| 紫 | ホテルに入ったら、『セカンド・ヴィジョン』を発動させます。 |
|---|---|
| DM | (オーラ視覚か)持続は、一時間だっけ。では、君達が入っていくと、ロビーのソファーでさっきの若い男が新聞を読んでいる。 |
| 真藤 | 狭いの、ここ? |
| 紫 | シティホテルのロビーが、そんなに大きい訳ないでしょ。入ったら、見つかるに決まってるじゃない。 |
| 真藤 | フロントに、人は? |
| DM | 今は、からっぽですね。 |
| 立花 | カウンターに呼び鈴がある。でも、関係者以外で入ってるから、鳴らしたらマズイか。 |
| 真藤 | ちなみに、あのニイちゃんにも見つかりたくない状況。 |
| DM | もう既に、新聞から顔を上げて、君達のほうを見てますが。(笑) |
| 神崎 | こうなったら、堂々と「こんにちは」 |
| 若い男 | (軽く会釈して)「始めまして」 |
| 立花 | 「じゃあ、ユカちゃんと、女の子二人で愛想ふりまきにいこっか」(笑) |
| まりあ | 「あたしは、ものの数にはいってないのかー!」(笑) |
| 紫 | 会釈だけして去って行く。 |
| まりあ | うーん。パパにならないかな。ミツグくんに。(なんちゅーことを) この人、かっこいい? |
| DM | 色黒の童顔で、笑ったらかわいいタイプですね。では、魔力チェック。 |
| まりあ | (ころっ)だめだぁ。 |
| DM | なら、見たままの印象しか受けない。 |
| 立花 | 魔力チェック……? (ぼそっと)バケモノか? |
| まりあ | (危険を感じて)「色黒は好みじゃないのよねー、やっぱり、男はかっこよくないとぉ」 |
| 立花 | 「いったい、どういう基準で、かっこいいと判断してるんだろう……」 |
| 真藤 | さぁぁ。(笑) 「探女ちゃん、探女ちゃん、君が比呂ちゃんの気配を感じたほうへ行ってくれないかな」 |
| 探女 | 『うん』 |
| DM | 探女はたったったったーと、ロビーの脇にある階段を上って行く。 |
| 真藤 | じゃあ、オレ、かなり下から上って行くー。(笑) |
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などと、冗談を言ってられたのも、初めのうちだけだった。 | |
| 探女 | 『リューイチ様、早く早くぅ!』 |
| 神崎 | そんな、ちょっと早すぎるよ。(ぜいぜい) |
| DM | 探女は三階、四階と、どんどん通過していく。 |
| 真藤 | ちょ、ちょっとまってよ。エレベーターは!? |
| DM | あるよ。(笑) |
| 立花 | わからないんだろう、そんなのものは。(笑) |
| 探女 | 『みんな、おっそーい』 |
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探女が足を止めたのは、最上階の12階だった…… | |
| 一同 | 「…………」(荒い息をついている) |
| 真藤 | (涼しい顔で)この階は、どんな様子ですか? |
| DM | 電気はついているけど、しーんと静まり返っている。『えーっと』と、しばらくキョロキョロしながら、廊下を進んでいた探女が、1205と書かれたドアの前で立ち止まった。 |
| 真藤 | 「紫ちゃん、なんかアヤシイもの感じる?」 |
| 紫 | 「わかんないよ。オーラ・ヴィジョンは透視じゃないから」 |
| 真藤 | 「探女ちゃんは?」 |
| 探女 | 『多分、ここだと思うんだけど…』 |
| DM | ドアには鍵がかかっている。ちなみに電子ロックね。 |
| 一同 | 電子ロックぅ? |
| 紫 | 「ねぇ、壊しちゃ、まずい?」 |
| 神崎 | 「まずいっちゃ、ここに入ったこと自体、結構まずいんだけどな」(笑) |
| 立花 | 「でも、電子ロックでしょう。壊したら、すぐばれるわよ」 |
| 紫 | 「だって、壊す方法しかもってないもん」(物騒) |
| まりあ | 最上階か。VIPとかが泊まる部屋だよね。壊した途端、警報がビー。(笑)あ、鍵はどのタイプ? |
| DM | プレート型のキーを差し込むやつです。 |
| 真藤 | じゃあ、エレベーターで下まで降りて行って、さっきの兄ちゃんに、「すいませーん、鍵かしてくださーい」(一同爆笑) |
| DM | (な、なぜ、ここで受ける? そうすると思ってたんだけど)ははは……。(乾いた笑い) |
