PCたちは陽のおちかけたころ、氷川神社の石段を上った。
鳥居をくぐると、木々に囲まれたさほど広くない境内がひろがる。夕日を照り返す社殿もこぢんまりとしており、参拝客の姿はない。
ただ、社殿へつづく石畳を、エプロンをつけた若い女性が、竹ぼうきではききよめている音だけが響いていた。
紫 巫女さん?
DM 巫女さんじゃない。普通の服を着ていて、20台半ばくらいの女性だ。
紫 手伝いの人かな?
真藤 とりあえず、そういう様子を遠くから見ていて、そっと猫を逃がします。「さ、あっちへおいき」
紫 (女の人に)「今日は神主さんはいらっしゃいますか?」
女性 「主人なら、今でかけておりますけれど」
一同 おおーっ、奥さんか。
紫 「風見つららさんという人の紹介できたのですが」
女性 (うちとけたように、ほほ笑んで)「ああ、風見さんのお友達でしたか」
神崎 「いえ! 友達ではなく、ただの紹介で」(笑)
真藤 必死で否定しております。(笑)
女性 「主人はもうじき帰ってくると思いますから、どうぞ、母屋のほうへあがって待ってくださいな」
紫 「あ‥‥すみません」
まりあ 「お言葉にあまえて」
DM 女性は社殿の縁側(?)にねかせていた赤ちゃんを抱き上げて、社殿のわきの母屋へと案内する。
紫たちが、神主の妻(静)に母屋のほうへはいっていくのを確認してから、真藤と立花は境内へやってくる。
立花 そうっと、近付いていきまーす。参拝客のふりをすれば、怪しまれないでしょう。
真藤 ただならぬようすで、ポケットをごそごそさぐります。
立花・DM (な、何をする気だ?)
真藤 (戦々恐々状態の立花にむかって)なにをしてるの、ってきいてみて。
立花 ききたくない。(一同爆笑) けど、みんな尋いてほしそう。(笑)
真藤 よしよし、じゃあ答えましょう。「財布さがしてるの」
一同 なんじゃ、そりゃーーっっ。(集団ツッコミ)
真藤 5円玉を取り出して、本殿のところにトコトコいきます。あ、お手水するの忘れてた。お手水をぶくぶくやって、飲んじゃいます。(何故?)
紫 ニュートラルだから、ぼけとる。(笑)
真藤 ま、いいかぁ、とか言いながら、結局手を洗うのを忘れてお賽銭します。チーン(金を投げ込む音)、ガランガラン(鐘を鳴らす音)。
立花 心の中で泣いてます。何でこんな奴と、何でこんな奴と‥‥(涙)
DM さて、二人は境内の中にいるんだよな。では、神社の石段を上ってくる一団がある。普通の恰好をした人が殆どだけど、それを率いている男は警察の制服を着ている。
真藤 徒党をくんでる?
DM うーん、徒党というのかな。まぁ、固まってはいる。立花達のほうには見向きもせずに境内に入って来ると、水盤舎のそばの祭器庫へ近づいていく。帽子を目深に被った警察官が、「ここだ」とつぶやくと、男たちは、手に手にもったハンマーや、つるはしみたいなものを振りかざして、倉庫の木製のドアをたたき壊し始めた。
真藤 「なにしやがる!」
紫 とうぜん、私達もビクっとするだろうなぁ。
DM 物音と、真藤の声が聞こえる。奥さんの静さんも驚いて境内のほうにむかうけど、まあタイムラグがあるから、いまは、こっちの二人だけが干渉出来ることにする。
立花 「なにをしているんですか?」
真藤 「なにしやがる!」と言った後、走り出している。
立花 ああっ、まてーい。
DM じゃあ、警察官が君のほうを振り返る。帽子を目深にかぶっているから、顔ははっきりとしない。
警官 「民間人は、我々のすることに口をはさなまないでもらおう」
立花 「じゃあ、あんたの後ろにいるのは民間人じゃないの?」
DM 警官は無視したまま、作業を進めさせている。
立花 「いいかげん、やめなさいよ!」
真藤 「警察ったって、許可証をもっているんですか?」
警官 「許可証? (暗い笑みをうかべて)これだよ」
