|
子供を寝かしつけ、深夜、旅館を出た一行が信明寺に到着したのは午前2時頃だった。(途中、車内で居眠りした立花がチェックを行ったが、悪夢は見なかった) | |
| 紫 | こんな時間じゃ、事務所、開いてないよねぇ。 |
|---|---|
| 田村 | 「引き渡し場所は、あそこにしよう。シオンホテルの地下駐車場。知ってるだろう?」 |
| 神崎 | 知ってる知ってる。(笑) 事故現場が見れるかもしれない。 |
| 紫 | じゃあ、朝イチで事務所に行って、九段坂さんにお願いしてトラックで運んでもらおう。それで、いいですね? |
| 田村 | 「いいよ。じゃあ、これで」 |
| DM | 軽く手を振って田村は去る。九段坂はというと、君達を降ろしてから、怒れるサキを無理やり病院に連れていこうする。 |
| 一同 | うんうん、それがいい。(笑) |
| サキ | (引きずられながら)「立花、くれぐれも早まったことだけは、するんじゃないわよ!」 |
| 紫 | サキさんが、一番早まりそう。住職さんはすでに寝てるよね。 |
| 真藤 | ついでに言うと、黄さん……帰っているわけ、ないよなぁ。(笑) |
| 神崎 | ないだろうな。 |
| DM | では、夜が明けた。九段坂さんも、ちゃんと来ているよ。 |
| 真藤 | 子供は、住職さんに預けておく? |
| 立花 | そのほうが安全か。「住職さん、ちょっとこの子、なだめておいてね」(笑) |
| 紫 | あたしは残ってようか? |
| 立花 | ここで、分散したくはないな。住職さんに見てもらってれば、大丈夫よ。 |
| DM | 結局、みんなで楽しく事務所に向かったのね。 |
| 一同 | 楽しくなーい! |
| DM | なにごともなく、『倉庫』に到着する。 |
| 立花 | こんな時間から誰かいるのかなー。 |
| DM | しぃーん。(笑) |
| 立花 | 「ドンドンドン、だれもいないのー?」いらん時には、たくさん居るのに。(笑) |
| 紫 | 南雲さぁーん。 |
| DM | ところで……今、ドアの前に立っているのは誰ですか? |
| 立花 | あたしと、広人かな? |
| DM | では突然、どーん、と物凄い音がします。 |
| 立花 | はぁ? |
| DM | で、勢い良く扉が開く。扉の前にいた人は敏捷力でチェックに成功しないと、直撃をうけてしまう。 |
| 立花 | あ、成功。 |
| 真藤 | 69で失敗。 |
| DM | いたいぞ、これは。23点のダメージね。真藤を巻き込んで開いたドアの内側に、血まみれになった南雲さんが張り付いている。 |
| 一同 | えええーっ? |
| 立花 | ああーっ、南雲さんがふっとばされたんだぁ。 |
| DM | 爆弾をくらったような感じかな。直撃はさけたけど、飛んで来たいろんなものの破片が全身に突き刺さっている。部屋の中は、もうもうと煙が上がっていて、視界がはっきりとしない。 |
| 神崎 | まずいんじゃないのか、これ? ここの部屋って強力な魔導器とかを保管していたんだろう? |
| DM | 危険な匂いとかしてるなぁ。(笑) |
| 紫 | とりあえず、南雲さんに『ディア』が成功してるんだけど。20点回復。 |
| 南雲 | 「う……気を付けなさい、敵よ」 |
| まりあ | 敵? |
| 南雲 | 「最悪の……そして、最強の敵……」 |
| DM | 彼女はそう言い残して意識を失う。 |
| 神崎 | 最悪? 中には何かいるのか? |
| DM | 次第に煙が薄れ、中の様子もわかるようになってくる。部屋の奥へとつづいていたあの巨大な棚の列が左右両側に向かって倒れており、部屋の中央に道が走っている。そして、もやの向こうに3人の人間のものらしい影が見える。 |
| まりあ | うわぁ。 |
| 紫 | 『3人の裏切り者』ってヤツ? |
| 真藤 | 見覚えのある人、いる? |
| 神崎 | 想像したくないな、それは。 |
| DM | 向こうも君達のほうを見ている。そして、一番小柄な影が、髪をかきあげながら、こう言うんだ…… |
|