| 神崎 | 「『1205室お願いします』ってか?」 |
| 真藤 | 「さすがに、ムリかぁ。はっはっは」 |
| まりあ | 「両隣の部屋の鍵があいてたら、ベランダからつたって入れるのに」 |
| 立花 | 「シティホテルの窓で、それをやるのか」(一同爆笑) 探女ちゃんも、この鍵を開けることまではできないよねぇ。 |
| 真藤 | あ、ハングワイヤー用の針金がある。 |
| 紫 | だから、電子ロックだって。 |
| 立花 | 警報が鳴るのを覚悟で侵入するか…… |
| 神崎 | 何らかの方法で、鍵を手に入れる。 |
| 真藤 | 何らかの方法ねぇ。その辺を探してみる! ゴミ箱かなんかに何か落ちてない? |
| まりあ | 落ちてるかいっ。 |
| 立花 | 昼だから、掃除のおばさんもこないだろうしね。 |
| 真藤 | ううーっ。(唸る) ゲンッと蹴ったら、ビーッとなっちゃうし。 |
| 立花 | それ覚悟でやる? でも、そこまでいったら犯罪者になるかも。 |
| DM | もう十分すぎるくらい、犯罪者ですがな。(笑) |
| 立花 | はら?(笑) |
| 紫 | ねぇ、電子ロックてことは内側からだったら、開けられるよね? PKで中のレバーを回したら開くんじゃないの? |
| DM | 確かに……。(少し考える)けど、そのためにはレバーの正確な位置や、レバーのタイプが分かってないと駄目なんじゃないかな。クレヤヴォヤンス(透視)との併用があってこそ、成功できると思う。 |
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その他も様々な意見が取り交わされたが、かつてない強敵・壊してはいけないドアを前にして、PCたちは途方に暮れる。 | |
| DM | (ヤバイな。このままじゃ)では、そのときです。 |
| 一同 | は? |
| DM | ぴん、と音がしてエレベーターのドアが開きます。 |
| 紫 | 身構える。 |
| 真藤 | さっきのニイちゃんか? |
| DM | 違う、金髪の人物だ。 |
| まりあ | かっこいい? 基本事項やな。(笑) |
| DM | うーん、君よりも背が低いな。(笑) |
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エレベーターから降り立ったのは、中学生くらいの少女だった。古い金貨のようなくすんだ金髪をしているが、細い眉や、長いまつげにふちどられた大きな黒い瞳は東洋人であることを主張している。視線の集中砲火をふてぶてしいまでに平然とうけとめながら、PCたちの方へむかって歩いて来た少女は、ドアの前に立ち止まると、くせっ毛のショートヘアーをおとなびた仕草でかきあげた。 | |
| DM | 登山かと思うほどの、でっかいリュックをしょっている。よく見たら、かわいい顔をしているけど、Tシャツに、だぶだぶのスタジャン、色あせたジーンズとまったく洒落っ気のない恰好をしているね。そんな子が、無言でドアの前にたむろしている君達をじっと見ている。 |
| 真藤 | 洒落っ気がないとはいえ、いくらなんでも似合わないなぁ。 |
| 紫 | ここの部屋の人かなぁ、と思いつつ、一応さっとよける。 |
| まりあ | その視線には悪意があるか、否か。 |
| DM | 無関心です。君達が避けてくれると、重たそうなリュックをドンッと降ろして、あぐらをかき、そこから工具やら、訳の分からない小さな箱型の機械やら、次々と取り出す。 |
| 一同 | は? |
| 立花 | 待てい。(笑) 壊す気か? |
| 真藤 | とりあえず、見ている。 |
| DM | ならば、彼女は熟練の技師のような鮮やかな手つきで、あっというまにノブの部分の金具を分解する。持参した機械のコードを内部の線に接続したり、組み替えたりしたあと、箱型の機械のスイッチを入れると、かちっとロックが外れた。 |
| 真藤 | 「やあ、開いた開いたぁ」と、ずかずか入って行く。(笑) |
| まりあ | 「開けてくれたんだ、ありがとー」(笑) |
| 謎の少女 | 「……」(黙って工具を片付けている) |
| DM | で、入って行くのは、誰と誰ですか? |
| 真藤 | 女の子は入って行く? |
| DM | マイペースで、まだ荷物を片付けているね。 |
| 真藤 | じゃあ、見ている。まず、女の子が入るのを見届けてから、入る。 |
| まりあ | あたしは、入るぅ。(笑) |
