真夜中の静けさを破り、ずっと鳴り続ける1通の電話・・・・・・。
「あっ、あの娘かな?」と思いながらも僕は受話器に手をかけた。
―もしもし、あっ、まさひろくん??・・・・・・・・・・―
そう言って彼女は、それから顔を赤らめたまま何も話そうとしない。
こんな静けさの中、僕は何を話そうかと考えた。
あっ、そう言えば彼女は久々に旅行に出掛けていたんだ。
一体いつ帰って来るのか分からなかった僕は、さっきまで最終電車で彼女が戻るのを、ずっと駅のプラットホームで待っていたのだ。
「まだ帰ってこないのかなぁ・・・・・?」と諦めて、僕は結局家へ帰った。
その帰り道に、キラキラと星が輝く夜空の下で、ふと立ち止まってぼくは目をつむってみた。
すると、僕の脳裏に旅行に行っている彼女の笑顔が見えてきて、今にも僕に話し掛けてきそうであった。
そして今、その事を思い出しながら、僕はやっと口を開いた。
「君が帰ってきたら、また一緒にデートしような。」
「ねえ、そうしたら、どこへ行こうか?」
・・・・・・こうして受話器を通しての会話はようやく弾んできたが、今は二人は別々の場所にいて、会えない・・・・。
「早く帰ってきて欲しいな・・・・」と思いながらも笑みを浮かべて、僕は静かに受話器を置いた。
♪真夜中のテレフォン 君からのテレフォン 少しだけでも 真夜中のテレフォン・・・♪
題材:「真夜中のテレフォン」THE BLUE HEARTS 作詞・作曲:河口純之助