●小さな小さな部屋● 「何だ…これは…?」 貴族の館の最深部… そこでは魔物達を商品とした『違法な』取引が行われていた。 盗賊ギルドを介さないという意味で… そしてたった今サキが入ったのは、愛玩用の魔物を閉じ込めた部屋である。 「あはははー」「いやっほー♪」「ねえ、お兄さんも踊ろうよ〜」 乱舞するフェアリー、ピクシー、サテュロス達… 見張りの雇われ兵達も護衛用や番人用の魔物には気を配っていただろう。 が、よもや愛玩用の魔物達にしてやられるとは思ってもいなかったに違いない。 「あれ?サキっちも踊りに来たの?」 数日前にこの館に消えたルーノを見た時、サキは全身から力が抜けるのを感じた。 「大きな魔物が入って来れないから天敵が居なくてここは天国だって… にゅう?どうかした?」 「…いや、何でもない…」 踊らされ疲れて部屋の隅に倒れている貴族とその雇われ兵達に、 少しの哀れみを感じてしまうサキであった。 −ちゃんちゃん♪− |
●遠く遠く● 「ねえ、この海の向こうには何があるのかな?」 「………さあねえ?あたしが聞きたいくらいだよ」 その海賊だった女性は、ちょっぴり考えてからそう言った。 「知りたい?この海の向こうを?」 女性の嫌いだという草原の小人族の問い 「さあねえ…?」 「…そう…」 海を見つめる大きいのと小さいの、2つの影は しばらく、消えなかった。 |