MHリプレイ#5

  Mellow Poison

                 >>>前回までのあらすじ
                 >>>章の目次
                 >>>キャラクター紹介

  0 ちょっと戻って…

GM  :これまで4本のシナリオをプレイしてきたから、そろそろ
     ランクアップできるキャラクターがいるんじゃないかな*
     前回までのシナリオでクラス別の規定技能が100%を超えた
     のは…ラルフとアヤコとアビスか。
レイファ:ああん。あとクリティカル1回分足りない。
アヤコ :あんなにクリティカルしてるのに?
レイファ:元の技能値が低いのよ。わたし《INT》低いからさ*
GM  :ラルフたち三人はDランクハンターへの昇格資格がある。
     ラスベガスの《ユニオン》*へ赴き、認定式と技能訓練を
     行うといい。
アヤコ :ラスベガスまで行かなくちゃならないの?
GM  :そこに新しく習得する技能の訓練センターがあるのでね。
     ただ、出発はちょっと待ってくれ。
     前回、王大人をチャイナ・タウンまで送り届けた後の半月に
     ついて行動を付け加えておきたい。
レイファ:わたし、お母さんのお見舞いに行くわ。
     お父さんの来ないときを見計らって(笑)
ラルフ :SWAT*に撃たれたんだろ? あちこちサイバーパーツに
     なってたりしてな。
GM  :もともと上流階級の人間には「生身は不潔」という思潮が
     あって、身体をサイバー化している場合が多い。
     もっとも、金属剥き出しのサイバーパーツは彼らに言わせると
    「下品」なので、見た目は生身と変わらないようなサイバー化が
     いいんだそうだ。
アヤコ :もともとサイバー化しててサバイバルランクが高くなってる
     から、狙撃されても死なずに済んだわけね。
GM  :まあ、そういうことだろう。
レイファ:ラルフのお見舞いにも行ってあげる。お土産は桃饅ね♪
ラルフ :またそれか。俺はいいから君らで食べろよ。
GM  :ラルフはこの期間、傷の治療に専念すること。
     アヤコが通院に付き添ってあげることにしていいかい?
アヤコ :いいわよ。送り迎えね。
GM  :それでふたりの半月分の行動は完了。
     アビスには、王大人がひとりの青年を紹介してくれるよ。
     青年の名前はハリー・陳(チェン)。19歳。
アビス :どうも。
アヤコ :若い男を紹介ですって♪(笑)
レイファ:彼も軍隊生活長いからね(笑)
アビス :何を笑っているんだ?
GM  :どうも怪しい誤解をされているようだが。
     ハリーはこのチャイナ・タウンの新進気鋭のCSデザイナーだ。
     さまざまなパーツの開発も行っている。アビスがオリジナルの
     CSを作る手伝いをしてくれるよ*
アビス :よろしく頼む。開発資金を預けておこう。
GM  :ホークはフィクサーにコネが欲しいと言ってたな。
     それも、青竜幇*に顔つなぎしてもらえる。
     いろいろとレアな品揃えをしているフィクサー*だが、商品の
     代価はそれなりにするよ。ツケはきかないからそのつもりで。
ホーク :ちゃんと支払います。
     青竜幇の知り合いの店じゃ、踏み倒したら後が怖いよ。
     さっそく、欲しいものがあるんだけど、いい?
GM  :「品名を提示してくれ。捜し出してやるよ」*
アビス :おれも武器の追加をしたい。
GM  :それはハリーに言ってくれ。後でデータ処理するから、
     ふたりとも、こっちに購入希望品のメモをちょうだい。
     で、レイファとホークにはセンゴクから「射撃レーンに
     行かないか?」という誘いがあるけど?
レイファ:いいわよ。
GM  :$100で30発。クリティカルがでたら技能値をアップさせて
     いい。
     まあ、先に言っておくと、これはまだランクアップに達して
     いないキャラへのボーナスステージだから、【小火器】または
    【重火器】技能が100に達した時点でチェックは終了させること。
レイファ:サンキュ、GM。
ラルフ :重火器の射撃レーンがあるのか…
レイファ:(何度かチェックをする)よし、クリティカルが出た。
     規定値クリアね。
ホーク :……30回振って一度もクリティカルしないんだけど……
ラルフ :なんでだ? 確率は10%なんだぞ*
ホーク :ファンブルなら5回出た。
アビス :とことん不運な奴。
アヤコ :そういうときもあるわよねー
GM  :仕方ないな。ではまた明日、チャレンジしていいよ。
     で、射撃レーンからの帰り道。《PER》チェック*
レイファ:サイバー化して能力値上がってるからね。
     これは成功したでしょ。
GM  :では、尾行されているのに気づく。
ホーク :撒こう。
レイファ:ハンドルを掴む。追うのよ!
ホーク :な、なんでわざわざ。せめて相手を確かめてから…
レイファ:確かめるために追うんでしょ!
ラルフ :いや、きっとそれだけじゃ済まないな…
アビス :捕まえて尋問。
レイファ:そりゃ、できれば(笑)
GM  :君たちに気づかれたと察知して、尾行者は消えた。
ホーク :よかった。
レイファ:よくないっ! ちっ、いったい何者かしら。
エンジュ:狙いはどっちかなあ。
ラルフ :多分、レイファだろ。ホーク追いかけてもつまらないし(笑)
GM  :では、エンジュにはジョーカーから声がかかるよ。
     「データ整理を手伝ってもらえますか? もちろん、手当は
     出します」
エンジュ:…♪ ジョーカー、もう大丈夫なの?
GM  :事務所に戻って仕事してます。
エンジュ:ジョーカーに聞いてるんだよ。
     「大丈夫ですよ」って言ってよぅ。
     ジョーカーが言ってくんなきゃ安心できないよぅ。
GM  :いいからバイトしなさい。おまえさんも【ソフトプログラム】
     が規定値に達してないんだから。
エンジュ:皆はお金使ってチェックしてるのに、僕はお金もらえてお得だ
     なあ。チェックは成功したよ。これで僕もレベルアップできる。
レイファ:早いわね。
エンジュ:【ソフトプログラム】は戦闘技能じゃないから、クリティカル
     でなくてもOKなんだ*
GM  :情報検索や運転は射撃なんかと違って、ひとつのシナリオで
     何十回もチェックするわけじゃないから、同じ条件にすると
     支援系キャラがいつまでもレベルアップできないんだよ。
     これでエンジュも条件クリアしたね。
ホーク :あとは俺だけか…(泣)
GM  :では、翌日もホークは射撃レーン、と。
レイファ:わたしも乗っけてって。
ホーク :え? もう技能あがらないよ?
レイファ:また尾行がつくの待つのよ。
ホーク :とほほ。ええと、射撃チェックの方は…
     一回だけ成功したけど、まだ規定値にならない(泣)
GM  :明日も来い。
ホーク :ああ、残金が…
GM  :で、レイファの期待してた尾行だけど。今日もついてくるよ。
レイファ:ふふふ〜♪ どこの誰かしらね〜
ホーク :バックミラーで尾行者を確認するよ。
GM  :車は一台。乗っているのは若い男ふたりだ。
     チンピラというほど風体は悪くないが、堅気の勤め人には
     見えないね*
ラルフ :車一台というのは尾行のセオリーからすると不手際だな。
GM  :うむ。尾行もそれほど巧みとは言えない*
レイファ:サイドブレーキを引いて急停車*。SMG持って飛び降りる。
ホーク :うわあ。いきなり…
ラルフ :またこの娘は町なかで騒動を起こす気か。
GM  :SMG構えて向かって来られたら、こっちは逃げるぞ(笑)
     慌ててハンドルを切って、車体をぶつけながらも手近な道へ
     消える。
レイファ:ちっ。また明日ね。
ラルフ :そこまでされて来るか?
GM  :ホークは翌日の分をチェックしていいぞ。
ホーク :ああ…なんとかOKです。ようやくランクアップだぁ。
GM  :では帰り道…
レイファ:アーヤ、車出せる? 挟み撃ちにしたいんだけど。
アヤコ :いいよ。逃げ道ふさげばいいのね。
GM  :それでは、退路を断たれて尾行車は立ち往生してます。
レイファ:SMG突き付けて運転手を車の外へ連れ出す。
     下手な尾行だったわね…って、わたしもこの前、同じこと
     言われたばっかりなんだけどさ(笑)
     なんのつもりか言いなさい!
ホーク :尾行は誰の命令?
GM  :「あ、あんたらを尾行して、行動を報告するだけでいい
     からって雇われたんだ」
レイファ:誰に?
GM  :「聞かれたら《組織》だと言えって教えられた」
ラルフ :こいつら、バカだぞ。
レイファ:ま、いいわ。どこの《組織》かはわかるから。
     で、あんたたちは《組織》とどういう繋がり?
GM  :「バーで声かけられて、尾行を依頼されたんだ」
アビス :下請けもいいとこだな。《組織》が実際に俺たちをどうこう
     しようって作戦じゃないだろう。
GM  :しかし、《組織》が君たちをマークをしているという意思表示
     ではある。
ラルフ :本当の目的はそれか。
アヤコ :ずっと監視してるぞ、って? なんかヤぁね。
レイファ:それじゃ、あんたたち、帰って雇い主に言っておいて−−
ホーク :もう邪魔しませんから放っといてください。
レイファ:…じゃないでしょ! 彼の言ったことは伝えなくていい。
     あんたたち、《組織》に連絡してこう言うのよ。
     上等じゃないの!
ホーク 
:あわわ。
アビス :喧嘩売っとるわ(笑)
レイファ:ええ、こっちはそのつもりよ。
     わかったらさっさと帰りなさい!
GM  :「は、はい」
エンジュ:今日の経過報告はきっとこうだね。
     「奴らは仲間割れしてましたぜ」
GM  :「女の尻に敷かれてますぜ」(笑)
レイファ:翌日もそいつら尾行に来る?
GM  :さすがにもう来ないよ。
アビス :警告は済んだということだろう。
ラルフ :あるいはもっと上手な奴と交替したとかな。
エンジュ:さて。僕は暇を見て情報収集したいんだけど、いい?
GM  :では、アルバイトの後に事務所の端末を使わせてやろう。
     カスタマイズされたシステムということで、判定に+20%
     ボーナスがつく。
エンジュ:ジョーカー、ありがとう。
GM  :何を調査するつもり?
エンジュ:ええっと、ひとつは<BLOOD>*について。
GM  :極めて安価なドラッグだということで、ネオ=アップル中に
     広まりつつある。
アヤコ :今も? ちゃんと警察に届けたのに。
ラルフ :あれが全部ってわけじゃないだろ。それに、アヤコたちが
     <BLOOD>を見つけた時点で、すでに警察が検問するくらい
     流布していたんだし。
アビス :あの旧工場が生産拠点ではなかったんだな?
GM  :そうだね。
     なお、この<BLOOD>は《ステイツ・コネクション》すなわち
     《ナイトメア》の独占市場となっているようだ。
アヤコ :ガソリン、<BLOOD>と立て続けに《ナイトメア》の邪魔を
     しちゃったのね。目をつけられるわけだわ。
ホーク :そんなつもりなかったのに…
レイファ:わたしたちの受けた仕事よ。
     《ナイトメア》に文句を言われる筋合いはないわ。
エンジュ:それじゃあ、次は《ナイトメア》について調べよう。
GM  :難易度は高い。
エンジュ:うーん。でも頑張るよ。
     過去に《ナイトメア》が関わったと思われる事件のリスト
     アップ。次に、その事件の共通項を見つける。
GM  :それだと明瞭な答えは掴めなかった。
     つまり、共通項は見受けられない。
エンジュ:《ナイトメア》が特定の思想活動や企業のために動いている
     形跡はないの?
GM  :それはないようだね。
エンジュ:あくまでも資金確保の手段として犯罪行為に関与しているって
     ことかな。
GM  :これまではそうだった。
エンジュ:ん? そうだよね。
     華僑ビルの爆破なんて、儲けにならないもんね。
     じゃあ、《ナイトメア》の関わった事件で、採算度外視のやつを
     ピックアップ。
GM  :最近になって、そういう事件は増えてきているのがわかる。
アヤコ :最近…って、《ナイトメア》っていつからある組織なの?
GM  :名前を聞くようになったのはここ数年だ*
     当初はあくまでも営利目的の犯罪結社だったんだが…
ラルフ :ここに来て、本性を顕し始めたということか。
エンジュ:じゃあ、今度は逆の調べ方をしよう。
     《ナイトメア》と敵対している組織をリストアップするよ。
GM  :まず、君たちも知っているように青竜幇とヴェツィーニ・
     ファミリー*は対ナイトメア同盟を組んだ。
     他には、縄張りを荒らされた地元の犯罪組織たちも《ナイト
     メア》に対して、いい感情を抱いていない様子だ。
エンジュ:警察はどう? 
GM  :グローバル・ガードの動きはいささか不可解だ。
     <BLOOD>の取り締まり強化など、《ナイトメア》に対抗する
     活動があるかと思えば、占領された華僑ビルへの突入の遅れ
     など、圧力がかかっていることを感じさせる部分もある。
エンジュ:まだ浸透してはいないものの、上層部に接触しているようだね。
ラルフ :それはマズいな…
レイファ:エンジュ、《ナイトメア》が次に絡んできそうな事件を突き
     止められない?
GM  :それは君たちにはまだ無理だね。
ラルフ :レイファは先走りすぎだぞ。この人数と腕じゃ、下手に打って
     出ない方がいいんじゃないか。
アヤコ :でもね、監視されてるの気になるし。
レイファ:注目されるのは別にイヤじゃないけど。
     この先、ハンターとして仕事をしていく上で《ナイトメア》とは
     間違いなくカチ合うことになるはず。
     なら、今のうちに叩いておくべきじゃない?
エンジュ:僕は現時点での全面戦争はお勧めしないよ。
     もし、《ナイトメア》と戦うつもりなら、他の仕事を一切
     断って、《ナイトメア》だけに集中しないといけないと思う
     んだ。
     ハンター稼業の片手間にあしらえる相手じゃないでしょ?
     だけど、何もしないでいるのもよくないと思うんだ。
     こちらから突っ込む必要はないけど、向こうが仕掛けようと
     してきたら跳ね返せるだけの備えはしておきたい。
     だから、僕はいろいろ情報を集めてるんだけどね。
GM  :悪くない方針だよ、エンジュ。
     闘い方にもよるが、君たちの持つ情報と技能では、《ナイト
     メア》に効果的なダメージを与えるのはまだ難しいだろう。
     今は、各人がコネクションを広げて、《ナイトメア》に対する
     包囲網の構築と技能の習熟、情報入手に勤しむ時期だと思う。
     情報収集をエンジュにばかり頼っていないで、各自でもっと
     動いてごらん。アビスなら傭兵仲間、ホークならドラッグ
     バイヤーなど、独自の情報網を築けるはずだ。
アヤコ :あたしは運び屋仲間とか?
GM  :そう。整備関係という手もあるね。
エンジュ:レイファは上流階級とコネあるんだっけ?
レイファ:あるけど…一番使いたくないコネだわ。
GM  :まあ、どういう人脈を形成するかは君たち次第だが、その過程
     で《ナイトメア》の動きを察知したら、積極的にカウンターに
     行くというのは可能だろう。
レイファ:OK。それで行きましょ。さっそく動く?
GM  :いや、まずはラスベガスへ行ってもらいたい。
レイファ:ラスベガスといったらカジノね♪
ラルフ :おい。ランクアップ認定を受けに行くんだろ。
アビス :CSも持ってゆくのか?
GM  :向こうで技能研修があるからね。持って行ってください。
     で、エンジュ。君がジョーカーのオフィスでバイトをしている
     間のことだ。シリウスが事務所を訪ねてくる。
エンジュ:あ♪ シリウスだ〜。僕、シリウスに話があるんだ。
GM  :「なんだ?」
エンジュ:お礼に車ちょっといい?
GM  :「車がどうした」
エンジュ:あのね、この前、ビルから逃げるとき、助けに来てくれて
     ありがとう。どうやったらお礼できるかなーって考えたんだ
     けど、MAX−7には前にもお世話になったし、シリウスの
     大切な車だから、お礼に僕、洗車しとくよ。丁寧にやるよ。
GM  :ホークもいたぞ?
エンジュ:うん。ホークにはまた別口でお礼する。だから、MAX−7。
GM  :「特別なことをした覚えはない。気にするな」
エンジュ:でも、僕じゃジョーカー助けられなかったし。
GM  :「ようやく自分の無力さがわかったか」
エンジュ:う、うん…
GM  :シリウスは君を真っ正面から見据えて告げる。
    「では、早く、他人から背中を任せられるような一人前の男になる
     んだな。おまえが“坊や”の立場に甘んじているうちは、おまえ
     の呼び名は『キッド』だ」と言って指で額を弾く。
エンジュ:イテッ…
GM  :「お前に車を触らせたくないわけじゃないが、今は急ぐから
      な」と言ってシリウスは事務所を出て行く。
     どうやら、旅に出るつもりのようだ。
     しばらく留守にするので、ジョーカーに報告に来たのだろう。
エンジュ:どこ行くのかな〜。ま、いいや。
     ホークはお礼、何がいい? 変わったドラッグとか(笑)?
     ルールブックにいろいろ載ってるよ。
ホーク :どれ?(ルールブックを読みつつ)へぇ。性転換のドラッグ
     なんてのもあるんだぁ。
アビス :…そんなものまで試す気か、おまえは。
ラルフ :女になってもレイファには勝てないぞ、きっと。
GM  :他に行動することがなければ、華僑ビル爆破事件から半月が
     経過して、君たちがラスベガスへ発つ日になるぞ。
     前回までの負傷はすべてクリア。ラルフも復帰してきた。
     依頼していた品物も納品される。
レイファ:おかえり〜。快気祝いに桃饅いる?
ラルフ :もういいって。
アヤコ :それじゃあ、ラスベガスへGOだね。

