SHIN-DigitalDevilStoryTRPG― "AWAKEN"


僕たちの休日の過ごし方


 翌朝午前10時、大桃たちは七山市駅前にて待ち合わせをした。


桜   車で行きます。
晴信  徒歩でテクテク行きます。
大桃  どうせ市内を車で移動するんだし、桜ちゃんがみんなを、回収したほうがよくなかったか?
晴信  これくらい歩いた方がいいのだ。ところで、全員集まったのかな?
れもん 「ごめ〜ん、遅れたぁ!!」といいながら、30分後に現れる。(笑)
晴信  ・・・・・・。
大桃  ったく、待ちくたびれてタバコが空になっちまったぜ。
れもん 起きたら、10時だったんだ。
桜   どうぜまた、夜更かししてパソコンにらめっこしてたんでしょう。さぁ、みんな、とっとと、乗って乗って。
DM  全員で移動するのは分かったけれど、最初はどこに向かうのかな?
桜   とりあえず、鈴子さんの通っていた学校へいきます。
DM  了解。桜の乱暴運転なら10分程度で到着する。篠宮鈴子が通っている青蘭学園は中高エレベーター制の私立の学校だ。煉瓦造りの校舎が遠目にも目立つので、同じ市内在住の君たちなら何度も目にしたことはあるかもしれないね。
大桃  (校舎を見上げながら)なかなか風情のある学校やな。
DM  夏休みに入っているんで正門は閉じられ、付近に人影はほとんどない。
桜   クラブ活動で学校に来る学生とかもいるんじゃない?
DM  そのために通用門はあいていますが、門の脇には詰め所があって、おじいさんの警備員が不審者が入って来ないように見張ってますね。
桜   う〜ん。(悩)
大桃  だれか、魅力の高い人。(といって、れもんを見る)
れもん それとも、学校にコネのある人。(といって、晴信をみる)
晴信  そんな都合のいいコネあるかいっ!(笑) 背景情報(キャラクター作成時に能力値とは別に与えられた「宿命」という値を消費して取得する、個人の特徴などのこと)なんて「剣の師匠」くらいなんだから。
桜   あれ、使えそうなんじゃない? 例えば剣道部の顧問の先生にツテがある、とかで。
DM  それなら、晴信は加護値に「剣の師匠」に割り振った宿命をプラスして判定。
晴信  加護なんて、技能に関係ないからめちゃめちゃ低く設定してるのに・・・・。(嘆きながら、ころん)あ、全然だめ。
桜   命運を消費すれば、もう一度ダイスの振りなおしができるけれど?
晴信  いや、やめておく。今回から、命運の消費が1セッションに5回しかできなくなったんだろう?
DM  うん。晴信は前衛キャラだし、戦闘で命運消費することがおおいだろうね。ともかく失敗したなら、頼れそうな人は思い当たらなかった。
大桃  ああ、もうじれったいなぁ。「ちょっといってくるわ」といって、正面から乗り込むぞ。
晴信  一人で行くのか?
