メタルヘッド小説
THE FASTEST JUDGEMENT
第二級保安区のパトロールを終えて、ファーマーは本庁へ車を向けた。
担当が第二級保安区だったせいもあるのだろうが、今日はたいした事故もなく平穏な一日だった。いつもこうであればいいのだが。
インターチェンジで馴染みのゲートインスペクターに挨拶。パトカーは検問にひっかかることもない。
夕刻もまだ早いうちでハイウェイは意外にすいていた。
マニュアルどおりに安全を確認して合流する。
車の流れを阻害するようなことはしなかったはずなのに、後続の白い車両がためらったような動きを見せた。
HiP(ハイウェイパトロール)の経験と直感が警報を鳴らす。
念のために調べてみることにしよう。
こちらの動きを悟られないようにしながら、ファーマーはパトカー後部の隠しカメラで車とドライバーの資料写真を撮る。ピントやズームもすべてAIが処理してくれるから、ファーマーは何を撮影するのか指示するだけでいい。
旧世界のセオリーではパトカー一台にふたりの警官が乗り込むことになっていたという。運転手と無線士だ。
しかし今では人手不足のせいもあり、パトカーに乗るのは通常一人。時には無人の場合もある。たいていの巡回メニューはAIが処置できた。むろん今のような場合には人間の経験がものを言う。
取り込んだ映像をもとに、ファーマーは車載の端末に後続の車の特徴とナンバーを入力して走査してみる。短い電子音とともに本庁データベースからの答えが返ってきた。
盗難車だ。
それならば、ドライバーの映像も本庁データベースにかけてみなければならない。
検索を依頼された本庁データベースは、数多くの犯罪者データの中から該当者を探索する。
その犯罪ファイルの登録者はこの街の人口のほぼ半数にもなるかも知れない。一定期間以上定住している成人に限れば、戸籍にも近いものがある。この街では誰もが犯罪予備軍だった。
データに記載されない自信があるのは、死人と警察の上部企業であるGMT内の非合法工作員くらいだろう。そのどちらも告発は不可能。
幸い、今回の相手に関してはすぐに本庁のデータベースAIが回答を送ってきた。
窃盗常習犯のパックマンだ。報奨金は1,000ドル。むろん賞金稼ぎのハスラーとは違って、警官は犯罪者を捕らえるのが仕事なので、この報奨金の全額がもらえるわけではない。
ファーマーは傍受阻止のために強力なスクランブラーのかかった警察無線で犯罪者発見を告げ、問題の車が近づいたら出口を閉鎖するよう、この先のインターチェンジ担当のゲートインスペクターに要請した。犯人に市街地に降りられては包囲や逮捕が困難になる。
それと同時に、付近にいるHiPの同僚に応援を依頼した。
すぐに呼びかけの応答が届く。
『バッヂナンバー808-78305.ボルチモア方面より現場へ急行する』
『こちら995-65901.現在A3ハイウェイを東進中。ただちに包囲に参加します』
報告を受けてAIが遭遇予想ポイントを弾き出した。一般車両に被害がおよばないよう巧く包囲誘導しなくては。
「応援のふたりのオフィサーについてのデータをくれないか」
ファーマーの要請に応えてAIがふたたび本庁データベースにアクセスする。優秀な本庁電脳は称賛に値する速度で隊員名簿からふたりの公開記録を拾い出し、即座に展開した。
運転を一時、AIに任せてファーマーは資料に目を走らせる。
『隊員コード808-78305.《オネスト》巡査。交通課高速機動隊所属。26歳。男性。検挙記録−交通法違反14−器物破損罪27。懲戒訓告37』
オネストは薄いブルーの目をした無表情な青年。先祖に北欧のバイキングでもいるのだろう。髪も肌も全体的に色素が薄い。
二分割された画面のもう一方は精悍な黒髪の若者。猫属の気性を伺わせる。
『隊員コード995-65901.《アクター》巡査。交通課高速機動隊所属。21歳。男性。検挙記録−交通法違反20−器物破損罪6−その他2。懲戒訓告29』
今期の検挙記録を見れば並以上の熱心さをもった隊員と言えないこともないが、ふたりそろって検挙数に匹敵する懲戒訓告の回数は何事だ?