「まったく……どうして、こう、タイミングがいいのかしら」 若い女の声だ。神崎は耳を疑った。まさか…… 「来てしまったものは、しかたがない」 それに無愛想に応じたのは、ひときわ大柄な影。 「そうだな」 真ん中に立っていた男が、微かに笑みを含んだ声でつぶやき、すっと前に進み出る。それを待っていたかのように、もやのベールが取り払われ、声の主の姿を明らかにした。こぎれいなスーツに身をつつんだ、眼鏡をかけたビジネス・エリート、楠木奈良の姿を。 | |
| 紫 | (暗い声で)それは想像出来てた。でも、後の二人だよぅ。 |
| 立花 | そう、後の二人だな。(笑) |
| 紫 | 分かってるけど。 |
| 真藤 | 分かってるけど、分かりたくなぁーい。 |
| DM | 男の方は黄さん、女のほうはつららちゃんですね。(笑) |
| 一同 | (大きく溜息) |
| DM | その彼ら3人がとりかこんでいるものというのが、例の凍りづけです。 |
| 立花 | なんで、清水君の体にそんなに人があつまるんだぁ! |
| 神崎 | 一時の鏡のように、人がたかってくるなぁ。(笑) |
| 紫 | もう、この鏡、いらないんじゃないの。清水君の方に価値があったりして。 |
| DM | ここで、彼らの姿を描写しましょう。つららは、いつもどおりの革のブルゾンに、ヒールの高い靴。手にめずらしくマチェットを持っている。 |
| 真藤 | スカイヒールか。 |
| DM | 黄さんもいつもと変わりはない。トンファーを持ってて……あ、目立つものと言えば右手に鉄製のかぎ爪のようなものを装着している。防具はケブラー。そして、トリの楠木さんは結構がんばってバキバキ武装している。さすがクレハって感じ。(笑) |
| 紫 | パワード・スーツか。いややで、そんなん。 |
| DM | うんにゃ。スペースの関係上、パンツァー(クレハコーポレーションが開発したハイテク防具。装着した姿はほとんどロボット)はムリ。(笑) でも、アームやレッグはサイバーな感じ。手には日本刀を持っている。 |
| 紫 | なにが、どうなってんの……? |
| 立花 | 「つららちゃん、どうしてあなたがそこにいるの?」一応、お友達です。(笑) |
| つらら | そうなのよね、実は。(笑)「うーん……」(少し首を傾げる) |
| 紫 | 黄さん、何してるの? |
| 立花 | つららちゃん?(詰め寄る) |
| 紫 | 黄さぁーん!(訴える) |
| 神崎 | やっぱり、そこにいるってことは、清水君が目的なんだろうねぇ。 |
| 真藤 | 奈良さん、あんたの目的はなんなんだ!? |
| 楠木 | 「目的か……これだよ!」 |
|
楠木は手にした日本刀を振りかぶり、清水の氷の柩にたたきつけた。 | |
| DM | がっきーん。 |
| 立花 | ああっ、やっぱり。(焦) |
| DM | でも、氷の防御力が高くって、表面をけずっただけなんだな、これが。(笑) |
| 立花 | (疲れた声で)なぁ、この魔法かけたの、つららちゃんでょ? |
| つらら | 「もうー、あたしの呪文ってばカンペキなんだからぁ 」(一同爆笑) |
| 立花 | ちがうぅぅっ!(笑) 何かが、違う! |
| 紫 | ぐたぐたぐたぐた。(脱力) しかし……寄せ集めだけど、これ以上強い奴らおらんというメンバーだな。 |
| 真藤 | 最強最悪。 |
| 立花 | (前に踏み出して)つららちゃん! |
| つらら | (面倒そうに)「えー……」 |
| 立花 | 『えー』じゃない! 説明をしなさい、説明を。(笑) |
| つらら | 「……あたしねぇ、日下がキライになっちゃったの」 |
| 立花 | 日下が、キライ? |
| つらら | 「前から思ってたのよ。事を荒立てないようにするためなのかもしれないけれど、いつもいつも、後手に回ってさ。気が付けば手遅れ……ってパターンに、もう飽きちゃった」 |
| DM | 日下の体質、というか、おやっさんの考えは、たとえば大切なものを誰かに奪われてしまっても、それはその品物の運命であって、わざわざ無理に取り戻そうと働き掛けなくても、縁があれば、自然に品物の方から帰って来るだろうという、いわゆる運命論者なんですな。この辺が、つららの『やられたらやりかえせ』の性格とズレがあった。立花たちが今回仕事を降ろされたのも、自分達には手に余る事態だと気が付いたからで、ここまでやれば十分だと見切りをつけたからなんですね。ひとつのことにムキになったりせずに、自分達は、自分達のペースで生きていこうという。よく言えば、分をわきまえている…… |
