−1−
昼ご飯を食べ終わってから、僕はケンスケと色々な事を話した。
仔猫との出会い、猫神様の事、これからどうするか・・・
お互い、初めての体験(そりゃそうだ)なので、色々と問題はある。
「そういえば、ケンスケって両親と同居だよね?」
僕は両親が不在なのでアスカとの共同生活には問題無いけど、彼はそこら辺どうなんだろ?
「共働きで忙しいから大丈夫さ。日曜日だって、そうは帰って来ないし。」
まぁ、どうにかなるか。
「マユミ、こっちこっち!」
「だめですよ、アスカさん、いえのなかではしりまわるとあぶないですぅ!」
マユミちゃんは、かなり常識家みたいだ。それに比べてアスカは・・・
「なんか、ウチのアスカの方が年下みたいだね。」
「あぁ。初めて人間になった時から、ミョーに大人しかったよ、マユミは。」
なんか、手がかからなくていいなぁ・・・いや、アスカの相手をしているのも楽しいぞ!
ネガティブな方向に行きがちな心をなんとか軌道修正して、僕は話を変える。
「さて、そろそろ図書館に行こうか。」
「あぁ・・・マユミ、そろそろ行くぞぉ!」
二人の猫少女に帽子を被らせて(マユミちゃんの帽子は、アスカの予備を貸してあげた)、僕らは図書館へと出発した。
−2−
図書館へ行き、入り口でケンスケと分かれて、適当に本を物色する。
アスカが選んだのは、カラフルな動物図鑑と・・・少女小説だった。
受け付けで本を借り、すぐに家で読む為に帰ろうとすると、アスカがぶーたれる。
「やだやだ、もっとあそぼぉよぉ!」
猫の時はいつも遊んでるじゃないか、と思ったけれど、きっと猫の時に遊ぶのと、人間の時に遊ぶのでは全然違んだろう。
ちょっと遠出して、駅前のゲームセンターへと足を運ぶ事にした。
「じゃあ、ゲームセンターに行こうか?」
「やったぁ!!」
嬉しそうに笑うアスカ。
大人しい時のアスカもいいけれど、やっぱりこういう時のアスカも可愛いと思う。
ふと、もしもアスカがお嫁に行ったら、結婚式で僕は大泣きするんだろうなぁ、という妄想が頭を駆け巡る。
「なにへんなかおしてるのよ、はやくいこ!」
「そうだね。」
想いが顔に現れてしまったらしい。
きっと、僕は親バカになるタイプなんだろうな。
−3−
駅前は、いつも通り人で一杯だった。
アスカとはぐれないように、手を繋ぐ。
彼女の手は、とても温かかった。
ゲームセンターに入ると、やはりそこも人で一杯だ。
入り口そばにある、UFOキャッチャーの前で、アスカに500円玉を握らせる。
「これはね、ボタンであのアームを操作して、中にあるぬいぐるみを取るゲームなんだ。」
簡単に操作方法を説明して、一回見本を見せる。
「こんなの、かんたんかんたん!」
自信まんまんなアスカ。
そして結果は・・・500円でぬいぐるみ2個だった。
「上手だね、アスカ。」
「とうぜんよ!」
向日葵みたな笑顔で、得意げに胸を張るアスカ。
優しく頭を撫でてやると、とても気持ち良さそうだ。
「それじゃ、そろそろ帰ろうか?」
「うん!」
そして、僕らは家路についた。
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