大桃  4人でドヤドヤ行ったら、よけい怪しまれるやろ。一人でズンズン。(勇ましく門に向かって歩いて行く)
DM  大桃が中に入りそうな様子を見て取ると、あわてて守衛さんが詰め所から飛び出してくるね。「こらこら、君、ウチの学生じゃないでしょう」
大桃  はい。
守衛  「ここは関係者以外は立ち入り禁止なんだが」
桜   まぁ、そりゃあそうだろう。
大桃  「いやぁ、俺の妹がここに部活で来てまして、弁当を届けに来たんですわ」
DM  信じてもらえるか魅力でチェックだ。修正はとくになし。
大桃  (ころりん)全然ダメェ。(笑)
DM  守衛さんは名簿を片手に「妹さんの学年とクラスと名前は?」とたずねて来ますが。
大桃  「ぎくぅ・・・・」マスター、5秒間かんがえさせて?(うるうる)
守衛  「お引き取りください」(一同爆笑)
大桃  つまみ出されてしまいました。
桜   あっさりと。(苦笑)
れもん 役にたたないなぁ。(同じく苦笑い)
大桃  むむっ。じゃあ、れもんちゃんが行ってきてぇや。
れもん (なだめるように)妹の名前を聞かれたとき、鈴子ちゃんのクラスと名前を言えばよかったんだよ。
大桃  そ、その手があったかぁ。
桜   まぁまぁ。万が一、篠宮さんが長期欠席していることを守衛さんが知っていたら、その答えでもまずかったわけだしね。
DM  (ここらで事態を変えようかな。ころん)晴信くん、もう一度、加護チェックしておくんなさい。ただし、今度は修正はなし。
晴信  (ころころ)あ。
桜   ファンブルだぁ。(一同爆笑)
DM  (とほほ〜、せめて普通に失敗してよぉ)では、守衛さんは先程から怪しい動きをしている君たちにたいして、いっそう警戒を強めたようだ。
れもん 確かに怪しい一団だよねぇ。(笑) さて、どうしよう?
大桃  桜ちゃん、桜ちゃん、ここは大人の女の色気で一発・・・
桜   いまさらそんなもの通用しないわよ。(苦笑) まぁ、何か考えないと行きづまったままだよね。
大桃  守衛の目を盗んで塀から入り込む。
他三人 それは危険だ!(笑)
桜   中にいるのを守衛さんに見つかった時には、それこそ通報されちゃうかもよ。ここに来た一番の目的は、鈴子さんが事故にあった原因を探るためでしょう。だったら、第一発見者に話を聞けたらベストだよね。
晴信  ガス爆発っていえば、それなりに噂になっているだろうしな。とりあえず、第一発見者の名前だけでも情報がほしいところだ。
桜   当たってくだけろで、もう一度守衛さんのところにトライ。鈴子ちゃんのクラスは知ってるよね。
DM  昨日、お母さんから聞いていたことにしよう。高等部の2年D組です。
桜   警備員さんに話しかけてみます。「すいません。この学校の2年D組に篠宮鈴子っていう子がいると思うんですが」
守衛  「2年生の篠宮さんね。少々お待ちください」(パラパラとリストめくる)「・・・あった、あった。ですが、今は夏休みだから、ここには来てないんじゃないかなぁ」
桜   「じつはですね、わたし、鈴子の従姉なんですけれども」(一同苦笑)「人づてに彼女が学校で事故にあって入院したと聞いたので、お見舞いにいきたんですが、もしこちらで入院している病院が分かれば教えていただきたいと思って」
DM  従姉なのに? 家族経由で分かりそうだよなぁ。
桜   「ずっとご無沙汰していたので、ご家族の連絡先とかもわからなくなっちゃってて・・」とアプローチしてみる。
DM  善意の行動としてふるまうのね。魅力に20プラスでチェック。
桜   (ころん)成功です。
DM  基本的にいい人のおじさんはあっさり信じてしまったようです。「今日は2年D組の担任の山本教諭が登校しているはずです。この向こうの通路にある職員室にまわってください」
桜   「ご親切に、ありがとうございます」ぺこりと頭を下げて、てってって〜と走って行く。潜入成功!(笑)
れもん いってらっしゃ〜い。(笑)
桜   ふぅ、探偵ごっこも楽じゃないわね。え〜と、「失礼します。山本先生はいらっしゃいますか」といいながら、職員室に入る。
DM  三十代半ばの、メガネをかけた女性が振り返るね。ちなみに職員室に今いるのは彼女だけだ。
メガネの女性 (オットリと)「山本はわたしですが」
桜   「先生のクラスに篠宮鈴子さんという子がいますよね?」
山本教諭 「はい、彼女は確かにわたしの受け持ちの生徒です。ところで、どちら様でしょうか?」
桜   「私、彼女の従姉で周防と申します。人づてに鈴子が学校で事故に遭って入院中と聞いたもので・・・」
山本教諭 (うなずきながら)「ええ・・・もう三カ月になります」
桜   三カ月・・そんなに前のことだったのね。「クラブ活動中の事故だったとか」
山本教諭 「クラブといいますか・・・篠宮さんはあの日、一人、自習していたようなのです。せめて、だれかが付き添っていれば、防げたのかも知れないのですが、今でも悔やまれてなりません」
桜   「自習・・・ということはクラブとかの活動じゃなかったんですね?」
山本教諭 「篠宮さんはクラブ活動には参加していませんでした。非常に優秀な生徒なのですが」
桜   ということは、担任の先生でも、なぜ、彼女が遅い時間まで残って科学室にいたのかはっきりと分からない・・・ってことね。事故の現場に最初にかけつけたのは山本先生なのかな?