   1  ランクアップ認定

GM  :タイムスケジュール上、ラスベガスまでの遭遇チェック*は省略
     する。君たちは約一週間後、ラスベガスに到着した。
     今日は部屋割りと認定式。技能研修は明日からになる。
     研修終了までの約二週間の滞在費はユニオンがもってくれる。
ホーク :助かった…(彼の資産はこのとき500ドルを切っていた)
エンジュ:ジョーカーに連絡する〜。
     無事、ラスベガスについたよ。明日から訓練なんだ。
     そっちは変わりない?
GM  :「ええ。晩のニュースをお楽しみに」
エンジュ:??? なんだかわかんないけど楽しみにしとく。
GM  :ところで、部屋割りなんだけど、基本的に他のハンターチーム
     と相部屋になることはない。
     君たちには二人部屋4つが割り当てられる。
     ひとつはセンゴクとルーレルのNPCコンビが使うことにする
     ので、後はそちらで決めてくれ。
アビス :センゴクがいないんならホークとだろうな。
エンジュ:じゃ、僕とラルフだね。
ラルフ :エンジュと同室はイヤだ(きっぱり)。
エンジュ:ええ〜? だって、レイファとアヤコさんでひと部屋使う
     でしょ?
ラルフ :アヤコ。俺と同室になってくれないか。
アヤコ :別にいいけど。
エンジュ:看護中に愛が芽生えた? でも、男女相部屋でいいのかなあ*
レイファ:わたしは構わないわ。
     あんた、わたしを襲うつもりないでしょ。
アヤコ :無理っぽいよね(笑)。
ラルフ :そんな度胸も体力もないだろう。問題はないはずだ。
GM  :じゃあ、部屋割りが済んだら、午後の認定式に出席してくれ。
     北米のあちこちから、ランクアップに来たハンターが大勢いる。
     その中で、「姐御!」と声をかけてくる男がいるけど?
アヤコ :どっちどっち?
GM  :アヤコの方だね。テキサナで仲間だった走り屋だよ。
    「やー、奇遇ですねー。今までナニしてたんスか? ま、ここに
     来てるってことはハンター稼業かあ。
     実はね、オレもハンターになったんスよ」
アヤコ :他の連中も一緒?
GM  :「いや、今日はここにはオレだけ。ランドブラスターの認定を
     受けに来ただけだから。何人かはやっぱりハンターになってます
     よ。消息不明の奴らも多いけど」と仲間の連絡先を教えてくれる。
アヤコ :あんたたち、まだテキサナにいるの?
GM  :「まあね。ケリつけなきゃ、出られないし」
アヤコ :だよねぇ*(笑)
     それじゃあ、あたしもアドレスを教えておこう。
     今、ネオ=アップルにいるんだ。しばらくテキサナには戻らない
     と思うけど、また連絡ちょうだい。
GM  :「了解。姐御もお元気で」
エンジュ:さっそくコネができてる。
GM  :それでは認定式が始まる。
レイファ:正装するの?
GM  :いや、普段着で結構。で、ユニオンの高官からの挨拶がある。
     「君たちは本日をもって、ランクEからランクDに昇格する」
レイファ:やったね♪
GM  :「ランクEというのはハンターになれる技能がある人間という
     こと。ランクDになってようやくプロのハンターとして世の中に
     認められたという段階だ。だが、ランクC、ランクBへの道は
     まだ遠い。各自、ハンターとしての自覚を忘れずに。
     死にたくなければ、これからも精進することだ」
     そして、明日からの訓練を担当する教官が紹介される。
     まず、各種言語や弁論術等の《ランゲージ》分野はリンダ・
     ウィリアムズ・ベル博士。
ホーク :名前からすると、女性ですか。
GM  :そう。ユニオン職員ではなく、民間の委託講師だ。
     次、《テクニカル》分野。メカニックの設計、修理や工学系の
     技能。および《サイエンス・メディカル》分野。医学・薬学や
     化学・生物学等−−を担当するのはCランクハスラー、
     ハニー・デュー・ハニー。
     続いて、《ナビゲート》分野。地上車全般からコンバットシェル
     まで、はハリー・フェスというランドブラスター。
エンジュ:二人目のハリーだね。
GM  :ああ、ハリー・陳もいたか。
     で、《エージェント》分野−−鑑定や偽造、暗号等。
     および《ミリタリー》分野−−サバイバル、戦略、トラップ、
     ストーキング等。および《ウェポン》分野と《ファイト》分野
     の4つのグループを担当するのはロナルド・グレンディ。
     テキサナが生んだ英雄“ビッグ・グレンディ”だ。
エンジュ:わ♪ ここに来てたんだね。
レイファ:あんたの知り合い?
ラルフ :…さてはおまえ、覚えてないな。
レイファ:なにを?
GM  :(こいつわ)拍手に応えて壇上に上がった教官はレイファには
     よーく見覚えのある初老の男だよ*
レイファ:あら、じいさん♪ よろしくぅ。
GM  :ようやくわかったか。ハンターランクはB。もっとも、認定を
     受けていないだけで、ランクAの実力はある。
エンジュ:よかったね。【ストーキング】*教えてもらえるじゃん。
GM  :《コンピュータ》分野はギルバート・ブラックモアという
     ネットライナーだ。
     あと、CSを使った訓練にはマイク・クラウド少佐という傭兵
     経験者のブロックバスターが特別サポートに入る。
     通称“マッド・マイク”だそうだ。
     さて、君たちはランクアップにより、キャラクタークラスに
     応じた新しい技能を3つまで習得することができる。
     技能値は30%だ。さて、どれを習う?
ホーク :【言語学】の教官が女の人か…これは取らないと。
エンジュ:すごい理由で決めてる気がするんだけど…大丈夫なのかな。
レイファ:わたしは【ストーキング】ね。
     【地上車全般】取ってもいいんだけどさ、運転手、他にいるから
     いっか。
ラルフ :おまえなぁ。
レイファ:《ファイト》関係はほとんど習得済みなのよね。
アヤコ :未習得のしか選べないんだっけ?
GM  :そうです。
レイファ:この【大型武器】って何?
GM  :ナイフより大きい手持ち武器。刀類や鉄パイプなど。
レイファ:そういう白兵戦、今までやったことないよね。
     今度やろーよー、やろうよぅ。
GM  :違うぞ。技能判定はGMから「チェックしろ」と言われるのを
     待つばかりでなく、「ここでこの技能を使っていいか?」と
     積極的に利用するようにすべきだ。
ホーク :でも【建設土木】なんて使い道なさそうだよ。
GM  :いや。【爆発物】と組み合わせて、一発で建物を破壊できる
     ような爆弾の仕掛け方をするとか考えられるぞ。
ホーク :あ、技能は組み合わせて使ってもいいんだ?
GM  :いいんだよ。では、決まった人から申請をしてくれ。
アヤコ :はーい。いきます。
     【精密メカニクス】と【大型艦ナビゲート】と【狙撃】。
GM  :大型艦ねえ。すごいのが操縦できるようになるよ*
レイファ:決めた。【サバイバル】と【爆発物】、【ストーキング】。
     全部じいさんに教わることになりそうだわ。
ラルフ :俺は最初にいろいろ技能獲得しちゃってるからこれといった
     のがないなあ。【小型艦ナビゲート】*と【暗号】と【鑑定】で
     いいか。
ホーク :【言語学】でしょ、【薬学】。
アビス :趣味に走ったな。おれは【ナイフコンバット】。
     残りは【ブービートラップ】と【ストーキング】。
エンジュ:じゃあ僕は【写真・映像】と【偽造】と【化学】にしよっと。
GM  :それでいいな?
ホーク :あ、待って。あとひとつ…ええと…【搭載火器】にしよう。
     新しい武器も買ったしね。
GM  :「では、今日はこれで公式日程は終了。明日からの訓練に
     備えて、各自、鋭気を養うこと」はい、解散。
アビス :フリータイムか。傭兵仲間に声をかけて食事でもするか。
レイファ:じいさん、暇? 飲みに行こうよ。
GM  :「ようやく来たな」
レイファ:何飲む? 紹興酒*
GM  :いや、グレンディはスコッチ・ウィスキー*だ。
レイファ:じゃ、わたしも今日はウィスキーにお付き合いしましょ。
GM  :他に、グレンディに挨拶に行く人は?
     アビスは聞きたいことがあるって言ってなかったか?
アビス :邪魔でなければ同席したいが。
レイファ:皆、おいでよ。何頼む?
ラルフ :明日から訓練なんだから、あまり飲ませるなよ。
レイファ:うん、セーブしてるわ。
GM  :さて、何を話す?
アビス :銀色の髪−−正確には放熱機関だが−−を備えたフルボーグに
     ついての噂を知らないか*
GM  :グレンディが個人的に知っているわけではないが、ハンター
     ではなく、フリーの傭兵にそういう奴がいるそうだ。
     ただ、ここ数年、戦場でそいつを見たものはいないらしい。
    「引退したってワケじゃなさそうだがな」
アビス :そうか。まだ届かんか…
レイファ:わたしはこれまでのことをひととおり話して、《ナイトメア》
     についてじいさんが知ってることを聞いてみよう。
GM  :《ナイトメア》と関わっていると聞くと、グレンディは心配
     そうな顔をする。
レイファ:実害はないんだけどさ、脅しがきたりはしてるんだ。
GM  :「まあ、よく頑張ってるようじゃないか」
レイファ:ほうほう♪ でさ、じいさんは過去に《ナイトメア》と敵対
     したことあるの?
GM  :あまり話したがらないが「時と場合によりけりだ」と。
レイファ:ふうん。じゃ、単刀直入に聞くわ。
     わたしが今、ナイトメアに仕掛けて勝てると思う?
GM  :「無理だ。少なくとも、考えなしで挑む分にはな」
レイファ:頭を使えってこと?
GM  :「そういうことだ。闘い方さえ間違えなければ、誰にでも
      闘い抜くことはできる」
レイファ:今のわたしでも?
GM  :「無論だ」
アヤコ :希みが出て来たじゃん。
GM  :「ただ、闘い方というのは他人に教えてもらって身につくもん
     じゃあない。戦いの技術は教えてやれても、どう闘ってゆくか
     というのは自分で選ぶものだからな」と厳しい口調で言う。
レイファ:うん…わかったよ。うん、OK。
GM  :では、他にすることがなければ部屋に戻って寝てくれ。
エンジュ:まだー。ニュース見るよ。ジョーカーが言ってたじゃん。
アヤコ :ああ、そうだったね。忘れてた(笑)
GM  :俺も(笑)
     では、バーなりロビーなりのテレビジョンを見てくれ。
     ネオ=アップルの港に係留中の、廃棄されたオイルタンカー
     《九頭竜》が爆破されたというニュースをやっている。
エンジュ:タンカー? 石油は禁制品じゃなかったっけ?
GM  :だから、過去の遺物の老朽船。オイルは積んでいない。
     何故、そんなものが爆破されたかは不明だが、ニュースを聞いた
     グレンディはにやっと笑っている。
レイファ:じいさん、何か知ってるの?
ラルフ :シリウスの仕業だって言うんだろ。
GM  :「あれも闘い方のひとつだ。元気でやってるようだな」
レイファ:ま、彼が何をしようと構わないけど。
ホーク :部屋に戻って寝ようか。
GM  :では翌日から訓練が始まる。《SUV》のチェックをしよう*
エンジュ:え? 僕も?
GM  :あ、エンジュは除外。
レイファ:成功ね♪
ホーク :失敗…
ラルフ :こっちも失敗した。
GM  :失敗した人は訓練のキツさに泣いてくれ。
ラルフ :入院してて体力が衰えたかな。
レイファ:ま、鍛えてきたからこんなものね。
GM  :まあ、徐々に身体も慣れてくるので、訓練が終わる頃には
     きっと皆の動きもシャープになっているだろう。
     新しい技能をキャラクターシートに書き込んでおいてください。
     で、修了式があって、公式日程はすべてクリア。
アヤコ :お疲れさま〜
レイファ:今夜は打ち上げね♪
GM  :明日の昼以降もユニオンのセンターに留まるのであれば、生活
     費は自己負担になります。
     ユニオンにいるうちにしておきたいことはあるかい?
レイファ:じいさん、連絡先教えてよ。
GM  :自宅のアドレスを教えてくれますが、各地を飛び回っている
     ので、めったに自宅にいることはないと先に言っておく。
レイファ:じゃあ、わたしの住所も教えておくわ。
     じいさん、近くに来たら絶対に連絡してよ。知らんぷりして
     通り過ぎるってのはナシだからね。
GM  :はいはい。
ラルフ :遠方からもハンターが集まってるなら、ヌーベルデルタの情報
     を聞いておくかな*
GM  :さすがにそんなに遠くから来ている奴はいないよ。
     ここのユニオンがカバーしているのは北米だ。ヌーベルデルタの
     情報ならネットで調べた方が確実だろう。
     ただし、君の求めているレベルの情報となると、相当、難易度は
     高い。
ラルフ :俺の腕ではダメってことか。
     腕のいいネットライナーを紹介してもらえないか尋ねてみるよ。
GM  :「おまえのチームにはネットライナーがいないのか?」
ラルフ :いるけど、頼みたくない(笑)
GM  :一般的に、ネットライナーは性格の一風変わった奴が多い。
     あまりバーにも飲みに来ないし、来てても見知らぬ人とは
     一緒に飲みたがらないよ。
レイファ:じゃなきゃ、酒じゃないの飲んでるとかね。
     エンジュのは、何それ?
エンジュ:麦茶。
ホーク :なんで…
エンジュ:色だけスコッチ♪*
ラルフ :…やっぱりこいつには頼めないな。
ホーク :今夜は泊まらせてもらえるみたいだから、もう一晩休んで
     明日の朝、出発ということにしようか。
レイファ:さあ、打ち上げよ。じいさん、時間ある?
GM  :グレンディは明日以降も訓練生を受け持っているから、あまり
     遅くまでというわけにはいかないが、誘いには応じるよ。
レイファ:$100くらい使って、おいしい酒を出してもらうわ。
GM  :了解。
アビス :なんだかんだでまた半月たったな。往復の時間を含めると
     ネオ=アップルを一ヶ月、留守にしているぞ。
ホーク :ランクアップのためだから仕方ないよ。
アヤコ :帰ったらいろいろと慌ただしそうね。
GM  :では、宴会をお開きにして各自、部屋へ戻る。
アビス :明日の出発は何時だ? 7時?
ホーク :朝飯食べるからもうちょっと…8時か9時くらいで。
レイファ:そんな時間に起きられないわよ。
アヤコ :あんたの起床時間にあわせてたら午後になっちゃうわ(笑)*
ラルフ :エンジュ、ちゃんとレイファ起こせよ。
エンジュ:うへえ、どうやって起こすのさ。
レイファ:声かけたくらいじゃ起きないわよ。
エンジュ:電流、流す?
ホーク :後が怖いよ。
アヤコ :…って言うか、エンジュも起こされるまで寝てそう。
ラルフ :遅くまでネットで遊んでんなよ。
エンジュ:はーい。
GM  :では、レイファとエンジュを残して全員退室。

     2 MELLOW POISON

エンジュ:本気で置き去りにされたかな(笑)
GM  :まだ夜のうちだ。部屋に帰ってシャワーを浴びて、さあ寝よう
     というとき。来訪者がある。
エンジュ:なにかな? インターホンで応対。
GM  :「ミス・レイファはいらっしゃいますか?」
エンジュ:レイファ。お客さんだよ。
レイファ:誰よ、こんな時間に。
GM  :ユニオンの職員のようだが。
     若い女性で、金髪ストレートの美人。
レイファ:用件は?
GM  :「グレンディ氏からメッセージを言付かってきました。
     今夜中に渡しておきたいものがあるから、このメモの場所まで
     来てほしいと」
レイファ:ドアを開けてメモを受け取るよ。
GM  :ルームナンバーのようですが。
レイファ:これどこ?
GM  :「ついでですから部屋の前まで案内しましょうか?」
レイファ:じゃ、頼むわ。着替えてくるから待ってて。
エンジュ:でかけるの?
レイファ:ちょっとね。先寝てていいわよ−−と言って、SMGを準備
     して出て行く。
エンジュ:何しに行くのかな(笑)
レイファ:一応の用心よ。
GM  :レイファを見送ってドアを閉めたエンジュは甘い香水の匂いを
     嗅ぐよ。ふたりとも《EDU》のチェック。
エンジュ:あれ、僕、レイファに負けた?
GM  :レイファは《INT》は低いけど、《EDU》は高いんだよ*
     お嬢なんだって。
     では、ふたりともこの香水が《プアゾン》だとわかる。
レイファ:危険な香りね*
GM  :それでは、レイファのソロシーンだ*
     廊下を進んでゆくと女性職員がつぶやく。
     「どうしてこんな小娘なのかしら」
レイファ:何よ。
GM  :振り向きざまにスタンガン。
     《WIL》のチェックをしてください*
レイファ:えええー! 《WIL》は低いのよ、わたし。
GM  :怪力娘の意外な弱点。君は気絶させられた。
レイファ:うう〜。不覚〜。
GM  :で、しばらくたって君は意識を取り戻す。
     椅子に縛られていて、足元からは振動が伝わってくるね。
レイファ:車で運ばれてるようね。あの女はいる?
GM  :香水の匂いはするよ。目映い照明が君の顔面に当てられて
     いるから周囲の様子は伺えないけど。
レイファ:さっさと放しなさい!
GM  :「これから狩りがはじまるのよ。
      若い狼を狩り出すには、同じ群れにいた狼を使うのが一番
      効率的。
      あなたには老狼をこちらの檻に捕らえる囮になってもらうわ」
     そして、車はどこかの町に到着したようだ。君はまた薬で
     眠らされて運び出される。
レイファ:くやしぃ〜っ