| 紫 | 悪く言えば、腰が引けてるんだな。 |
| DM | この体質が、日下の日下たる所以なんですけどね。つららが決定的に自分との差異を感じたのは、明智が行方不明になったときだと言う。彼女は姿を消した仲間を追いかけようとしたんだけれど、おやっさんや、南雲さんはそれをとめた。 |
| つらら | 「おやっさんたちは『行きたい奴は行かせてやればいい』って言ったけど、やっぱ、納得出来ないのよ。それって」 |
| 真藤 | うんうん。 |
| つらら | 「だから、自分で勝手に探そうと思って動き出したら、逆に叱られてさ」 |
| 紫 | 日下のルールを守れない奴は……ってヤツ? |
| つらら | 「自分の意志で動いている明智くんを引き留めるなって言いながら、あたしのやろうとすることには口だししてくるのよ。ヘンでしょ、これって。だから、あたしは日下を捨てたの。そして、共鳴出来る仲間を見つけた」(二人を振り返る) |
| 黄 | 「俺は、夢を適えたい」 |
| 立花 | 黄さんの夢? |
| 紫 | 強くなりたいんでしょう、どうせ。 |
| 黄 | ……。 |
| 紫 | 黄さんにとりすがる。 |
| 黄 | (無表情で)「俺は自分の選択が間違っているとは思わん」 |
| 紫 | 黄さんは間違ってないかもしれないけど、でも黄さんとは戦いたくない。(泣) |
| 黄 | 「なら戦わなければいい」 |
| 立花 | つららちゃんは結局、誰についているの? |
| つらら | 「あたしたちのボスは、カレ」(楠木を見る) |
| 立花 | 明智君は見つかったの? |
| つらら | 「これから、というところね」 |
| 立花 | で、南雲さんを襲ったのは、誰? |
| 楠木 | 「僕らにとっては必要な戦いだった」 |
| 紫 | なんのために? |
| 神崎 | そう。奈良さん、あなたは一体、なにがしたいんだ? |
| 楠木 | (神崎の方を向いて)「……『助けたい人』がいる」 |
| 神崎 | 助けたい人? |
| DM | そこで、3人は目配せしあって陣形を作る。黄とつららがすっと前に出て、奈良は氷の上に立ち、日本刀を振り上げる。 |
| 真藤 | 待ってくれ! 助けたい人というのは、あんた個人の助けたい人なのか? |
| 楠木 | 「言っている意味がよく分からないが」 |
| 真藤 | だから、あなた個人に縁のある人で、あなた個人のために助けたい人なのか。 |
| 楠木 | 「もちろんだ」 |
| 真藤 | あっさりと。 |
| 神崎 | 清水君を壊したら、そのあなたの助けたい人をたすけられるみたいだけれど、どうしてなんだ? |
| 楠木 | 「壊してみれば分かると思うよ」 |
| 紫 | そんなの、わかんない。壊して……壊して、もし何にもならなかったら、どうなるのよ! 清水君はどうなるの? |
| DM | 彼らの決意は揺るがない。なぜなら、行動を起こす前に、自分達がやることによって周囲の人間達、つまり君達やサキがどういう思いをするのか了解し、すべてを覚悟のうえで行動しているんだ。それは、彼らの表情からも分かる。 |
| 神崎 | それは分かるんだ。考えてみれば、こっちだって、ただ情報が欲しいから清水君を渡すようなものだし。 |
| 真藤 | 俺達も立場は違わない。 |
| まりあ | 似たようなものなんだ。 |
| 立花 | 話は変わるけど。奈良さん、前回、黒鳥館で何かさがしていたじゃない。あれは見つかったの? |
| 楠木 | (爽やかに笑って)「あのとき、あそこで僕はもっと大切なものをみつけることができたんだ」 |
| 立花 | 大切なもの? もともと探していたものは? |
| 楠木 | 「地図だよ」 |
| 立花 | なんの? |
| 楠木 | (自分の頭を指さして)「脳の地図」 |
| 立花 | 脳? 脳ってあの頭の? |
| DM | 脳内マップのことですな。ま、ここでは余り関係ない。前回ぽしゃったイベントのひとつだったんスけどね。(いじいじ) |
| 立花 | ふう。ま、しょうがない。道が別たれたんだったら、戦うしかないでしょう。 |
| 紫 | ええっ?(驚) |
| 神崎 | そ、それだけしか方法がないとは思えないけど? |
