Double+Cross The 2nd Edition


Scene 08 冷静と情熱のあいだで

Scene Player : 川辺 菫子


GM  それでは次は菫子さんのシーンだ。もうそろそろダイスボーナスがつきそうなくらい侵蝕率が上がってきてますなぁ。着々と。

 伊吹は保健室のベッドで横になりながら、必死に、頻発する事件と、なにより自分の気持ちを整理していた。
 また、カーテンで仕切られたベッドサイドでは、真藤とあかりが息を潜めて事態を見守っている。
 そんな張りつめた空気をものともせず、菫子は黙々と昼食のカレーライスと、おやつのプリンを食べていた。

 静寂は、保健室のドアが開く音で破られた。

GM  「川辺先生、うちのクラスの生徒がここにいると聞いてきたのですが」関先生ですな。
菫子  「ああはい。伊吹君ですね。体育の授業中に気分が悪くなったとかで、ちょっと横にならせてますけど」
GM  「それで、伊吹はどこにいますか」
菫子  「一番手前のベッドにいます」
GM  先生が伊吹くんのベッドわきまでやってきて「大丈夫か」
伊吹  しんどそうに頷いとこう。
GM  「昼からの授業には出れそうか?」
伊吹  『か、勘弁して欲しい』って目で見とこうかな(一同爆笑)
由布華 目で訴える(笑)
真藤  『熱がありますから』とかなんか助け舟を出しておあげなさいな。プリン食ってないで。
GM  しんどそうにしてる生徒の隣でプリン食うなよ…(苦笑)
菫子  てかさ、私今何をみんながしようとしてるのか、わかってないんだけど(←眠そう)
真藤  保健室で待ち伏せ。
あかり 彼女(佳緒瑠)を呼び出そうとしているだけ。
菫子  そのリボンのことを聞くために?
真藤  そうそう、イエース!
あかり できるだけ、私とコレ(真藤)は出ないようにと思ってるんですけど。威圧感を与えないように。
真藤  ベッドに潜ってる。でももう半分以上寝てる。
菫子  でもさぁ、また事件が起こったんだから、授業どころじゃないと思う。
由布華 そうだよね。
GM  (うっ、そうきたか!)まぁ一応、授業はやってるよ。
一同  ……(沈黙)
菫子  「ひとまず帰らせて、休ませた方がいいんじゃないでしょうか」と言っておこう。
GM  「そうですか」
菫子  「今クラスメイトの子がカバンを取りに行ってくれているそうなので。ご両親の方には連絡してみます」
GM  「わかりました。ありがとうございます」ということで、先生はカバンの到着を待っています。

 今度は先ほどより静かな音で保健室のドアが開く。
 現れたのは、ふくれたカバンを慣れたように持つ佳緒瑠と、同じくふくれた副カバンを必死の形相で持っている由布華だった。

