超能力ロボハチ五郎シリーズ
さわやか蛮太くん!


 

『さわやか蛮太くん! 第一回』(全6回)
投稿者: べが

主題歌『青春メモリアル』

歌:蛮太
作詞:蛮太
作曲:吹きすさぶ風

バーンバーン!
スバババーン!
う〜れしはぁずかし初恋でぇ〜(ポリス沙汰!)
そーれ以来の裏街道ぉ〜
東へ西へー
南へ西へー
お〜れが最強ぉ
武蔵坊(ばんたッ!)

バーンバーン!
ズバババーン!
う〜しはぁずかしバレンタイン(恐喝罪!)
そーれ以来の男道ぃ〜
東へ西へー
西へ西へー
お〜れがナーイスガイ
武蔵坊(ばんたッ!)


『さわやか蛮太くん・第一回』
俺の名は武蔵坊蛮太。
書いて字の如く、武蔵坊のように強く、蛮太のように気高い男だ。
そして最強の名を欲しいままにする宇宙番長だ。
以前は銀河番長だったが、最近は宇宙番長と呼ばれている。
違いはよく分からない。
とにかく。
番長である俺様が如何に最強でオラオラで愉快な奴であるのか、
それがよくわかるネーミングだと思う。
宇宙の端から端まで締め上げ、ヤキを入れまくり、
カツアゲしまくった俺様はいつの頃からか、
誰言うとなくそう呼ばれるようになっていたのだったのだった。
突然ではあるが、
「そういえば昔こんなことがあったっけ」。
ポワポワポワポワワワァ〜ン・・・。

そうあれは、俺がまだよちよち歩きの中ボーだった時のことだ。
俺はその頃、番長修行の一環として全国各地の学校を渡り歩き、強い奴を見かけては
喧嘩をふっかけていたものだった。
ふ。俺も若かったんだなぁ。
そんなある時のことだ。

「それじゃあ今日から転入することになった武蔵坊くんです。
武蔵坊くんは、ご家庭の関係で転校を繰り返していてとっても可哀想な子なの。
でも、みんな仲良くしてあげてねー」
「はーい」
無邪気に返事する生徒たち。
ふふふ、俺様が最強番長であることを知らぬとは。ふしゅるしゅる。
おっといけねえ。よだれが垂れちまった。
それはともかく。
番長たるもの最初が肝心だ。
まず一発ぶちかますことで俺様を舐めるとどういう目に遭うか、思い知らせておくのだ。
行くぜッ! 俺様!
俺は勢いよく教室の扉を開いた。
あまりに勢いよく開いたせいで、跳ね返った扉が閉じた。
おおう!? やるじぇねえか、この外道!
俺はヤキを入れてやるつもりで扉を蹴り跳ばした。
どんがらがっしゃん!
そして教室に一歩踏み込みながら、さわやかに挨拶する。
「おっす! 俺が最強ばんきゅッ!」
俺様のグレートにしてハイソな巨体は、この学校の規格に合っていなかったらしく、
俺はその額を思いっきり扉の枠みたいな奴の上の方んとこに激突させていた。
なにものにも代え難い激痛に、俺様は不覚にも膝をついてのたくった。
シンと静まりかえる教室の気配を察知した俺様はクールに、
そしてエキセントリックに立ち上がった。
「俺が最強番長、武蔵坊蛮太様だッ! 覚えとけッ!」
どっと沸く教室。
見ると先生まで腹を抱えてケタケタと笑っていやがる。
ま、受けはとったからいっか。
いや違うッ!
断じて違うぞ俺様ッ!
俺様はクリエイチブな最強番長!
こいつら全員にヤキを入れる必要があるぜッ!
「てめえ・・・・・・俺のことを笑ったな?」
俺はジャギがケンシロウを銃口で指すような邪悪さで一人の生徒を指さした。
だが、みんな爆笑中で話を聞いてくれやしねえ。
おのれぇぇぇ!
と、そこで俺様はあることに気が付いた。
この教室には男子生徒の姿が見あたらない。
女子ばかりである。
しかも、女子は女子でも髪の毛が緑や錆色に染まり、
前歯が2、3本欠けたような女子ではなく、
皆一様に清潔感溢れる女子ばかりであった。
俺様の最強に高まった頭脳がぐるんぐるん回転する。
そうッ!
ここは秘密の花園!
花も恥じらう女子校だったのだったのだったッ!