     3 出立

GM  :朝になった。出発の時間だ。グレンディも見送りに来る。
アヤコ :エンジュとレイファ、起きられた?
エンジュ:僕、起きてる。でも…
GM  :レイファはいないね。
ホーク :起こせなかったの?!
エンジュ:違うよ。ねえ、グレンディ、レイファは〜?
GM  :「レイファがどうかしたのか」
エンジュ:昨日、レイファと一緒だったでしょ。
ラルフ :俺たちも一緒に飲んでたはずだぞ。
エンジュ:そうじゃなくって、その後、レイファと会う約束したでしょ?
GM  :「なんの話だ?」
エンジュ:だって、レイファ、グレンディに呼ばれたからって夜、
     出てったんだよ。
ホーク :それで、今まで戻ってきてないの?
エンジュ:グレンディのとこに行って朝帰りってのはないと思ったんだけ
     どね(笑)
ラルフ :おまえ、いくらなんでも変だと思って知らせろよ。
エンジュ:グレンディ、レイファと会ってないの?
GM  :「呼び出したりしていないぞ」
エンジュ:でもねえ、ユニオンの制服を着たキレイなお姉さんが迎えに
     きたんだよ。
     ええっと、覚えたばかりの【写真】と【ソフトプログラム】を
     組み合わせてモンタージュ写真を作ってあげる。
     チェックチェック…と。
     この目は絶対成功だから完璧な出来だね。
GM  :グレンディがその画像を元に職員課に問い合わせたところ、
     彼女はちゃんとした正規の職員だそうだよ。
     名前はアンナ・ステファン。ハンターではなく、民間から採用
     された事務職員で、サン=アンジェルス出身。
     大学を18歳で卒業した才媛だ。ユニオンには2年前から勤務して
     いる。
     ところが、彼女も昨夜から連絡がとれなくなっているらしい。
ホーク :ふたりして事件に巻き込まれたか、あるいはアンナがレイファ
     を誘拐したか。
アビス :グレンディの名を騙って呼び出したとなると、後者の可能性が
     高いだろうな。
ラルフ :レイファを人質にとるとは無謀な奴…
アヤコ :確かにね(笑)
エンジュ:僕が見かけた女の人、香水つけてたよ。隠密行動にそんなこと
     するかな?
ラルフ :呼び出すのは隠密じゃなくていいんだろ?
     ここの職員ってことになってるんだから。
GM  :ああ、そうそう。これは職員からの話だが、アンナはヌーベル
     デルタの香水《プアゾン》がお気に入りで、公式の場にはいつも
     つけていたそうだよ。
アビス :レイファを呼び出しに来たアンナは本人に間違いないという
     ことか。
ラルフ :プアゾンって「毒」って意味のフランス語だよな。
アヤコ :意味深ね。
エンジュ:鼻のサイバー化してる人に追跡してもらおうか?
     犬並の嗅覚になるんだよね?
GM  :「いや、すでに中にはいないだろう」とグレンディが言うよ。
     「ユニオンの警備システムをかいくぐって、人間ひとりを
      何日も人目に触れないよう隠しておくことは不可能だ」
アヤコ :じゃあ、ゲートの守衛に当たってみましょう。
     深夜に出入りした車の記録は残ってる?*
GM  :「ありますよ」
     記録によればテキサナに向かったハンターチームがひとつ。
     これはトライクとバギーの編成だ。
     それからネオ=アップルへ向かったブロックバスターばかりの
     チームがひとつ。彼らはCSを積むカーゴで帰って行った。
     あとはサン=アンジェルスから来て、資材を置いて戻った運送
     業者とその護衛チーム。
アビス :レイファの風体を教えて、守衛に見覚えがないというなら
     最初の連中は外していいだろう。
     バギーとトライクじゃ、人間を隠すのは困難だ*
アヤコ :CSキャリアと運送用のトレーラーなら、その点、いくらでも
     積み込めるもんね。
ラルフ :運送業者はいつもと同じ業者だったか?
GM  :「ああ。だが、普通は翌日に、こっちからの荷物を積んで帰る
      んだが、昨日は夜のうちに荷物なしで戻って行ったな」
ラルフ :どう考えても怪しい。それだ。
アヤコ :サン=アンジェルスだと、こっちを夜中に出て走り通せば
     朝には着く距離だよね。
ラルフ :アンナはサン=アンジェルス出身だったか。
エンジュ:でも、サン=アンジェルスに行くと見せかけて別のトコにいる
     かもしれないよ。そのトレーラーがどっち方面に走っているか、
     偵察衛星にデータ残ってないかな。
ラルフ :おまえ、軍事衛星にハッキングかける気か?
エンジュ:ううん。でも、ユニオンならこのセンターの保守のために
     そういう衛星飛ばしてそうじゃない?
     それで調べてもらうんだ。
GM  :そのサービスは有償ということにしよう。$2,000かかる。
アビス :頼もう。
GM  :では、車は間違いなくサン=アンジェルスに向かったようだ。
アヤコ :じゃあ、あたしたちも追いましょう。
エンジュ:ちょっと帰りが遅れるよってジョーカーに連絡しとかなきゃ。
GM  :ジョーカーとは連絡がとれません。
エンジュ:な、なんで? 磁気嵐?
GM  :いや、単に応答がない。
エンジュ:ええん。ジョーカーどうしたのぉ。
アビス :ま、先にレイファの件から片付けよう。
     ジョーカーの方はそれほど心配してない。
GM  : グレンディはまだここでの仕事があるので一緒には行けない
     が、サン=アンジェルスでの馴染みの宿を紹介してくれる。
    「そこへ適宜、連絡をいれるようにする。
     こっちの仕事が片付き次第、合流しよう」
ホーク :わかりました。じゃあ、先に行ってます。
アヤコ :ところでさぁ、レイファはどうしてアンナに狙われたの?
ラルフ :あちこちで恨み買ってんだよ、あの娘は。
エンジュ:アンナも「お嬢さま」なんでしょ?
     意外とそっち関係の恨みだったりして。
ラルフ :女の闘いか? 凄絶そうだな(笑)
ホーク :身の代金目的かもしれないけど…
アヤコ :ファーストセキュリティエリアにいる深窓の令嬢よりは
     ハンター娘の方が接触はしやすいわよね。
ラルフ :しかし、実際に攫うとなると。
アヤコ :レイファにはボディガードいらないもんね(笑)
アビス :とりあえずサン=アンジェルスに向かうしかない。
     今、出発すれば日のあるうちに着くだろう。
ラルフ :レイファのことだから今頃、自力で脱出してるかもしれない
     けどな。

   4 追跡行

GM  :今回も遭遇チェックは省略する。
     君たちはサン=アンジェルス近郊までやってきた。
     現在、サン=アンジェルスを会場としてテキサナとネオ=
     アップルの和平交渉が行われており、両都市の要人が訪問して
     いる。具体的にはテキサナからはオムニカ社*、ネオ=アップル
     からはシンクレア財団*が人員を送り込んできている。
エンジュ:サン=アンジェルス近郊に両方の軍が詰め掛けてるわけじゃ
     ないでしょ?
GM  :シビリアン主導の和平交渉だから、軍の姿はない。
     ただ、いつもよりセキュリティは厳しくなっているようだ。
アヤコ :この武装じゃ入れない?
GM  :いや、フリータウンは問題ない。和平交渉が行われるのは
     パーフェクトもしくはファーストセキュリティエリアだからね。
エンジュ:フリータウンなんて物の数にも入ってないのよ。
GM  :そもそも都市開発計画から除外されてるし。
     行政側にとってみればフリータウンは「居住区」じゃなくて
     「ホワイトエリア」だから。
     さて、以前にも一度、北米三都市間の和平交渉が行われたことは
     あったのだが、そのときは各都市の利権が衝突してどこも譲らな
     かったために物別れに終わった。
     今回はその当時に比べれば和平交渉が成立する可能性は高いと
     地元のマスコミは報じている。
エンジュ:どこのゲートから入ったのかな。チェックチェック。
     ちゃっちゃとアクセスして、<絶対成功>だね♪
GM  :では、君たちの追っている運送業者が通過したゲートがわかっ
     た上に、こんな情報も入手したことにしてやろう。
     そのゲートは極めてチェックの甘い係員が受け持っていたらし
     い。賄賂さえ払えば禁制品も持ち込めるという噂だ。
ホーク :覚えておこう。
エンジュ:今後のために?(笑)
GM  :馬鹿者。
ラルフ :俺たちはレイファを探しにきたんだぞ。
アヤコ :うーん。そんな係員じゃ、ちゃんと積み荷のチェックしてない
     よね。
エンジュ:運送業者の登記簿を調べるよ。会社の位置とか系列とか。
GM  :では、営業所の場所は判明した*
エンジュ:役員とか出資者にヤバそうな名前はない?
GM  :見た限りないね。
     サン=アンジェルス近郊のみで地道な経営をしている。
ホーク :へえ。ペーパーカンパニーじゃないんだ?
GM  :ユニオンに荷物を運ぶようになったのは最近だが、会社の
     設立自体はかなり前だよ。実績はある。
アヤコ :とにかく、行ってみましょうか。
エンジュ:ここから、会社の記録にアクセスできないの?
GM  :積み荷の内容や搬送スケジュールの情報公開なんかしてないよ。
アビス :直接、事務所に行った方が早いだろう。
ラルフ :レイファがまだそこにいるとは思えないけどな。
GM  :では、輸送会社の事務所についた。受付は女の子。
     「搬送のご依頼ですか? それとも、うちでお頼みした護衛の
      方?」
アヤコ :そっか。護衛は外注なんだ。
ラルフ :それが《組織》の息がかかった奴だったのかもしれないな。
GM  :君たちのただならぬ様子に受付嬢は不安そうな顔をする。
     「お届けの品に何か不都合でもございましたでしょうか?」
アビス :今朝方、ラスベガスから運び込まれた荷のことで聞きたいこと
     がある。