| 立花 | (冷静に)清水君、壊していいの? |
| 神崎 | 壊してって……だって……(言葉につまる) |
| 真藤 | もともと、壊れてるようなものだけど。 |
| 紫 | あーん。(泣) 仮死状態とはいえ。 |
| 真藤 | でも、田村さんに渡した所で、どう扱われるか分かったもんじゃない。 |
| 紫 | だからって、粉々にしてもいいっていうのぉ。(涙) |
| 立花 | 奈良さん、あなた、田村とはどういう関係なの? |
| 楠木 | (明るい声で)「あいつは、カタキだよ」 |
| 立花 | カタキ? なんの? |
| 楠木 | 「僕の助けたい人のね」 |
| 紫 | え? 奈良さんの助けたい人って、もう死んでるの? |
| 楠木 | ……。 |
| 立花 | で、キレイなゾンビになって蘇るのね。 |
| 楠木 | 「ゾンビ、か。(立花に向かって)君はもしかすると、女王になれるかもしれないな」 |
| 紫 | 『ほーっほっほほほほ!』(笑) |
| 立花 | 教えてくれ、どういう意味の女王だ!(笑) |
| まりあ | 夜の街の女王とか。 |
| 紫 | でも、清水君を壊してなんにもならなかったら、どうするのよぉ。清水君、死に損じゃないの。無駄死にじゃないのォ。(泣) |
| 楠木 | 「彼はすでに死んでる」 |
| 紫 | でも、いつか生き返るかもしれないのに! |
| まりあ | だから、奈良さんが誰かを助けたいのと同じように、あたしたちは清水君を助けたいんだ。 |
| 楠木 | 「同じことは言わない。僕らの答は変わらないんだから」 |
| 立花 | そう、戦うしかないのは分かっている。あたしたちの道を選ぶ為には、この戦いはさけられないのよ。 |
| 紫 | でも、ヤダ。 |
| 立花 | 厭なのは分かっている。 |
| 神崎 | ユカちゃん、やっぱり戦えないか? |
| 立花 | 戦えない? あたしは戦えるよ。(あっさり) |
| まりあ | ここで諦めるにしても、立花さんに『いってらっしゃい』とは言えないし… |
| 立花 | あ、そっか。あたしが行けばいいんだ。(一同爆笑) |
| DM | また議論がふりだしに。(笑) |
| 立花 | だって。(笑) 仲間が戦えないんだし。情報は必要だし。そうなったら、あたしが行くのが一番いいような気がするんだけど。 |
| 紫 | で、あたしたちに立花と清水君の両方を失えっていうの。(じと) |
| 一同 | うっひゃー、泥沼。(笑) |
| 神崎 | 何が正しいのか分からなくなって来た。 |
| まりあ | できれば、田村よりもこっちと協力したいね。 |
| 立花 | でも奈良さんたちは、清水君を壊すことを前提としている。でも、それは許せないんでしょう? それに手を組むにしても、奈良さんの真意が全然見えない。 |
| 紫 | 田村と敵対したいのは山々なんだけどね。 |
| 立花 | でも、奈良さんたちについたところで、具体的なメリットはある? |
| 楠木 | (立花を見て)「僕は君達に何も与えることは出来ない。与えることができる立場にいるのは、きっと君のほうなんだ」 |
| つらら | 「そもそも、立花たちってさぁ、なんでここに来たワケ?」 |
| 立花 | 手短に事情を説明する。私たちも、あなたたちと同じことをしようとしているのかもしれないけれど。 |
| 紫 | でも、あたしたちは清水君を取り戻すという大前提があるんだから。黄さんにもう一度とりすがってみるー。「黄さん、こんな人に協力する必要なんかないじゃない。黄さん一人で十分強いよ。それなのに、何でこんなことしなきゃいけないのォ?」 |
| 黄 | 「したいから」(きっぱり) |
| 紫 | よー、分かるわ。ホンマに。 |
| まりあ | 簡潔すぎる。(笑) |
| 紫 | 黄さんのバカバカバカっ。(泣) |
| 黄 | 「確かに、バカかもしれないな」 |
| 立花 | 私達がもしそちらの行動する理由を聞いて−もちろん奈良さんの口からね−それが納得出来るものならば…… |
| 真藤 | でも、しゃべってくれなさそうだねぇ。 |
| 紫 | でも、田村と敵対する、又はしようと思っている点においては、私達は協力する余地がゼロってわけじゃないでしょう。 |