遂に始まった新シリーズ!
超短期念力集中連載『さわやか蛮太くん!』(全6回)
次回もお楽しみにねぇ!
てか、これが今の俺の限界。

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さわやか蛮太くん! 第二回
投稿者: ピヴィ

女子校だったとは意外だったが、
そんなことでめげるほど気の弱い蛮太様ではない。
ここはいっちょ、男武蔵坊蛮太の名に掛けて、
ボルボル伯爵と解く。
その心は、どちらもキャラがコロコロ変わります。
わけのわからない謎かけはやめにして、
そろそろこの学校をしめるための行動を起こすか。
しかし、腹が減っては戦は出来ぬ。
教科書の陰に隠れつつ、速攻で白飯を頬張る。
「武蔵坊君!」
至福のひとときを氷のような冷たい一言が引き裂いた。
突き刺さるような視線を感じ、
眉じりをくいと突き上げる。
目線の先には鬼のような形相の源きっちょむセンセーが
立ちふさがっていた。
源きっちょむ……青春学園中等部の国語の先生。
しかし、その実体はこの学園の1/2をしめる、
超極道先生なのである。
蛮太様としては真っ先に決着をつけなければならない相手といえた。
「むふぅ……」
「はおぁ……」
火花の散りそうなにらみ合いが数秒の間続いた。
何らかのきっかけで弾けそうに思えたが、
「こら、早弁はいけないゾ☆」
あまりにその性格、容姿、存在に合わない
まるで最近の女性声優のような甘ったるい声でもって
威嚇されたため、
ぶはーっと吐き出した息と共に、
貴重な昼飯を吹き出してしまった。
「なにすんだこのやろー」
ありったけの威勢と気概と昼飯の恨みを込めて
源きっちょむにつかみかかるが、
野郎、へなへなとすわりこみやがりまして、
まるでその気を見せない。
この俺など、相手にしないと言うことか!!
こうして、俺と、源きっちょむせんせいの熾烈な戦いが
始まったり、終わったりしようとしていたらしい。

第三回へ続く……

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『さわやか蛮太くん! 第三回』
投稿者: 氏照

「ふ。戦わぬとあればそれもまた良しッ!
ここで貴様の息の根を止めてくれるわッ!!
喰らえッ!『超寸止めサイクロンデコピン』!!!」
教室に風が巻き起こり、武蔵帽蛮太の必殺技が唸る。
そのとき、へたり込んでいた源きっちょむセンセーの瞳が、
ギラリと光ったことに蛮太は気付かなかった。
「これで貴様も最後ォッ! 
俺様の学園支配に一歩近づいたのだァッ!!」
蛮太の中指が炸裂し、きっちょむの額にめり込んでいく。
これでノックアウトのハズであった。
しかし、きっちょむは口元に笑みを浮かべていた。
「貴様ァッ! 何が可笑しいッ!」
「フフフ、これが笑わずにいられるかァ〜? 
所詮木っ端の力はその程度かァ……」
蛮太の指を中心としてきっちょむの顔面がビシビシと音を立てひび割れていく。
「な、なにィッ!」
ひび割れは全身に広がり、中から巨体の男が現れる。
「ぐががががぁッ! ごんぬづわ〜ッ!!」
「くッ! ビッグ・ザ・武道、いや、この前のキン肉マンU世のマネかッ!!」
オーバーボディを脱ぎ捨てて現れた男、そいつの名は……。

つづく

次回、さわやか蛮太くん!第三回、
『蛮太VSドルカス! 学園タイフーン!』
お楽しみに!