つめ寄った真藤の眉間に、冷たい光を放つ銃口がさしむけられた。
立花 「なっ‥‥」
真藤 くぅ、動けない。
DM そういう状況になったところで、神崎たちがでてくる。
紫 会話は聞こえてたよね。
神崎 奥さんに向かって「知り合い?」(笑)
DM 困惑した表情で首を横にふっている。
静(奥さん) ショックからたちなおって「一体、なにがあったんですかッ? あなたがたは、一体‥‥」
警官 「この神社に不法な銃器がかくされているという通報があった。調べさせてもらう」
紫 ! 竜ちゃん、改造エアガンかくさなきゃ。(笑)
神崎 ピーンチ。(一同爆笑)
静 「ですが、いくら警察でもこんな乱暴な‥‥(真藤の方を向いて)それに、何も関係ない参拝の方に銃を向けるなんて‥‥」
真藤 いちおうホールドアップしてます。
DM さらにつめよろうとした静に向かって、警官が発砲した。胸を打たれて、奥さんは石畳に倒れる。
真藤 (息を飲む)
立花 目の前で‥‥
DM ところで、神崎はアームターミナルをつけているんだよな。じゃあ、警官か君に気づくと、ぎりっと歯を食いしばる。
警官 「そうか‥‥おまえがマキを殺した奴らだな。そんなものをつけて、メシア(救世主)にでもなったつもりか?」
一同 マキ〜?
紫 『ぼでこにあん』(第1話のボス敵)だぁ。(笑)
警官 「わが主の望みの邪魔となるものどもよ。ここで片付けてやる。やれ!」
警官が命じると、倉庫を打ち壊していた男たちが、手に手に武器を携えてPCたちに向き合った。
真藤 とりあえず、静さんが撃たれた時点、飛び下がります。かなりの跳躍力。(笑)
DM じゃあ、1ターンめ。接敵しているのは、真藤と立花の二人だ。イニシアチブはこちらが取った。警官は下がっている。4人の男たちの攻撃目標は真藤だ。(ころころ)おし、一人だけ命中した。
真藤 痛い!「ぐっ、なんてことしやがるんだっ!」
紫 こちらの行動。まず、怪我をしている真藤にディをとばす。発動成功。振り足しで15点回復ぅ。
真藤 鼻血ふくな、それは。(一同爆笑)
立花 横目で「いやらしい」と、見ている。(笑) 広人(真藤)から少しはなれる。
真藤 ちょっと待て、おまえーっっ。
立花 じゃあ、『見鬼』かけます。発動は成功して、威力は6です。
DM 見破りの技を受けた男たちは『ギャーッ』と叫びながら、体から煙を噴き出し始める。とたんに、男たちの顔が剛毛で覆われ始めたかと思うと、鼠の顔に変わった。こいつらは、獣人ワーラット、レベルは3だ。
真藤 とりあえず、鼻にティッシュをつめる。「こんどは、こっちからいくぜ!」 アタックナイフで殴る、おお89だ。スカ。
立花 や・く・に・た・た・な・い・や・つ。
真藤 ひでーっ。(笑)
まりあ 私はみてるだけー。
DM 神崎は真藤の隣にかけよってきて終わり。2ターン目のイニシアチブだ。
PC側は6を6個(!)もだしたため、先攻。立花は素手で殴ろうとするが、15%以下、スワップなしという条件をきいて思い止どまる。(正解)
立花 もう、働いたしね。(笑)
神崎 「がんばろう、そこの誰かさん。名前は?」
真藤 「真藤広人」
神崎 「よろしく」(笑) といいながら、模造刀でなぐる。(ころん)はずれ。
真藤 殴る。(ごろりん)ファンブルぅ〜。(一同爆笑)ファンブル表をふって‥‥『武器が壊れる』か。パーン。(ナイフが壊れた音)「うわっ、アタックナイフが」
まりあ あたしのアタックナイフをあげよう。
紫 また、戦わない気だろう。(鋭い)
真藤 「チッ」柄だけになったナイフを捨てます。
紫 することがなくなっちゃった。集中でもしよう。MP1消費。
神崎 1ターン集中することで、次の行動の成功率を20%あげることができるんだ。
DM こちらは、A、Bが真藤、C、Dが神崎に襲いかかる。
