超能力ロボハチ五郎シリーズ
ハチ五郎と龍の伝説(3)
| 第97話 投稿者: 氏照 「お、お、おれがし、知ってるんだな」 現れたのはタンクトップにハーフパンツ、サンダルという出で立ちの男だった。 坊主頭で、目が常に泳いでいる。なんだか怪しい。 「オヤジ、あの間抜けな顔の男は何者ロボ?」 「ああ、ヤツはさすらい人。ここらじゃ『ノロ夫』と呼ばれているな」 「へッ! ずいぶんタルそうなヤツだぜッ!」 「まあまあ。話を聞いてみましょう」 オペレーターAが彼のぶんの酒を注文する。 「こ、これはす、すまないんだな。ありがたくい、頂くんだな」 ノロ夫は実に旨そうに酒を飲み出す。 「で、お前は超光石について知ってるんロボか?」 「ん、んん? ああ、び、B子ちゃんが話していたんだな」 「アナウンスB子のことロボか?」 「そ、そーなんだな。君たち、と、友達なのかな?」 「まあ、そんなとこロボ。ふむ、何でB子が知ってるロボか?」 「んー? 魔法の材料に応用できるとか言ってたんだな」 「へッ! こいつじゃラチがあかねェ、B子に会いに行こうぜッ!」 「そーするロボか。あー、ノロ夫。B子の居場所を知ってるロボか?」 「うー。魔術師ギルドにいるんだな……おれもついていっていいのかな?」 「別にかまわんロボが……なんでロボ」 「お、おれときみたちは友達なんだな。友達をた、助けたいんだな」 「一応それなりにいいやつロボね。じゃ、一緒に行くロボ」 新たな仲間をくわえたハチ五郎一行。 さすらい人『ノロ夫』、彼ははたして役に立つのか!? それとも消え去っていってしまうのか!? つづけ >> 第98話「むしろ敵なんじゃないか? こういうタイプ……」 投稿者: ピヴィ 魔術師ギルドは八角形を立てかけたようないびつな形をしていた。 辺り500m四方はまったくの空き地で、 ギルドの入り口へ続く道以外は雑草生え放題、木は伸び放題で 森のようになっていた。 立ち入る人の姿もなく、動物が道を横切ったり、 突然頭上からふんが落ちてきたりと 町中とは思えない行程を経てようやくギルドの建物へとたどり着いた。 「はぁはぁ、ようやくたどり着いたロボ……」 森歩きによほど疲れたのか、一同息が荒い。 体中が泥やふんにまみれて悪臭を漂わせてもいた。 「く、くさいんだな」 ノロ夫はハチ五郎やポチ太郎、オペレーターの体をくんくんと嗅いでいた。 「お前も……ロ…ボ…!?」 と、ハチ五郎がノロ夫の方を見ると、 何故か奴の体は綺麗だった。 「!?……お前ホントにノロ夫ロボか?」 「お、おれはあんたの後ろにいたんだな。 だから、当たらなかったんだな」 澄まし顔で言う。 「それより、早く入りましょう」 何度も後ろを振り向きながら、オペレーターAが急かした。 ぎぎぎぎぎ… 「こ、ここが魔術師ギルドなんだな」 扉を開けると広いホールに出た。 ノロ夫は慣れた感じでギルド内を歩いていく。 「ノロ夫さん!!」 落ち着いた感じでクリアーな声がホールに響いた。 「B子さん!!」 返事をしたのはオペレーターAだった。 「あら、オペレーターAさん。…と、お連れの方?」 「助けてやったのに覚えてないロボか?」 「主に活躍したのはオレッちだけどな!」 と、この二人はまったく視界に入っていないようで、 オペレーターAとアナウンスB子は二人でそう言う雰囲気を作っていた。 「なんかむかつくロボ」 そのハチ五郎の心を見越してか、どうだか、 ノロ夫が二人の間に割って入っていった。 「お、おれはおにぎりが欲しいんだな」 「あ、はいはい。ちょっと待っててくださいね」 アナウンスB子はあわてたように奥の部屋へ入っていった。 「な!!」 オペレーターAの表情が変わった。 きっとした目でノロ夫を見るが、ノロ夫の方はそんなことに気が付かなかった。 「はい。どうぞ」 長いことに気が付き、瞬間的に戻ってきたB子。 「で、どんなご用ですか?」 「超光石について教えて欲しいロボ」 「ああ、それならオニギリ山という山の頂上付近にあるわ。 でも……。」 ちょっと時間を使って言い淀む。 