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『さわやか蛮太くん! 第四回』
投稿者: べが

「ちょっと、キミたちッ! いい加減にしなよッ!」
などと言いつつ、一人の女子生徒が立ち上がった。
ショートカットの少年ぽい小娘である。
現実ではあり得ないような真っ赤な髪の毛が印象的である。
現実ではあり得ないと言ったが、
ではここは現実ではないのかと言えば、
それはそうだろうと言わざるを得ないわけだが、
当初この物語は俺様の独り言であるわけで、
敢えて言うならいちにんしょーというものであるわけだが、
物語と言った時点でやはり現実ではあり得ないわけだが、
さらに言ってしまえば現実という言葉ほど頼りない代物はないのであって、
所詮は現実とは現実とは違うものと区別されるために作られた言葉であると思うから
ここはひとつ男としてビシッと言っておいた方が良かろうと俺は判断したのだった。
「女は黙っていろという噂でごわす!」
俺様は久しぶりに薩摩野郎弁を爆発させて吼えた。
「黙っていられるワケないでしょ! 今は授業中なんだからね!」
娘も負けじと吼える。
「センセイもいつまで番長野郎に付き合ってるんですか!」
ビシリと指さし、今まさに一皮むけようとしている源はっちゃけ先生を決めつけた。
「え? あ、そ、その・・・あうう〜・・・」
ズズズと源はっちゃけ先生の本性がオーバーボディに戻っていく。
「お、おい! 何故に戻るという噂でごわすか! 
おいとの勝負はどうなるとですかぁあ!」
俺は泣いていた。
熱い涙で頬を濡らしていた。
男泣きでごわす。
「ああ、もう! うるさい! 番長だか何だか知らないけどさっさと座りなよ!」
こ、このガキャァ〜、黙って聞いてりゃいい気になりやがり腐り果てやがってぇ〜、
ゆ、許せねえ、男として、そして番長として、そしてフェミニストとして許せねえぜッ!
「オイッ! ボーイッシュに後ろ髪を刈り上げたイガグリ女! てめえ、この俺様を」
きーんこーんかー・・・
「どいてよクソ番長! 焼きソバパン買いそびれちゃうじゃない!」
突如としてダッシュした小娘が俺を突き飛ばしていく。
「がはッ! な、なに! ま、待で、お、おんな・・・」
だが、次々と教室を飛び出していく他の女生徒たちに踏みつけられる度、
俺の意識はある種の悦楽と共に
忘却の彼方というエクスタシーへと導かれていったのだった。

次回
『出会い そして 初恋』
お楽しみにね!

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さわやか蛮太くん! 第五回
投稿者: ピヴィ

しまった、出遅れたでござんす。
しばらくの間、余韻に浸っていたこともあり、
俺は昼のパン食い競争に出遅れてしまったことをとても悔いた。
「しかし、俺は番長でごわす。
番長が自分でパンを買ってくるなんて
聞いたことがないでごわす」
そう思い、教室の隅にある自分の席でふんぞり返る。
「この姿こそ番長でごわす」
しかし、頼んでもいないパンが来るわけもなく、
グウグウと催促する腹の虫を抱えながらも、
武士の高楊枝ばりに耐えに耐え抜いた。
それはまさに、砂漠を旅するぶっきらぼうのごとくであった。
「あの、武蔵坊くん?」
とある女子生徒が俺の席へとよってきた。
ちらりと横目で見るだけで、特に返事もしなかったが、
それは先ほどの赤毛の小娘だった。
「武蔵坊くん、さっきはごめんなさい
お腹が空いて気が立っていたのね
これ、食べてくれない?
私の気持ち……」
そういって蛮太の手に13個の焼きそばパンを押しつけ、
赤毛の小娘は顔まで真っ赤にして走り去っていった。
彼女の去っていった後には
けたたましい土埃が舞い上がっているばかりだった。
「ふ、あの娘、なかなか気が利くではないか。
よもやわしに惚れておるのではなかろうか?」
ぐふ、ぐふふふふふ
何故か口からいやらしい笑いの漏れる蛮太であった。
しかし、蛮太はこの時思っても見なかった。
この焼きそばパンこそが、源きっちょむの放った
恐ろしい罠であったと言うことに……

次回最終回?

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『さわやか蛮太くん! 第六回』
投稿者: 氏照

「ではでは、さっそく焼きそばパンを頂くという噂でごわす」
腹ペコの俺様は先ほどのケンカも忘れ、
何の疑いもなくそのパンにかぶりついたのだった。
しかし、それが俺の運命の転換点になったのだ……。
そのとき、廊下では源きっちょむのヤローが俺様の様子をこっそりと窺っていたのである。
そして、俺様が13個すべてのパンを食べ終わったとき、
喜色満面で目の前に現れたのだ。
「引っかかったなァ蛮太よ!」
「けっ。貴様か、きっちょむヤロー何のことでという噂でごわす」
「その焼きそばパンこそ儂の最高奥義『地獄の焼きそばパン13ヶ所封じ』じゃあっ!」
「今度は悪魔将軍のマネという噂でごわす」
「何とでも言うが言い、蛮太ァ。
お前が今食ったパンによってお前の全身13ヶ所の番長力を封じたのだァ。
もはや貴様に勝ち目はないぞ! 改めて勝負じゃあッ!!』
「ハッ! そう簡単に俺様の不滅番長能力が封じられることなど無いという噂でごわす」
「果たしてそうかななァ?」
「喰らえ! 番長差し歯つぶて!!」

しーん

しかし何も起きない……。
「ば、馬鹿な。本当に俺様の番長力が……」

次回最終回、
『武蔵坊蛮太の最後』
お楽しみに!