ファーマーがさらに詳細のデータを要請しようとした瞬間、車載AIが警告音を発した。
顔を上げたファーマーの目の前に、左手の中央分離帯を高々と踊り越えて一台のホバイクが降ってくる。AIに事故回避機能がついているのも失念して、ファーマーは思わずハンドルを切った。
すれちがいざま、ニアミス機の搭乗者は軽く敬礼してみせた。その制服はHiPのものに外ならない。
いくらかの距離をおいている後続の盗難車に向かって、ハイウェイを逆走するホバイクをファーマーは悪夢を見る思いで振り返った。
パックマンの乗った盗難車は意図の明白なパト・ホバイクの接近に、トップスピンで車の向きを変えた。ホバイクに追い立てられるように、これもハイウェイの逆走を開始する。
なんてことだ。
ファーマーは避難帯に車を入れてUターンさせた。緊急サイレンを鳴らして盗難車とホバイクを追う。
一般車両の走行しているハイウェイを逆走しての追跡など、考えたこともなかった。やりすぎだ。
ファーマーは無線に向かって声を張り上げた。
「こちらファーマー巡査長。巡査、聞こえているか。
本件に関しては、犯人逮捕より事故を誘発しないことを優先する」
『任せてください。事故にあわない自信ありますから』
答えてきた声は995−65901《アクター》だ。
ファーマーは額に手をやった。
窃盗犯より、この暴走隊員を逮捕する方が有意義なんじゃないだろうか。
パックマンの逃走車は改造エンジンを積んでいるのだろう、かなりの加速に踏み切る。一般車両でも時速100マイルは出すハイウェイだ。直線とはいえ、対向車を避けるのも命懸けになる。
何も知らずに飛ばしていた赤いコミューターが慌ててハンドルを切り、数インチの差でパックマンの車とすれ違った。
不運なドライバーが体内を駆け巡るアドレナリンを感じる間もあらばこそ、今度はまっ正面から突っ込んでくるホバイクだ。ブレーキも間にあわない。
「うわああっ」
顔を覆うドライバーに鋼鉄の腹を見せて、ホバイクが踊り越える。
「緊急車両には道を譲れと教わらなかったか。教習しなおせ!
ついでに推定25マイル/hのスピード違反だが、今回は見逃してやる!」
アクターはフリーフォールの衝撃にもバランスを失わずにホバイクを駆る。映画そこのけのアクションだ。こんな事態でさえなければ、じゃじゃ馬をあそこまで巧みに操る技術に拍手を送るのだが。
まさしく彼は《行動派(アクター)》ってわけだ。
二台の通過の後で混乱している対向車の中を、いくらか遅れてファーマーが隙間を縫うように走って行く。パトカーでなければ袋叩きにあうところだ。
毎日のパトロールと訓練、それに少なくない実戦で慣らしているファーマーのハンドル捌きはまったく危なげないのだが、車間を蛇行しなければならないせいで走行距離のロスが多い。おまけに視界がきかないときている。
そのせいでAIの警告機能が何を警告したのか一瞬わからなかった。マシンガンの弾けるような銃声が響くまでは。
先を行くアクターの体がわずかに沈み、ホバイクが大きくぶれる。
「アクター巡査!」
ファーマーは顔色を失った。ホバイクはその浮遊性と機動性のために安定を大きく犠牲にしている。一度バランスを失ったら取り戻すのは困難だし、ましてや負傷したライダーに制御しきれるものではない。
ホバイクは大きく弧を描き、中央分離壁の方へ流される。
この距離ではアクターの表情までは見分けようもなかったが、彼の身体はこの事態に凍りつくどころか反射回路が形成されているかのように即座に反応した。
両脚でシートを強く挟みつけ、傾いた左のホバーファン・エンジンに思いきりキックを入れる。同時に一瞬だけ右のエンジンをカットした。