「でも、あの山はとっても危険なんです。 魔物が住んでいるとか、魔王が眠っているとか……」 やっと情報を手に入れた一行。 最後の戦いへ行くことが出来るのか。 つづく!! >> 第99話 投稿者: 氏照 「よーし、それじゃあ出発するロボ!」 「おーッ!」 声をあげたのは全部で六人。 ハチ五郎、ポチ太郎、オペレーターA、ノロ夫、 それに復帰した極悪、ついでにアナウンスB子である。 もう一つ、戦闘力に欠ける気もするがとりあえず出発してしまう。 城下町を出て、オニギリ山のふもとの村を目指す。 「で、ハチ五郎さん、オニギリ山がどこにあるか知ってるんですか?」 「……しらんロボ」 「じゃ、じゃあ何で出発しちゃったんですか!?」 「なんかこう、場所がわかるとマップ上に表示されたりとか、 話の都合上途中は飛ばされるのかなぁって思ったんロボ」 「そ、そんないいかげんな……」 オペレーターAは情報を教えてくれたB子の方を見る。 「あの……私も場所は知らないの……」 申し訳なさそうに小さな声で言う。 「これからどーするんですか? ハチ五郎さん」 「うーむむロボ」 一休さんポーズで考えはじめるハチ五郎。 「ハハハ、心配いらないでゴクアク。こーゆーときこそおでの出番でゴクアク」 「へッ! 一体どうするつもりなんだよッ!」 「おでの256の占いで場所を探るでゴクアク。 ハンヤラ、カンヤラ、ポレポレ、キンピラゴボウッ!」 奇妙な呪文を唱える極悪。どうやら結果が出たようである。 「あっちで、ゴクアク!」 北の方を指さす。 「……ホントなのかよッ!? オレッちには信じられないぜッ!」 ちっちっちっ、ぽーん! 効果音と共にハチ五郎が立ち上がる。 「ど、どーしたんですかハチ五郎さん! 何か思いついたんですか!?」 「ダイブ・バッタ師匠の声が聞こえたロボ。進むのは北。目指すのは……鬼切り山ロボ!」 「鬼切り山……ですか?」 「お、おにぎりじゃなかったのかな。ざ、残念なんだな」 「そうロボ。昔、多くの鬼が切られ、その怨念の渦巻くところロボ」 いつになく、シリアスな顔になるハチ五郎。 「やっぱり、おでの占いは当たっていたでゴクアクね」 「そーらしいなッ! 見直したぜッ!」 「あの、それでどれぐらい行けば着くんですか?」 「そこまではわからんロボが……間にはいろいろと困難が待っているそうロボ」 ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ! どこからか、一行を狙って矢が飛んでくる。 「みなさん、気をつけて!」 灰色のB子がすかさず防御の呪文を唱える。 呪文の効果は直ちに発揮され、矢はみな逸れていく。 「な、何者なんだな。怖いんだな」 「これはもしかしてピンチですか!?」 「じゃ、みんな任せたロボ!」 目指すは鬼切り山。 その前に立ちふさがる危機。 このメンバーで何とかなるのか!? 北へ。 つづけ >> 第100話 投稿者: べが 「ごんぬずわぁーッ!」 耳をつんざく大音響が響きわたった。 ハチ五郎たちの正面。 小高い丘の上に巨大な人影がひとつ。 「だ、誰なんだな?」 「オレっちに弓を射るたあどこのどいつだいッ!」 ポチ太郎がべらんめえに誰何する。 「お、ハチ五郎どんでねえがあッ! 久しぶりだぁ〜」 全然話を聞いてない人影が吼える。 「リーダーの知り合いなのかいッ!」 負けじとポチ太郎も吠える。 「う〜ん、なんとなく霧の向こうの方に記憶がないことも・・・」 「ハチ五郎さんッ! あれって確か馬番の・・・」 「おら嬉しいどぉ〜ッ!」 丘をずんずんと下ってくる人影。 蛮太なみにでかい。 目の前まで来たところで、ようやくハチ五郎の記憶が蘇る。 「ど、ドルカスどんでねえかッ!」 なぜか訛るハチ五郎。 「おめはおらのどもだちだぁーッ!」 ハチ五郎を抱え上げ、ごりごり抱擁しながら嬉しそうに言うドルカス。 生身のハチ五郎にとっては堪らない。 背骨がミシミシと音を立てる。 「こ、こんなとこでいったい何してるロボ?」 遠のきそうになる意識でハチ五郎は問うた。 