真藤 「いやーん、襲わないで」
紫 ‥‥マスター、標的を真藤に変更します。
DM 許可する。
真藤 (焦) いや、いまのは、プレイヤーの発言だってばよ。
紫 マスター、標的を真藤のプレイヤーに変更します。
DM 許可する。(笑)
立花 ‥‥‥。(ぐったり)
DM しきりなおして、まずワーラットAの攻撃が真藤に命中。13点。Bはハズレ、Cは集中。Dは神崎に命中。
3ターン目は悪魔側がイニシアチブをとる。A、B(真藤側)は別段ダメージを与える事なく終わったが、神崎を狙ったCの卑怯技がヒット。神崎は回避にペナルティを−40%もつけられ回避失敗し、大ダメージを受ける。Dも集中。
神崎 13点か、痛いな。
真藤 神崎さんっ。
立花 ここは‥‥真藤の武器を『聖別』。成功した。6がでたからふりたして、真藤の攻撃力が12上昇。「ちゃんとあてなさい。聖別してあげたんだぞ」
DM 真藤の武器に聖なる属性が宿る。ほかは、みんな集中か。
4ターン目、紫の投げナイフ、立花の素手格闘(笑)は外れる。神崎の攻撃は命中するもののかわされる。真藤はまたしてもハズレ。
立花 ゆーるーさーん。
DM 悪魔側は全部ミス。次はこっちがとった。Aスカ、Bは回避された。C命中。
神崎 回避、ファ、ファンブル。
DM 42は『攻撃者と激突。双方2D6のダメージ』神崎は16ダメージプラス、2D6のダメージを受けて転倒する。こっちは、けっこうくらっとる。(笑)
神崎 なんとか、しのいだ。でも、膝立ちになってる。(笑)
DM Dはハズレ。
紫が神崎を回復し、真藤は聖別を受けた武器で初ダメージを与える。神崎は転倒から回復。まりあは、数学の教科書を開いている。
5ターン目。立花のパンチが命中(!)するものの、毛皮にはばまれダメージに至らず。紫は神崎を回復。神崎はCに命中させて8点のダメージ。真藤はスカ。
真藤と立花を狙った悪魔はスカ。神崎は10点のダメージをうける。
6ターン目、みかねた立花が神崎の武器を聖別。神崎の武器攻撃力が10上昇。紫は大成功でディを発動させて、神崎を回復(魔法大成功は効果2倍・パワーヒットでいいそうです)。神崎は攻撃を命中させてCを瀕死においやり、真藤はAを粉砕。
警官 「ちっ、所詮下級悪魔か。足止めすら満足にできんとは」
DM 倉庫を探っていた警官はAが倒されたのを見て、この場から離れる。
紫 「きたなーい」
DM まだ残ってるBが真藤にかみつくが、ミスか。
真藤 「どこみてんだ? 俺はこっちだぜ」(にやり)
一方神崎は、回避大失敗し‥‥
DM 大打撃を受けた恐怖のあまり混乱状態に陥る。(一同爆笑) 混乱チャートの結果は『射撃がうまくなったような気がする。銃器をもっていれはそれを乱射』
一同 どわーっっ。
真藤 神崎さんの目つきが変わってます。(笑)
DM その神崎の頭に別のやつがブロックをたたき付ける。ブロックはばきんと壊れて、13点のダメージ。
神崎 血まみれで死線をさまよっとるな。(笑)
7ターン目。立花は『送還』(悪魔を魔界に退去させる)に集中。紫は神崎を回復。精神力チェックに失敗した神崎は乱射(笑)するが、目標の悪魔には当たらず。真藤のアタックナイフが虫の息のCに止めをさす。
真藤 いままでのことはすっかり忘れて、「俺ってよくあたるなぁ」(笑)
立花 ほーう。(冷たい視線)
ワーラットBはミス。だが、Dが神崎にかみついた。
DM 耐久力チェックは失敗? じゃあ、神崎は毒(POISONED)状態になる。
神崎 どうやって回復しろと!
立花 顔が紫色になってる。(笑)
じりじりと戦力をけずりあいながらやってきた、8ターンめ。悪魔側がイニシアチブをとり、真藤を攻撃したBがファンブル。ファンブルに食傷気味になっていたDMは、いささか気をぬいてファンブル表を振ったのだが‥‥
神崎 一体、なにがおこったんだ?
