ビーストバインド リプレイ

 江東妖異譚 第1話外伝

    帰り道

   雨夜の少女

GM  :龍神を無事に復活させた後、琉麒は錐恰の村に留まり、紅蓮は姿を消してしまいました。
     さて、どうしましょう?
張平  :おれの任務には阿恒を連れて帰るとこまで含まれてるんだよね?
GM  :6歳の子供にひとりで帰れというのはなかなか難しいですよ。
華錦  :女と子供だけではいろいろと危険ですわ。
     もちろん、一緒に来てくれるわよね、平ちゃん♪
張平  :いいよ。
華錦  :ありがと〜
GM  :では、陸家の屋敷に帰る途中、雨に祟られたあなた方は、人けのない村に辿り着きます。
     どうやら、戦乱に踏みにじられてしまった村のようですね。
     建物などもほとんど壊れていたのですが、なんとか雨をしのげそうな建物を見つけて、
     そこに潜り込みました。
華錦  :華錦が火を起こしますわ。ボボボボボ。
     壊れた村なら燃やすもんくらい、いくらでも調達できるでしょ。
     ささ、阿恒さま、こちらで温まってください。
GM  :「ありがとう、華錦」
     では、有り合わせのもので食事を済ませ、寝ることにしました。
     その夜半――「発見」のチェックを。
張平  :人間のままだと成功しないよぅ。
華錦  :「感情」素振りなら華錦めが成功してますわ。
GM  :では、華錦は何かの気配に気づいて外へ出ました。
     何かに呼ばれるように村はずれまで出た華錦は、雨の中で一人たたずむ女の子を見つけます。
華錦  :はっ…戦災孤児かしら?
     それとも…幽霊??
     華錦、怖〜い! (笑)
GM  :足はちゃんとあるみたいです。
     年の頃は阿恒よりもやや幼いくらい。
     みすぼらしい衣服を身につけ、初夏といえど肌寒い雨の中で裸足のまま立ちつくしています。
     その目がじっと見つめているのは、これもまた粗末な墓らしきもの。
華錦  :まあ、なんて可哀想に。
     もちろん、華錦は優しく声をかけます。
     こんなところにいたら、風邪ひいちゃうわ。
GM  :女の子は声をかけられてもほとんど反応しません。すっかり放心しているような様子です。
     彼女が見ている墓は、土饅頭の上に石を載せただけの粗末なものです。
華錦  :お父さんかお母さんのお墓かしら?
     雨の中で立ち話もなんだから、みんなのいる建物にそ〜っと連れて行って…
GM  :あなたが彼女の手を引くと、女の子は素直についてきます。
華錦  :ん? そ〜っと連れて行くことはないのか。
     みんな魔物だから、夜寝ないんだっけ?
GM  :阿恒はぐっすり眠っているようです。
張平  :おれは起きてていいのかな。
     どうしたの、その子?
華錦  :ええっと、この近くを見回っておりましたら、この少女が雨に打たれておりましたの。
     このまま放り出しておくわけには参りませんわ。
     ねっ♪ お・ね・が・い♪ 面倒を見てあげましょう。
張平  :「愛」をもらいました。
     うん。お湯沸かしてくるからさ。
華錦  :では、わたしくめが濡れた身体を拭いて、服を乾かして…
GM  :身に付けている粗末な服と、胸に抱きしめている襤褸のような袋以外に持ち物はなく、
     名前や住んでいるところを示すものはありません。
華錦  :きっとお腹も空いているわね。
     保存食と温かい飲み物を。
     明日になったら、もう少しちゃんとしたものを作ってあげますね♪
     リラックスしたところで、その子からお話を聞いてみましょう。
     夜は長〜いですから(笑)
GM  :すっかり綺麗にしてもらって、温かい飲み物などをもらって少しは落ち着いたのか、
     少女はポツリポツリと自分の事を話し始めます。
     彼女の名前は雀耀(じゃくよう)。
     この村に、両親や二つ違いの姉と一緒に住んでいたのだけれども、半月ほど前に山賊の一団が
     やってきて、村を焼き、作物を奪っていったのだそうです。
     村の人たちは近くの村や町に散り散りに逃げ出しました。
     逃げ出すときの混乱で彼女は皆とはぐれてしまい、この村で残された僅かな食料や、
     そのあたりに生えている草などを食べて暮らしていた、ということです。
     ほぼ明け方までかかってそれを語り終えると、彼女はすとんと眠ってしまいました。
     彼女の持っていた袋を見てみると――あ、当然、見るでしょ?
華錦  :もちろ〜ん(笑)
GM  :中にはひとかけらの干し芋と、空色の石がついた耳飾りが一つ入っていました。
     揃いじゃなくて、片方だけです。
華錦  :雀耀ちゃんはまだ子供だものね。これはお母さんの形見かしら?
張平  :え、死んじゃったんですか。
華錦  :お墓があったわよ。あれはきっと雀耀ちゃんの親のものに違いない。
     およよ〜、こんな小さいのに可哀想に。
