紫 エレベーターから降りたら、ダウジング。
DM ビンビン感じる。このフロアは倉庫みたいになってる。木箱がたくさん積み上げられていて、その間に道があるというかんじ。(『レイダース』のエンディングの倉庫の縮小板みたいな様子)
立花 ごめん、ゴーストを召喚したいんだけど?
DM ここに、魔法陣をえがくスペースはないな。前の階で召喚していたことにしよう。
神崎・まりあ ピクシーを召喚。
立花 召喚失敗。(泣) また、かけなおして、今度は成功。MP残り3になっちゃったよぅ。(泣)
DM (立花の魔法援護がないだと。それはヤバいぞ)インセンスを使った方がいいんじゃないだろうか。
急遽、お香をたきだすPCたち。(笑)
立花 きゅーん、MP13だーい。
神崎 なぜ、そんなに少ない。
立花 だって、使いまくってたし。(御苦労様です、ホント)
紫 トランスファーできないからなぁ。
立花 あきらめます。あやしいゴーストを引きつれて。
DM そういや、立花は恋人を亡くしてたな。このゴースト、彼にするか?(笑)
立花 いやだぁぁっ。(一同爆笑) いざとなったら、命運つかってストラス(立花の守護天使)も、召喚してやる。「ほほほほ。召使達、さあはたらくんだ」(笑) じゃあ、どういう順番で行く?
ダーク真藤 ものすごく目つきが危なくなっているのがいるが。
立花 「じゃあ、お先にいってもらいましょう」(笑)
ダーク真藤 イヤーな顔をする。
まりあ 「広人さん、おねがぁい」
ダーク真藤 すーごーく、イヤな顔をする。
神崎 (真藤の肩をたたいて)「はいはい、一緒にいこうね」(笑)
立花 「この先に行くと、悪魔が斬れるぞ。早く、おいきなさい」
ダーク真藤 目を輝かせて、ずんずん進む。
神崎 「さっすがぁ。あやつりかたがうまい」(笑)
立花 「やめてよ」(げんなり)
目つきのあぶない(笑)真藤を先頭にフロアを進むPCたちは、やがて目的の人間を見つけた。
DM 木箱にかこまれた、すこし開けた空間に警官姿の男がいる。木箱に腰をかけて、だまって君達を見ている。
神崎 腕を組んで。(笑)
DM いや、赤ちゃんを抱いている。
紫 は?(ここに来た目的わすれかけとったな)
立花 「じゃあ、見鬼を‥‥」
神崎 「いや、俺がアナライズを……」
警官 「鏡と古文書をわたしてもらおうか」
立花 「赤ちゃんとひきかえ?」
警官 「そうだ」
まりあ 「なんか、不利ですよね」
紫 「鏡と古文書をやるから、赤ん坊をふたりかえせ」(一同爆笑)
DM (疲れてるときに、こういう取引ってヤなもんだな)分割払いしろってことか?ま、そのまえにシンクロチェックしてくれ。
ごろごろとシンクロチェックをして、全員成功。
真藤 神崎さんにまかせましょう。
神崎 何て聞こう?
紫 テレキネシスの威力って技能値だけ?
DM 赤ん坊を奪う気か? うまい手だけど、抱きかかえられているから無理だろう。
神崎 でも、このまま戦闘になったらやばいな。
まりあ 絶対殺すよ。それに悪魔は責任転嫁がうまいんだ。
DM ああ、うまいよ。(もう何とでも言ってくれ)
まりあ 敵対的な行動を取れば、赤ちゃんは撃たれるから、鏡か古文書のどちらか一つと交換条件にするというのは?
神崎 鏡って言ってたっけ?
紫 いや、両方。
まりあ 古文書だけ、取り替える。鏡だけは死守するように。
警官 「それは、受け入れられない」
まりあ 「古文書だーい、古文書じゃないとイヤなんだーい」(じたばた)
立花 いきなり、ガキにもどるんじゃねぇ。
まりあ とりあえず、人命尊重。1対1以外の取引には応じられない。(矛盾してる)
神崎 「両方わたすのはこちらの身があぶないので、ひとつしか渡せない」
警官 「だめだ。鏡と古文書を渡してもらおう」
一同 うーん。
立花 どうする。いきなり戦闘しかけちゃう?