「おらかぁ? おらは・・・え〜と、え〜と、なにじでたんだ?」 ハチ五郎を降ろし、悩みだすドルカス。 静まる一同。 しばらくの沈黙が続いた。 「あの・・・バカ、なの・・・かしら?」 B子が遠慮がちに言う。 「おめ、ぎれいな目じでるなぁ〜」 B子の存在に気づいたドルカスは、彼女の顔を覗き込みながら感心する。 「ひッ・・・」 身をすくませるB子。 「と、ところで、なんで弓矢を撃ってきたんですか?」 ドルカスをB子から引き離しながら話題を変えるオペレーター。 「お、そうだった。おぉ〜いッ、みんな出てぎていいどぉーッ!」 ドルカスの一声で、丘の影からぞろぞろと人影が現れた。 その数、総勢20名ほど。 皆、百姓風の姿だったが、その手にはクワやら鎌やらを持って武装してる。 そのうちの何人かが弓矢を携えていた。こちらは猟師風である。 「こ、この人たち一体なにロボ?」 「みんなおらのどもだちだぁ〜」 「友達って・・・いったいここでなにを?」 「おらだちは」 「ドルカスッ!」 聞き覚えのある鋭い声が響いた。 見ると、丘の上にあの嫌な奴が馬に乗って姿を現した。 傍らには側近らしき騎士が二人、同じように馬に乗っている。 「さっささとその者共を始末して仕事に戻れい!」 威嚇するように叫ぶ。 「あ〜、伯爵ざまぁ、ずまねえだぁ」 「ん? 貴様らは・・・」 伯爵は、そこでようやくハチ五郎たちに気が付いた。 「かような場所で出会うとは・・・まさか、貴様らも超光石を」 「なんだってッ!(ロボ)」 つづく >> 第101話 投稿者: ピヴィ 「と、いうわけでおらだちはおめさんらを たおざなければならないだ」 ドルカスが申し訳なさそうに言うも、 その手はいつの間にかハチ五郎を掴み放さない。 「い、いたいロボ。放すロボ!!」 いつもなら『超能力ぬらりウナギ拳!!』で簡単に放せるものを ハチ五郎は体に力が入らなくなってその場に倒れてしまった。 「ハチ五郎さん!!」 駆け寄ろうとするオペレーターA。 「動くな!!」 伯爵の陰険な声がオペレーターやその他の動きを止めた。 「とにー……力が出ないロボ……」 「はっはっは、動くとハチ五郎の体がぺしゃんこになるぞ!!」 余り迫力のない脅し文句。 しかし、誰がいるのかわからなくなった一同は 素直に従い、捕縛されて彼らのキャンプ地へと連れ去られてしまったのでした。 またまたつづく >> 第102話 投稿者: 氏照 「ず、ずいぶん簡単に捕まってしまったんだな」 というわけでボルボル伯爵一味に捕まったハチ五郎たち、 岩山の城塞まで連れてこられた。 みんなそろって地下牢に押し込められ、ちょっと狭い。 「チッ! オレッちたちをこんな所に閉じこめやがってッ!」 「他にも、たくさんの人が捕まってるみたい……」 B子の言うとおり、周りの牢の中にも多くの人間が入れられていた。 「ハチ五郎は大丈夫でゴクアクか?」 「気を失ってるみたいですけど、各メーターは作動してますから大丈夫でしょう」 テキパキと各部のチェックをするオペレーターA、便利なヤツである。 そのハチ五郎の体はベコベコにへこんでいて、痛々しい。 そして、ツカツカと何者かが近づいてくる。 「テメェはッ!」 「フハハハハ。岩窟城にようこそ諸君、くつろいでいるかね?」 現れたのはボルボル伯爵であった。 「ここは古代の遺跡でね。ロマンを感じるだろう?」 「へぇ、そーなんですか」 素直に感心するオペレーターA、単純なヤツである。 「ミーが鬼切り山に行っている間、諸君にはこの遺跡の発掘をしていてもらおう」 「何であんたが超光石を必要としているんでゴクアク?」 「それは彼のおかげだよ……おお、博士、来ていたのか」 もう一人、背の高い若い男が現れる。 「フフフ。超光石はワリト君の専売特許ではないということですよ」 「き、君は誰なんだな?」 「私ですか? 私は……」 またまた現れた謎の男! ハチ五郎たちのことを知っているようだが!? ハチ五郎はいつになったら復活するのか!? 以下次号! つづけ >> 第103話 投稿者: ピヴィ 「私は……シン・オーツカだ!!」 ……ハチ五郎。 ……極悪。 ……ポチ太郎。 ……オペレーター。 ……アナウンサーB子。 ……ノロ夫。 と、長い沈黙が部屋の空気を冷たくした。 「な! 私を知らないのですか!!」 コクコク……ハチ五郎。 コクコク……極悪。 コクコク……ポチ太郎。 コクコク……オペレーター。 コクコク……アナウンサーB子。 コクコク……ノロ夫。 同意するように頷いた。 「なにー!! 霧雲霞の創造者である私を知らないと!!」 !!……ハチ五郎 !!……極悪 !!……ポチ太郎 !!……オペレーター 霞のことを一応知っている者だけ吃驚した。 「そうだったロボか」 「知らなかったでゴクアク」 「オレッちは、高校生につくられたんだけどな!」 「へー、そうだったんですか。 でも、それなら超光石が必要なのもわかりますね」 「どうしてロボ?」 「だって、霞さんは胸が小さいことを気にしていたでしょう?」 「それがどうしたロボ?」 「だったらそれは、作った人をとっても恨んでいるに違いありません。 霞さんもあの性格だから、もし元気な状態の霞さんがこの人に会ったら、 殺しかねないですよ」 「そ、それはそうロボね……」 「だから、動けない状態にしておいた方が安全。 そのためには超光石を僕たちが見つける前に 自分で手に入れてしまった方がいいじゃないですか」 「おお、さすがオペレーターAロボ。 だてに保身に走る男じゃないロボね」 「ほめられた気がしないんですけど……」 「ほめてないロボよ……」 ……。 「チ、ガウヨ。ソジャナイヨー!!」 どこかの外人タレントっぽく突っ込むシン・オーツカ博士。 果てしなく内容のない回数だけ重ねていって見たりする今日この頃。 たったこれだけで続いてみたりしちゃうのであった。 >> 第104話 投稿者: べが 「私たちが元の世界に戻るには超光石が必要アルね」 全然喋り方が安定しないシン・オーツカ博士。 新キャラの常である。 「なんだってロボ!」 「ど、どういうことなんだな?」 「ふっふっふ、そんなことも知らなかったアルアルね」 「説明して欲しいでゴクアク」 「その必要はない、オーツカ博士」 横槍を入れるボルボル伯爵。 「我々にとってあの石は、あくまで国家転覆を担う一要素にすぎん」 「それもそうアルね、あのバカ殿を排除するのに利用するだけアル」 不穏な会話を続ける二人。 「国家転覆だってロボ? いったい何を企んでるロボ!?」 「ふふふ、レボリューションッ! それは常に熱き闘争ッ!」 吠える伯爵。 徐々にキャラが変わってきていることに彼は気が付いているのか。 「吾輩が新時代をリードする新王となるのだよ、諸君ッ!」 「超光石の莫大なエネルギーを使って、この国を乗っ取るアルよ」 「そんなことはオレっちたちが許さないぜッ!」 「ふふん、牢の中でいくら吠えたところで文字どおり負け犬の遠吠えというものだよ」 「ていうか、元の世界に戻るという話はどうなったでゴクアク」 「方法はミーも知らないアルね、でも超光石が必要なのは確かアルよ」 「まあ、そこで大人しくしてるんだな、はぁーっはっは!」 などと高笑いをしつつ、伯爵、オーツカ博士、退場。 「あ、言い忘れていたが、明日全員、死刑ということに決まったから」 「方法は猛獣と素手で闘うバトルロワイヤル方式アルよ」 「ま、楽しみにしていてくれたまえ、わぁーはっはっは!」 今度こそ退場。 風雲急を告げる展開ッ! どうなるハチ五郎一行ッ! ていうか極悪がいたことに今さっき気が付いたぜッ! 次回 『地獄のデスマッチ・入るのは二人、出るのは一人!』 お楽しみに! >> 第105話 投稿者: 氏照 ワァァ ワァァ 歓声がコロシアムに響く。 「とゆーわけでやってまいりましたァ。チームハチ五郎VSモンスター軍団! 実況は私、オペレーターA。解説は粘土質の極悪さんですッ!」 「どうぞよろしくでゴクアク。……ちゅーか、実況は名前からいっても、 アナウンスB子じゃないんでゴクアクか?」 「そんなァ。