GM  :朝になると阿恒も起きてきます。
華錦  :阿恒さま、実は、昨夜、このようなことがありまして。
     不憫に思い連れて参ったのですが…この子もご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?
GM  :阿恒は一つ頷いて、「華錦がいいと思うようにしてあげて」といいます。
     余談ですが、阿恒はここ数日、何か考え込んでいるようです。
     あんなに思い詰めていた目標が果たされて、その後の時間を思いもよらず与えられて、
     どうすればいいかわからない、という状態らしいです。
華錦  :阿恒さま、うるる〜
     華錦がついておりますよ〜
     でも、子供の生命力の強さは魔物並ですから(笑)、きっとすぐ元気になるでしょう!
GM  :やがて目覚めた少女は、昨日とは打って変わって明るい声で、話し掛けてきます。
     「こんにちは。
      お姉さん達はだあれ? どうしてここにいるの?
      私、雀耀。いま、お留守番中なの。
      みんなはお出かけしちゃったけど、きっとお姉ちゃんが帰ってくるから、待ってるの」
華錦  :はうっ
GM  :両親は? と聞くと、どこかに行っちゃったと答えます。
     墓について聞いても、そんなもの知らないと答えます。
     どうしてみんないなくなったの? と聞くと、わからないと答えます。
華錦  :あら〜、そうなの〜
張平  :なんでなんで? 気になるなあ。
華錦  :子守りしま〜す(笑)
     調査は鼻の利く張平にまかせて、その間3人で遊んでいます♪
     “お願い”ね、平ちゃん♪
張平  :じゃあ、おれは廃村内やお墓を調べに行くよ。
華錦  :さ〜て、何して遊ぼうかな〜?
     …やっぱ一緒に歌ったり踊ったりかな。
GM  :「愉しそうですね、華錦」
華錦  :阿恒さまにとっても、同じ年頃の子と遊ぶのはとっても良いことですわ。
     …妹、欲しかったんじゃない? 阿恒さま。むふふ♪
GM  :「そんなことないです」
     阿恒はそっぽ向いてます。
華錦  :ね、雀耀ちゃんは二つ上のお姉ちゃんと、どんなことして遊んでたのかな?
     木登り? 冒険ごっこ? 鞠遊び?
     村のどんなところで遊んでいたのかしら?
     遊びながら、お姉ちゃんのことを聞いてみます。
     …ところで。
     阿恒さまって、歌とか踊り、上手なの?
GM  :阿恒は最初のうち、えらく迷惑そうにしていました。
     木登りしようとか言われても「私はいいです」と答えていたのですが、雀耀はお構いなしに
     阿恒を引っ張りまわし、しまいには普通に遊ぶようになりました。
     はっきり言って歌も踊りも下手ですが、いっしょにやっているうちにだんだん夢中になって
     きたようです。
     それでも、同じ年頃の相手というのにまだ慣れてなくて、力加減もわからず突き飛ばしたり
     して泣かせていたのですが、そのうち、さまになってきたようです。
GM  :あ、そうそう。もし雀耀と《絆》を結びたいなら判定していいですよ。
華錦  :はい、やらせていただきます。
     感情で5レベル成功。
GM  :《絆》の種類は友情、信頼、共感、同情、保護、というあたりがいいんじゃないでしょうか。
華錦  :ここは同情にしましょう。
     幼いのになんて不憫なの〜
GM  :では、華錦は一日、子供たちと遊びました。
     雀耀は、目も口も手も顔もよく動く子です。
     興味の対象も、次から次と出てくるので、ちょっと見には落ち着きがないぐらいに見えます。
     遊ぶことに関しては、それはもう歌ったり踊ったり、鬼ごっこしたり木登りしたり、
     思いつく限りの遊びをしています。
     その全部に付き合っていると「内緒だよ」といって、秘密基地にも連れて行ってくれました。
     村の近くにある丘のふもとに子供三人くらいが座れる小さな窪みがあって、よく姉と行った
     そうです。
     「宝物もあるの」といって、小箱に入った木の枝や石ころ、蝉の抜け殻やら押し花やらを
     見せてくれました。
     他にも、「絶対に内緒だよ」と念を押して、姉の宝物も見せてくれました。
     姉の箱には蝉の抜け殻は入っていなくて、押し花がたくさんありました。
     木の皮に草の汁で描いたらしき絵もあって、どうやら鳥が描いてあるようです。
     雀耀によると「お姉ちゃんは鳥さんとお話できたんだよ。ほんとなんだから」ということです。
     姉の名前は鷺泉(ろせん)。
     「とっても優しかったんだよ。お姉ちゃんのお人形壊したときも、怒らなかったの。
      でも、あたしのおやつ食べちゃうときは嫌い!」だそうです。
     そんな感じで華錦の子守りは終わりました。
華錦  :愉しかったですわね、阿恒さま♪
GM  :一方、村の周辺を探索していた張平――

