花束〜プレゼント大作戦(笑)〜
あの人に花を贈ろう 恋しいあの人に想いを込めて───


「何がいいかなあ。」 柄にもなく仙道彰は悩んでいた。
もうすぐ一つ年上の想い人の誕生日。恋する男としては、バッチリ決めたい。
そうでなくても、ライバルは多いのだ。
このチャンスを逃しちゃ仙道彰がすたると言うものだ(?)  
それにしても、である。
究極にニブいのだ、彼の人は。それはもう ため息が出るくらいに。
そんな、ニブくて可愛い年上の人に、
自分の気持ちを伝える効果的な贈り物は ないものか───

で、冒頭のセリフになるのである。
「花…はありきたりだよなあ。じゃあ、ケーキ…子供扱いすんな!って怒鳴られそうだし…」
思い悩む仙道の姿は傍から見れば馬鹿馬鹿しくても恋する男は真剣なのである。
と、その時─── 「くおらあっ!せんどおーーっっ!!練習サボって何やってんだっっ!」
怒声とともに、仙道の調教係・越野の登場である。
「あっ!越野。丁度よかった♪」
「何が丁度いいんだっっ!!」
「越野。俺、今真剣に悩んでるコトがあるんだ。」
「な、何だよ。いきなり──」
いつも、笑顔のまま顔の筋肉がフリーズしてるような仙道の思わぬ真剣な面持ちに、
さしもの越野を気勢を削がれてつい、尋ねてしまう。
「好きな人に自分の気持ちをアピールするプレゼントって何がいいかなあ?」
「はあ─一っ?」
「実は、俺の片想いの相手がもうすぐ誕生日なんだ」
「てめえっ!練習も出ないでそんな事…っておまえ今『片想い』って言った?」
──仙道が『片想い』?この世の男の敵みたいなコイツが??──
己の耳を思わず疑い、怒りも忘れて聞き返す。
「そうなんだ。俺、こんなの初めてでサ。おまけにライバル多いし…」
「ライバルが多いって、そんなに可愛い子なのか?」
この仙道をここまで悩ませる相手に興味を惹かれた越野はさらに質問する。
「そりゃもう♪顔も性格も可愛いくて最高な人なんだ。それにバスケもうまくって…」
ほっとくと端正な顔をデレデレに溶かせてノロけ倒しそうな仙道をさえぎり、
越野は話を進める事にする。

「それで、おまえをアピールするプレゼントなのか」
「そうなんだ。」
「うーん、やっぱり花束とかが一番喜ぶんじゃないか?」
「そうかなあ。でもありきたりじゃないか?」
「花貰って嬉しくない子なんかいねえよ。よっぽど変わった子じゃなきゃ。」
越野の力説に最初は半信半疑だった仙道も段々その気になってくる。(←単純<笑>)
「…そっか。そうだよね。」
「そうさ!要はおまえの真剣な想いってのが大事だと思うゼ。」
「そうだよな!越野を言うとうりだよ、越野ありがとーーっ!!」
「てめえっ。デカい図体で抱きつくな!気持ち悪い!!」
越野は仙道の相手の迷惑を考えないスキンシップに鳥肌をたてつつ、 更に言い募る。
「感謝するなら、練習真面目にでろよ!」
さすがはお目付け役、ほっとくとそのままサボりそうな仙道にビシッと 釘を刺し、
足音も高く去っていった。

──大事なのは『俺の真剣な想い』か。良い事言うなあ──
刺された釘も何のその満足する答えを貰った仙道は一人悦に入っていた。
越野は知らなかったのである。『仙道の想い人』が誰であるか。
彼の言葉でその後に起こる悲劇(喜劇?)を考えればそれは幸せな事 だったかもしれない。
「よおし!頑張るぞっ!!」
何に頑張るのかは不明であるが仙道は気合充分だった。


「ハァー、疲れた…」
部活後の帰り道、疲れきった体を引きずる様にして歩きながら
三井寿はそう呟いた。(やっと登場)

やはり2年のブランクはキツい。
何とかブランクを取り戻そうと自主練に 熱中する余りハッと気づくと
とっぷりと陽も暮れていた。

──ざまあねえな、三井寿ともあろう者がよ…──
自己嫌悪に陥りつつ、駅への道を歩いていたその時──
「みーつーいーさぁん♪」
能天気な声とともにいきなり後ろから抱きつかれた。
「おわっ!」
「んー♪久しぶりの三井さんの感触―。」
「は、放せっ。一昨日も会ったじゃねえかよっ!」
慌てて仙道の魔の手から逃れつつそう叫ぶ。
「ツレないなあ、俺は毎日でも三井さんに会いたいのに。」
「何の用だ、今日は。」
仙道の抱きつき攻撃を警戒しつつ三井は尋ねる。
そんな怯えた様子も可愛い♪などと不埒な事を考えつつ仙道は今日の
来訪目的を口にした。