GM  ……(伊吹のことを)なんて呼んでるんかなぁ。やっぱり『刃くん?』って呼んでるんだろうか。
真藤  『やっくん』だ。
あかり 『やっちゃん』。
真藤  やっちゃんはヤだな。
伊吹  すごい嫌(一同笑)
菫子  てかさ、(リボンのことを)うちらから聞かんでも彼に聞いてもらえばいいんじゃない?
由布華 それも思う。
あかり そうだね。ここで聞けなかったら別に、彼と一緒に2ショットで聞かしゃーいいと思っている。
GM  「大丈夫?」彼女はすっごい大きさのカバンを抱えている。1つでは足りなかったらしく、後ろにいる教育実習生もダルマになったサブカバンを持っている。多分辞書の類が入ってるんだと思う。
伊吹  あのさぁ、って思っている。おいおい、って。
真藤  真面目なんだね、彼女。
菫子  彼女はいつも持って帰ってるんだ。
伊吹  また持っていくのか。めちゃ大変だ。
真藤  ついでにいうと、しんどくて早退するのに、こんな重たいもの持って帰れるかー、という。
GM  「おじさまには連絡しておいたわ」心配せんでも家からお車が来るわ。
真藤  いいなぁ。
伊吹  ちょっとあまり嬉しくない。
真藤  と思いながら寝ている。横目で彼女の髪を見てみます。ということで、侵蝕率を上げます。(ころ)びっくりした! 18ってたまげるし!
GM  18!?
真藤  何で20面ダイス振んねん。びっくりするわ自分で。
伊吹  (侵蝕率を)増やしたい気持ちはわかるけど。
由布華 増やしたかったんや、そんなに。
真藤  いやいや違う。あーびっくりした。
GM  (侵蝕率上昇にD20を振ってたら)一気にジャーム化やん。
菫子  おめでとう〜。
真藤  ありがとう〜。
GM  『ウェルカム永遠』の世界。
伊吹  侵蝕率が上がれば上がるほどどうなるん?
由布華 強くなる。
GM  振るダイスの数が増えるし、エフェクトのレベルが上がるし、目標値が下がる。ただ、そのまま暴走してしまう可能性もある(ジャーム化)。
真藤  (今度は10面ダイスを振る)7。63だ。ダイスボーナスがついたよーん。
GM  では、真藤にはわかる。朝束ねていた(佳緒瑠の)髪が、今は下ろされている。
真藤  「なるほどな」確認したのでまた寝る。「俺が問いただす筋やないわ」
あかり どうでもいいですが。
GM  「大丈夫?」って言って、すごく心配そうに顔を覗き込んできますよ。
真藤  あーやれやれ、見せつけてくれる。
伊吹  頷いとくけど、まだしんどそうにしとこう。引き止めないといけない方向やろし。
GM  「今お家の方が学校に向かっているそうだから」
伊吹  『マジかい』って心の中でツッこんでおこう。
GM  「お迎えがくるまでここで待っててね」そこで、先生は授業があるので、教育実習生に「後は任せた」ということで去って行きます。
由布華 この状況でどうやって話を切り出せばいいんだろう。
GM  彼女はすごく心配げに伊吹を気遣っている。
由布華 じゃあ、嫉妬心がメラメラと?(一同爆笑)くるのか?
あかり 『くるのか?』って私に聞かれても(笑)
由布華 疑問形で聞いてしまうわ。
真藤  とりあえず初夏やし、クーラーきいてるけど「あーあっつー」って言っとこう。「あっついあっつい」不貞腐れてる。
由布華 でも、私が(リボンのことを)切り出すのもあれやし。
伊吹  さくっと聞いていいんかな。
菫子  知らない。ずばっと聞いていいの?「リボンどうしたの?」とか聞いてみたら。
GM  きれいな、枝毛ひとつない黒髪だ。
菫子・由布華 (声を揃えて)うらやましい!(一同爆笑)
伊吹  ふと気付いたような感じで「そういえば、朝、髪くくってたような気がするけど、あのリボンはどうしたんだい?」
GM  「あのリボンね、せっかくもらったのになくしちゃったの」
由布華 じゃあ、嫉妬心がメラメラと(一同爆笑)
あかり またか!(笑)
GM  「ごめんね」といって、彼女は小首を傾げます。
あかり 別の意味で部屋の温度が上がった。
由布華 上がったのか下がったのか。
菫子  局地的に吹雪が吹いてるけど、「あー、あついなー」
GM  もう2人の世界やな。彼女(佳緒瑠)は特に。
菫子  花飛んでる。バックがピンク色になってる。
由布華 その後ろで青くなっています。
GM  今の感情は(ポジティブの)『幸福感』じゃなくて、(ネガティブの)『嫉妬』が前面に出てるんやな。
由布華 かな。
GM  (由布華のキャラクターシートを覗き込んで)ネガティブは『恐怖』か。『いなくなるかもしれない』という『恐怖』が前面に出てるのかもよ!(一同爆笑)
あかり 取られちゃう。
真藤  やだー。
菫子  もともと自分のものじゃないし。
由布華 冷静なツッコミを入れんな(笑)
真藤  そうか、そう言いながらプリンを食べ終わったんだね(まだ食ってたのか!)
あかり 女の戦いを観戦してるということで、シーンに登場しよう(一同爆笑)
由布華 いつの間に戦いになってんねん。戦ってへんやん。
GM  ていうか、一方的に言ってるだけやと思う(笑)
菫子  つかね、この子(佳緒瑠)は普通の子なんだよね?
由布華 わからん。
あかり 白黒(ワーディングのこと)にしてないですから。
真藤  それを知りたいんです。
由布華 でも、ここで白黒にしてしまってもいいのかな。
一同  何を今さら!(爆笑)
真藤  さんざん突発的にやってきたあんたが(笑)
由布華 じゃあやってみましょう。
あかり ここは彼(伊吹)にやって欲しいところなんだが。
伊吹  や、ろうか?
あかり 疑いたくないならしない方がいいですけど。
伊吹  そうなんやな。でも、それだけは確認しとかなあかんような気がするからしとこう。

 ずっと伏せていた顔を上げ、伊吹は迷いを断ち切るように静かな笑みを浮かべて佳緒瑠を見た。
 そして、佳緒瑠の前では決して使わなかった『力』を解放する。
 −−ワーディング。
 モノクロームに変わっていく部屋の中で、伊吹は、由布華が、菫子が(、カーテンの裏側では真藤とあかりが)、そして佳緒瑠がいつもと同じ色彩を帯びているのを、諦めにも似た気持ちで眺めていた。
 突然のことに、佳緒瑠は明らかに驚き、戸惑っているように見えた。

