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俺の試験の順位を80位下げたゲーム。

泣く事もできれば腹を抱えて笑う事もできる。そんなゲームです。





まぁまずチュンソフトのサウンドノベルってことで信用は置いていいでしょう。
しかし、実写を全編に渡って使用しているため売上はイマイチ・・・・。
ですが未だに評価され続けています。


これはいわゆるやれば面白いゲームなのですよ。
そりゃキライな人もいるけど、やった人は大抵面白いという。


概要を言うと8人の主人公がいてそれぞれ別の話が用意されていて、
そして選択肢によってはバッドエンドに・・・ってヤツです。

かまいたちの夜弟切草と大きく違うのはバッド以外のエンド、
グッドエンド(本当の結末)が1つしかない点です。
最後まで進めたらグッドエンドということで、
バッドエンドは最後まで進めた結果バッドというのではなく、
話の途中でバッドになるワケです。
バッドになったらどこかの選択肢を選びなおせば回避、となります。
バッドエンドは障害と考えると分かりやすいでしょう。



そして、ここからが面白さに繋がる特徴となる点。
全員の主人公は同じ時間軸の渋谷で生活していて、
バッドエンドは他の主人公が原因ということが多々あるのです。
こいつがこんな行動を取ってしまったからあいつがあんな目に。
互いに知らないのに関係しあっている・・・・というワケです。
なぜこうなったのか?そんな疑問が他の主人公の話で語られることがあり、
複雑に人と人が絡んでいるので、クリア後にはキャラ一人一人ではなく、
渋谷の街そのものが印象に残ります。



「街」のシナリオライター曰く、

「俺が電話ボックスで電話をしていたらドンドン叩いてくるヤツがいるんだよね。
こっちは命に関わる話をしているのかもしれないのにさ。
でも、そこでふと思ったんだよ。俺に取ってはうるさい失礼なヤツだけど、
むこうにとっては俺はただの長電話をしてるオヤジなんだよね。
それがゲームで出来ないかな、と」
これは街の楽しさのド真中を貫いています。
これについてはゴチャゴチャ言いません、もうこれがまんまです。
確かに、同じ状況でも立つ場所で意味が大きく違う、そう思えます。
そういう意味では大きく考えさせられました。




特徴その2、ザッピング
「街」は読み進めていくとある程度区切りのいいところで突然「つづく」となり、メニューに戻されます。
これは一種のロックで、その先に進むためにはザッピング(ZAP)ポイントを探さなければいけません。
「つづく」になった以外の主人公の内、
誰かのほぼ同時間に「つづく」になった主人公に関係のあるキーワードが必ずあります。それがZAPポイントです。

それを探してクリックすれば「つづく」の解除が出来ます。
このように複数の話を転々とするからこそ1つのキャラ、1視点の話だけでなく人の間の繋がりを実感でき、大局を見る事が自然に出来るワケです。
また、読んで選択肢を選ぶだけにならない構成となっています。



ここまできてなんですが「街」はあれこれ考えるのが嫌いな人には向きません。
このゲームの俺が感じる楽しさの核として、
あからさまに語られないモノを解き明かしていくというものがあります。


もっとも簡単な例を。
という謎のキャラがαというシナリオでいたとしましょう。
そこでβというシナリオを読んでいたら、
そのシナリオの主人公が住んでるアパートの住人リストにの名前があった。
これでひとつについてわかった事になります。

上の例はあまりにも単純な例です。
場合によってはいくつもの情報を総合してやっとわかるモノもあります。
難解であればあるほど面白い。

でも、これは知らなくても困りませんしシステム的にもどうにもなりません。
しかし知っている方が楽しいのです。
しかも自分で考えて出した答です。楽しくないハズがありません。

さらに「街」ではどの場面でも必ず○○時○○分というものがありますから、
情報を集めれば脇役の一日の生活を割り出す事も可能になります。
こうして知識欲を満たしていくと、とてつもなく大きな相関図が浮かび上がるわけです。
ちなみにやはりそれはゲーム的には意味がありません。
しかしだからこそ良いのでしょう。
ある意味で、良い意味で用意されていない遊びなのですから。
全く自由の領域なんですよ。
別に知っても新しいシナリオが見られるワケでもない、でも知りたい。
ある種の強迫観念(これをやらないと○○が出来ないからという様な)は、ない。
好きだからやる。だから本当に意欲的になれる。
理想的な形かもしれません。



ここで、さっきの話に繋がります。
このように脇役一人一人についても徹底されているため、
また考える余地を残し尋常でない練りこみをしているために、
渋谷の街1つをそのまま感じる事が可能になり、
そこでは確かなリアルを感じます。
言うまでもないと思いますが、
笑いでも泣きでもドキドキでもテキスト、ビジュアルのレベルはハンパじゃないですからね。

王道的な面でも圧倒的なインパクトを持ち、
このゲーム独自のシステムにおいても異常な破壊力を誇る。
これは先に少し書きましたが、ある意味での理想形でしょう。



渋谷の街でのほんの5日間の物語。
しかしそこには震えるドラマが、ある。


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THIS text was written by kami