   村の外で

張平  :とりあえずゾロ目狙いな「発見」を駆使! 成功♪
GM  :比較的新しい血痕を発見しました。
     それをたどっていくと、村の外へ出て山に少し入ったところに、山賊の住処を発見しました。
     ただ、山賊達は、既にそこにいません。十数の死体が転がっているだけで、おそらく他の
     財宝は生き残り達が持って逃げたのでしょう、他には何もありません。
張平  :うわ、死体ばっかりなの?
華錦  :いや〜っ
     でも、もうちょっと詳しく調べて来てね、平ちゃん♪
張平  :よく見ますー
     ここで何があったのかな。
GM  :奇妙なことに、転がっている死体はすべて、たった一矢で殺されているようです。
     洞窟の壁に黒塗りの、鷹尾羽の矢が突き立っていて、どういう具合にか、その一本の矢が、
     山賊達をすべて貫いたようです。
張平  :うわー。なにそれー
華錦  :呪いよ、呪いっ。
     オカルトよっ、ホラーよっ!
     ぎゃーーーーっ!
     華錦はその手の話、ダメなのよぉ〜〜
     はっ…自分が魔物だってこと、失念しておりましたわ。
     しかし…
     《山賊の住処の壁に刺さっていた黒塗りの鷹尾羽の矢》
     《鳥と話せる鷺泉ちゃん》
     …今シナリオのキーワードですわね。
張平  :できれば変身して嗅いでみたいぞー!
     山賊の痕跡や、もう近くには居なさそうかとか。
GM  :じゃあ、変身してください。
張平  :「超嗅覚」使います。嗅ぐぞー
     それから「危機感知」もする。
GM  :山賊っぽくない匂いがひとつありました。
     戻りつつ確かめるなら、村の方にも微かにそれと同じ匂いが残ってます。
     村の中では、特に危険は感じられませんでした。
     そろそろ夕食時になりますね。
張平  :じゃ、人間の姿になって皆のとこに行くよ。
華錦  :おかえりー、平ちゃん。
GM  :では、あなた方が今後の事など相談していると、村の入り口から人影が近づいてくるのに
     気がつきました。
     上背も厚みもある大きな男です。