GM  :「今朝ですか。はい、確かにラスベガスの《ユニオン》訓練
     センターからの帰着便がありますね」*
アヤコ :うんうん、それよ。
ホーク :届いた荷物はどこに保管してあります?
GM  :受付嬢は端末を叩いて調べる。
     「こちらからは食糧を運びましたが、ラスベガスから積んだ
      荷物はないようですが」
アヤコ :ええー。いつもは何か運んでくるんでしょ?
GM  :「そうですね。
      積み込みのミスか、先方に問い合わせてみますわ」
エンジュ:覗く覗く。何か変な操作とかしてない?
GM  :してないよ。業務システム自体はなかなか優秀なものを導入
     しているんだが、受付嬢には使いこなせてないみたいだ。
エンジュ:もったいない〜
ラルフ :騒ぐな。
アヤコ :うーん。なんか、すごい普通の会社なんだけど。
アビス :誘拐の片棒とわかってて運んだわけじゃなさそうだな。
ラルフ :カーゴの運転手に会わせてもらえませんか。
     護衛は雇われでも、そっちは社員でしょう?
アヤコ :そうだね。何か聞けるかも。
GM  :受付嬢はふたたび端末を操作する。
     「あら、ドライバーは本日付けで退職してますわ」
ホーク :解雇じゃなくて退職?
GM  :「そうですね。元々、数カ月間の短期契約だったみたいですが」
アヤコ :怪しすぎ
ラルフ :このためだけにユニオンと定期便のあるこの会社に入り込んで
     いたんだろう。
エンジュ:随分前からレイファのこと狙ってたみたいだね。
アビス :糸が切れたな。さて、どうするか…
アヤコ :護衛の人たちって、ロードラッシャー? それともハンター
     だっけ?
ラルフ :ハンターだったらユニオンに問い合わせれば記録があるかもな。
GM  :護衛は3人組のロードラッシャー*で、このサン=アンジェルス
     ではそこそこ有名なチームだそうだ。
     この近くのバーによく出入りしているらしいよ。
アビス :行ってみるしかないな。
エンジュ:昼間っからバーにいるの?
GM  :君たちがサン=アンジェルスについたのは夕方だよ。
アビス :ひと仕事終えた晩だ。一杯やっているだろう。
ホーク :じゃあ、行こう。
GM  :フリータウンにあるそのバーはそこそこ賑わっている。
     労働者階級が多い無骨なバーだ。
アビス :連中はいるか?
GM  :それらしいのがいるね。3人でテーブルについて飲んでる。
ホーク :どうやって切り出そうか?
アビス :パターンとしては一杯おごるところからか。
エンジュ:それならアヤコさんにやってもらった方が、効き目あるかも〜
アヤコ :あたし? まぁいいけど。
     じゃあ、あそこの人たちに、今と同じものをもう一杯。
GM  :バーテンが「あちらの女性からです」と酒を出すと、彼らは
     会話を止めてアヤコの方を見る。
アヤコ :う、睨まれた? どうすればいいのかな。
エンジュ:固まってちゃダメでしょ(笑)
アヤコ :慣れてないのよー、こういうの(笑) あんた、できる?
エンジュ:僕と同じのおごって喜ぶかなあ?
ラルフ :却下。
GM  :君たちがそこでゴタついているのを見て、三人組のリーダーと
     おぼしき年長の男はアヤコを無視してひたすら自分のグラスを
     空けている。一番若いのはアヤコに興味は抱いたようだが、行動
     は起こさない。残るひとりが立ち上がって嬉しそうにアヤコの方
     にやってくるね。
     「よう。オレたち《三銃士》に何か用かい?」
ホーク :さ、三銃士…それがチーム名?
GM  :そのようだ。
アヤコ :じゃあ、話しかけてきたポルトスに…
アビス :ポルトスっていうのか?
アヤコ :うん。で、若いのがアラミスで…
エンジュ:リーダーがアトスでしょ*。役柄的に。
GM  :ま、コードネームはそれでいいわ。
     で、ポルトスになんて応えるの?
アヤコ :今朝の仕事のことで聞きたいんだけど。
エンジュ:うわ。直球だなあ。
アヤコ :え、ダメなの?
アビス :構わん。続けてくれ。
アヤコ :もしかして、カーゴに女の人が乗ってたんじゃないかって
     思って。
GM  :すると、今まで黙っていたアトスがグラスをドン、とテーブル
     に置くよ。
     「おまえたち、何者だい」
アヤコ :えー、あのー。このシチュエーションはどうすればいいの〜
アビス :おれが応えよう。おれたちはネオ=アップルから来たハンター
     チームだ。仲間がひとり、ラスベガスで攫われてな。あんたらが
     護衛していたカーゴで運ばれた可能性が高い。話を聞かせて
     もらっていいか。
GM  :「いいだろう」
     君たちは席を移動して《三銃士》と同じテーブルにつく。
     「何が聞きたい」
アヤコ :昨日の夜のことなんだけど、女の子が車に連れ込まれるの見て
     ないかしら?
ホーク :あるいは、妙な積み荷があったとか。
GM  :「おれたちは護衛役なんでな。荷物の積み込みは手伝わなかっ
     たから、わからんな」
ラルフ :君たちが護衛していた輸送車のことなんだが、運転手が行方
     不明になっている。何か知らないか?
GM  :「こいつだろう」
     アトスはテーブルにプラスチックペーパー*を投げ出す。
     そこにはサン=アンジェルスのファーストセキュリティエリアの
     高級レストランで、男がひとり狙撃されて死んだというニュース
     が取り上げられている。つい先ほどのことだ。
ホーク :こ、殺された?
アビス :それが運転手なのか?
GM  :顔写真が載っているので間違いないそうだ。
アヤコ :うわ。素早っ
GM  :他メガ=シティの要人が訪問していて警備が厳重になっている
     この時期に、よりによってファーストセキュリティエリアで
     起きた殺人事件だから、大きく取り上げられている。
アビス :こいつとは以前にも一緒に仕事したことがあるのか?
GM  :「あの輸送会社の依頼はよく受けるんで、2、3度、当たった
      ことはあるな。だが、それ以上の付き合いはない。
      ファーストセキュリティエリアで飯を食うほど、金回りが
      いいようにはとうてい見えなかったが」
アヤコ :男はひとりで食事してたの?
GM  :そうらしい。誰かを待っている風でもなかったようだ。
     新調のスーツを着て、豪勢な食事をしている最中に撃たれた
     らしい。
ラルフ :狙撃と言っていたな。狙撃地点や銃器の割りだしは済んで
     いるか?
GM  :詳細は調査中だが、死体から摘出されたのは特殊な弾頭だった
     ということだ。
ラルフ :どんな?
GM  :7.62mmフルメタルジャケットで、グリーンにペイントして
     あった。
     さらに、周囲にいた客たちだが、全員が「銃声はしなかった」と
     証言しているそうだ。
ホーク :狙撃銃にサイレンサーを使っていたってこと?
GM  :いや。完全に無音だったらしい。
アヤコ :銃じゃないのかな?
GM  :【小火器】1/4の知識チェックをしてもらおう。
アビス :クリティカルだな。
GM  :では、中国で「微声拳銃」と呼ばれる特殊な銃があったことを
     思い出す。銃身に消音機構が内蔵され、かつ低速弾を使用する
     ので、まったくと言っていいほど、銃声がしない。
     現在でも暗殺用に若干数が残り、使われているという噂だ。
     ちなみに、緑の弾頭というのが微声拳銃専用弾の証拠のひとつで
     もある*
     おそらく、それを使ったのだろうと君たちには予測がつく。
ラルフ :プロのスナイパーか…
アヤコ :あなたたちは大丈夫? 狙われたりしない?
GM  :「おれたちは誘拐には加わっていない。主犯の顔を見たわけ
      でもないしな。殺すほどのこともなかろう」
アヤコ :うーん、でも気をつけてね。しつこい組織だから。
GM  :「ありがとうよ」
エンジュ:あ、そうだ。顔は見てなくてもさ、香水。気づかなかった?
GM  :「香水? さあな…」
     アトスが首を傾げたとき、それまで黙っていたアラミスが口を
     挟む。
     「それなら知ってる。確かに、甘い香水の香りがカーゴから
      漏れてきたよ」
アヤコ :さすがアラミス(笑)
アビス :アンナがレイファを攫って、この街まで連れて来たのは間違い
     ないようだな。
アヤコ :レイファ、どこ行っちゃったの〜
ホーク :一端、ホテルに戻ってじいさんに報告しようか。
GM  :では、モーテルにはグレンディからの伝言が届いている。
     グレンディの下に召喚状が届いたそうだ。
    「貴兄のよくご存じの女性ハスラーの身柄を預かっている。
     彼女の無事な帰還を望むのであれば、3日後の夜明け、サンタ・
     バーバラ区のドリームランド跡地まで参られたし」
ホーク :ドリームランドって?
GM  :サン=アンジェルス郊外にある元遊園地。
ラルフ :ディズニーランドのことかな?
アヤコ :ユニバーサルスタジオかも。
GM  :経営不振により閉園した後、今では粗大ごみの廃棄場と化して
     いる。
     北米でもっとも酸度の高いと言われるサン=アンジェルスの
     強酸雨や紫外線に晒されて、いつ崩壊するかわからない代物だ。
     難民やバンデットもめったに近づかない。
     通称・ドリームセメタリィ=「夢の墓場」だ。
ラルフ :レイファはそこにいるんだな?
GM  :このメールが届いた直後にグレンディはラスベガスを発った。
     とりあえずこのホテルで君たちと合流するつもりだそうだ。
エンジュ:直接、指定場所に行くんじゃないんだね。
     ここで、レイファだったら「一人で来いとは書いてないわよね」
     って言ってじいさんに加勢すると思うな。
ホーク :グレンディの到着を待とうか。
アヤコ :そうね。
GM  :では、場面転換。

