男、亡き妻の手首から、妻を蘇らす


 あるところに、非常に仲のいい夫婦がいたのだが、男が仕事にでている間に、妻が盗賊に襲われて殺されてしまった。
 男は嘆き悲しみ、妻の手首を切り落として剥製にし、妻と思って毎日語りかけていた。
 それから歳月が流れ、男が年老いていよいよ病の床についた時、男は非常に善良な人間であったので、男の前に神が現れ、「お前の願いを一つ叶えてやろう」と言ったところ、「死ぬ前にひと目、妻に会いたい」と願うと、妻の手首が光り輝き、さなぎから蝶が生まれるように、妻が内側から現れたという。

<研究雑記>

ここでいう「神」が魔物だと思われるが、寡聞にしてアーキタイプは特定できていない。

教訓=善良さと猟奇性は必ずしも矛盾しない。