Back Ita Benri Touhi

 奴は部屋の角、ちょうどテレビ(フナイのビデオ一体型、 付属リモコン無いために時刻セット及びタイマー録画不能) の真上あたりに居る。
 落ちてきた。
取り敢えずビビる。奴が居ることだけではビビら無いのだが、 落下、飛行接近、及び奇襲に対しては我々(一人)はあまりにも 無力なのだ。
 奴はテレビの裏手に着陸した。我が家のテレビ台は網棚なので 奴を補足しやすい。すばやくしゃがみ込む。背中が痛い。おもわず 腰をひねったり首をひねったりして身体をほぐす。
 もう一度しゃがみ込んでみると、奴を見失ってしまっていることに 気が付いた。「してやられた」、それが素直な感想だった。奴は そこまで計算づくだったのだ。
 僕はすばやく身を引いて(背中痛い)周囲を 見回した。奴は高度1m。すでに座っている僕の視線の遥か上方に 位置していた。「これ有利です。きっと結果出るよ。」、心の中で ラモスが言い放った。間違いない。このままではやられる。
 急を要した。ティッシュを1枚取り出すと、僕は引出しを開け、 先ほどの作戦で考慮したセロハンテープを取り出し、5・6cmに 切って輪を作って、それをティッシュの真中に貼った。
 もう2つ輪を作り並べて貼った。潰さずに捕獲するにはこれに勝るものは無い。 奴は余裕を見せているのか1m20cmあたりで停滞している。
 「行くぜ相棒!」そう目で合図して(一人)、 おもむろに奴にティッシュをかぶせた。
 捕った。捕ったはずだった。薄いティッシュからは奴が中心に居ることが 判るのだ。
 しかしその薄いティッシュは奴が移動をしていることをも物語っていた。
 「もう薬しかないのだな」床にダイブした奴を見て僕はそう言った。
(残り1人)
 to be continued to "フィニッシュ"