     5 SLEEPER

GM  :目覚めると、そこは簡易ベッドの上だ。
レイファ:縛られてはいない?
GM  :手足は自由だ。衣服もそのまま。
     むろん、武器は取り上げられているけどね。
レイファ:足に隠した手榴弾は?
GM  :発見されていない。$10,000かけた甲斐があったね*
レイファ:ラッキー。これでなんとでもなるわ。
GM  :部屋の状態を説明する。簡易ベッドとユニットバス。
     壁にドアの殺風景な独房だ。
     ただ、監視カメラの類いは見当たらない。
レイファ:ドアにはもちろん、鍵がかかってるのよね?
GM  :いや、君はドアに辿り着く前に、透明な壁に行く手を阻まれ
     る。防弾ガラスで部屋が仕切られているね。
レイファ:うーん。どうやって壊そうかしら。
GM  :すると、君を攫った女がドアを開けて入ってくるよ。
     「そろそろ薬が切れる頃だと思ってた。あなたは単なる囮。
      そこでおとなしくしていなさいな」
レイファ:ふぅん。あんたの名前、聞いておくわ。
GM  :「アンナ・ステファン。言っておくけど、本名よ。
      どれだけ調べたって、私の過去の経歴に詐称はないわ。
      私は正真正銘のユニオン職員で、そして、《ナイトメア》
      のスリーパー」
レイファ:スリーパー?
GM  :SLEEPER(潜伏者)だ。
     脅されたり買収されたりして協力を要請された内通者ではなく、
     最初から工作のために敵組織に入り込む者を示す。
レイファ:忍者用語の「草」ってやつね。
GM  :そうそう。で、アンナは2年の間、《ナイトメア》からの指令を
     待ってユニオンでまじめに働いていたワケだ。
     そして、下った命令が「グレンディを誘い出すためにレイファを
     攫え」というものだった。
     貴重なスリーパーの正体を暴露してまでも遂行せねばならない
     重要な作戦だということだ。
レイファ:じいさん、《ナイトメア》に何したのかしら。
     ま、それはいいわ。で、じいさんは動いたの?
GM  :「“レイファを取り戻したいならドリームセメタリィまで
     来い”と連絡したら、すぐさまラスベガスを発ったそうよ」
レイファ:あんたたち、じいさんをどうする気?
GM  :「言ったでしょう。老人は狼を駆り出すために必要なの」
レイファ:シリウスがそんなに怖いの?
GM  :「上層部が何を考えているかまでは知らないわ」
レイファ:なんだ。あんた、ただの下っ端なんじゃない…と言いたい
     ところだけど、一応、自制(笑)
GM  :それは賢明な判断だ(笑)
    「それでは、おとなしくしていなさい。何か要求はある?」
レイファ:シャワーを使いたいんだけど。
GM  :ご自由に。監視カメラの類いは設置してないわ」
レイファ:あ、そう。あと、お腹すいたから。
GM  :「食事を手配しておきます」
レイファ:毒なんか入れないでよね。
GM  :「あなたは囮の役を充分に果たしたわ。事が終わったら帰して
      あげるわよ。
      せいぜい、仲間に《ナイトメア》の恐ろしさを吹聴して
      ちょうだいね」
レイファ:あんたも忘れないことね。誰に手を出したかってことを。
GM  :そのとき、ドアが開いて黒人の男が顔を覗かせます。
     「うぃーっす。ここ、トイレじゃないの? それともナニか? 
     お姉ちゃんたち、斬新なサービス? うひゃひゃひゃ」
レイファ:見覚えある男?
GM  :いや、まったくない。どうも酒臭いらしく、アンナは顔を
     しかめている。
     で、すぐに別の男たちが「お見苦しいところを、失礼しました」
     と男を引きずってゆく。
     で、黒人の男は大騒ぎで引きずられてゆきながら、レイファに
     ちらっとウインクする。
レイファ:…あんたの部下にもいろんなのがいるのね。
GM  :「うるさい。現地スタッフは私が選定したわけじゃないわ」
     そして、アンナは立ち去ります。
レイファ:じゃあ、シャワー浴びて、食事して〜。
     おもむろに脱出の準備に取り掛かろうかしら。
     まずは、この防弾ガラスをなんとかしないとね。
GM  :習いたての【爆発物】でチェックだな。
レイファ:成功。じいさんに教わっといてよかった。
GM  :この壁を破壊するには手榴弾3個が必要と判断しました。
レイファ:片足分で足りるわね。
GM  :あとは、自分の遮蔽ですが、簡易ベッドをたてかけて、
     バスタブの中にでも潜んでいれば爆風を凌げるでしょう。
レイファ:ベッド運べるかしら?
GM  :筋力ボーナス+7だあ? 余裕でしょう。
レイファ:それじゃ、片手で(笑)
GM  :では、後は【爆発物】のチェック。
     実際に破壊工作が成功するかどうかだ。
レイファ:21。これはクリティカルヒット?
GM  :またかっ…て、いや、待て待て。
     【爆発物】は一般技能なんで、<大成功>は05以下だけだ。
レイファ:あ、そう。じゃあ、ただの成功。
GM  :防弾ガラスの一角が破壊されて、人が通り抜けられるくらいの
     穴があく。
レイファ:出るわよ。
GM  :とても隠密行動とは言えないので、当然、警備員が駆けつけて
     くる。二人。このラウンドは君の不意打ちでよい。
レイファ:武器がないのよね。【素手戦闘】。ダメ、外れた。
GM  :では改めてイニシアチブ決定。
     レイファの方が《REF》高いね。先攻どうぞ。
レイファ:クリティカル♪ クリティカル・チャートは6。
GM  :あばらが折れた。心理チェックは…失敗、気絶だ。
レイファ:あとひとりね。
GM  :先にこちらの攻撃を回避すること。
     【ナイフコンバット】で行くよ。
レイファ:回避した。攻撃は成功。
GM  :こっちの回避は失敗しているので火力判定してもらおう*
     ダイスの出目+筋力ボーナス。
レイファ:あまり通らないなあ。
GM  :今度はこっちの攻撃。外れた。
レイファ:こっちはいい目が出た♪ 倒したわね。
GM  :はい、倒れました。
レイファ:そいつらの武器は?
GM  :ナイフと45cal.SMG*
レイファ:予備マガジンは?
GM  :探索している時間はない。また別の足音が迫ってきている。
     どっちを持ってゆくか決めてくれ。ひとつのみ携帯を許可する。
レイファ:ナイフにする。
GM  :では、どちらへ進む?
     左右とも同じような廊下だが、左の方から足音がドヤドヤと。
レイファ:ここは逃げるが得策。右に行く。
GM  :ふたたび左右に道が分かれている。右はドアがふたつあって、
     行き止まり。左はカーブしていて、その先が見えない。
レイファ:袋のネズミはいやよ。左へ。
GM  :カーブの先、廊下の両側にずらっと扉が続いている。
     で、正面は行き止まり。
レイファ:くっ…
GM  :と、ひとつのドアが開いて、指がちょいちょいと君を呼ぶ。
レイファ:入る!
GM  :散らばったワンルームだ。先ほどの黒人の男がいる。
     「話は後。クローゼットに入んな」
レイファ:助かるわ。
GM  :どうかな。クローゼットの中は非常に汗くさい。
レイファ:うう〜、でも我慢。
GM  :男はダンス・ミュージックを大音量で流している。
     で、しばらくすると、追っ手がこの部屋まで探索の手を伸ばして
     くる。
     「こら、アクセル。おまえ、何をフラフラしている」
     「オレは非番だぜ、旦那。緊急事態でも起きない限り、邪魔しな
      いでくれよぅ」
     「その緊急事態なんだ。女がひとり、部屋を爆破して逃げた。
      おまえ、気づかなかったのか」
     「そーいや、さっきちょっと揺れたような気がしますがねぇ、
      見てのとおりノリノリなんでぇ、地震が来たってわっかんねぇや」
     「とにかく非常事態だ。おまえもさっさと着替えて捜索に加われ」
     「オッケーオッケー」
      というような会話が交わされて、追っ手は去っていった。
     「ヘーイ、爆弾ガール、出て来なよ。警戒解除。ノープロブレムだ」
レイファ:ありがと。
GM  :「で、あんた、何者?」
レイファ:わたしは監禁場所から逃げてきただけ。
     あんたの方こそ何者よ。
     あいつらの仲間にしちゃ変じゃない。
GM  :「ヘイヘイ。追われてる女の子匿うのは男の義務だよ。だけど
      さ、ここまで関わっちゃったんだから、せめて事情話してよ」
レイファ:わかった。ここに連れて来られたわけを話すよ。
GM  :「うーん。ここは悩みどころだが、おネイちゃんのために一肌
      脱ごうかね」
レイファ:あんた、何者?
GM  :「おお、それが問題だぜ、ベイビー」
レイファ:言えないっていうの?
GM  :「うんにゃ。言って信じてくれる人がこの世にどれだけいる
      ことか。だがしかしっ、オレはこの試練に果敢に挑もう。
      告白するぞ。オレはアクセル、このサン=アンジェルスが
      世界に誇っていい優秀な警察官なのだ*
レイファ:サツ? あ、そう(笑)
     でも、サツがこんなとこで何をしているのよ?
GM  :「くううっ、奴らに言い触らせないこの辛さを聞いてくれる
      か。オレはこの組織を調査すべく、出自を偽り、身を潜め、
      時には本来の同僚とすらも対立せにゃならんという苛酷な
      役割を命ぜられた孤独な捜査官…」
レイファ:要はスリーパーなのね。
GM  :「おネイちゃん、物知りだね」
レイファ:いろいろあって(笑)
     ところでさあ、脱出するの手伝ってくれるなら、まず変装用の
     服、貸してくれない? それと武器ね。
GM  :レイファ、【変装】技能なんか持ってたっけ?
レイファ:ないわよ。
GM  :「なんと! それはオレの優秀な技術を披露するチャ〜ンス」
レイファ:変なトコ触んないでよっ(笑)
GM  :では、すったもんだあった後で(笑)、警備員らしく変装した
     レイファとアクセルは捜索隊に紛れます。
レイファ:しゃべると声でバレるから黙ってるよ。
GM  :頃合いを見計らってアクセルの運転するバギーで外へ。
レイファ:ねえ、ここはどこ?
GM  :「サン=アンジェルスさぁ。オレの守る天使の街よ。
      で、おネイちゃんはこの辺で頼れる奴いるのかい?」
レイファ:うーん。仲間もそろそろ来てると思うんだけど、居場所は
     わかんないや。
GM  :「そんなら、とりあえず、オレの隠れ家に来るかい?
      オレもさあ、まだ署に戻るワケにゃいかんだろうし」
レイファ:お世話になるわ。
     あんたさ、今度、困ったことがあったら、わたしに声かけなさい
     よ。恩返しするわ。
GM  :「オーケイオーケイ。これでめでたしめでたしと行きたいとこ
      ろだけど、なんか邪魔が入りそうな雰囲気だねえ」
     見ると、後ろから追ってくる車がある。
     「さっそく、駆け落ちがバレちまったらしいぜ」
レイファ:運転は任せた。武器はどこ?
GM  :9mmSMG。
レイファ:ドライバーを撃てばいいの?
GM  :操縦者を狙うなら判定1/2。
     ちなみに追いかけてくるのはコミューターだ。
     タイヤは防弾仕様になってない。
レイファ:バーストモードでタイヤを撃ち抜こう*。あ、クリティカルだ。
GM  :チャートを見るまでもない。タイヤがパンクして追跡不能だ。
     では、アクセルの隠れ家に着く。
     「何か入り用なものはあるかい?」
レイファ:武器がほしい。
GM  :「さっきのSMG、持ってっていいぜ」
レイファ:そんなんじゃなくて、重火器がいいの。
GM  :「クレイジーなおネイちゃんだな。
      あーん、確か、倉庫の方になんかあったと思うぜ、ちょっと
      待ってなよ」と、アクセルがひっぱり出してきたのは
     サイボーグライフルとSAM*
レイファ:シリウスがヘリ落とすのに使ってたやつね♪
     個人で持てるの?
GM  :命中判定は【搭載火器】だが、設置するところまでは自力で
     やっていいよ。
レイファ:ありがと。借りとくわ。あとは、電話貸してくれない?
GM  :端末がある。電話をかけるくらいならチェックはいらないよ。
レイファ:どこに連絡いれればいいかなあ。
     じいさんはもう出ちゃったって言うし、皆はどこにいるかわかん
     ないし…。
     よし、ここはジョーカーね。ジョーカーのオフィスに連絡を入れ
     て、これまでの事情を話しておくわ。
     皆から連絡があったら、こっちに回して。
GM  :「了解しました」