ぼくが戦えるわけがないじゃないですか」 「だからって、女の子を戦わせなくてもいいじゃないかでゴクアク」 「それをいったら極悪さんこそ……」 「お、おではほら、戦闘用じゃないでゴクアクから……」 ガラガラ ガラガラ 闘技場の二つの鉄格子が開く。 「おおっと! ゲートが開いて選手の入場だァッ!」 まずはアナウンスB子がテクテクと申し訳なさそうに歩いていく。 トンガリ帽子にローブ、魔法の杖、腰に長剣といった出で立ちである。 「いきなり紅一点、美少女ファイターB子だァッ!」 「ファンタジーらしい、スタンダードなスタイルでゴクアクですねぇ」 反対側から出てきた対戦相手は……久しぶりの男たちであった。 「おおっと、これは卑怯! 対戦相手は二人組だぁ!」 「しかも見覚えがありますでゴクアク。蛮太に神無月ですか、ゴクアク」 ゴクアクの言ったとおり、武蔵坊蛮太に神無月亮太の二人がゆらりと現れた。 「久しぶりという噂でごわす。武蔵坊蛮太でごわす」 「ふッ。宇宙刑事、バーニンシャイン見参ッ!」 それぞれに勝手なポーズを取る。 「どうでしょう極悪さん、二人掛かりというのは。主催者の悪意を感じますが?」 「ええ、我々を確実に仕留めようと言うことでゴクアクですね」 B子がキョトンとしていると、いきなり蛮太が棍棒を振り上げ、向かっていく。 「おおっと、蛮太がゴングの前に仕掛けたァッ!」 「ヤツにはルールを理解するような頭脳はありませんでゴクアクからねぇ。 これも、主催者……伯爵の作戦の内でしょう、ゴクアク」 図体に似合わず、俊敏な動作で瞬く間にB子の後ろに回り込む蛮太。 巨大な棍棒を無言で振り下ろす。 「おおっと、これで終わってしまうのかァッ!」 「いや、待ってください、B子の目の色が変わりましたよ、ゴクアク」 確かに、B子の目つきが変わる。 表情も変えずに、腰の魔剣を抜き放つと同時に振り下ろされた棍棒に叩きつける。 その一撃で棍棒が砕け散る。そのまま体を入れ替え、B子が蛮太の後ろにまわる。 蛮太は勢いあまって前のめりに倒れ込む。 「鋭い動き、これは以外だァッ!」 「やはり女性は何を隠しているか。恐ろしいでゴクアクですねぇ」 突然の出来事にあわてふためく神無月はその場を動けない。 そうではなかった。すでに彼はB子の魔法によって捕らわれていたのである。 「おおっと、よく見ると神無月は蜘蛛の糸に捕らわれているぞォ!」 「ええ、ウェブの魔法ですね。おでも気づかなかったでゴクアクです」 怒りに震える蛮太が立ち上がる。体中が真っ赤である。 B子は相変わらずとぼけた表情のままである。 「ゆ、許さんという噂でごわす。久しぶりの登場でごわすッ!」 武器を失った蛮太であるがむしろその肉体こそが凶器である。 その太い両腕で彼女につかみかかる。 だが、B子は右へ左へと華麗なステップでそれをかわす。 「魔を祓い、闇を祓ういかずちよ……彼の者の脂肪を焼き尽くせ!」 彼女が言葉と共に空中へと舞い上がる。 青白い剣がひときわ輝き、剣先からいかずちがほとばしる。 いかずちが蛮太を貫く。 全身が燃え上がり、断末魔の声と共にその場に巨体を倒す。 B子は軽やかに地面に着地する。 「おおッ! 蛮太があっという間にKOされてしまったぞォッ!」 「鮮やかでしたねぇ。フツーに戦ってしまいました、ゴクアク」 「あとは神無月だけだが……おおっと、彼の姿が見えない!」 「どうやら、得意の忍法で逃げてしまったようでゴクアクですね」 「ということは神無月は試合放棄。 第一戦はチームハチ五郎、アナウンスB子の勝利だァッ!!」 B子は静かに剣をしまい、身なりを整える。 「……お粗末様でした」 ワァァ ワァァ 歓声が上がる。彼女をたたえる声である。 そして彼女が退場するとすぐ、次の選手が現れる。 「おおっと、さっそく第二戦の選手の入場だぁ!」 鉄格子の奥の暗闇から新たな選手が現れる……。 少年漫画風の展開になってしまったハチ五郎一行! 次の選手は!? 超能力の使えないハチ五郎はどうするのか!? 以下次号! つづけ >> 第106話 投稿者: ピヴィ えらく真面目っぽい戦いが行われていたようですが。 