かなり乱暴ながらも横に振り戻されて、傾いた車体がかろうじて立ち直る。だがエアを失った車体は接地ぎりぎりにまで落ち込んでいた。アスファルトとの間に火花が散ったのが見えたほど「墜落」の寸前に両翼のホバーファンが生き返る。
アクターは機械馬のロデオに振り落とされまいとスティックをしっかりグリップしていたが、その間も両手の親指はタブを細かに操作していた。
ファンの噴出角度の微妙なコントロールセンスがアクターの「サーカス」の決め手というわけだ。
むろんファーマーの位置からではアクターが見せたとっさの、それでいてプログラムされたかのように狂いのない一連の動きは視認できない。
結果的に、大きく蛇行したホバイクが中央分離壁に激突する直前でかろうじて体勢を立て直したのがわかっただけだ。
どんな耐久テストでも要求されないだろうハードライディングに力つきたように身震いしつつ、ファンが停止し着地する。アクターも愛機にシンクロしたようにタンクにうつ伏した。
路肩に車を止め、ファーマーは駆けつける。
「アクター巡査!」
伸ばした手が触れる前に、アクターはゆっくりと肘をついて体を起こした。バイザーを上げた顔は本当にまだ若い。明るい光を返す目をまぶしげに細めて、手袋をはめたままの手を肩にもっていく。
「弾丸は通ってないみたいです」
意外に落ち着いたアクターの様子に、ファーマーはかすかに肩の力を抜いた。
防弾ベストに合皮仕様のファイバージャケットという正規の装備でいたのがよかったのだろう。
アクターにとってはまったく「よかった」とは思えない成り行きのようだったが。
「畜生…油断した」
ファーマーには敬語を使っていたアクターも、つい悔しげな呟きをもらす。
規則上、第二級保安区への搭載武装搬入は禁止されている。アクターが不意を打たれたのも仕方がない。チェックの甘かったゲートインスペクターの過失が問われるところだ。これはいわば人災なのだから。
だが、ファーマーは状況判断のミスは自分の責任であるように感じて目を伏せた。
「わたしも相手が窃盗常習犯と軽く見ていた。すぐに本部に連絡して本格的な包囲追跡を依頼することにする。君はここで…」
それには答えず、バイザーを下ろしてアクターは前方を見た。バイザーには各種センサーがついているが、逃亡車との距離はかなり引き離されてほとんど確認できないほど。
アクターが舌打ちしたとき、ふたりの警察無線が同時に鳴った。
『こちら808−78305《オネスト》。ルートB−N上で犯人の車を確認した』
もう一人の応援要員だ。データファイルを事前に見ていなかったらAIかと錯覚するほど冷静な声。こちらの事態は知らないとみえる。
彼がアクターの二の舞いにならないようにファーマーは忠告をしておいた。
「オネスト巡査。犯人は…」
『ここで完全に仕留める。発砲の許可を』
いきなり発砲? ファーマーは慌てて叫んだ。
「一般車両が通行している。発砲は避けるように!」
『禁止事項に当たるか?』
「NO!」
アクターが自分のマイクに向かって宣言した。
「禁止事項ではなく忌避勧告です。
オネスト先輩、犯人は本官に向かって違法火器で発砲攻撃しました。防衛および処断の余地ありと認識します」
『了解』
「アクター!」
ファーマーの声はアクターが再び点火したセルモーターの音にかき消された。
「オネスト先輩に協力して挟撃します」
ファンの起こす風に足元をすくわれそうになりながらファーマーは叫んだ。
「無茶だ! 君はすでに銃撃を受けている。外傷がなくたって骨にひびが入っているかも知れないんだぞ」
「それならなおさら許せない。絶対逮捕してきます」
青年警官はひとなつこい微笑と敬礼をひとつ残してホバイクを発進させた。
いつからHiPはロードラッシャーやバウンサーを隊員にするようになったんだ?
