| 紫 | セカンドヴィジョンで室内を見る。 |
|---|---|
| DM | では、ベッドの横の椅子に、こちらを向いて座っている、ぼんやりとした人影のオーラが見える。ほかの人は、光の差し込み方の加減で、椅子に座っているひざから下しか見えない。 |
| まりあ | あなたのお名前なんてーの、って聞いてみる。 |
| DM | 聞くの? 返事はない。 |
| 真藤 | 近付く。 |
| DM | 近付いたら、顔が分かる。明智比呂さんです。 |
| 真藤 | カーテンを開ける。ばっ。 |
| 紫 | いきなり開けたら…… |
| DM | 無反応ですな。比呂はひじ掛椅子に縛り付けられている。目は開いているが、硝子玉のようにうつろで、口も半開き状態。文字どおり、魂が抜けたようになっていますね。そんな彼女の姿を見て、探女が取り乱して駆け寄る。 |
| 紫 | 気が引けるけど、『リーディング』で。(ころっ)成功。 |
|
比呂の心に触れた途端、その中に澱んでいた、すさまじい恐怖と嫌悪が、紫に襲い掛かって来た。闇の向こうから、まがまがしく銀色に光る注射針がじわじわと近付いて来る。悪意を秘めた鋭い先端から、逃げようにも身動きが取れないのだ。夢にまで現れそうな絶望的な絶叫が響き、比呂の意識は再び暗黒に沈んだ。 | |
| 真藤 | 腕には注射跡とか、ある? |
| DM | ひとつだけ。左腕の内側に、赤い500円玉大の腫れものが。(一同爆笑) |
| 立花 | あれれー?(笑) |
| DM | あと、注射の跡を調べるときに分かるけど、ほかの部分の皮膚も死体のように血の気の無い色をしている。 |
| 神崎 | だれか、回復できないのか? |
| 真藤 | ゆすぶっても、何をしても無反応だ…… |
| 紫 | 1.相当強い麻酔を打たれた。2.もっとヤバい薬を打たれた。 |
| 他の4人 | (口を揃えて)2だと思う。(笑) |
| 立花 | でも、このままほって置く訳には行かないし。 |
| 真藤 | 息はしてる? 生命反応は? |
| DM | 微弱ながらも、呼吸はあるようだ。脈は分からない。 |
| 紫 | 『ディ』じゃ、ダメだよね。 |
| センリ | (おもむろに)「ポズムディ(解毒の魔界魔法)の使い手は?」 |
| 紫 | はい、つかえまーす。 |
| センリ | 「かけてみてよ」 |
| 紫 | (ころっ)しっぱーい。(一同爆笑) もう一回……成功。 |
| DM | すこしだけ、腫れが薄れたような気がする。立花もかけてもらうか?(笑) |
| 立花 | 身に覚えがないのよ!(笑) 一生懸命思い出そうとしてるんだけど。 |
| 紫 | もう一回かけて、それから、『ディ』をかけてみる。 |
| DM | 一瞬、血の気が戻ったけど、すぐに引いてしまう。 |
| 紫 | だめだな。本人の消耗が激しすぎて、魔法が追いつかない。 |
| まりあ | このままだと、本当に死んでしまうかもしれないね。 |
| 真藤 | とりあえず、いましめをほどく。 |
| 立花 | 電話して、救急車をよぶ? |
| DM | ……立花さん、『オカルトの基礎』でふって下さい。 |
| 立花 | オカルトォ? (ころっ)失敗。MPを消費して、もう一回やって、成功。 |
| DM | 立花は比呂の症状を眺めているうちに、ある薬の存在に思いあたる。それは、死体からゾンビを作り出す、ゾンビ薬というものだ。 |
| 立花 | はぁ? |
| DM | 普通は粉末なんですけどね。死体にその粉を振りかけたら、思うがままに操れるゾンビに変えることが出来るというダークな魔法薬です。 |
| まりあ | 死体にふりかけるの? |
| 紫 | 生きている人間にもつかえるんだ。 |
| DM | 生きている人間に使ったら、その人間は幽体離脱を起こして、魂の抜殻になる。そうして、からっぽになったところに、下級のエレメンタルや、低級霊をとりつかせれば、立派なゾンビが出来上がるという寸法だ。 |
| 立花 | もしかして、國何さんも、その薬で? |
| DM | それは、今となっては確かめようが無い。 |
| 立花 | …………。でも、ゾンビ薬のことを思い出したからって、治療法が分からないと、意味が無いでしょ。 |
| DM | それだ。ゾンビ薬を投与されたものを救うためには、抗ゾンビ剤で肉体を浄化し、きちんと体を回復させてから、失われている魂を呼び戻さなければならない。ちなみに、抗ゾンビ剤は専門家でないと作れないだろう。 |
| まりあ | 専門家にコネがあるの? |
| DM | 立花も、やってやれないことは無い。自覚は無いみたいだけど、一応、魔道のプロだからね。それに、薬草の専門家である、まりあもこのパーティーにはいる。 |
| まりあ | あ、そういえば、そうだった。(笑) |
| 真藤 | とりあえず、この場では作れないし、どこかに落ち着いてからにしようよ。よいしょ。(比呂を抱きかかえる) |
| DM | 成り行きを見守っていたセンリが、待ってよ、と真藤の手をつかむ。 |
| 真藤 | んん? |