   一目惚れ

GM  :粗末な服を着ているのですが、背負った弓はそこそこ立派です。
     どうやら異国人らしく、目は青く、髪は明るい茶色をしています。
     手には数羽の山鳥を下げていて、背中に山菜などを入れた籠をつけています。
     どうやら、向こうもあなた方のことに気がついたらしく、「なんだ、あんたら!」と
     素っ頓狂な声を上げます。
張平  :まず名乗って、雨宿りしてて雀耀に会ったんだって話すよ。
     そちらは雀耀の保護者? この村の人?
GM  :男を見た雀耀が立ち上がって、「瑞(ルイ)」と呼びかけます。
     「それ、今夜のご飯?」
華錦  :あら、村の生き残りが他にもいらっしゃったのね。
GM  :「オレの名前はルイ・ハーン。
      見ての通り、ここの出身じゃあないから漢名はないんだが、この子には『瑞』と呼んで
      もらっている」
     張平が名乗って事情を説明すると、ルイは「そうだったのか」と破顔します。
     まあ、ここで立ち話というのもなんだし、腹も減ったし、という男に連れられて、
     雀耀が普段、住んでいるらしき家に移動します。    
華錦  :ささ、ルイルイ――ルイの愛称よ♪――の話を聞きましょう。
GM  :「ルイルイ? まあ、それでもいいけどよ(苦笑)
華錦  :ところで、ルイルイって、アーキタイプ何かしら?――魔物と決めつけ(笑)
     半魔かどうか見分けるチェックがありましたわよね?
GM  :半魔かどうかのチェックは、知性で判定です。難易度は相手の人間性に応じて変わります。 
     ちなみに、相手の正体を探ろうと見つめると、相手が本当に半魔だった場合、「こいつ、
     オレの正体を探ってるな」ということが、相手にわかってしまいます。
     ただの人間の場合は、変な目で見られたと、気を悪くするかもしれません。
華錦  :それは困りますわね。
張平  :ルイはずっと前から雀耀と知り合いなの?
GM  :「オレはさっきも言った通り、ここの出身じゃあない。
      まあ、お前さんがたと似たようなもんだな。
      旅をしている間に、たまたまここを通りがかって、たまたまこの子と知り合ったのさ。
      で、時々来ちゃあ食い物を持ってきてるっていう…まあ、おせっかいという奴だな」
     ルイは手際よく火を起こし湯を沸かし、その間に山鳥を捌いて調理したりしながら、
     皆さんの質問にいちいち答えてくれます。
     雀耀もにこにことみんなの間を飛びまわりながら、いろいろ話してくれました。
     「ルイはね、いつもおいしいものたくさーん持ってきてくれるの。
      雀耀はルイのこと、大好きだよ。
      でもね、ルイ、時々しか来てくれないの。旅してるから、あんまりこられないんだって。
      でも、雀耀平気だよ」
華錦  :はっ…この笑顔、この生活力――華錦の趣味にぐっと来ました。
     なんかいい男だわ。華錦、惚れました〜vv 
張平  :早いなあ(笑)
     んーと、ルイの弓について聞いてもいいですか?
     立派な弓ですね、とか褒めながら。
GM  :「この弓か。これはまあ、なんつーか、形見って奴だな。
      別に恩人っていうわけでもないんだが、まあ、弓に悪気もねーしな」
張平  :村が山賊に襲われたことは知ってます?
GM  :「山賊かぁ。まあこの辺にいたらしいが、さすがにもう襲ってこねーだろ。