ファーマーは不満よりは不安な気持ちになりながら、このまま見捨ててはおけない性分でパトカーに乗り込む。
一方、そのはるか前方の路上ではオネストが、長身の彼さえも小柄に見えるようなHiP仕様の超大型バイクにまたがり、ハイウェイの中央に構えていた。傍若無人なほどの冷静さで近づく逃亡車をにらむ。
さすがに何かあると悟った一般車両は、彼のバイクの背後に距離をとって留まっている。接近者から見ればオネストは鋼鉄のバリケードを背負ったも同様だった。ホバイクではないパックマンの陸走行車両ではギャラリーの上を飛んでいくわけにもいかない。
『最後の勧告をする。ただちに停止せよ。さもなくば迎撃する』
警察の強制受信無線がラジオスピーカーから声明を発表した。
(こっちこそ最後通牒だ。そこをどかないなら実力行使しかない)
警官相手の立ち回りなど、今更降りられないギャンブルに応じたようなものだ。ここで逮捕されたらそれこそ破滅。パックマンは半ばヤケになっていた。
迎撃宣言もなにも、遮蔽もとらず行く手に立ち塞がる非常識な警官を狙って銃弾を浴びせようか、それともHiPを撹乱するために一般車両に発砲して蹴散らそうかと思案するパックマンの正面視界に、HiPオフィサーがライアットショットガンをポンプアクションで構えるのが目に入った。
暴徒鎮圧用の強火力散弾銃だ。実力行使どころではない。裁判踏まずに処刑する気か。パックマンが思わずブレーキを踏んだのと火薬の炸裂音が同時だった。
防弾処理のフロントガラスは割れないまでも弾丸を食い込ませて、にわかに霜が降ったようになる。その曇り歪んだ視界の中で、オフィサーが憮然としてショットガンから残りの弾を排出するのが見えた。自分から弾丸を抜くという不可解な行為にパックマンが真意を計り兼ねたのもつかの間、オネストは射的でもしているかのような落ち着いた態度で、本来ならスピードローダーがあるはずのベルトパックからメダルほどの直径がある大粒の弾丸を取り出して装填した。
スラッグ弾。
その特殊徹甲弾をくらったら装甲車でもただでは済むまい。HiPが持つには兇悪すぎる武器だ。
「まった…」
譲歩の意志を示そうとパックマンは申し立てたが平和的交渉はすでに打ち切られたようだ。HiPオフィサーは《正直(オネスト)》に任務を「逮捕」から「迎撃」に変更したらしい。
自分の行為は棚に上げ、我が身に向けられた理不尽を叫びつつ、パックマンは急遽ギアをリアに入れた。逆説的に背走でハイウェイを順行することになる。遮蔽になる一般車両がすでに周囲にいないのが辛いところだ。
オフィサーはスタンドを蹴り、追ってくる。改造車に充分対抗できるものすごい加速だ。違法なガスエンジンを搭載しているのではないかと疑いたくなるほど。
さらに彼が片手に凶悪なライアットガンを構えたままなのが恐怖を煽る。
そして事故警告機に知らされるまでもなく、パックマンの進行方向(?)からはサーカス=ホバイクが接近していた。
「止まれ、そこの犯罪者!」
HiPの警告スピーカーが意気揚々と言い放つ。
「そんなに止まりたくないなら本当に止まれないようにしてやるぞ」
挑発的に笑いつつ、アクターがアンダースローで黒い物体を路面に投げつける。
オネストの徹底撃破姿勢を見た後だけに冷や汗が出たが、今回のそれは手榴弾ではなかった。地面に当たったとたんに弾けて液体を撒き散らす。ただそれだけ。
だが、それが潤滑油だと気づいたときには遅かった。
タイヤが空回りして車体ごとスピンし、方向感覚もバランスも一挙に奪われる。浮遊するホバイクの下をすべって障壁に追突した。ガスエンジンだったら派手に爆発しているところ。