紫 赤ん坊を取り戻してから。
立花 じゃあ、渡すだけ渡して、「でやーっ」て、切りつける。(笑)
まりあ 危ないと思う、かぎりなく。
立花 そんなこと言っても、ほかにやりようがある?(がんばれ立花)
まりあ 赤ん坊ふたり連れて来いっていうしかないね。
DM (本当にもう一人ぐらいさらって来てもいいけどね。さらわれる人はかわいそうだが)
神崎 本当に言うのか? (溜息)「なら、そちらも二人赤ん坊を差し出せ」
警官 「ならば、古文書と赤ん坊の右の耳を交換する。残りは鏡と引き換えだ」
一同 うーん。
紫 (唐突に)ダウジング。(一同爆笑)
まりあ 諸悪の根源が目の前にあるんだから、ダウジングなんてする必要ないでしょう。
神崎 「うーん、いきなり『シュア・ショット』というわけにもいかんしな」(笑)
まりあ 「赤ん坊に当たったら、こっちの責任にされるよ」
立花 うにぃぃー(ぐったり)「ところで、どうするのホントに」
長すぎるプレイのために、マスターとプレイヤーの殆どが極限まで困憊していた。
神崎 「素直に交換条件に応じるか」(うん、それ)
真藤 「もしくは、子供を捨てて切りかかるか」(笑)
まりあ なんか、魔法はないかなー
DM なぜ、こんなところで悩むぅぅっっ。(ついに切れた)
立花 (笑)「素直に交換条件に応じるのが一番だと思う」
紫 「でも、あんたにコレをわたしたって、素直に赤ちゃんを返してくれるかどうか」
立花 「じゃあ、先に赤ちゃんを返してもらおう」
警官 「君達が品物をこちらに渡すという保証もない」
一同 うぅーん。
警官 (こちらから動くか)「そこの女、鏡と古文書をもって、ゆっくりこちらへ歩いて来い」
立花 そこの女って、女3人いるんですけど。(笑)
DM (笑) 紫のほうを指さしている。
まりあ 「そのまえに、赤ちゃんが先よねー」
DM トリガーひこうか?
立花 「極悪非道だ!」(泣)
紫 素直にちかづくよ。
DM なら、相手も素直にひきわたすよ。(やっとだな)
紫 サイコ・ファイア。(切れとるなー)
DM イニシアチブもしてないのに。(笑)
警官 「おまえたちは、マキの仇。マキの永遠の美しさを奪った憎むべき敵を、無事に返すわけにはいかん。チキンウォーカー!」
一同 チキンウォーカー???
DM その声に答えて、がしょーん、がしょーん、という音が。(笑)
一同 が、がしょーん?
DM まわりに積み上げられていた木箱がどんがらがっしゃーんと崩れて、君達の背後に鋼鉄の巨人が現れた。
一同 (あっけにとられている)
神崎 「ろ、ロボット‥‥」
真藤 おもいっきり呆れて、ダークの人格が引っ込む。(笑)
立花 あたま、つっかえないの? ごっつん、て。(笑)
緊迫感を破壊しまくるチキンウォーカーの登場に、脱力するPCたち。(笑)
チキンウォーカー(T−93A) 『戦闘プログラム起動。テストヲ開始シマス』
神崎 実験台か‥‥。インシアチブを決めよう。
DM 多勢に無勢。そちらが取った。
最終戦闘がはじまった。
紫 チキンウォーカーって、金属だな。そうだよな。(無気味な笑い)
立花 念力で足でも折る気か?(笑) ゴーストは、4と6が出たから、ザンとシバブーか。ザンを警官に、振り足しで合計10点。
DM おお、いきなり回避でファンブっとるな。パワーヒットで2倍ダメージ。巨大なカマイタチが、警官の体を袈裟切りにした。
立花 立花本人は『聖別』集中。
DM エライ。(笑)
紫 景気よくいこか。(笑) サイコ・ファイア、発動成功。問題はここからなんだよな。知力チェックは‥‥失敗。(笑)
神崎 げ。
DM 赤ちゃんはランダム発火の対象にならんことにする。(弱笑)
紫 警官にあたった。つまらん。(笑) ダメージは4点。
まりあ ナイフを投げる。ピクシーは警官に『ジオ』。
警官 ナイフを食らったが、あまりうけてない。ジオはノーダメージ。感電もない。
神崎 チキンウォーカーに『分の剣』。ピクシーは警官にジオンガ。
DM 神崎の攻撃は回避した。ジオンガも、あんまりきていない。(笑)
真藤 ねーむーい。警官に移動攻撃で『ナイフ戦闘』、ペナルティがついてても命中しました。ダメージは、16点。
DM それは、くらった。へろへろしている。(笑) まず、警官がまりあのピクシーにニュー南部で銃撃。チキンウォーカーはフルオート射撃。
立花 ちょっと、まてーい。
PCたちのうえに、雨あられと銃弾がふりそそぐ。
