impress 図書室には誰もいなかった。 もっとも、ここの図書室は広いし、背の高い本棚が視界を阻んでいるので、もしかしたら僕の目の届かない場所に誰か居るものかも知れなかったが・・・・・・・・・・・・・ ここに来たことに特に意味はなかった。たぶん・・・・静かな場所なら何処でも良かったのかもしれない。 午後の日がすこし射し込む図書室の中を奥へ奥へと歩いた、誰もいなかった・・・・ 図書室の奥には読書室があった。ここの読書室は、図書室とは壁で区切られているだけで、2つある入り口には扉もなくてただ長テーブルが並べてるだけの空間だった。 がらんとした読書室を覗くと、そこには男子生徒が一人本を読んでいた。図書室に来たときは誰もいないと思ったけど、こんな奥にいたから僕が気づけなかっただけで、たぶん彼は僕が来るずっと前からこうしてここに居たんだろう。 彼は侵入者に気づいていないようで、本から目を離さなかった。もちろん、僕が見ていることにも気がつかない。 長身で端正な顔立ち、多分女だったら放っておかないってカンジだろう。でもあまり軽そうに見えないのは、少しきつそうな印象がある切れ長の瞳とすこし崩した姿勢から漂う隙のなさがそう見せているのかも知れない。 実際、人間なんてぱっと見じゃわからないものだし・・・・・・・・・・ 「おい」 その声に自分の考えに没頭していた僕は我に返った。 不機嫌そうに彼がこちらを見ていた。 うわ、睨まれちゃったよ・・・・・いつから気づいてたんだろう? 「なに・・・・んなトコに突っ立てんだ?」 返事をしない僕にさらに不機嫌を表情に貼り付けたまま彼が聞く。 う・・・・・・・・・・これは少し怖いかも知れない。言葉が出てこない。 「・・・・・・・俺に何か用?」 さらに黙っていると続けて聞かれた。なんだかいたたまれなくて、視線を彷徨わせた。 「あ・・・・・・・えっと・・・・・歴史、の本・・・・・・・・・好きなんですか?」 やっとのことでそれだけ口にする。後から思えば、ずいぶんと間抜けなことを聞いたものだ。 「・・・・・・・・・・・・・は?」 案の定というか、相手から返ってきた返事も間の抜けたものだった。 「あ、あの、お邪魔してすみませんでした・・・・ぼく、もう・・・・」 場の雰囲気に耐えられなくて、後じさりながらそれだけ告げて読書室を出ようとして・・・・・・・・・・ ゴツン 柱に頭をぶつけた。 痛いなあ、もう・・・・・・ 後頭部をさすりながら顔を上げると顔を強張らせたその人・・・・・・えへへっと愛想笑いを向けてみてもニコリともしない。 「はー・・・・・・この本は別にここに置きっぱなしにしてあったから読んでただけだよ。」 深い深いため息をついて彼はそう言った。最前の僕の醜態については見なかったことにしてくれたらしい。 「あ、はあ・・・・えと・・・・そうなんですか・・・・」 「まあ・・・・読んでも役には立たねぇだろうが・・・・・全然無駄とも思わないしな。」 「無駄?」 無駄だって思ったらなんだって無駄になるんじゃないのかなぁ? 彼が何気なく言った一言が、何となく気にかかった・・・・・・・・ 「おまえは、そう思うことないのか?」 「え?」 たじろぐ僕の方に少しづつ彼が詰め寄って来る。そのままとうとう壁際まで追いつめられて・・・・・・彼は首だけをズイとこちらに突き出してきて、唇をすこし歪ませて言い放った。 「今がつまらないと思ったことはないか?」 そのとき少しだけ、彼が笑った気がした。 そして急に、ぱっと僕から身を離し、読書室を出ていった。僕もあっさりと身を離した彼が気になって、彼を追って読書室を出た。 僕が出てくるのをちらと見た彼はまたあさってのほうを見ながら話を再開する。 「俺は生きてるのがつまらないよ」 「え?どうしてですか?」 僕の問いに彼は笑っているような声で答えた。 「どうしてだろうな?・・・・生きているのが嫌で、何故かいつも死を考える。だけど死ぬことが出来ないんだよ」 「どうして?・・・・・・・・怖いからですか?」 そんなはずはない。死に興味を持っているのに死なないのは怖いからであるはずがない。 死なない−死にたいと思ってないって事は・・・・・・・ 「そうかもな」 ふっと彼は皮肉な笑みをうかべた。そして、続けた。 「人間って死んだらどうなっちゃうんだろうな」 「知りたいなら殺してみたらどうですか?」 なんでかぼくは愉快な気分になっていた。 「僕を・・・・・殺しても良いですよ」 さっと彼の顔から笑みが消えた。まるで痛くなりそうな視線が僕を捕らえた。僕も彼から視線が外せなかった。 カシャッ・・・っと金属的な音がして、彼が手に持っているナイフに気づく。だけど・・・逃げることは叶わなくて・・・・・ ナイフを目の前に突き出されると、それだけで心臓に風穴があいたような気がした。 耐えられなくて、せめてと思い目を閉じた。 「・・・・・・っ?」 その瞬間はいつまでたっても来なかった。 焦れったさに閉じた目を開けた僕に彼は心底愉快そうに笑って・・・・・ 「冗談だよ」 と言った。 そのとき、僕はどんな顔をしていたんだろう。多分、よほど間抜けな表情だったのだろう。 彼はひとしきり笑ったあと、ふとあの鋭いくえない表情で笑って。 「じゃあな、ちょっとは楽しかったぜ?」 と言い残して僕の前から去っていった。 それが僕と彼の・・・否、新堂さんとの本当の、でも内緒の出会いだった。 |
後記 お・・・おわった・・・・・(滝汗) ちゃんとやおいになってますか? ていうかしなくていいって? ていうか話の組立に問題があると思う(爆) 後半はもうごめんなさいってかんじ・・・・(というかすべてにわたってだな) 私はかーわいい坂上君大好きだし、兄貴な新堂さんがラヴなんですけどねー? どおしてこんな話になるのか?(笑) |