DM (無感動な声で)虚空から、死霊の大群が現れて、ワーラットBに襲いかかった。Bは10D6のダメージをうけた。(一同爆笑)
ごろごろとダイスが振られる。
真藤 6が3つ出てて、5が3つ、3が2個‥‥
立花 (電卓係)トータル42のダメージ。(一同爆笑)
DM 玉砕。無傷だったのにー。(泣)
真藤 死霊の群れを間近で見てしまい、ちょっと脅えています。(笑)
残ったDは、圧倒されながらも神崎に命中させるが、回避されてしまう。
DM こりゃ、次のターン『逃亡』だな。
PC側は、ようやく動いたまりあがナイフを投げる。だが、あまりきいていない。神崎はエアガン乱射。なんと、紫にクリティカルで命中させてしまう。
真藤 「ターゲットが死ぬぅ」
紫 「うふふふふふふふ‥‥」
立花 こわいこわい。(笑)
DM クリティカルチャートの結果は、ダブル・クリティカル。(笑) もう、ふらんでもいい。紫は命運消費。
神崎 ごめーん。しかし、自分では分からない。(混乱状態)
真藤まで攻撃でファンブルし、武器を取り落とす。
次のターン、イニシアチブを取ったPC。真藤が軍用スコップで殴りつけて、ダメージ。悪魔は逃亡に失敗。
立花と、紫は倒れている静に駆け寄る。
紫は静を回復しようとしてファンブル。イベントでLC属性を2D6も激減させられる。
紫 ロウが10、カオスが9減った。(笑)
DM ちょっと主体性がなくなったかな。悪魔は(ころころ)『にげられないチュウ』(笑)
神崎 攻撃はミス。
結局、混乱から回復した神崎の攻撃が、とどめをさした。
DM じゃあ、みんなが一息ついているところに、神主さんが帰って来る。
神主 「これは一体‥‥静っ、どうしたんだ!?」
紫 (あわあわ)静さんにディをかけてもいいかな?
DM うーん、相手は神主さんだからなぁ。あまり、あやしい術は好まんでしょう。忘れていたが、戦闘後の処理をしよう。MAGが12点。マッカが16枚、EXP24だ。
紫 竜ちゃんにはやらない。(刹那のようだな)
真藤 3人で、5枚ずつですね。(笑)
立花 マグネタイト(MAG)って、なぁに?
DM 素朴かつ難しい質問だな。(笑)
紫 えーと、人間の脳のどこかから発せられている生体電気で‥‥
立花 いや、それはいい。マグネタイトって拾ったの?
DM 神崎のアームターミナルに貯蔵されるんだ。DDSで悪魔を召喚するときに必要になるエネルギーみたいなもんだよ。説明不足だったね、ごめん。
DM とやっていると、母屋のほうで、がしゃーんという音がする。
一同 げ?
DM 続いて、赤ん坊の泣き声が。みんなが、駆けつけると、翼の生えた子鬼のようなものが赤ん坊をつかんで、飛び去って行くのが見える。
立花 『オカルト知識』で識別。成功。
DM 邪鬼グレムリン、レベルは3だ。
真藤 逃げられたか‥‥
赤ん坊を寝かせていた部屋の壁が、『明日、夜の12時エコービル』とえぐられている。
我が子を目前でさらわれ、銃弾をうけた妻をかかえた若い神主はしばらく言葉を失っていたが、感情を理性でおさえこみ、ともに呆然としているPCたちをふりかえった。 PCたちが事情を話すと、神主は重い溜息をついた。
神主 「悪魔が探していたのは、おそらくこれでしょう」
神主はふところから、黄ばんだ古文書を取り出した。
神主 「これは、この地域に伝わる『鏡伝説』についてしるしたものです。風見さんに頼まれて、これの解析を専門家に頼みにいっていたのですが、まさか、こんなことになるとは」
紫 鏡伝説?
神主 「あなたがもっているという鏡には、対になるものがあって、ふたつ併せて何かを封じていたらしいのです。何を封印していたのかまではわかりませんでしたが」
DM オカルト知識をもっている人。
立花 判定?‥‥成功した。
DM 君は偶然この伝説についての噂を聞いたことがある。かつて、『兄弟鏡』という名前のものが、この地域のほこらにまつられており、また、その片割れが原宿の明治神宮に奉納されているらしい。ま、そういうところで、みんな、病院にいこうか。(笑)