●シングル・イズ・ベスト● 広い戦場で、ほんの一瞬の間にたった一人になってしまった彼は、こう呟いた。 「ちぇっ。やっぱり一人じゃつまんないや」 −寂しがり屋の小妖精− |
●エンシェント・レイン● その日空から雨が降り 全ての天使が消えたと言う その日の雨の水溜り 全ての悪魔を消したと言う その日の雨の止んだ後 全ての争い止んだと言う あの日に降ったその雨は 天の嘆きと人は言う 「ふああ…雨ですねえ」 −古代の雨に立つ少女− |
●セルフ・ポートレイト● 「ふふふ…どう、自分の姿を目の当たりにする気分は」 そこには黒の少女が2人立っていた…まったくの同じ少女が… 「あなたの姿、借りるわね。」 一方の少女のその物言いに、もう1人の少女の眉が微かに動いたようだった。 「あまり、いい気はしないですね…」 その、底知れぬ怒りを含んだ言葉に、しかし、少女は微塵も動じなかった。 「…怖いにゅう…(;▽;)」 −居合わせてしまった1番の犠牲者:小妖精− |
●メテオ● 「この人は優秀な召喚術師で、なんと『メテオ』まで唱えられるのよ!」 そう言われた、カードを持った女の子の口から、こんな声が漏れた。 「ふああ…?」 ……… 「はったりね」「はったりだにゅう」「はったりだな」 「本当なのよ〜〜〜!!!」 悲痛な叫びがこだました。 −本業は占い師− |
●オーシャン・ロード● 「知ってるかい?小僧」 海賊だった冒険者は、嫌いなはずの小人に語り掛けた。 「この海には王がいる。」 小人は、黙って聞いている。 「王のもとに、全ての水の者は集い…」 海は…穏やかだ。 「やがて、陸地の全てすらその足元に平伏すだろう」 「信じるかい?王の存在を?」 小首を傾げる小人を見て、彼女は微かに微笑んだようだった。 |
●ロケート・オブジェクト● 今日の夕方頃、小さな妖精を見かけた。 緑色の服を着て、ピンクの髪をお下げにした僕よりもちっこいのだ。 「何してるの?」って聞いたら「探し物してるの」だって。 「何を?」って聞いたら「モップとコルセット」だって…変なの…。 ローブを着てる人間に頼まれてお手伝いなんだそうだ。 それで、僕は親切にもこう言ってやった。 「そんな疲れることしないで、踊ろうよ。とっても楽しいよ♪」 そしたら、その小妖精、「う〜ん、今はいいよ。また今度ね」とか言って どこかにぴゅ〜って行っちゃった。 後で聞いたら、プラウニーっていう妖精らしい。ほんと、まったくもって失礼だ。 せっかくのダンスの誘いを断るなんて、妖精の風上にもおけないやつ(ぷんぷん) いつかこらしめてやる −とある草原の小人族の日記− |
●イエスタデイ・ワンス・モア● 現在は過去の延長であり、未来は現在の向こうにある。 そして川を流れる水のように、時を遡ることは出来ない。 だが、ただ一つ、時間を遡る手段があるという。 過去を変えたいと願い、人はその手段を切望する。 だが忘れてはいけない。 過去があるからこそ、今の自分があるのだということを。 −過去を変えてしまった老人の言葉− |
●セブン● 私の手にある7枚の札がぼんやりと光出すと、私を取り囲みぐるぐると廻り始めた。 「人間には欲がある」 暗闇の中、師の声だけが響き渡る。 「その札は人間の欲望を表すもの…、すなわち、『7つの大罪』なり」 |
●デジャヴ● 「う〜ん…?。なあ、この問題、何か見たことないか?」 「……お前、去年もこの試験受けたじゃないか……」 「ああ!そっか。ど〜りで見たことがあると思った。」 「……(ぽそっ)来年も頑張れよ」 −魔法大学、試験期間の日常会話。基礎編− |
●プライド● 「あれっ?どこに落としたんだろう?」 −草原の小人族− |
●メイクミラクル● 「うはぁ〜」 ようやくキマイラを倒した私達は、おもわずその場にへたり込んでしまった。 「それにしても運が良かったわ。たまたま投げた短剣が あいつの目に当らなかったら、本当に危なかったわね。」 私がそう言うと、当の本人から返事が返ってきた。 「たまたまじゃないよ。僕はちゃんと狙って投げたんだ」 ブーたれる草原の小人族に、私は冷たく言ってやった。 「たまたまだったじゃない。」 このやりとりは、街に帰り着くまで続く。 −××の手記− |