    6 焦燥

GM  :では、グレンディが到着するまでの間、皆は何をしているの
     かな?
ホーク :先にドリームランドに行って、トラップの有無を確認しとく?
GM  :時間的にその余裕はない。
アビス :では、グレンディの到着を待とう。
レイファ:ちょっと口出しさせてもらうと、皆の行動次第で、この先の
     展開が随分、違うのよ。頑張って検討してみて。
GM  :そうだなあ(笑)
レイファ:皆…というよりエンジュかしらね。
     エンジュが一番、やりそうなアクションよ。
エンジュ:え、僕? 僕のやりそうなこと…? 逃げる、とか。
ホーク :逃げるの?!
ラルフ :馬鹿が。ネット関係じゃないのか?
レイファ:うーん。まあね。戦闘じゃないときにエンジュがよくやってる
     ことよ。ま、これ以上は言えない(笑)*
アヤコ :何かな? グレンディが来る前にやっておいた方がいいことで、
     エンジュの得意なこと…あたしたち、何を見落としてる?
ラルフ :昨日の暗殺事件、追加で判明したことがないか調べておくか?
アヤコ :あとね、ちょっと気になってるのがあるんだよね。
     レイファを運んだカーゴがユニオンに運んだ食品なんだけど。
アビス :確かに、運送業者は調べたが、荷主の方は調べてなかったな。
エンジュ:じゃあね。調べてみるよ。チェックっと。
GM  :その食品会社とユニオンの付き合いは長い。
     怪しいところはあまりないようだ。
     ただ、運送業者の方だが、最近になってあの会社に代わったと
     いうのに気づく。
ラルフ :やはり、運送業者が怪しい。
ホーク :でも、登記まで調べたんだよね?
GM  : 登録上、怪しいところはなかった。公式記録では、ね。
エンジュ:あんー。あ、思い出した。いいヤツだったね。
アヤコ :誰?
エンジュ:人じゃなくってさぁ、あの会社の受付で使ってたシステム。
     すんごく高性能だった、でしょ?
GM  :そうだね。会社の規模からすれば、不釣り合いなくらいに。
エンジュ:いいな、いいな♪ 調べにいってくるねー
アヤコ :行ってらっしゃーい。
GM  :直接のアクセスはとても厳しい。
     ユニオンと取引のある、食品会社のシステムを経由して行く
     のがいいだろう*
エンジュ:アクセスしたよ。
GM  :では、輸送業者のシステムだが、通常業務以外にかなりの領域
     が割かれ、多量のデータが蓄積されているようだね。
     一見して、この規模の会社が扱うデータ量ではない。
エンジュ:中身が気になるなー♪
GM  :ガードがきつい。<絶対成功>以外では最初のプロテクトすら
     外せないよ*
エンジュ:さすがにそれは問題だなあ。帰って皆に報告するよ。
     間違いなく危ない会社だってことはわかった。
     でも、僕だけじゃ手が出せないや。
ラルフ :<絶対成功>のみとなるとな。
ホーク :今は無視していいというGMの警告かな?
GM  :そんなことは言っておらん。
エンジュ:こっちにももっといい端末とかアシストソフトとかあるといい
     んだけど。
アビス :レンタルできないのか?
GM  :カスタマイズされた端末のレンタルは可能です。
     一日あたり$3,000。
ホーク :必要経費は後で割り勘するとして、それを借りてこようよ。
GM  :後は、特別ルールとして、ネット捜査技能を持っているキャラ
     クターがエンジュをアシストするなら、ひとりにつき判定
     +10%を加算してよい。
エンジュ:ラルフ、ホーク、一緒に行こう。
ホーク :え? 俺も?
エンジュ:ハスラーでしょー?! 
     情報検索系の技能、持ってるでしょー?!
レイファ:わたし、持ってないわよ*
ラルフ :おまえが例外なの。
GM  :それでは、高性能端末を使い、アシストが二人でなんとか成功
     確率1/4まで上昇。
エンジュ:《LUC》を2ポイント使って1/1まで戻すよ。
     ここは気合いれないと…よし、やった!
GM  :3人がかりで暗号コードを解読。秘密のデータエリアに侵入す
     る。
     中の捜査はエンジュに任せて、アシストのふたりは巡回プログラ
     ムの警戒とアクセスポイントの維持だな。
エンジュ:ありがと、ホーク、ラルフ。
ラルフ :早く済ませてこい。
GM  :ゲートが破られるとは思っていなかったか、はたまた隠蔽が
     完璧だと思い込んでいたか、データエリア内にプロテクション
     ソフトはいない*
エンジュ:よかったよかった。メモリに余裕があるから平気でドラゴン
     クラス置いてそうだもんね。
     さて、目ぼしいデータはないかなぁ?
GM  :この会社の資本金の何十倍もの取引の記録があるね。
     どこからか、潤沢な資金が流れてきているようだ。
ホーク :羨ましい…こっちに分けてほしい。
エンジュ:なんなら、ホークの口座に全額、振り込んであげるよ。
     後のことは知らないけど(笑)
ホーク :や、やらなくていいよ。
GM  :この運送会社は、名前こそはっきりと出ていないものの、
     《ナイトメア》が手掛けている合法企業のひとつだろうと
     予測がつく。
エンジュ:取引相手をすべてリストアップ。
GM  :了解。では、リストに上がった名前のひとつ−−NASS*
    (ネオ=アップル・セキュリティ・サービス)という警備会社
     だが、華僑ビル占拠事件*の際、《ナイト・ゴーンツ》の連中は
     NASS本社ビル屋上から離陸していたようだ。
     会社のロゴに君は見覚えがある。
アヤコ :そーいや、エンジュは防犯カメラで外を眺めてたよね。
GM  :それと、NASSは先日、爆破されたオイルタンカーも警備
     していた。ニュース画面に映っていたのを思い出したよ。
ラルフ :シリウスが壊したやつか。
エンジュ:ふうん…戻って皆に報告だ。
     そういう会社がこんなにあったよー。リストを見せる。
アビス :それはいいが、レイファはいたのか?
エンジュ:あれ? 
レイファ:それじゃないのよー。
アヤコ :違ったらしい(笑)
GM  :そうこうしているうちに、グレンディが到着します。
     グレンディはここで武装を整えて、翌朝の呼び出しに応じる
     つもりだそうだ。
レイファ:皆ー、もっと考えてぇ。
     エンジュがいつもいつもやってるコトよ。
     特に、ネオ=アップルにいないときはいつもでしょうが。
     なんで、今回に限ってやらないのよー。
GM  :レイファが焦れてるぞ(笑)
ホーク :エンジュがいつもやってることねえ。戦闘見てるだけとか。
ラルフ :人の手元を覗き込みたがるとか。
レイファ:違うでしょー。そういうことしてないとは言わないけど(笑)
エンジュ:僕のできることで、レイファの現状がわかるもの??
     どこかで謎の爆発事件が起きてないかネット捜査する(笑)?
アヤコ :そろそろ自力で脱出してそうだよね。
レイファ:何も言えない(笑)
     でもね、わたしの今の状況を考えてよ。
     わたしにはそれしかやりようのないことよ。そこしかないのよ。
エンジュ:「そこ」だってよ。僕がどこかに何かすることらしいよ。
GM  :正確には、「どこか」というより「誰か」だな。
     もう大ヒント。
ラルフ :エンジュが誰かに何かする?
アヤコ :される、じゃなくて(笑)?
ラルフ :…わかった。ジョーカーだな!
アヤコ :そういや、外仕事のときは毎日のようにお電話してるよね(笑)
     なんでこっちに来てからしないの?
エンジュ:それがさあ、いないんだよ、ジョーカー。
     音信不通なんだよぅ。
ラルフ :あの時はたまたま不在だっただけじゃないのか?
     もういい、俺が連絡する。
GM  :では、ジョーカーが応対します。
     「レイファから伝言があります。
      以下のアドレスに連絡をしてください」
ラルフ :ほら、やっぱり。教えられた番号にかけなおす。
エンジュ:ジョーカー♪ どうしてこの前、いなかったのぉ?
GM  :もうアクセス切ってますが。
エンジュ:あー。ジョーカー…
ラルフ :うるさい。レイファと連絡を取るのが先だ。
GM  :では、教えられたアドレスにアクセスすると、回線がつながり
     ます。レイファ、どうぞ。
レイファ:ようやく話せる(笑)
     安心して、わたしは無事よ。今、安全な場所に潜伏してる。
アヤコ :逃げられたの?
レイファ:うん。独房破壊して、見張り倒して、追っ手まいて。
ホーク :やっぱり…
ラルフ :心配したんだぞっ!
レイファ:うーん。ごめん、ラルフ。不可抗力だったのよね。
     ところで、じいさん、そこにいる?
GM  :「ああ」
レイファ:どう? わたし、ちゃんと闘ってるわ。
     じいさんが教えてくれた技術もさっそく、役に立ったわよ。
GM  :「…よくやった」
     それしか言わない。
レイファ:でさ、明日はどうするの?
     ドリームランドに行ってもわたし、いないけど。
GM  :「構わん。ケリはつけに行く」
レイファ:わたしもそのつもり。向こうで落ち合いましょ。じゃあね。
ホーク :結局、こうなるのか。
アヤコ :ま、いつものことね。レイファも変わりないみたいだし(笑)
ラルフ :とにかく無事でよかった…
エンジュ:グレンディ。うちのレイファがいっつも迷惑かけてごめんね。
GM  :それには何も言わず、君の頭を撫ぜる。
レイファ:じいさん、子供には優しいのね(笑)
エンジュ:…子供扱い?
ラルフ :自覚ないのか、おまえ。
GM  :では、明日の出撃準備をしてくれ。
ホーク :自分のバギーで行きます。
     主武装は150mmモーターランチャー。
ラルフ :俺も自分のバギーで行く。
アヤコ :あたしはアビスのCS積んで行くのかな。
アビス :頼む。
GM  :センゴクのCSはルーレルが運ぶことにしよう。
エンジュ:向こうに行っても潜れるシステムはなさそうだね。
     でも、ここからじゃ覗くことすらできないし…
     僕もアヤコさんの車に乗ってくよ。
GM  :では、約束の朝だ。

