「ほー。今回はマジだな」
「当たり前だ。いつもいつもやられっぱなしでいられるか」
といいながらポケットからみなれた革のグローブをとりだしてはめる。
「おい、それは俺が今日なくしたやつじゃねえか。」
「ああ、そういえば今日ははめてなかったわね。」
「いや、きずけよ。」
すでにオーフェンとコギ−がしゃべっている間に、ボルカンは両手にグローブはめて
準備万端だった。
「ボルカン。貴様どこから調達してきやがった。」
「ふ、親切な奴が俺様の人徳にひかれて献上したのさ。」
「いってろ。俺のグローブのレンタル料きっちりと払ってもらうぞ。」
そういいながらオーフェンは体を少ししずめる。
「は、ふみたおしてくれるやる。」
といい、オーフェンにむかって突進する。
ボルカンのくりだしてきた右拳を軽くさばき、オーフェンの手刀が首の付け根にあたっ
ておわりのはずだった。
しかし、ボルカンの左手、いや正確にはグローブがオーフェンの攻撃をはじいた。
そしてそのまま、ボルカンの意思とは関係なしに右手から攻撃が出される。
ボルカンの攻撃を紙一重でかわしつつ後ろに下がる。
オーフェンの頬から一筋の血が流れる。
「オーフェン!」
オーフェンのおもわぬ苦戦に声をあげるコギーに適当に手をあげる。
「はっはっは。どうした黒魔術士、本気の俺様に手も足もでんようだな。」
「ぬかせ。」
どうやらボルカンは自分の力だと勘じがいしているらしい。
「いくぞ、黒魔術士」
再びボルカンが先と同じ単調な攻撃を繰り出す。
(悪く思うなよ)
今度はボルカンの動きを読んですばやく攻撃に移る。
オーフェンの渾身の一撃を左グローブは軽く横に方向かえ、右グローブからの攻撃に
なすすべもなく吹き飛ばされる。
「く。」
思ったよりも鋭い攻撃を受け、よろよろと立ちあがる。
「大丈夫。オーフェン。」
みかねてコギ−がかけよってくる。
「ああ。」
「なにあれ、ドーピングでもつかってるの。」
「いや違う。あのグローブのせいだ。大方キースの奴が細工したんだろうがな。」
「じゃあ簡単じゃないの。」
「え?」
コギ−はオーフェンの耳元でごにょごにょとしゃべる。
「なるほど。」
「むだむだ、今日の俺様は絶好調。」
「は、ごたくはいいからかかってきな。」
「ふっ。これで貴様も年貢の納め時だ。」
3度目の正直とばかりにつっこんでくるボルカンを軽くかわす。
「はっ、むだなことを。」
かわされながらわめくボルカンに足を少し出す。するとオーフェンの出した足に見事に
ひっかかり地面にダイブした。
「いてて、この暴力黒魔術師め。扉を日曜大工でつくりこ、ろ、・・・」
ボルカンが顔をあげると、顔は笑っているが目が怒っているオーフェンが立っていた。
「さあボルカン、死ぬ前に言い残すことはあるか?」
「ええっと、ごめんね。」
「ごめんですむかー。」
オーフェンの放った魔術がボルカンを黒焦げにした。
「やったわねオーフェン。」
「ああ。」
オーフェンは黒焦げになったボルカンからグローブを取り返す。
「どーせキースの奴が改造してボルカンに渡したんだろ。」
「あれオーフェンなにかはさまっていたわよ。」
グローブにはさまっていた小さなメモ用紙をみてみる。
「えーと、なになに。証拠は隠滅するものです。えっ。」
その瞬間持っていた急に燃え出した
「あー。俺のグローブが。」
あっという間に燃えたグローブを前にオーフェンはくずれおちた。
<おわり>