      この村、なんもねぇし。
      近くの村でももう、噂も聞かねぇから、どっか行っちまったんじゃないか?」
華錦  :華錦が一番知りたいのは、鷺泉ちゃんの安否と行方です。
     ルイルイから鷺泉ちゃんに繋がる情報が聞ければ、それを手がかりに鷺泉ちゃんを探しに
     行きたいと思います。
     雀耀ちゃんが姉の帰りを待っている以上、何としても会わせてやりたいですもの。
GM  :「この子の姉? 
      ああ、そうだな…逃げるといっても、そう遠くの村までは行ってないだろう。
      ここから一番近いのが囲端(いたん)という村だから、そこにみんな逃げて行ったんじゃ
      ないかな」
華錦  :近くに別の村があるのか。
GM  :「近く…と言っても、普通の人間が荷物抱えていくとなると、それでも一週間近くかかる
      けど。船使ってもちょっとは歩くし、遡るしで4日は見といたほうがいいな」
     ぱたぱたと走り回る雀耀を捕まえて、頭をぐりぐりとなでまわしてから、ルイはあなた方に
     言います。
     「オレはこの通り、旅から旅の身分だ。今回だって、明日には旅立たなくちゃいけない。
      この子をつれてく訳にもいかねーし。
      そこでだ。おまえさんがたがもしヒマなら、この子を囲端の村まで連れて行っちゃあ
      くれねぇか? 礼っつっても、なんにもできねーけど…ほら、そっちにもちっちゃいのが
      居るみたいだし、少しぐらい相手してもらえりゃあ、この子も喜ぶし、そっちにとっても
      いいんじゃねーかーって、思うんだけどよ。どうかな?」
華錦  :それくらい、たいしたことありませんわ。急ぐ旅ではありませんし。
     うふふ。ルイルイの言うこことなら、もうなんでも言うこと聞いちゃう♪
張平  :なんで?
華錦  :恋・し・て・る・から♪
GM  :魔物かどうか見破る判定はしないんですか?
華錦  :するワケないじゃない。
     だって、惚れてるんですものvv 恋は盲目なのよ♪
GM  :ああ、そうそう。ルイと《絆》を結びたければ結んでもいいです。
華錦  :もちろん! 龍神さまとの《絆》をガリガリと削って(笑)、ルイルイに振り替えます〜
     平ちゃんも囲端の村まで雀耀ちゃんを送ってくれるわよね?
張平  :いいよ。
GM  :では、また一晩、廃村で過ごした後、囲端の村に向けて出発することにしました。
     別の方向へ旅するルイとは村外れでお別れです。
     別れる間際に、「ああ、そうだ」と、ルイは華錦に青と白の混ざったような色をした石を
     ひとつ放ります。
     「まあ、礼って言う訳じゃないけれども、とっといてくれ」
華錦  :…この石、雀耀の持ってた空色のイヤリングの片割れかしら?
     鷺泉のものだったなら…ルイルイはどこでどうやって手に入れたんだろう? 
     悪い胸騒ぎがしますわ。
GM  :雀耀が持っているものとはあまり似ていません。
     彼女に聞くと、鷺泉も確かに、もう片一方の耳飾りを持っているそうですが、雀耀が持って
     いるのが空色なのに対して、お姉さんが持っているのは、深い池のような緑色だということです。
     華錦がもらった石は、片手で握り込める位の丸っこい石で、耳飾りにするにはちょっと
     大きめです。
華錦  :大切にしますわ♪