| センリ | 「薬で体の穢れをとりのぞいても、魂が無くなってるんだ。だだの死体に戻るだけだよ」 |
| まりあ | 「じゃあ、魂のありそうな場所に心当たりはあるのかな?」 |
| センリ | 「大体、こういうふうに無理やり抜き取った魂は、魔導器なんかに封印するもんなんだ」 |
| 紫 | なるほど。でも、何に封印したか、が問題だよね。 |
| 探女 | 『比呂様くらい、強い霊力の持主の魂を封印するためには、よっぽど強力な魔力を秘めたものでないと無理でしょう』 |
| 紫 | 天の鏡、とか。 |
| DM | 今は単なる鏡のはずなんだけどね。(笑) |
| 真藤 | ついでに言うと、誰がもってるかも分かんねー。それに、鏡じゃないにしても、そんな大事なものをこの部屋にほっぽらかしていくわけはないもんなぁ。 |
| 立花 | なんで、比呂ちゃんはほったらかしていったんだ。 |
| まりあ | 不要だからじゃないの。 |
| 真藤 | もちろん、比呂ちゃんが捜し当てた鏡らしきものもないんでしょ? |
| DM | みあたらないね。 |
| 紫 | もう、ここに居ても収穫も無さそうだから、移動しようよ。 |
| まりあ | 立花の家にいく? 抗ゾンビ剤を作るための魔導書も、あそこにあるんだし。 |
| 紫 | 死にかけている人を世話する人が要るじゃないか。信明寺にしよう。 |
| まりあ | 仮死状態だから、ほっといてもいいんじゃない? ゾンビだし。 |
| DM | まあ、長い間ほっといたら腐りだすとは思うけどね。 |
| 立花 | つららちゃんに又凍らせてもらう。(一同爆笑) |
| 紫 | とにかくここを出よう。で、センリって子の方を振り向く。「この子も、あなたと同じようなことを調べていたらしいから、この子を助けられたら、きっとそっちの手掛かりにもなると思うし……」 |
| センリ | (頷いて)「じゃあさ、手分けしようよ。この子の魂のありかをみつけて取り戻す側と、解毒剤を手にいれる側とにわかれるんだ。どっちか、好きなほうを選ばせてあげるよ。あたしは、どっちも出来るから」 |
| 立花 | そっちはそっちで行動したいってこと? |
| 紫 | そうだな。連絡方法はこっちからとるよ。 |
| センリ | 「いや、こっちからとる」 |
| 紫 | …………。「ま、なにか連絡しなきゃならなくなったときはテレパシーで送るから」 |
| DM | テレパシーって、方向とかわかんなくってもいけるの? |
| 紫 | 距離は威力だけど……。 |
| センリ | 「好きにしてよ。こっちからの連絡は、日下探偵事務所にするから」 |
| 立花 | 日下の名前だしたっけ?(笑) |
| 真藤 | いいや。でも、どっちにする? 薬か魂か。 |
| 神崎 | 探女、どっちがいい? |
| 探女 | 『薬のことは分からないけど、比呂様の魂なら占いで追えるかも知れません』 |
| 紫 | じゃあ、この2匹(立花とまりあ)をあっちにあげて、魂を追うか。(笑) |
| まりあ | 2匹って言うなー! |
| センリ | (真顔で)「子供だからって、なめないでよね。手は足りてるわ」 |
| 紫 | (冷たく)冗談よ。 |
| 立花 | おおっ、視線がばちばちばち。(笑) |
| まりあ | 言葉のアヤのダシにされたあたしって、一体…… |
| 立花 | (とりなすように)私達は薬を作るから。 |
| センリ | 「わかった。……おねがい」 |
| DM | 軽く頭を下げてから、彼女は部屋を出て行きます。 |
| 立花 | それにしても、センリちゃんは、どうやって入ってきたんだ? |
| 神崎 | 堂々と入り口から入ってきた感じだったよな。なら、俺達も堂々と帰るか。 |
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エレベーターで1階まで降りると、ロビーでは例の若い男がまだくつろいでいた。 | |
| 若い男 | 「やぁ、お帰りか」 |
| 紫 | 「さっきはどうも」と言って、頭を下げる。 |
| 若い男 | 「なんだか知らないけど、がんばれよ」 |
| 真藤 | オッケー。(笑) |
| 立花 | 名前だけ聞いておこうか。「あの、なんておっしゃるんですか?」 |
| 若い男 | 「人に名前を聞くときは、まず自分が名乗るのが礼儀じゃないかい?」(笑) |
| 立花 | はいはい。(笑)「私はアヤツ」 |
| 真藤 | この場で出してはマズそうな名前、ナンバー1だぞ、それ。(一同爆笑) |
| 若い男 | 「そっか。オレは田村だ」 |
| 真藤 | さぁ、今のうちに出よう。ガードマンが、いきなり目の前に立ちはだかったりはしないよね。 |
| DM | (あらら、あっさり引き下がったな)そりゃあ、いますけど。(笑) これから出ていこうとしてるし、田村さんが目配せしてるから、ちゃんと道を開けてくれる。 |
| 真藤 | じゃあ、この女(比呂のことらしい)は貰って行くぜ。 |
| 神崎 | それじゃ、まるっきり悪党じゃないか!(笑) |