「さて、第二試合はポチ太郎、ノロ夫のコンビVS!!」 「おっと、これは味キング服部とバッファロー柳生の 幹部コンビに、魔法使いの格好をしたソレナリニ博士でゴクアク!!」 一時、苦々しい表情をしていたボルボル伯爵も、 いまは、あの嫌らしいにやけ顔に戻っている。 「ある意味、ボス戦でゴクアクね」 「さあ、ヒーローチームの二人はこの強敵に動立ち向かうのでしょうか? ポチ太郎の怪力が唸るのか、ノロ夫はどうやって戦うのか!!」 「でも、相手が弱いゴクアク」 「たしかに……さあ、そうこう言っている間に試合開始のゴングが鳴り響きました」 「まず、先に出たのはポチ太郎です。 ノロ夫は後ろの方でぼうっとしている模様。対する三人はどう出るのか!」 「はっはっは、ボルボル伯爵の出してくれた資金のおかげで、 新たなロボを作ったのだ!! お前達の相手はこの超エコロジック・ファンタズムロボ! 通称『えこたん』が相手をしてくれる!!」 バッファロー柳生の握るコントローラーから電波が発信され、 場外から巨大メカが登場した。 「おーっと。巨大メカの登場だ。 しかし、このファンタジーな世界でいったいエネルギー源はなんだ!?」 「味キング服部を見るゴクアク!!」 「なんと、ケーブル付きの自己発電だ!!! 味キング服部、自転車型の発電器をものすごい勢いで漕いでいる!!!」 「奴の弱点が分かったゴクアク」 「ええ、私もわかりました。 しかーし、それにポチ太郎選手は気づくことが出来るのでしょうか!! さあ、注目の第一インパクトです!!」 「がっちりと腕を組んだゴクアク。ポチ太郎は気づいていないようでゴクアクね」 「力勝負ではほぼ互角のようです。両者一歩も引かない!!」 「引かないんじゃなく、引けないゴクアク。 一瞬でも気を抜いたら押しつぶされるでゴクアク」 「さすが、解説の極悪サン。昔は強かっただけのことはありますね」 「う、うるさいゴクアク」 「さぁ、試合は膠着状態に陥りました。必死にコントローラーを操る柳生選手、 同じく必死に自転車を漕ぐ服部選手。後ろでお茶を飲むソレナリニ選手。 『えこたん』とポチ太郎選手は場内中央でぴくりとも動かない!!」 「おや、ノロ夫選手がいないゴクアク」 「いつの間にか、ノロ夫選手はソレナリニ選手に迫っていた!! こいつなら勝てると見たのか!!」 「い、いや、一緒にお茶をしたいんだな」 「my湯飲みを持ってソレナリニ選手の元へ向かうノロ夫選手!! ソレナリニ選手も良いのみ友達とでも言うように、きうすを差し出す!!」 どっしーん。 ごろごろごろ。 ぶち。 どっかーん。 「こ、ころんだ。ノロ夫選手転びました。その拍子に手に持った湯飲みが ソレナリニ選手を直撃、熱湯がソレナリニ選手にかかったー! 転げ回るソレナリニ選手。よほど熱いお湯だったのでしょう。 半身焼けただれています!!」 「あれは、硫酸でゴクアク」 「なんと、えげつない。差し出した急須にはいっていたのは硫酸だったとは!! しかし、自業自得。今その硫酸はソレナリニ選手本人にかけられています。」 「何か様子がおかしいゴクアク」 「おっと、いつの間にか戦況が動いています。『えこたん』が倒され、 ポチ太郎選手が柳生と服部を取り押さえています!! いったい何があったんだ」 「リプレイを見るゴクアク」 「あーっと、これは、ノロ夫選手が転んだ拍子に『えこたん』と 服部選手の自転車を繋ぐケーブルが切れ、『えこたん』がその場にぐずれ落ちた! 驚いた柳生選手と服部選手はあっという間にポチ太郎選手にぼこぼこにやられ 取り押さえられていた!!!!!!!! なんという幸運、ノロ夫選手驚異の伏兵、プニプニほっぺ団幹部チーム、 ほぼ自滅状態だーーー!! しかーし、勝利は勝利、これでヒーローチームは2連勝。 ボルボル伯爵、あとが無くなったぞ!!! 次は大将戦。果たしてどんな敵が待ち受けているのか。 超能力が使えない我らが大将はどの様に戦うのか!! 次回に続くーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」 |