| 楠木 | 「はっきり言おう。君達の協力は必要ない」 |
| 立花 | ぐううっ。(歯軋り) |
| 神崎 | まぁ、そうだろうな。 |
| 紫 | コイツら、こんなんだもん。 |
| まりあ | かえって足手まといになる可能性大。 |
| 楠木 | 「それに、君達がこれを田村に渡すつもりだと分かった以上、絶対にそれを阻止しなければならなくなった」 |
| 紫 | そうかー、奈良さんの助けたい人って清水君だったんだ。 |
| 立花 | ユカちゃん、すっかり壊れてる。 |
| まりあ | じゃあ、田村が清水君を使ってなにをしようとしているのか知ってるの? |
| 楠木 | 「田村がなにをしようとしているのか、そんなものには興味はない。ただ、あいつのやった事は許されない。その罪は清算させるつもりだ」 |
| まりあ | 田村がやったこと? |
| 楠木 | (静かに笑って)「君達も関係無いことじゃないんだけどな」 |
| まりあ | じゃあ、教えてよ。私達にも選択肢をちょうだい。 |
| 楠木 | 「すでに目の前にあると思うけれど。でも、欲しいなら、こちらからもう一つ増やしてもいい」 |
| まりあ | ? |
| 楠木 | 「この氷を賭けて我々は戦う。それは、同じだ」 |
| 立花 | は? |
| 楠木 | 「だが、ルールをもうける。僕らのサイドは当然氷を破壊する。この氷を粉々にしつくす前に、君達が僕達に3点命運を使わせれば、僕らはこの場から退こう」 |
| 紫 | もーう、わーかーらーずーやー!! |
| 立花 | しかたないのよ、こうなるのは分かってたんだから。 |
| まりあ | これだけ、提案して良いかしら? こちらが、攻撃している間は、そっちは氷には絶対に手を出さないこと。 |
| DM | あのなー。(笑) ちゃんと話をききなさい。つまり、彼が提案しているのはリミット制のバトルなの。彼らが壊し尽くす前に、こいつらの命運を削れって言ってるんですよ。 |
| まりあ | フェアじゃないわ。氷の柩を賭けて戦うって言ったくせに! |
| 楠木 | 「そうかな? 君達がのぞむならば、本気の殺し合いをしてもかまわないんだが。そうなれば、僕らも氷などに構わず全力を尽くして戦うよ」 |
| 神崎 | ……。そうなったら、絶対こっちが不利になる。(悔しげ) |
| まりあ | でも、ぜったいフェアじゃないわ。 |
| 楠木 | (溜息)「わかった。ならば、こうしよう。こちらは1ターンに一人しか氷を攻撃しないことにする。これが最後の譲歩だ」 |
| 紫 | いいよ、それで。黄さんたちと殺し合う以上の悪い選択肢なんてないから。(泣) |
| 真藤 | 大丈夫、大丈夫。死ぬわけじゃないんだから。 |
| 立花 | みんな、意志がかたそうだしね。あっちも。 |
| つらら | 「あら。立花もこっちにくるぅ?」(にこにこ) |
| 立花 | つららちゃん……諦めようね。(同じくにっこり) |
| つらら | ? |
| 立花 | あたしは、そっちにはいかなから。(笑) |
| つらら | 「あらら、ざぁんねん」(笑) |
| 紫 | というわけで、作戦会議だ! |
|
紫をブレーンに、攻撃方法が熟考される。(この間マスターは居眠りしていた←無責任大王)速攻で勝負をつけるため、やはり守備力の甘そうなつららを前衛が集中攻撃し、後衛は補助系魔法に終始、紫がサイコ・ファイアでそれを援護するというもの。さて、その結果はいかに。 | |
| DM | (起きた)はれー、みんな頑張ってるみたいだなぁ。こっちも何か考えるかな? |
| 紫 | やめて。 |
| 立花 | じゃあまあ、行きましょうか。 |
| DM | ふむ、1ターン目のイニシアチブはプレイヤー側からですな。どうぞ。 |
| 立花 | いきます。広人に『武器の聖別』。 |
| DM | あれ? 集中は? |
| 立花 | このままいく。(ころっ)うーっ、ダメ。(笑) |
| 4人 | どっひゃー? |
| 神崎 | のっけからかぁ。(笑) |
| 真藤 | なんか、ヤな予感。 |
| 神崎 | 初めの行動は『基本操作』。連続行動で『DDS』を……失敗。 |
| 真藤 | オレは小太刀でつららちゃんをなぐります。 |
| つらら | 「あら、ヒドい」 |