DM あたった人は射撃回避。(笑)
神崎 できるか、んなモン。(笑) ほら、失敗。2発ともくらっとる。
立花 つくづく運がわるいなぁ。(笑)(←命中したゴーストは回避した)
DM 神崎に23発と、21発。まりあのピクシーには27発。
神崎 命運消費します。
まりあ 命運消費ー。(泣)
次のターン。イニシアチブを取ったPCたち。立花は、真藤の武器を『聖別』し、ゴーストは警官にデスタッチを試みるが、無効。紫はチキンウォーカーの銃を『メタルベインディング』でねじまげようとするが威力が足りず。まりあは、ナイフを外し、ピクシーがジオを命中させるが、ダメージは無し。真藤は、ライトの人格になり(笑)、『聖音』で警官(ゾンビコッブ)を破壊する。
DM では、くずれさった警官の残骸から、にょろりと巨大なヘビが現れる。
ヘビ(アペプ) 『このからだも、ここまでか』
チキンウォーカーが、神崎に大打撃を与えてこのターンは終了。次のターン、イニシアチブをとったアペプは‥‥。
アペプ 『女、その体をよこせぇ』
紫 「やーん」(笑) 魔法回避失敗。
DM んじゃ、とりつかれた。紫ちゃん、カモーン。(笑)
紫 は〜い。
神崎 「ああーっっ」(焦)
立花 「赤ちゃん抱いたまま‥‥人質が二人になったぞー」(泣)
チキンウォーカーは弾ぎれ。(笑)
サイコファイアを恐れ、あせるPCたち。立花のゴーストはチキンウォーカーにザンを飛ばすが、ダメージは無し。だが、紫は精神力チェックに成功したため、憑依状態から脱出、事なきをえる(本当は精神力の『競争チェック』)。アペプを狙った、まりあのピクシーのジオは回避され、最後のナイフも外れる。神崎のピクシーはディをかけ、チキンウォーカーを目標にしたアナライズは失敗。ニュートラルにもどった真藤は、聖なる属性を宿したナイフでアペフに切りつけ、一挙にHPを半減させる。
次のターン、アペプは攻撃目標を真藤にきりかえるが、はずれ。チキンウォーカーの行動は『仲間を呼ぶ』。だが、そばに仲間がいなかったということで、意味不明の雑音を発するにとどまった。
PC側は、紫のサイコファイアがチキンウォーカーに命中、すこし焦がす。まりあのピクシーは神崎にディ。真藤のナイフはミス。神崎はチキンウォーカーに命中させる。ピクシーはディ。立花のゴーストは、『すすり泣く』(笑)
5ターン目。ゴーストの『シバブー』がアペプに命中し、金縛りさせる。まりあのピクシーがT−93Aに『ジオンガ』。大打撃を与え、感電状態に。だが、主砲たる男性陣は、動けない敵を相手に二人ともミス。
DM もったいないオバケがでてくるぞぉ。(笑) こちらは両方コンデション回復チェックに成功した。アペプはまりあのピクシーにバインドアイを命中させる。T−93Aはフルオート連射。まりあに2発、まりあのピクシーに1発。それにしても、真藤はずっと無傷なのか?(笑)
真藤 ずっとHP35(MAX)のまま。
まりあ 消し炭なんですけど。(笑) 命運3点消費しました。
アペプは紫にまたとりつこうとするが、紫は抵抗成功する。
立花 命運消費してストラス(守護天使)を召喚します。ゴーストはヘビに『ザン』
アペプ くらった、『ぐぎゃー』
神崎 チキンウォーカーに『分の剣』。66でクリットだ。12点。
DM よけられん。2倍ダメージだな。神崎の模造刀は装甲をつきやぶる。ばちばちばちっ(火花が散る音)、ひゅううううぅん(システムがきれる音)
紫 しとめたね。
立花 『チキン』壊れちゃったの? せっかく、ストラス呼んだのにぃ(泣) がーんがーんがーん。(一同爆笑)
真藤 89でばすれぇ。(へばってる)
次のターン。プレイヤーがイニシアチブをとる。
DM じゃあ、立花のストラスの行動か。『ご主人様、なにをいたしましょう』
立花 えっと、『アギラオ』つかって。(笑)
ストラス 『承知しました』
黒い翼をもった降天使の手から放たれた炎の塊が、アペプを直撃した。
ストラス 『では、私はこれで。ごきげんよう』ふっと、姿を消します。
DM ちなみにヘビは瀕死だがまだ生きている。(笑)
まりあのナイフが2点のダメージを与える。ただ、最後にしびれを切らした紫が放ったサイコファイアが、神崎に命中。
神崎 「あちあちあちあち」(笑)
DM どっちにしろ、こちらの負けは確実だな。最後にだれかなぐってやろ。だれを殴ろうか、(ころころ)紫だ。おや、クリティカル。(笑)
紫 回避失敗、ダメージは32点? いやでも、死んでるわよ。