   姉の行方

GM  :囲端の村までは特にイベントもありません。子供連れでも、7日程で到着します。
     村に着いた一行の前に、雀耀の従祖父(おおおじ/祖父の兄弟)だという老人が現れ、
     雀耀を引き取りたいと言います。
     おじいさんの名前は田達(でんたつ)。庶民なので字はありません。
     この田達老人から、雀耀の姉・鷺泉は避難している途中に森の中ではぐれてしまったとも
     聞かされます。
華錦  :親戚の人がちゃんと預かってくれるのね。これでメデタシメデタシ――じゃなくって。
     安否不明の姉をただ待つのでは、雀耀があまりに不憫だから、鷺泉を探しに行きま〜
す!
張平  :オレも行ってもよい?
華錦  :もちろん、頼りにしていますわ。平ちゃんの鼻♪ 
     雀耀が「どうしても一緒に行きたい!」と言い張ったら…その選択は阿恒さまに
     お任せいたしましょう。
     うふふ…阿恒さまったら、女の子が駄々をこねた時、どういう反応なさるのかしら(意
地悪)
     阿恒さまと雀耀ちゃんの絆…どれほどUPしているのか、とくと拝見♪ ほほほ♪
GM  :雀耀を親戚のおじいさんに預けるという話をすると、彼女は素直に頷きます。
     その後、華錦と張平の二人が鷺泉を探しに行こう、という話をしていると、それを聞きつけた
     雀耀は、「私も行く」と言い出します。
     華錦と張平が何も言わないでいると、阿恒が「危ないからダメだよ」と言って、彼女を
     一生懸命引きとめようとしています。
     「大丈夫だよ。きっと鷺泉は華錦と張平が見つけてくれるから、待っていよう。
      私も、一緒にいるから」と話し掛け、雀耀が頷くのを待たずに、彼女の手を引いて
     歩き出します。
     雀耀は、しばらく迷っていたようですが、あなた方ふたりに手を振って、阿恒と一緒に
     行ってくれました。
張平  :村を離れたら変身するか。
GM  :人間性を減らしておいてくださいね。
     すでに一ヶ月近くも前の事ですから、匂いをたどるのもかなり困難なのですが、何とか
     「ここらへんかな」という場所にたどり着きました。
     あたりをあちこち探してみるのですが、手がかりとなるようなものは、何も見つかりません。
     ふと視線を感じてあなた方が振り返ると、大木の脇にひっそりとたたずむ女性を見つけました。
     あなた方が不審に思って声をかけるよりも早く、彼女は葉ずれのようなかすかな声で、
     歌うように言います。
     「小さな女の子はもういない。大きな翼に連れられて、行っちゃった。
      でも、刻が十度廻れば戻ってくる。そう、約束したから」
     さらに、あなた方は少女の妹と知り合いなのかと尋ね、あなた方がそれに頷くと、少女の
     言葉を伝えてくれます。
     「私がいるとみんなに迷惑がかかるから、少し離れたところで暮らします。
      時々は会いに帰れると思うから、雀耀にはよろしく伝えてください。
      きっとあの子は、まだ大丈夫だとおもうから」
     そして、女性は微笑を浮かべていいます。
     「小さな女の子は卵なの。白くて硬い、小さな卵。森の風は歌うわ。
      『もうすぐ刻が来る。月が満ち、日が昇るよりもそれは確かなこと』。
      翼あるものたちが舞い踊るの。
      白い羽、黒い羽、どちらでもない羽が、たくさん、たくさん。
      新しい刻の始まりは、綺麗で、とても哀しい」
     それだけ言うと、女性は消えてしまいます。
華錦  :こえー
張平  :なんの魔物だろう?
GM  :もう、どこをどれだけ探しても彼女は見つかりません。
     他の手がかりも、一切見つかりませんでした。
華錦  :鷺泉ちゃんはもうここには居ないのね。
GM  :一日がかりの捜索を終えて、あなた方が囲端の村へ帰ると、夕日で赤く染まる風景の中、
     村の入り口で阿恒と雀耀が手をつないで立っています。
     あなた方が帰ってきたのを見ると、二人して駆け寄ってくるのですが、他に誰も連れて
     いないことに気がつくと、そこで止まってしまいます。
     「あれ、お姉ちゃんは……?」
     あなた方がそれにどう答えたにせよ――もう帰ってこない、などと答えない限りは――
     雀耀は「そうなんだ…」と呟いて黙ってしまいますが、阿恒が心配そうに覗き込むと、
     ひとつ首を振ってにっこり笑います。
     「じゃあ、しばらくお姉ちゃんと会えないんだ。
      でも、平気だよ。きっと来てくれるって約束してくれたから。
      それに、おじいちゃん達も優しいし、寂しくなんかないもん」
     そういう彼女の目には、曇りのない笑顔と一緒に、一粒、光るものがありました。
     それに気がついて何か言いかける阿恒の手を引っ張り、雀耀は軽やかに走り出します。
     「ねーえ、今日はお泊りするでしょーっ。おじいちゃんち、おっきいから、みんなで
      行っても、大丈夫だよーっ!」
     振り返って大声をあげる少女に、あなた方はどちらからともなく顔を見合わせ、彼女の後を
     追って歩き出すのでした。
華錦  :およよ…健気な子だわ。
GM  :翌朝、そろそろ旅立とうかというときに、阿恒はほんの少しだけ嫌がる様子を見せるのですが、
     雀耀と少し話をして一つ頷くと、あなた方に「そろそろ行きましょうか」と言います。
     ちなみに、このとき何を話していたのかは、尋ねても絶対に教えてくれませんでした。
華錦  :ふふ、阿恒さまったら♪ よかったですわね。
GM  :「何がですか、華錦」
華錦  :うふふ♪ いい思い出になりますわ。
GM  :あなた方が出発する時になって、雀耀と従祖父は、そろって村の外まで見送りに来てくれました。
     そして、あなた方が森の奥に消えてしまうまで、ずっと手を振り続けていたのでした。
     その後、あなた方はまた遥々と西へ向かい、陸家のお屋敷へ戻ってきました。
     いろいろあった旅もひとまず、これでおしまいです。
     お疲れさまでした。

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