| 真藤 | オレだって、美人の顔は狙いませんよ。……ホラ、48で失敗。(一同爆笑) |
| 紫 | 待てーっ! |
| まりあ | やる気ないのかー! |
| つらら | 「アリガト。真藤クン」(笑) |
| まりあ | 『ゴブリン召喚』に集中。 |
| 紫 | 『サイコ・ファイア』成功。威力は……4。だめだ、止まってるだろうな。 |
| DM | うん、止まってる。(笑) ではこちらの行動。氷に攻撃する人間は、毎ターンの頭にダイスで決定します。では記念すべき一回目は……黄だ。 |
| 紫 | 一番出て欲しくないのが出た。 |
| 黄 | 攻撃を決定する。騰空箭弾(飛び蹴り)を仕掛けるが……ファンブルした。 |
| 一同 | おいおいおい。(笑) |
| 黄 | ファンブル表の結果は『かわされて目標を見失う』か。まさか、無生物にかわされるとは−まだまだ修行が足りないな。 |
| まりあ | すべったな。(笑) |
| つらら | 「んじゃ、あたしの番ね」にっこり笑って、真藤に『テツ』(回し蹴り)! |
| 真藤 | (ころっ)下さい。 |
| つらら | 「せいっ」振り足しが出て22点をプレゼント。 |
| 楠木 | (ころ)うーん、こっちの行動表はヒドいのが出たな。やめとこうか。 |
| 神崎 | そんなにヒドいものなら、早めに使ってくれた方が…… |
| 紫 | そんなこと言って、もし全体魔法だったらどうするの? |
| 楠木 | うん、実はそうなんだ。(笑) そうだなぁ……黄がいなくなって前が空いたし、前衛に出ようか。ストンと氷から飛び下りる。 |
| 紫 | (溜息)作戦が崩壊してる。 |
| 立花 | まあ、いい。2ターン目もこっちがとった。『聖別』に集中。 |
| 神崎 | 探女を召喚。 |
| 真藤 | 他に補助魔法使う人はないのね。じゃあ、つららさんに小太刀、命中。 |
| つらら | 「きゃっ、コワーい」 |
| 真藤 | すいません、つららさん。 |
| つらら | 「いえいえ」02で回避しましたわ。 |
| まりあ | 48で召喚成功! 「ヒーホー!」 |
| 楠木 | このターンの氷を殴る役は僕だ。(ころ)それもクリティカル。 |
| 一同 | おいおいおいおい。 |
| 楠木 | チャートの結果は『バッド・ハイ』。……氷がバッド・ハイになるわけないな。 |
| 紫 | それはコワイ。(笑) |
| 楠木 | 意味はなしか。クリティカルだから倍ダメージで44点。氷の防御点を差し引けば、実質24点のダメージか。 |
| 紫 | 氷のヒットポイントっていくらだっけ? |
| DM | 100点。 |
| 紫・まりあ | いきなり4分の1…… |
| 真藤 | 後3ターンの命か…… |
| 黄 | オオゲサだな。『2連続攻撃』を、真藤に。右のトンファーが当たり。 |
| 真藤 | やっぱりね。(ころっ)ダメっす。 |
| 黄 | しかし、トンファーだからな……振り足しが出ても17点。 |
| 真藤 | 1点。(笑) |
| つらら | じゃ、こちらはリクエストに答えて、『ベリアー』ね。 |
| 真藤 | 黒魔術系の魔界魔法は自動的にこっちにくるからな。『孔雀明王咒』(魔法回避を行うマントラの技)は成功! |
| 紫 | イニシアチブはとった。真藤に『ディア』成功。12点。 |
| 立花 | 『聖別』もいった。真藤の攻撃力が9点上昇。 |
| まりあ | ゴブリンの行動は『タルカジャ』が出なかった。魅力チェックには成功したから、待機させる。まりあ本人は集中。 |
| 真藤 | 『ナイフ戦闘』をつららちゃんに。あたりっ! 30点。 |
| つらら | 『スウェイ』(ムエタイの防御技)をこころみるけど、失敗ね。「ちっ、ドジったわ」 |
| 紫 | 竜ちゃん、目標切り替えない? 二人で一気につららちゃんに切りかかる。 |
| 神崎 | ならば、やっぱりここは剛剣の技を使って。(一同爆笑) |
| 立花 | なにかつもる恨みがあるのか? |
| 神崎 | そういうわけじゃないけど。『糸の剣』(2連続攻撃)を、(ころ)両方当たり。 |
| つらら | 「ちぃっ」不覚にも一つ、もらっちゃった。 |
| 探女 | リューイチ様、探女、『神風』いきます。全員に全体攻撃です。28点。 |
| DM | おっ、つららだけがくらっとる。 |
