どうして其ノ九

「お父さま&フランツって!?」

 マリア 「あら?どうしたのマリア。ぼんやり考え込んだりして」
小マリア 「あ、マリア先生・・・」
 マリア 「あ、お庭にいらっしゃるお父さまとフランツさんを見ていたのね」
小マリア 「はい・・・。」
 マリア 「本当にお二人とも仲がいいわねぇ・・・やっぱり戦友って違うのかしら」
小マリア 「お父さまとフランツさんて前の戦争のとき同じ潜水艦に乗っていたんですよね」
 マリア 「ええ、そうよ。お父さまは艦長、フランツさんは確か伝令係っておっしゃっていたわね」
小マリア 「フランツさんて・・・どう見てもお父さまより年上ですよね・・・それもかなり」
 マリア 「・・・それはそうでしょうね」
小マリア 「戦争中もすでにいい歳だったと思うわ。なのに伝令係なんて新兵みたいなコトしてたのかしら。ずっと年下のお父さまは艦長だったのにぃ・・・」
 マリア 「お、お父さまはきっと軍隊の学校を出ていらっしゃるからよ。そんな風に比較しちゃダメよ」
小マリア 「いくら学校を出ていなくてもそれなりに軍歴が長くなればそれなりの仕事に就くはずよぉ」
 マリア 「で、伝令だってとっても大事な役目よ」
小マリア 「確かに大切だわ。でも人の言った命令や報告をただ伝えるだけならアガーテでもできる気がするわ」
 マリア 「・・・そうだ、フランツさんでなければ出来ない内容が多かったのかも知れないわ!例えば内容をフランツさん風にアレンジして伝えるとか・・・」
小マリア 「それって伝令にならないじゃないですか!あんたバカァ!?」
 マリア 「!!・・・そんな言い方しなくても!・・・でもそうよねぇ」
小マリア 極めつけの無能だったのかしら・・・フランツさん」
 マリア 「マ、マリアッ!そんな言い方してはいけませんッ!!」
小マリア 「あ〜っ・・・今、マリア先生もチラッとそう思ったでしょぉ!?」
 マリア 「思いませんッ!!」
小マリア 「うふふ・・・無理しちゃって!」
 マリア 「ああ・・・マリア、もういい加減にしてちょうだい・・・」
小マリア 「でもフランツさんもさることながらお父さまもけっこうダメダメよねぇ〜」
 マリア 「今度はお父さまなの!?」
小マリア 「うふふ・・・だぁってぇ〜英雄とかなんだかで戦争はお上手だったかもしれないけどぉ、海軍はなくなっちゃうしぃ、事業にはつまずくしぃ、全財産を預けていた銀行は倒産するしぃ!キャ〜、よく考えたら全然ダメじゃない〜!もしかして疫病神!?大ショックぅ〜〜!!」
 マリア 「・・・・・・一気にしゃべって気は済んだのかしら?」
小マリア 「そうだぁ、もしかしたらフランツ(←すでに呼び捨て)がいたからトラップ家がこうなっちゃたのかも!ってことは二人して疫病神!?そりゃあ家も傾くわぁ〜!ダブル疫病神〜〜!!」
 マリア 「・・・じゃあお二人の仲がいいのもそのせいなのかしら・・・“類は友を呼ぶ”と言うし・・・」
小マリア 「あら?マリア先生も乗ってきたのね♪」
 マリア 「・・・あ!ちが・・・私は知らないわ・・・」
小マリア 「でもアメリカへ行ってフランツを切れば疫病神が一人減るから少しは良くなるんじゃないかなぁ。ね、マリア先生?」
 マリア 「わ、私に振らないで・・・!」
小マリア 「うふふ・・・本当はうれしいクセにぃ♪」
 マリア 「・・・・・・(もうこの娘には永遠にかなわない気がするわ)・・・・・・」

柱の陰で聞いていたトラップ男爵 「うう・・・フロイライン・マリアまで!!ゴメンよぉ私のせいで!!」


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