どうして其ノ五

「ナスターシャは今!?」

 マリア 「あら?マリア楽しそうね」
小マリア 「うふっ、マリア先生・・・」
 マリア 「何かいいことでもあったの?」
小マリア 「この前のことを思い出していたんです、マリア先生」
 マリア 「この前?あぁ・・・ナスターシャの送別会のことね」
小マリア 「そう!あの決闘の時のルーペルトの情けない倒れっぷりを思い出すだけで笑っちゃうのぉ」
 マリア 「マリア・・・そんな風に言うものじゃないわ」
小マリア 「それに茄子ター車に殴られた時の安豚のマヌケ顔、もう思い出すだけでマリア困っちゃう!ってカンジよぉ」
 マリア 「・・・聞いてないのね」
小マリア 「だぁってぇ、安豚ったら“殴ったね、オヤジにも殴られたことないのに!”とか言うんですものぉ!もうおっかしくて!」
 マリア 「・・・アントンはそんなこと言ってません」
小マリア 「言ったわ!マリア先生、ちっとも人の話を聞いてないんですね!」
 マリア 「それはアナタでしょう!それに何です!“茄子ター車”だとか“安豚”だとか、人の名前に勝手に変な字を当てるんじゃありません!」
小マリア 「じゃあ、わたしのこと“麻梨亜”って呼んでいいわ」
 マリア 「・・・自分には可愛い漢字を当てるのね・・・」
小マリア 「だってぇ、わたしにピッタリなんですものぉ」
 マリア 「・・・・・・(クッ、このコ、自分のキャラを自覚してるわね!)」
小マリア 「マリア先生には“馬狸唖”って字はどうかしら?」
 マリア 「どうして私はそんな生臭い字なのかしら」
小マリア 「ピッタリだわ。荒野でも生きていけそうなところとかが。お風呂とかにも入らなくても平気っぽいし・・・わたしには無理よぉ」
 マリア 「ふぅ・・・自分の家庭教師をなんだと思っているのかしら・・・」
小マリア 「使用人だわ」
 マリア 「・・・ぐっ(ヘートヴィッヒったら余計なコトを・・・!)」
小マリア 「うふっ♪」
 マリア 「そ、そう言えばナスターシャ、ロシアで元気にしてるかしらねぇ・・・」
小マリア 「シベリア送りになってたりして・・・それどころかもう死んじゃってるかも」
 マリア 「・・・なんてこと言うの!」
小マリア 「だぁってぇ〜ソ連ですよぉ。あの独裁者スターリンですよぉ。ドイツ色の強いオーストリアから行ったって速攻、スパイかなにかと思われて収容所行きよぉ!」
 マリア 「・・・ああ・・・なんてこと・・・」
小マリア 「そうだわ馬狸唖先生!茄子ター車のために祈りましょうよ♪」
 マリア 「・・・マリア・・・!とてもいい考えだわ!祈りましょう!」
小マリア 「でしょう、馬狸唖先生!」
 マリア 「・・・(主よ、どうかナスターシャを守らせ給へ)・・・」
小マリア 「・・・(神さま、どうか茄子ター車が無事にシベリアからキグナスの聖闘衣(クロス)を持って帰れますように♪)・・・」
 マリア 「・・・マリア、きっと主は願いを叶えて下さるわ・・・」
小マリア 「はい、馬狸唖先生!」

柱の陰で聞いていたトラップ男爵 「マリア、ナスターシャの為に祈るなんてお前は優しい子だよ・・・!!」


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