| 一同 | よっしゃあ! |
| つらら | なんだか不穏な感じねー。(笑) 今度はあたしが氷に攻撃する番ね。 |
| まりあ | 『ブフ』で凍らせてくれんかな?(笑) |
| 紫 | あたしも今思った。(笑) |
| つらら | 「それは、ちょっと」(笑) 『テツ』が成功。ちょっぴり削れた。 |
| 黄 | 真藤に『単鞭』。成功。 |
| 真藤 | オレ、もてもてだよぉ。(泣) でも09で回避。 |
| 楠木 | 「さすがだね。じゃあ、そろそろ本領発揮といこうか?」 |
| DM | 楠木の目が、燐光を帯びる。彼の体から強力なエネルギーがほどばしり、全員にむかって襲い掛かる。魔法回避をどうぞ。 |
| 紫 | さては、超能力者か!? |
|
紫・立花・まりあの3人と仲魔が回避に失敗し、バッド・ハイになる。 | |
| 紫 | 目玉がふよふよ飛んで行く〜。(という幻覚をみている) |
| まりあ | 怪しげな呪文が聞こえてくるぅっ。(MPに2D6のダメージ) |
| 立花 | ……。(金縛り状態) |
| DM | ゴブリンと探女はバーサークね。 |
| 紫 | もう駄目だぁっ!(泣) |
| 楠木 | こうなるとイニシアチブも、とれてくるな。氷に切りつける。振り足しが出て30点。 |
| 紫 | だめだよ、もう。 |
| まりあ | 「あきらめちゃダメよっ」と青春モードで。(笑) |
| 神崎 | そうだ。最後まであきらめずにがんばろう。 |
| つらら | すてきにシブトいこと言うじゃない? 『テツ』! |
| 神崎 | 『受け』る! 27で受けました。 |
| 黄 | 真藤に『頂肘』。 |
| 真藤 | 回避成功、ひやひやするぅ。 |
| 紫 | (ころ)バッドハイから回復。 |
| まりあ | 回復できなーい。ゴブリンも。 |
| 立花 | 金縛りからは回復できた。 |
| 神崎 | バッドハイの探女をコンピューターに戻す。 |
| 真藤 | つららさんに『ナイフ戦闘』いきます。ああ、ダーク値がどんどん増える。(泣) |
| つらら | 「ヒドいわねぇ」06で回避。 |
| 紫 | 無駄にダークが増えただけ。 |
|
次のターン、イニシアチブを取ったNPCチームは、黄が『単鞭』を決め、氷のヒットポイントを半減させる。つららのマチェットは外れ、楠木の『チャーム』も真藤が術で回避する。 | |
| 真藤 | オレはノーマルだ! |
| 楠木 | なんだ、そうなのか。 |
| 神崎 | 違うと思われていたようだ。(笑) |
| 紫 | 『パトラ』がゴブリンに成功。 |
| 立花 | すいません、集中させて下さい。 |
| まりあ | まりあの回復はできなかった。つららちゃんに打撃を与えるんだ。 |
| 神崎 | (溜息)防御を捨てて、小太刀でなぐりかかろうか。 |
| まりあ | それで命運をつかうハメになると、アホみたいだ。 |
| 神崎 | でも、このままじゃ、氷がこわれてしまうのは時間の問題だぞ。 |
| 紫 | 確かにな。 |
| 神崎 | やっぱり、このターンは武器を持ちかえよう。 |
| 真藤 | やりたくねぇ、『ナイフ戦闘』。当たり。 |
| つらら | 今度は回避に成功。「見よ、この華麗なステップを」(笑) |
|
調子を取り戻したつららは、次のターン、イニシアチブを取り、氷にテツをクリティカルでたたきこんで34点(振り足した)を削り取る。黄の頂肘、奈良の日本刀は外れ。 | |
| まりあ | 13! やっと復活。ゴブリンは待機。 |
| 立花 | 『武器の聖別』成功。振り足しは…ああ、また1だ。竜ちゃんの攻撃力が9上昇。 |
| 神崎 | 要は気合。つららちゃんを殴ります。(ころ)ああ、スカってる。 |
| 真藤 | 『ナイフ戦闘』をつららちゃんに。(ころっ)はい、ざっくり。 |
| つらら | 回避した。 |
| 立花 | イニシアチブはとった。 |
| 紫 | いいよね、MP使っても。『サイコ・ファイア』。(ころっ)55でクリティカル。ヤバい、ヤバい、ヤバすぎいぃっ。(笑) |
| つらら | 安心して。回避したから、普通の威力でけっこうよ。(注・PKの技は威力分のMPを消費する、両刃の剣なのである) |
| 紫 | なら、13だけが、普通に。 |