    7 ドリームセメタリィ

GM  :汚染物質が渦巻く空に曙光は認められない。
     だが、それでも世界は徐々に明るくなってゆく。
     見慣れた灰色の朝だ。
     ロングコートをまとったグレンディが廃墟と化した遊園地の
     中央広場跡に立ち、君たちはその後方に警戒態勢をとっている。
     グレンディの正面、一段高くなったイベントステージには
     漆黒のオートプロテクターを着た《ナイト・ゴーンツ》が10人
     並んでおり、君たちと対峙している。
     一方、レイファとアクセルは別の方向からこの状況を俯瞰して
     いる。
レイファ:まだ皆と合流はできないのね?
GM  :100mほど離れている。
エンジュ:アクセルって誰?
GM  :君は知らなくていい。
レイファ:ま、最初はここでいいか。例の武器を設置♪
アヤコ :なんか不穏なことしてるみたい(笑)
GM  :ちなみにアクセルはオートプロテクターを装着している。
レイファ:いいなあ。わたしの分はないの?
GM  :「こいつは官給品なんだぜぇ」
レイファ:税金で買ったものでしょ。わたしにも回しなさいよ。
GM  :「おいおい。おネイちゃんはこのシティの住民じゃねぇんで
      ないの」
エンジュ:アクセルって人の職種の予測はついたけど、僕はまだ知らな〜
     いっと。
アビス :《リヴァイアサン》*を起動させておくぞ。
GM  :おっと。エンジュとアビス。%ダイスを振ってくれ。
     どの技能のチェックをしているかは敢えて伏す。
エンジュ:48。
アビス :21。
GM  :ふたりとも成功か。
アビス :これでクリティカルでないというなら戦闘技能ではないな。
エンジュ:僕に戦闘チェックは求めないでしょ(笑)
     僕とアビスしか習得してない技能ってことになると、多分
     【カモフラージュ】だと思うな。
GM  :ご明答。
     そこかしこの廃棄物を使って、何か隠してあるようだ。
アビス :その辺りを警戒しておくぞ。
GM  :では、シナリオを進める。
     ステージ上に並んだ《ナイト・ゴーンツ》のひとりがヘルメット
     を外す。
     遠目にも華やかな金髪がさらりとこぼれ、それがアンナだと
     いうことがわかる。
レイファ:いたわね、あの女。
エンジュ:うわ。オートプロテクターまで着ちゃって、直接戦闘する
     気だ。
GM  :「武装を捨てなさい。
      無駄な抵抗は自分自身のためにならないわよ」
     アンナが手を振ると、廃墟の陰から《ナイト・ゴーンツ》の
     武装ヘリが浮かび上がり、君たちにATM*を照準します。
アヤコ :ガソリン輸送のときに撃ち落としたタイプね?
GM  :《リヴァイアサン》が少しでも飛ぼうしたら発射するぞ。
     完全にロックオンしているからな。
アビス :む…
レイファ:わたしは動いていいわね、GM?
     ナイスな武器をサンキュー、アクセル。
     さぁて、ぶっ放すわよ〜♪
ホーク :SAM持ってきてんだね…
GM  :ホークはわかっているようだな。
ホーク :外に武装ヘリを一撃で落とす武器なさそうだし。
     しかし、一発$8,000だよ。
レイファ:どうせこれも税金でしょ?
GM  :「オーマイガァーッ、どこの世界にSAMを個人支給する警察
      があるんだよ」
レイファ:距離100mなら命中修正+80。外すワケがない。
     行くよ〜! 11。
GM  :爆発物は固定ダメージだから、ダイスの目が低くても関係ない
     んだよな…
レイファ:…って言うか、【搭載火器】のクリティカルなんですけど(笑)
GM  :なにっ!
レイファ:クリティカルチャートは8。
GM  :…3機落としてもお釣りがくるぞ。ヘリは落ちた。
アビス :同時に飛ぶぞ。制空権を取る。
レイファ:空になったSAMランチャーを投げ捨てて…
ホーク :うわあ。高いのに!
レイファ:もう一方の腕に抱えていたサイボーグライフルをアンナに
     向ける。華僑は恩も仇も忘れないのよ!
GM  :同時にグレンディはロングコートの下からSMGを取り出して
     突撃をかけるぞ。
ラルフ :援護する。
GM  :と、カモフラージュの廃材を吹き飛ばして、5機のCSが姿を
     現す。全機、漆黒の塗装。見たこともない機種だ。
アビス :こいつらは…?
エンジュ:どこかにエンブレムついてない?
GM  :見当たらない。空中にいるアビスとは渡り合えないから、
     ここはセンゴクを狙う。
アヤコ :5機とも?! センゴクの援護に回った方がいい?
GM  :センゴクは「来い来い来い。ショットガンの餌食にしてくれる
     わ」と煽ってますが。
ラルフ :嬉しそうだぞ。放っといていいんじゃないか?
ホーク :ルーレルもいるし。
アビス :しかし、5機はマズいだろう。CSを狙うぞ。
     サイボーグライフルでバースト。83。
GM  :ホバーをやられた。一機は移動不能だな。
アビス :できれば機種のデータが欲しい。
     完全破壊を避けて確保しよう。
GM  :《ナイト・ゴーンツ》は散開して遮蔽を取る。
     姿を隠すには困らない場所だからね。
レイファ:逃げるな、アンナ!
     でも、サイボーグライフルだと100mは遠距離*になっちゃう
     んで、わたしは走る。じいさんと合流しよう。 
GM  :1ラウンド3秒だからね。50m以下まで近付くには2ラウンド
     ほどかかるよ。
     ま、レイファの前にラルフの行動が入るはずだ。
ラルフ :その通り。俺の方が《REF》高いんだから抜かすなよ、
     レイファ。
     バギーに積んであるサイボーグライフルで撃とう。
     対物OKの武器だから、遮蔽を取っていてもいくらか効果が
     あるはずだ。予備弾薬はあるので、フルオートで撃つ。
レイファ:いいなー。
ラルフ :おまえほど【重火器】技能が高くないんで、手数で稼ぐしか
     ないんだよ。それでも1発しか当たらないか。
GM  :ダメージは受けているが、まだ戦える。
アヤコ :えっと、あたしはサイバーリンクをドライブ系と搭載火器に
     つないであるから*…HMGで《ナイト・ゴーンツ》を狙います。
     あっ、ファンブルだっ。
GM  :HMGが弾詰まりを起こした。
     不発弾を取り除くまで使用不能。
アヤコ :一端、車外に出て修理ってことね。
エンジュ:ドライブ系のリンクを外すのは危険じゃないかな。
     僕が外に出ようか?
GM  :【重火器】か【大型メカニクス】技能がないと修理は無理だ。
エンジュ:<絶対成功>狙ってみる…あ、ダメだ〜。逃げ帰る。
ホーク :エンジュに順番抜かされた気がするけど。
     それでは撃ちますよ。高いの。
レイファ:なになに?
ホーク :《クロムビート》*に掲載された新兵器「150mmモーター
     ランチャー」。
GM  :大型の車載迫撃砲だ。着弾ポイントから半径10mに火力105、
     半径20mに75の爆発物ダメージ。
アビス :そんなものを仕入れてたから生活費があと3日しかないんだな?
ホーク :これだけじゃなくて、20mmバルカン砲も買ったから*
エンジュ:20mmバルカン砲って高いの? 前にシリウスが、僕とアヤコ
     さんを助け出すのに使ってくれたやつだよね*
GM  :あのときはな、外に命中率のいい車載武器がなかったんだ。
     アヤコたちを巻き込まないようにして暴徒を追い払うにはあれ
     使うしかなかったんだよ(笑)
ホーク :20mmバルカン砲は発射方式がオートのみなんで、弾数を食う
     んだよね。節約モードで6発で止めておくとかできない?
GM  :不許可だ。それより、どっちを使うんだ?
     150mmモーターランチャーか? 20mmバルカン砲か?
ホーク :150mmモーターランチャーで。
     これなら遮蔽の裏にいる連中でも関係ないだろうから。
GM  :では命中判定を。
ホーク :成功しないと。高いんだから。成功成功お願いします…っと、
     おお、成功だ♪
GM  :爆心はどこに設定した?
ホーク :《ナイト・コーンツ》がたくさん入るように。
GM  :見えてないんだ。わかるか。
ホーク :最初の距離が100mだっけ? それより後方に散開するとは
     思えないから、ステージ部分がギリギリで入る距離…
     ステージから20m地点を狙うよ。
GM  :では、ステージ手前40mまでが効果範囲だな。
     ううむ、グレンディは君たちより《ナイト・ゴーンツ》寄りに
     位置していたから…戦闘開始と同時に突っ込んだとなると微妙
     だな。ダメージを受けることはないが、爆風と爆音で行動に
     支障が出ないか《WIL》でチェックが必要だろう。
     これでグレンディがよろけたりしたら、レイファの銃口が
     ホークに向くかもしれん。
ホーク :ええっ!
レイファ:そーよねぇ。じいさんを巻き込んだらあんた、タダじゃ済まさ
     ないから。
ホーク :そんな…。ああ…
GM  :安心しろ。判定は成功したので、グレンディには影響なしだ。
     で、《ナイト・ゴーンツ》へのダメージだが…遮蔽無視で火力
     105/75はなあ。
     サバイバルランクSの人間でも「致命傷」になるんだよな。
エンジュ:うーん。だんだん、皆の武装が凶悪になってゆくなあ。
レイファ:まだ息のあるうちにアンナに言っておくわ。
GM  :待った。先に《PER》チェック。
ラルフ :まだ伏兵がいるのか?
アビス :それもそうだが、こっちはまだCS4機と戦闘継続中なんだが。
アヤコ :あ、そうだったね。
     ちなみに、あたしはHMGの弾を装換しないと撃てないし(笑)
ホーク :モーターランチャーは3ラウンドに1発しか撃てないよ。
エンジュ:なんかされたら反撃の手段がないじゃん(笑)
GM  :笑い事じゃないぞ。
     ステージの後方から兵員輸送用の大型ヘリが現れる。
     ホークとエンジュはエンブレムに見覚えがあるな。
     華僑ビル屋上に現れたガンシップと同じエンブレムだ。
     《ナイトメア》の航空部隊《シャンタク・バーズ》。
エンジュ:最初のヘリは《ナイト・ゴーンツ》だったよね?
GM  :その通り。
     今回の作戦は《ナイト・ゴーンツ》と《シャンタク・バーズ》の
     合同作戦だ。
ホーク :じゃあ、ヘリの中に《ナイト・ゴーンツ》がワラワラいるとか。
GM  :いる。
ホーク :マジですか?!
GM  :レイファ、その中にはアンナもいるね。
レイファ:ちっ、撃ち漏らしたのね。
GM  :アンナの手には狙撃銃が握られている。
ラルフ :レイファ! 伏せろ。
GM  :いや、狙いはレイファじゃない。
レイファ:じいさん?! ヘリに向かってサイボーグライフルを…
GM  :高さもある。届く距離ではない。
     で、一発の銃声とともにグレンディがその場に崩折れる。
レイファ:じいさんっ! 駆け寄るよ。
GM  :ヘリからはロケットパックを背負った《ナイト・ゴーンツ》が
     急降下し、レイファの目の前でグレンディを攫ってゆく。
     ヘリはグレンディを回収して撤退だ。
レイファ:止めてっ、あのヘリを止めてっ!
GM  :地上のCS4機がアビスに集中砲火。ヘリを追わせまいとする。