「ビンゴ!」
叫んだアクターはその場でもう一度回避行動を迫られた。彼が路面にぶちまけたオイルは当然、後続のバイクにも同様の効果をあらわしていたのだ。
スリップしたバイクは危うく転倒しそうになり、オネストの怒声がマイクに流れる。
「あっ、すみませんっ。つい…」
アクターは謝りつつホバイクをホバリングさせた。
「先輩、大丈夫ですかー?」
オネストはしばらく先まで行ってから停車し、ショットガンの代わりにホルスターから.44オートマグナムを引き抜く。アクターは一瞬空を仰いだが、オネストはその横を過ぎて障壁に衝突した逃走車に近づいた。左手でパックマンを引きずり出す。地面に伏せさせて銃を向けてから言った。
「アクター。罪状」
アクターは警官に支給される手帳型のヘルドコンピュータにアクセスしてとうとうと述べた。
「ええとまず手配の窃盗が43件。当然、余罪もあるんだろうな。それに今回は各種道交法違反と武器の不法所持、警官への発砲。騒乱罪と器物破損もくれといてやろう」
「ということだ。累計懲役なら150年くらいで済む」
オネストが本気か冗談かわからない口調で告げたとき、ようやくファーマーの車が到着した。
アクターは微笑んで、オネストはパックマンから目と銃を離さずに一礼する。
「無事、犯人を逮捕しました」
アクターの“無事”判定の対象は警官だけに限るのだろう。
ファーマーが二の句もつげないでいると、アクターがパックマンを指さした。
「手錠をかけるのはファーマー巡査長にお願いします」
オネストの足元にうつ伏しているパックマンはとても身体拘束が必要なようには見えないが、逃亡の恐れのない犯罪者にでも手錠をかけることが追跡の完了を宣言する儀式のようなものだったから、ファーマーは敬意をこめて譲られたこの役目を素直に引き受けた。
相手は犯罪者とはいえ、人道にのっとって怪我の様子を尋ねておく。盗難車両に搭載されていた質のいい安全装置のおかげで入院が必要なほどの負傷はないようだ。
「後悔してます」とパックマンは神妙に頭を垂れた。
窃盗常習犯のパックマンは悪質な強盗ではなく自己制御力の弱い小心な空き巣であり、これまでたいした罪の意識もなく犯罪を重ねてきたのだろう。今回、アクターとオネストにあれだけの容赦ない猛追を受けて初めて、自分が保安警察にそれだけの行為を起こさせるほど罰せられるべき悪事を犯していたのだと強く認識したに違いない。
犯罪者に自覚と反省を喚起したという点でだけは彼らの無謀な行動に価値を認めてもいいかな、とファーマーは前向きに考えることにした。
パックマンをパトカーの金網で仕切られた後部座席に乗せ、ふたりを振り返って敬礼する。
「応援感謝する。アクター巡査、オネスト巡査。
アクターは病院へ行くなら遠慮してもらっても構わないのだけれど、よかったらこのあと少々手伝ってもらいたいことがあるんだが」
アクターは屈託なくうなずいた。
「手伝いますよ。何ですか?」
「交通整理」
「どの辺です?」
ここに決まっている。
まさかこの現場をこのままにして本庁に凱旋するつもりだったのだろうか。
先が思いやられてファーマーは空を仰いだ。
その「未来」が自分とともにあろうとは、後に高速機動隊の中でも《最速の審判者》と噂されることになる彼ら三人の名が担当警官の欄に連署される、これが最初の事件にすぎないとはこの時点でファーマーには予想もできなかった。
けれど、いつだって予想できない連中であることには最初から変わりなかったのだ。
END