| まりあ | ゴブリンは『タルカジャ』。攻撃力が3点上昇。 |
| 神崎 | 気合だ! (ころん)でも、ダメだぁ。命運消費しようか……。 |
| 真藤 | してくれてもいいけど……あ、ダメダメ。神崎さんは一番すくないんだから。ナイフ戦闘は当たり。 |
| つらら | うげ? ファンブル!? |
| 紫 | おっしゃ、エラい!! |
| つらら | チャートの結果は『恐怖』か。「きゃー、コワーイ」 |
| DM | というわけで、つららは前線から撤退する。(笑) |
| 紫 | それって、困る。こっちが追い込んでるのはつららちゃんなんだから、死んでも逃がす訳にはいかん。 |
| DM | ええと、こいつらの番か。つららは氷の後ろに後退して行動不能だから、攻撃するのは奈良か黄の二人か。 |
| まりあ | どっちも、イヤー! |
| 紫 | 一番やってほしいのは、つららちゃんなのに。一番ダメージ少なそうだから。 |
| 楠木 | 僕が殴るらしいな。(ころ)振り足して……終わったな。 |
| DM | 奈良の剣が氷に向かってたたきつけられる。と、そこから生まれたまばゆい閃光が部屋の中を照らし、一瞬後、澄んだ音が響き渡る。 |
|
無数の破片になった氷は周囲にとびちり、光の中で虹色にきらめきながら、戦場にふりそそいだ。 | |
| DM | 光が薄れると、奈良の足元に降り積もった白いかけらの中から、古びた円形の鏡が現れる。彼はそれを黙って拾いあげる。 |
| 紫 | 天の鏡? でも、あれは比呂ちゃんが見つけたんじゃなかったの? |
| 神崎 | 鏡がもう1枚あったのか? |
| 紫 | 知らん。(なげやり) |
| 立花 | そんなのは、どうでもいい。で、あっちの方は? |
| 黄 | 「終わったな」(トンファーをおさめる) |
| 楠木 | (独り言のように)「生ける死者の種子は、王者の血脈より生み出された。王の血筋を引き継ぐのものなら、彼らを従えることもできるかもな……」 |
| つらら | 「とにかく、これで小道具は揃ったわけだから、次は役者の番ね」 |
| DM | つららは軽くウインクして、トラポートを唱える。3人の姿が消えます。 |
| まりあ | 「役者」ってなんだ? |
| 紫 | (暗い声で)その役者の中にあたしたちが入ってないことは間違いない。 |
| 真藤 | やっぱり最悪の事態を迎えてしまったようですね。 |
| まりあ | 何にも手に入れることは出来なかった。 |
| 立花 | やっぱり、あたしが田村のところに行くしかないか…… |
| 神崎 | いや。 |
| まりあ | これ以上犠牲を増やすわけにはいかないよ。 |
| 神崎 | 多分これで、何かが動くんだ。 |
| 紫 | あたしたちの知らない所で? |
| まりあ | あたしたちを巻き込んでかもしれないけどね。 |
| 立花 | 戦闘は終わったんだけど、どうする? 田村さんの方。 |
| 紫 | すっぽかす。 |
| DM | きっと、駐車場で待っていることでしょう。(笑) あ、言い忘れていたけれど、3人が消えた後の場所に、楠木が使っていた日本刀が残っている。 |
| 立花 | (神崎を振り返って)欲しかったらどうぞ。あたしが持っていって、これで田村さんをブッ殺してもいいけど。 |
| DM | こわい、こわい。君達が出て行こうとすると、入り口のところで意識を回復した南雲さんが声をかけてくる。 |
| 南雲 | 「ここのものを守るために戦ってくれて、ありがとう」 |
| 紫 | ここのものを守るために戦ったわけじゃない。清水君を守るために戦った。 |
| 南雲 | 「……あなたたち、何か用があったんじゃないの?」 |
| まりあ | その用が…… |
| 紫 | 終わってしまったから。なにもならなかった。こんなことになるんだったら、戦うんじゃなかった。最悪。(泣) |
| 南雲 | 「なにか、私に出来ることはないかしら?」 |
| 紫 | 南雲さん、催眠術つかえる? |
| 南雲 | 「? いいえ……」 |
| 立花 | つららちゃんが、日下を離脱した理由、南雲さんは知っていたの? |
| 南雲 | 「ええ。残念だけど……。人の心というのは難しいわね」 |
| 立花 | ……。行きましょう、田村のところに。ここまできたんだから、何が起こってもしょうがない。 |