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『さわやか蛮太くん! 最終回』
投稿者: べが

俺様は人生2度目の挫折を味わいつつ、がっくりと膝をついた。
「ぐっふっふっふ、なざ2度目の挫折になるのかは気になる木だが、まあ良い」
源ぽちょむきん先生は下卑た笑いを浮かべ、ゆっくりと俺様に近づいてきた。
「きさまにたっぷりと屈辱と敗北感を与えた上でハチャメチャにしてくれるぞぉ、うっしっし」
俺様は悩んだ。
なぜ番長力がたかが焼きそばパン如きに奪われてしまうのかを。
「何故でごわす! おいの無敵の番長力が何故奪われてしまったというのでごわす!」
俺は天を仰ぎ叫んだ。
尊敬する西郷先生に向かって俺は祈る。
「しぇんしぇー! おいが・・・おいがなんばしよったとですたい! 毎日毎日、来る日も来る日も
おいは頑張ってきたとですよお!」
13人兄弟の長男として、幼い弟や妹たちを養い、米軍基地に潜り込んでは畑を開墾する毎日。
野良仕事で鍛えあげたこの身体はいつの頃からか体長3mを越えて巨大化し、
村では放射能人間呼ばわりの日々。
それでもおいは、おいはッ!!
「負けなかったですたぁーーい!!!」
その瞬間、今まで青く澄んでいた空が突然曇り始め、暗雲立ちこめる始めたのであった。
ぴか!
ごろごろごろ!
「蛮太よ・・・おんしはよおやりはったとですたい・・・見てみんしゃい、教室の風景を」
空から慈悲深き声が響いた。
おいは我に返り、そして言われるまま教室を見回したですたい。
「ば、蛮太くん・・・」
女子が、女学生たちが泣いていたとです。
皆一様にすすり泣き、鼻を赤くしとったとですたい。
「み、みんなどげんしたと・・・?」
「蛮太くん・・・キミにそんな過去があったなんて、ボクたち全然知らなかったよ」
おいに焼きそばパン(番長力失い薬入り)を渡したあの小娘が言うとばい。
「ごめんね、蛮太くん・・・ボクたち、キミのこと何も知らないのに、ただ番長だからって薄ら汚い
ウドの大木に違いないって決めつけていた」
「それはもうどーでもよかです・・・もはや過去のことですたい」
「蛮太くん・・・ありがとう!」
彼女は鼻水ば垂れ流しながら明るく微笑んだと。
「そうだ! キミに大事なことを教えてあげるよ!」
「なですたい?」
「ま、待て! 待つのじゃ霞!」
「あのね、さっきの焼きそばパンは確かに
キミの大事な番長力を消してしまうものだったんだよ、でもね」
「やめろと言っておるだろうが!」
源ぽちょむきんに動揺が走る。
「でも、あのパンにはもっと、もっともっと大事なものが入っていたんだよ!」
「そ、それは何ですとたい!?」
「それはボクたちの」
「愛でごわすよ・・・」
西郷しぇんしぇーの声が再びおいの脳髄を直撃したとです。
おいの身体には、未だかつて味わったことのないパワーがみなぎったとです。
「おおお! 超番長力、発動ですたぁぁぁぁーーい!!!」
「おのれ蛮太、きさまなどにこのワシがはぁぁッ!!」
「番長パァァーーンチ!!」
胸骨を砕き、肺を突き破り、背骨をぶち折りながら、
おいの必殺番長パンチが源ぽちょむきんに炸裂する。
「ぐはぁぁぁあ!!」
源ぽちょむきんの肉塊は空の向こうへと消えていった。
「ありがとう西郷しぇんしぇー、そしてクラスのみんな・・・」

それ以来、おいは宇宙番長と呼ばれるようになったとですたい。
しかし、あの時のことは、生涯忘れることはなか。
そう、彼女のあの笑顔を忘れることはできなか・・・。



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