ストラスの炎で黒こげになった悪魔の体が、紫にむかって跳ね上がった。捨身の攻撃。赤ん坊を抱いたままの紫は避けられない。激突。
だが、紫は立っていた。そして、彼女の足元では、すべての力をつかいはたした悪魔が、ゆっくりと存在の崩壊を始めていた。
呆然としている紫にむかって、悪魔はじりり、とかまくびをもたげ、牙の折れた口を開いた。
アペプ 「もう、おそい。もう、始まったのだ」
かすれた笑い声をあげなから、悪魔は奇しくも自分が愛した女を倒した娘の足元で消滅した。
紫 ‥‥とりあえず、赤ちゃんを返しにいかないと。
精も根も尽き果ててはいたものの、重い足を引きずってエレベーターに乗り込む。ビルをでると、相も変わらぬ暗い新月の夜。夜明けはまだこない。
DM ビルを後にすると、紫はおじさんの声を聞いたような気がする。いやな感じだ。
紫 いやな予感‥‥
DM ふと、病院のほうを見ると、空に巨大な『穴』があいている。
紫 「病院へ走る!」
まりあ 「赤ちゃんは?」
紫 「神主さんたちも、病院にいってるだろ?」
夜空よりも、なお暗い『穴』を目指して走るあいだに、心なしか、霧がでてきたようだ。霧は進めば進むほど、深くなっていく。視界をさえぎるほどに。
DM 霧の向こうにアーミーグリーンのトラックが見える。そのそばには、人間もいるみたいだ。ケミカルスーツを着て、ライフルを抱えている。彼らは君達に気づくと銃を構えたまま、こちらへちかづいてくる。
神崎 自衛隊か?
自衛官 「おまえたち、なぜ、こんなところにいる。付近の住民には避難勧告が出ているはずだぞ」
紫 「避難勧告なんて聞いたこともないやい! あたしは病院へ行くんだい!」
神崎 「いったい、いつ出たんですか?」
DM 君達がエコービルに入った直後かな。
立花 「どうして、そんなものが‥‥」
自衛官 「薬品を搭載したトラックが井の頭公園付近の路上で転倒したらしい。感染の危険もある。君達も我々と一緒にきてもらおう」
神崎 すすめない、か。「鳥羽はどうしただろう?」
紫 「そんな‥‥おじさんは!?」
紫があわや自衛官に食ってかかりそうになったとき、車のドアが開いた。
「まて」
見覚えのある顔。かつて、鏡を売ってくれといってきた、ビジネスマン風の男だった。日常の象徴であるビジネススーツを着た男の姿は、周囲の世界から浮き上がっていた。
男 「この方たちは、私の友人だ。銃をおろしたまえ」
透る声。洗練された仕草。人の上に立つために生まれてきたものの、『階級』を感じさせる。
納得のゆかぬ顔をする隊員も、彼に一瞥を送られただけで、脱力したように銃をおろし、引き下がった。
紫 鏡と赤ん坊をだいたまま、警戒している。(笑)
男 「おや? 君はその若さでもう母親なのか?」
紫 どかーん!!(怒)
男 「ともかく、僕の車で安全な場所まで送ろう。見てのとおり、ここ(吉祥寺)は人の住める場所ではなくなってしまったからな」
神崎 「こいつの手は借りたくないが‥‥」
男 なら、彼ら(自衛官)に連れて行ってもらうかね。それも、君達の自由だが。
紫 おじさんが気になる。渋々乗るしかないのか‥‥
男 「まず、私の知り合いの赤坂の病院に行こう。そこなら、満足の行く治療が受けられる」
紫 「だめ! おじさんの病院にいきたいの!」
男は一瞬怪訝そうな顔をしたが、まじめな顔つきになって運転手に命じた。
男 「彼女のいきたいところに、行ってくれ」
霧はますます深まっていく。人々の不安を乗せたリムジンが、霧の吉祥寺の街をすりぬけていき、やがて止まった。
ドアが開くのももどかしく、車から降り立った紫を待っていたのは、やさしい叔父の姿ではなく−視界一杯の巨大なクレーターだった。
かつて黒須総合病院が存在した空間に、暗い穴がぽっかりと口をあけていた。
「自衛官たちの話では、何でもペンタゴンから持ち出された超新型兵器らしい。目標の物質を分子単位で分解する−中にいる有機体もだ」
悪魔の哄笑が響いてきそうな深淵を前にたたずむ紫の背中に、冷たい声がかかった。男は、リムジンにもたれて、優雅にタバコをふかしていた。
「どうするかね。安全を望むなら、この街の外まで送っていってもいい。だが、この事態と戦う勇気が君達にあるというなら、新宿へゆきたまえ。すべてのカギは、あの地にあつまってる。なにもかも‥‥君達の選択しだいだ」
赤い軌跡を描いてアスファルトに落ちたタバコが、靴底に踏み潰された。
to be continued……