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広いスペースを取った玄関の向こうには、オーディオ機器やソファーが並ぶリビングがあった。 | |
| DM | リビングの右手の壁にはドアが二つある。左手にはキッチンにホームバーまであるね。カーテンが締め切られている上、電気はついてないから、室内は薄暗い。 |
| まりあ | とりあえず、電気を付けてみよう。 |
| 紫 | それはおいといて、さっきの子供に「あなたは一体」と。(笑) |
| 謎の少女 | (そっけなく)「アタシはセンリ」 |
| DM | そのまま、彼女は部屋の中に入って行く。 |
| 神崎 | その子の行動を見守る。 |
| DM | センリと名乗った子供は、リビングを一通り見渡すと、おもむろに手前側のドアを引き開く。ドアの向こうは、バスや洗面台になってる。そして、立花は洗面台の上に見覚えのあるネクタイピンを見付ける。君が、『あの人』に贈ったのと同じ物だ。 |
| 立花 | (溜息)一応取り上げて、もっとく。ここに置いといても、仕方ないし。 |
| DM | センリは君がネクタイピンを拾いあげるのを黙ってみている。 |
| センリ | (唐突に)「あんたたち、誰?」 |
| 立花 | 今頃尋くか?(笑) えっと……どう言えばいいんだろう? |
| 紫 | 名前だけ名乗れば? |
| 立花 | ほんじゃあ、「綾津です」(笑) |
| センリ | 「アヤツ? (立花の目をのぞきこんで)……ああ、もう『目覚めてる』人か。アタシはセンリ。KG隊のセンリだ」 |
| 立花 | 「KG隊?」 |
| センリ | 「KGってのは、キッズ・ガーディアンの略称。新宿のサバイバルチームの名前だよ。今、新宿はヒドイことになってんだ」 |
|
センリと名乗った少女は淡々と新宿の現状を説明した。局部地震におそわれた副都心は、高層ビルが倒壊し、交通網は切り裂かれ、文字どおり崩壊した。大地震を生き延びた人々も、それに前後して現れた『悪魔』の餌食になるものたちもすくなくなかった。人間同士の殺しあいさえも日常茶飯事となった、無法地帯の街の中、悪魔やそれと同じくらい危険な大人たちから身を守るため、行き場を失った高校生以下の少年少女は、とある廃ビルに集まり、キッズガーディアン隊を結成したのだ。 | |
| 立花 | 「じゃあ……新宿は、この吉祥寺よりもひどかったの?」 |
| センリ | 「くらべもんになんないよ。だって、ここはこんなに平和じゃん」(一同苦笑) |
| 真藤 | でもそんな組織を運営できるなんて、KG隊ってお金あるんだね。 |
| 立花 | 「そのKG隊って、誰が組織してるの?」 |
| センリ | (ぶっきらぼうに)「アタシだよ」 |
| まりあ | 「強いなぁ」 |
| 紫 | まぁいいや。「新宿には、いつか行きたいと思っていたから……」 |
| センリ | 「来たって、イイ事なんて、ひとつもないとおもうけど」 |
| 紫 | 「ちょっとね」(笑) |
| 立花 | 「で、どうして、ここに来たの?」 |
| センリ | 「最近、キレたやつらが『子供狩り』なんてのをやってるらしい。ウチのチームの人間もやられた。オトシマエをつけるために追ってたら、ここに着いた」 |
| 立花 | 「じゃあ、ここに住んでた人の名前も知ってるの?」 |
| センリ | 「ああ、アヤツ・クニカだろ?」(と言って立花を見る) |
| 立花 | 「…………」 |
| 真藤 | リビングをがさがさ捜し回るけど、なにかないかな? 直感チェックは……失敗。 |
| 立花 | 07で成功。 |
| DM | 何もない。 |
| 神崎 | うわっ、ファンブル。(一同爆笑) |
| DM | けつまづいて、どーんと音がした。(笑) |
| 真藤 | じゃあ、もうひとつのドアの方を開ける。 |
| DM | 鍵がかかっている。 |
| 紫 | 普通の鍵か。これなら壊してもいいな。 |
| DM | いや、良くはないと思う。(笑) |
| 立花 | 広人、針金でがんばりなさい。 |
| 紫 | 器用さチェックか。 |
| DM | やるならマイナス修正がかなりつくかも。 |
| 紫 | 『メタルベンディング』しましょか? |
| 立花 | センリって子は? |
| DM | これは専門外、って顔をしてる。 |
| 紫 | 『機械工学』だもんなぁ。(ころっ)メタルベンディング成功。威力は4。 |
| DM | ばきんと壊れた。中は、うすぐらい。 |