伊吹  このまま流れ作業でリボンのことも聞いてしまおうか。
由布華 流れ作業!(笑)
GM  彼女は明らかに狼狽して「ごめんなさい、私授業があるから、もう行かなくちゃ」
伊吹  はしっ(腕を捕まえた擬音らしい)
由布華 捕まえた(笑)
真藤  がばっと起きる。こっちも。
伊吹  「聞きたいことがもう1つあるんだけど」
GM  「な、何かしら」
菫子  若いお2人さんに任せて眺めている。
由布華 (嬉しそうに)とりあえず、入口の方を塞ごっかな♪(一同爆笑)
あかり やっと使えることをやったかと、草葉の陰ならぬカーテンの影から喜んでる(笑)
伊吹  「あのリボンなんだけど……」黙ってしまう。
真藤  君、頑張れ!
伊吹  また黙らしとこう(真藤の方へ枕を投げる)
真藤  油断してたから顔に直撃。いて。
あかり そして向こうは静かに。
伊吹  だんだんこいつの存在がよくわからなくなってきた。
菫子  全然庇護してない。
伊吹  (リボンを見せて)「…例の事件の被害者が持っていたのを見てしまったんだよ」その頃どうしてたって顔で聞いてみる。
あかり あまりしゃべらない。
由布華 瞳で語る。
GM  「そ、そのリボン、落として困ってたの」
伊吹  …『落とす』?
菫子  嘘発見、とかいう気分。
GM  ま、不自然ではあるわな(髪を縛っているリボンはそう簡単には落ちません)「なくして困ってたの。授業に行きたいんだけど、もういいかしら」
由布華 「なくしたって、どこでなくしたんですか?」
GM  「どこでなくしたかわからないから『なくした』っていうんじゃないですか?」(挑戦的)
由布華 身につけてたものをなくしたらわかると思うんだけど。
GM  「早く授業に行きたいの!」
真藤  そんな雰囲気やろうな。
由布華 「あなたが(事件があった時刻に)授業を受けていたかどうかは先生に聞けばすぐにわかることなんですけど」
GM  「ええ、聞いていただいて結構です」
由布華 どうしようか…。
あかり こいつは(笑)
GM  「もう行ってもいいですか。次は数学の授業なんで」(GMの失言 その2)
菫子  (唐突に)そうか。
伊吹  『そうか』?
菫子  中塚先生にLOVEなんだ。
一同  ……。
菫子  ぐう。
GM  …それだけ言って寝やがった(一同爆笑)
由布華 寝るなーっ!(笑)
あかり …数学の授業だったらこの人(由布華)がするハズじゃないの? 彼女がいない限り授業は始まらないから大丈夫(一同爆笑)
真藤  よし!
由布華 先生も彼女を捜すはず。
伊吹  個人的には、疑いたいような疑いたくないような…。だから手を離すかな。「ごめんね」って一言謝って手を離そう。
真藤  枕を投げ返す。
GM  どこに?
あかり 枕を取り上げます!
由布華 彼女が野良(オーヴァード)だってことは、私は知っているのでしょうか。
GM  いや。
由布華 最近野良になったのかな。
あかり 増えていってるもんなんでしょう。
真藤  (枕を奪い返して)カーテン越しに枕を投げます。もし何か言われたら『間違えて投げちった』ていうから。
あかり (諦めたように)君が何をしてもきっとみんな何も言わないから大丈夫だよ。
GM  彼女は『枕が飛んできた→足下に落ちた→ま、いっか→授業授業』特に関心も示さずドアの方へ向かいます。
由布華 (ドアの前に立ちふさがって)「被害者があなたのリボンを持っていたんだけども?」
GM  「偶然じゃないんですか?」
由布華 「偶然?」
真藤  『私はリボンを落としたんです』と。
GM  「落としたリボンを拾ってくれたんじゃないでしょうか……もう行っていいですか?」(苛立った様子)
由布華 どうしよう。逃したほうがいい?
一同  もういいか。
由布華 じゃあ道を譲ろうか。
GM  では彼女は去りぎわに「お大事に。迎えの方が来るまで大人しくしてなきゃダメよ」といいます。
あかり 空々しい。
真藤  さっきまでピンク色のオーラを発していた彼女はどこへいったのかと思うような空々しい言い方だな。
伊吹  まぁ、いろんなことを考えているから大人しくしてるだろう。

 佳緒瑠は足早に−逃げるように−保健室を去って行った。
 それと入れ代わるように、校庭に1台の高級車が入ってくる。
 校舎中からの好奇と嫉妬の視線を感じつつ、後ろ髪ひかれる思いを感じながらも伊吹は大人しく車に乗り込み、学校を後にするのだった。


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