・。じゃあ言わせて頂くわ。ハッキリ言ってマリア先生がお父さまと結婚してからというもの、トラップ家にはロクな事がないわ」 |
| マリア | 「そんな悲しいこと言わないで・・・。確かに破産してお金は無くなってしまったかもしれないけれど、かけがえのない愛を手に入れたじゃないの!」 |
| 小マリア | 「馬鹿言わないで下さい。お金あってこそ初めて愛が潤うんでしょう!?なのに・・・私たちは・・・かけがえのない“お金”を失ってしまったのよ・・・」 |
| マリア | 「大丈夫よ!お金なんて無くたって生活していけるわよ!」 |
| 小マリア | 「そりゃあマリアお母さまは平気でしょうけど!!私は生まれながらの貴族っ子ですよ!?アナタみたいな貧乏生まれの貧乏育ちと一緒にしないで下さい!失礼しちゃうわ!プンプン!!」 |
| マリア | 「・・・・・・そんな・・・・・・」 |
| 小マリア | 「ああ・・・もう貧しい平民どもを札束でビンタすることも叶わないのね・・・一度クラスメイトにやってみたかったのにぃ」 |
| マリア | 「う・・・・・・何てこと言うの・・・!」 |
| 小マリア | 「高級料理を食べもせずに捨てることも出来ないないのね・・・贅沢な遊びだったのに・・・。たった・・・たった1年前の出来事が今となっては夢のよう・・・」 |
| マリア | 「なんですって!?あなた、あれはワザと捨てていたの!?いい、マリア・・・食べ物を粗末に扱う事は一番いけないことだわ。たとえお金持ちでも許されないことよ」 |
| 小マリア | 「ああ・・・もうっウッサイわね!もうウチにはお金がないんだからどうだっていいじゃない!もうトラップ家はお終いよぅ!当主のお父さまは20歳も年下の妻に入れ込んでスッカリ骨抜きになってるし、長男は全然頼りない軟弱者だし、次男は馬鹿だし、長女はヒステリーだし、妹はブス揃いだし!・・・どうしてマトモなのが私しかいないのっ!?もぉ〜〜イヤっ!!」 |
| マリア | 「あっ、マリア!どこに行くのっ!?待って・・・・・・待ちなさい〜〜ッ!!」 |
| 小マリア | 「こないで・・・こないで!今、マリアお母さまに触れられたら・・・今、マリアお母さまに肩を掴まれたら・・・私は二度と、私は二度と・・・!!二度とマリア先生を・・・・・・・・・」 |
| マリア | 「キ、キャァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・!!な、なに!?ど・・・どうなってるの!?」 |
| 小マリア | 「・・・!?・・・」 |
| マリア | 「御子?・・・御子って・・・マリアのこと・・・?」 |
| 小マリア | 「・・・・・・・・・・・・」 |
| 小マリア | 「・・・私・・・貴族の子供で・・・家はお金持ちで・・・それがずっと続くと思っていて・・・」 |
| マリア | 「マリア・・・・・・!!」 |
| 小マリア | (・・・そう。幾人もの家庭教師の中で。唯一マリア先生だけが・・・唯一マリア先生だけが・・・私に夢を忘れさせた) |
| 「・・・げる」 | |
| マリア | 「マリアァァァァァァァァァ!!!!!!!!」 |
その後、トラップ一家の姿は全く見られなくなった。アメリカへ行ったのだと言う者もいたが、真実を知る者はいない。