山本教諭 「いいえ。最初に見つけたのは篠宮さんとも仲がよかった、同じクラスの生徒です。わたしは彼女の知らせを受けてかけつけたんです・・・」
桜   鈴子さんと仲がよかった子がいるのね。「よかったら、そのクラスメイトの方の名前を教えてくれませんか? 鈴子の話とか聞きたいので」
山本教諭 「三田村望(みたむら・のぞみ)といいます。風紀委員の委員長をしているためか、責任感の強い子でして、内気な篠宮さんをよく助けていましたね」
桜   (メモをとりながら)おとなしい鈴子さんの世話を焼いてあげたりしているうちに、仲がよくなったのかな。連絡先とかは、鈴子さんのお母さんに名簿とか見せてもらえばわかるか。じゃあ、先生にお礼を言って職員室を出ます。このまま帰るのも、芸がないから、化学実験室にいきます。
DM  青蘭学園はグラウンドの北・東・西を囲むように3つの校舎に別れていて、隣接する建物は渡り廊下でつながっているんだけれど、化学実験室は職員室のある北校舎ではなく、西側の校舎の1Fにあります。
桜   ちょっとキョロキョロしながら廊下を歩いて行きます。
DM  休みのためか人影はみえない。静まり返っている石畳の渡り廊下を抜けていくと、前方に道路工事現場で見かけるような、黄色と黒で塗り分けられた簡易バリケードが見えてくる。
桜   「立入禁止」ってヤツね。でも、向こうの様子はみえるよね。
DM  バリケードごしに、ガラスの全部なくなった窓枠が見える。ドアもすこしはずれかかっているみたいです。
桜   部屋の中の様子までは見えないかな? ちょっとバリケードに近付いて、うかがってみるけれど。
DM  さすがに時間が経っているので、割れたガラスや爆発の衝撃で壊れたものの破片はきれいに片付けられてはいるけれど、部屋の内装は黒くすすけた所があるのがチラリとみえる。
桜   なにか魔力みたいなものは感じられるかな?
DM  魔力、か。それなら、魔力チェックで判定してください。
桜   (ころころ)普通に成功。
DM  それなら桜は魔力の残滓のようなものを感じた。でも、すぐに消え去ってしまうほどの淡い感覚だけれどね。
桜   ここで何らかの魔法の力がはたらいたのは確かか。けれど、もうかなり時間は経っていると考えた方がよさそうね。「普通の事故でなかったのだけは確かなようね・・・」では、みんなのところに戻ります。
大桃  「おかえり〜、桜ちゃ〜ん。おそかったやないか」
桜   (肩をすくめながら)「ちょっと、ね」というわけで、かくかくしかじかとみんなに話します。
れもん なるほど、すごくよく分かる説明だ。(笑)
桜   「第一発見者の名前は分かったから、時間があったら話を聞いてみるのもいいかもしれないわね」
晴信  「なら、次はそちらを当たろうか?」
桜   (首をかしげて)「うーん。篠宮さんのお母さんに連絡先を教えてもらえればいつでも行けるんだし、先に病院に行ってみましょう」
大桃  移動するか。・・・ん? ということは。
桜   「というわけで、野郎ども、車に乗るのよ! アクセルぜんかぁぁい!!」
残り三名 「どっひゃ〜」(笑)





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