     回避に専念せよ。
エンジュ:射撃を回避できるの?
GM  :飛行中のCSはサイバーリンクしている車両と同じ扱いなん
     だ。【空中機動】の判定に成功すれば回避できる。
アビス :回避した。ヘリを追う。
ホーク :でもさ、ヘリを落としたらグレンディも死んじゃうんじゃない?
アビス :レイファの希望はどっちだ?
     おれが飛んでいられるのは後2ラウンドだから、このまま追尾
     してゆくのは無理だぞ。
レイファ:じいさんを殺しちゃダメ!
アビス :では、パイルバンカー*を打ち込んで、爆発しないようヘリの
     機動力を殺ぐ。その上で、おれは先に地上に降りて、落下して
     くるヘリを受け止める。
アヤコ :格好いい♪
GM  :うむ。非常に絵になる構図でよいのだが…それが可能なのは
     せいぜい小型ヘリまでだな。
     さすがに兵員輸送用のヘリとなると、CSの《STR》を持って
     しても、支えるというのは不可能だろう。
アヤコ :あ、そっか。CSって巨大ロボットじゃないんだっけ。
アビス :身長3m程度。
ラルフ :それは無理っぽいな。
エンジュ:あと、ここから届くのはラルフの狙撃くらいだよ。
ラルフ :狙撃ったって、何を狙うんだ。
     ヘリを落とすなって言われたばかりだろうが。
GM  :では、ヘリは瞬く間に視界から消えます。
レイファ:じいさん…
GM  :で、ヘリが離脱すると、CS4機も撤退行動に入る。
     ホバーをやられて動けない一機は捨て石となって援護射撃だ。
アビス :逃走不能の一機に近付く。武装解除して機体を確保するぞ。
GM  :《PER》のチェック。
アビス :む…跳び退る。
GM  :わかっているようだな。黒いCSは自爆した。
アヤコ :うっわー。
GM  :別のCSを追って行ったセンゴクも引き返してくる。
     向こうのホバーの方が性能がよくて追いつけなかったそうだ。
アビス :残骸から何かわかることはないか?
GM  :持ち帰っての分析待ちだが、試作品を実戦投入して戦闘データ
     を収集していたのではないかという推測は可能だ。
アビス :エンブレムのない試作CS部隊か…
アヤコ :次があるわよね、これは*
ラルフ :レイファのところへ行くよ。
レイファ:じいさんが…
ラルフ :グレンディは死んではいない。信じろ。
レイファ:じいさんを返してっ! 無事に連れて帰ってきてっ!
ラルフ :それはこれから考えよう。一緒に。
     今は…俺は…おまえが無事でいることに感謝している。
     レイファ。
レイファ:ラルフ…ごめん。
     ……よし、引き上げる。
ホーク :ええと、それじゃあいろいろ回収して…
     《ナイト・ゴーンツ》の武器とか、CSの破片とか、SAM
     ランチャーとか…
GM  :「待てコラ。どさくさに紛れて人のモンまで持って帰ろうと
      するな」
ホーク :あああ、いたんだあ。
アヤコ :お帰り、レイファ。ところで、この人、だあれ?
レイファ:あ、そうそう。《ナイトメア》の隠れ家から逃げるの手伝って
     くれたおじさん。
GM  :「おじさんじゃねぇ(笑)。アクセル・フォーリーだ」
レイファ:サン=アンジェルスの警官みたいよ、一応。
GM  :「一応ってなあ…。
      こっちも、一応、署に連絡して不審ヘリの捜索を依頼しといた
      が、あまり期待はできないと思ってくれ」
エンジュ:…グレンディが…
GM  :「おい、なんか子供が泣いてるぞ。どうした?」
エンジュ:昨日…頭、撫ぜてくれたのに…
     レイファとまた…一緒にいるとこにいたかったのに…
レイファ:ここで泣かない。街に戻ったら捜査。いいわね。
アヤコ :強酸の雨が降る前に帰りましょう。
GM  :では、アクセルとはここで別れることになる。
     「あんたら、まだしばらくこの街で調査を続ける気だろ?
      なんかあったらオレにも声かけろや」
レイファ:ありがと、また付き合ってもらうわ。
     そうだ。宿に着いたらジョーカーに電話する。
     シリウスを捕まえてちょうだい。今すぐ話したいことがあるの。
GM  :「了解しました。居場所が確認でき次第、お知らせします」
レイファ:お願いね。
GM  :では、午後になってシリウスから電話がある。
     俺を呼び出すとはいい度胸だな−−とは言わないが(笑)、
    「サン=アンジェルスくんだりから俺に何の用だ?」。
レイファ:じいさんが《ナイトメア》に連れ去られたわ。
     それも負傷している。
     わたしたちは、しばらくここに留まってじいさんの行方を探す、
     以上。
     あんたにだけは、伝えておかなくちゃって思ったの…
GM  :「…わかった。連絡感謝する」
     通信は切れた。
ホーク :あの…レイファ、どのくらい、ここにいるつもり?
レイファ:じいさんを連れ戻すまでよ。
     何? ネオ=アップルの事務所が心配なの?
ホーク :いや、どうせ客は来ないと思うんだけど…*
     今回の事件、収入0なんで、実は生活費が…
レイファ:依頼料が欲しいなら出すわよ。いくら必要?
ホーク :いくら、というより…今、残金$400もなくて…
ラルフ :3日しか暮らせない計算だ(笑)
レイファ:あんたの生活費はわたしが持つ。心配しなくていい。
ホーク :いや、それじゃあんまりだし…
     ええっと、日数さえわかればなんとか生活費は作るよ。
     拾って来た武器を売るとか、手持ちのドラッグ売るとか…
アビス :とうとうドラッグバイヤーになる気か(笑)
アヤコ :地元の組織に気をつけなさいよ。
ホーク :いや、そんな危ないものは売らないよ。
     ええっと、この《ゴールドレベル3》とか売ってもいいかな*
GM  :うーん。それならブラックマーケットで売却可能だろう。
     《SYM》チェックしてごらん。
ホーク :26。
GM  :好事家が見つかった。仕入れ価格の倍で売れるよ。
ホーク :じゃ、10本とも…
アヤコ :なんでそんなドラッグ10本も持ち歩くかなあ(笑)
GM  :仕入れてから一本も減ってないというのが余計に虚しくない
     か(笑)
ホーク :ああ、これでも微々たる収入だなあ。
レイファ:GM、わたし、強化人工神経を最高レベルまで、それから
     サイバーレーザーサイトを埋め込むことにするわ。
     ホントは頭部をサイバー化するのは趣味じゃないんだけど…
     この際、好き嫌いは言わない*
     絶対にグレンディを救出して、アンナを殺す。
アビス :レイファ。《ナイトメア》を敵に回すという話だが−−
     おれも全面賛成する。奴らは…倒しておかねばならん。
アヤコ :なんか、今回のことで皆に火がついちゃったみたいね。
GM  :うむ。その意気は受け止めてやろうではないか。
エンジュ:ところで…アンナはどうしてグレンディを攫ったのかな?
ラルフ :個人的な怨恨か、あるいは《ナイトメア》にとって必要な情報
     をグレンディが持っているとか…
エンジュ:ああ、そうだよねえ。
     アンナの一存じゃ、《ナイト・ゴーンツ》と《シャンタク・
     バーズ》までは動かせないよね。
     その辺から調査しようかな。
GM  :グレンディが狙われた理由については、レイファに説明したぞ?
ラルフ :レイファっ。そんな重要な情報を言い忘れるなよ。
レイファ:え? じいさんが攫われた理由? なにそれ?
エンジュ:言い忘れたんじゃないみたい(笑)
ラルフ :アンナに何か聞いたんじゃないのか?
レイファ:えっとー…
     じいさんを呼び出す囮としてわたしを攫ったんだって。
アビス :それはわかってる(笑)
ラルフ :問題は、呼び出したグレンディを何のために連れ去ったかだ。
レイファ:……わかんない。
GM  :本気か?!
レイファ:あー…そういや、なんかいろいろ説明されたような気はする
     けど、どうせアンナは生かしておくつもりもなかったし。
ホーク :人の話はちゃんと聞きましょう(笑)
レイファ:ええっと、キャラクター的に思い出してもいい?
GM  :仕方ないなあ。
     アンナは「狼を狩るには、同じ群れの狼を使うのが一番。
     殊にそれが自分を育ててくれた老狼なら、若い狼は助けずには
     いられないでしょう」と言ったんだ。
レイファ:だそうよ♪
ラルフ :これで奴らの狙いは判明したと。
アヤコ :それなら、サン=アンジェルスに残る必要ないんじゃないの?
     シリウスはネオ=アップルにいるんだし。
アビス :多分な。
レイファ:ええ、そうなのぉ?
ラルフ :おまえなあ。ものすごい無駄な時間を費やすところだったんだ
     ぞ。ネオ=アップルに戻ろう。

    8  依頼

GM  :まあ、事情聴取とかサイバー手術のケアとかあるから、即日
     出発というわけにもいかない。
     では、シナリオ終了の前に、次回へのイントロダクションをして
     おこうかね。
     グレンディとアンナが空の彼方へ去ってから一週間後のこと。
     ジョーカーから連絡があります。
     「サン=アンジェルスでの仕事があるのですが、受けるつもりは
      ありますか?」
ホーク :前金をいただけるなら!
GM  :即答したな(笑)
ホーク :だって、このままじゃ、ネオ=アップルにも帰りつけない。
アビス :内容を聞こう。
GM  :ジョーカーはいささか歯切れの悪い口調で語る。
    「この仕事は受けていただければありがたい。
     ですが、断られても仕方ないと思っています」
レイファ:どうしたの? はっきり言いなさいよ。
GM  :「依頼人の身元は私が確認していますから、罠ということは
      ありません。依頼料も順当なものだと保証します。
      ただ…内容はいわゆるダーティ・ワークになります*
レイファ:そう。ジョーカーなら、今のわたしたちの抱えている問題を
     わかっているわね。それを承知していてなお、この依頼を
     持ちかけてくるのね。
GM  :「私はブローカーです。
      ハンターに仕事を強要することはしません」
レイファ:…わかった。
     あなたにとって、この依頼はそれだけの意味をもつものなのね。
     わたしはジョーカーに借りがある。どんな仕事であれ、一度だけ
     無条件で受けると約束したわ。今、その借りを返すべき時だと
     判断する*。依頼を受けましょう。
GM  :「ありがとうございます。
      依頼人と直接、面会する場を設けます。
      依頼内容は、その場で説明を受けてください。
      依頼人の名は、リチャード・イチノセ。皆さんもご存じの、
      ネオ=アップルのCBI長官その人です」

                    第5話 END


 次回予告

 昨日という過去に葬られたひとつの真実。
 権力という暗闇に覆われたひとつの真実。
 明日という日のために今日を生きる男達が、過去の闇に埋もれた真実を掘り起こそうとする。
 今日という日が、明日のためにあると信じながら。
 次回、『THE SCOOP』。
 しかし、今日という日が昨日のためにあるとしたら・・・。
 

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