「明日の事なんですけど…」
「ああ?明日?明日がどうしたってんだ??」
「やっぱり、忘れてたんですね。」
嘆息しつつそう言った仙道の態度にカチンときた三井はたちまち気色ばむ。
「何だよ!言いてえコトがあるならハッキリ言いやがれっ!!」
「そんな突っかからないで下さいよ。明日は三井さんの誕生日でしょ?」
「あ…」 思い出したと言う様に三井は矛先をひっこめた。
が、すぐ『何でオマエが知ってるんだ?』と言う顔になる。
隠し事の出来なさそうな素直な年上の人に苦笑しつつ、種明かしをする。
「うちの彦一に聞いたんですよ。」
「ああ、あの関西弁でしゃべる…」
「そうそう、その彦一です。やっぱ好きな人の誕生日はお祝いしたいじゃないですか。」
「ばっ、てめえ!!」
仙道の『好きな人』発言に三井はたちまち真っ赤になる。
首まで真っ赤にして怒り出す三井を愛しげに見つめつつ更に畳掛ける。
「明日の三井さんの誕生日、一緒に祝わせてください!」
「う…ま、まあ、いいけど…」
押しに弱い三井は仙道の熱心さに負けてつい会う約束してしまった。
「ありがとう!三井さん!!俺、明日は授業終わってすぐ迎えに来ますから。」
丁度第4土曜だし…とぶつぶつ言う仙道を横目で見つつ三井はこっそりタメ息をついた。
──なんだかなぁ── 何故こんなにも懐かれるのか、
他人の好意にニブい彼には分からない。

一人思い悩んでいるうちに仙道が勝手にどんどん話を進めている。
「そうだ!俺おススメのイタめし屋にしましょうか?」
「えっ?」
「ヤだなあ、明日の食事の話ですよ♪」
「チ、チョット待て。幾らなんでもそりゃヤリ過ぎだ」
「そうですか?でも…」
まだ、飛んでもない事を言い出しそうな仙道を遮りアセって言葉を重ねる。
「そ、そうだ!仙道。どうせ祝ってくれるなら俺とバスケしようぜ!」
言ったあとでそれはとても名案の様に思えてくる。(バスケ馬鹿<笑>)
「はあ…バスケですか」
「そ、バスケだ」
「三井さんがそれがイイっておっしゃるなら…」
納得したようなしてないような複雑な顔で、それでも仙道は承知してくれた。

────そして当日─―──
「ちっ!自分で迎えに来るって言っといてあのヤロー」
イライラしながら三井は天才と称される一学年下の男を待っていた。
「すみませんっ!遅くなりました!!」
「遅えっ!この俺を待たせるなんて…」
文句の一つも言ってやろうと勢い込んだ三井のセリフは途中で止まってしまった。
「な、何だ???」
突然目の前に差し出された物で視界が真っ赤になった。
「やっぱり俺の真面目な気持ちですから…」
三井さんはイヤかも知れないけど、と言って仙道が差し出して きたのは真っ赤な薔薇の花束であった。
「真紅の薔薇の花言葉知ってます?三井さん」
知らないと首を振る三井に仙道は告げた。
「この花の花言葉は『愛情』って言うんですよ。これを三井さんに捧げます。」
「仙道…」
年下の男の本音を突き付けられた様に思えて三井は花束を受け取った姿勢のまま 立ち尽くしていた。
隠し事の出来ない三井の表情から戸惑った気持ちを察したのか、
仙道はその場の 雰囲気を切り替えるかの様に明るく言った。
「さあっ、時間なくなっちゃいますヨ。行きましょうか。」
「お、おうっ。」
つられて返事をする三井を横目で見つつ仙道は溜息が出るのを押さえられなかった。
───ちゃんと分かってくれたよなぁ、三井さん───
バスケにおいては『天才』と言われる彼でも事三井に関しては予測不可能な事ばかりだ。
それでも─ 花束をきっかけに何か変わるはず。そしてそれは、
幸せな未来につながっている。

そう予感めいた確信で仙道は歩きだした。


───後日───
「えっ。俺にですか?」
珍しくも三井の方から誘っての休日のストバス中。
母親から預かってきたと言う袋を仙道に手渡した。
「おう。何か知んねーけどオマエに持ってけってよ。」
「中味見てもいいですか?」 そう、断りつつガサガサと袋をあけた仙道は─
「三井さんっっ♪♪」突然の抱擁に三井は固まってしまった。
「俺、嬉しいです!コレ三井さんの返事だと思っていいんですよね!」
「な、何の…」
「これですよ、コレ♪」
そう言って見せた袋の中には、パンジーの鉢が入っていた。
一人で異様に盛り上がっている仙道に三井はワケが分からない。
「俺、絶対大切にしますから♪」
「だから、何でそれが俺の答えになるんだよっ」
「いやだなぁ、テレちゃって。パンジーの花言葉はね…」
そう言って満面の笑顔で告げたパンジーの花言葉とは──
──『私のことを想え』──
果たしてその後の二人はどうなるのやら…

                         終(?)
所謂、処女作品というヤツですか(^_^;)
みっちB・D記念にイラストを投稿しようとイメージ考えてる時に、
ふと思い浮かんだのが
出だしの「あの人に・・・・・」の部分。
それをHP開設にあたり小説書いてみよっかなと思いたったんですが、

オチ?まで持っていくのにこんなに苦しむとは・・・・
でも、どうしても「パンジーおち?」使いたかったの!
だって花言葉がいかにもみっちなんだもん!

それにしても、今回で小説書かれている方々の偉大さを痛感しました。
文章まとまらないのなんのって。読んでるほうが楽でいいや・・・

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