SHIN-DigitalDevilStoryTRPG― "AWAKEN"


七山市立総合病院


大桃  (車からヨロヨロと降りながら)やっと着いたか。頼む・・ちょっと吐かせてくれ。
れもん (ケロリと)今日はまだおとなしめの運転でしたよね。(笑)
晴信  周防の乱暴運転にも、いいかげん慣れて来たな。
大桃  俺は乗り物苦手なんや、うぷっ。(口を押さえる)
晴信  だったら、酔い止めくらい持参してこいよ。
桜   『トランキライザー』でも飲んで来なさい。(笑)
 ヘロヘロの大桃をいじめながらも、PCたちは七山市立総合病院のロビーへ向かう。

晴信  病院なんだから、薬くらいもらえるんじゃないか?
桜   でも、モモちゃん、保険証は?
大桃  ・・・・・・・・・よし、六道のおっさんからせしめたる!
れもん わすれたんですね。(笑)
大桃  大体、今回の件の発端はあのオヤジが俺の名前を出したことから始まったんやからな。はっ! だいたい、なんで俺がひっぱりだされなあかんねん!!
桜   モモちゃん、今頃そんなことに気が付いたの?
大桃  (ちょっとキレながら)だいたい、何で俺をこないな目あわせようとしたか、その辺りをといたださんと!
晴信  それは楽しかったからだろう。
桜   あっさり言うわね、あっきー。(一同爆笑)
れもん (とりなすように)モモちゃんを成長させようという親心からかもしれないよ。きっと、他に頼りになりそうな人がいなかったんだよ。
桜   (冷静に)それか、めんどくさいから体よく押し付けられたかのどちらかだわね。
大桃  ・・・じゃあ、その辺を見回して看護婦さんに六道先生の居場所を聞きます。
DM  病院のロビーは休日のためか、しん、としているけれど、看護婦さんはさすがに見つかります。
大桃  おし、声をかけるぞ。
看護婦 「六道先生なら、今、回診中です」
大桃  (引きつった声で)そうですか・・・それなら、先生につたえといてくれまっか。大桃っちゅうモンが、ロビーで待ってるってな。
晴信  ヤクザか、こいつは。
桜   なんか決闘みたい。
大桃  外野がうるさい。(看護婦に向かって)「ちなみに、俺、大桃といいます。六道先生にそう伝えてもらえればわかると思いますんで」
DM  看護婦さんは、分かりましたとにっこり笑って去っていく。
大桃  こっちもにっこり笑い返しておこう。あ、せや、鈴子ちゃんのこともついでに聞いときゃよかったな。
晴信  聞き込みなんかすると逆に怪しまれるだろうな。
桜   そうね。ここは直接鈴子さんの病室へいきましょう。
DM  病室の場所は昨夜もらった資料にあるからすぐに分かりますね。篠宮鈴子の病室は3Fです。このフロアは小児病棟がメインで、あちこちにキャラクターものの張り紙が飾られているし、遠くの方では子供のものらしい高い声が響いている。大部分を大部屋が占めているけれど、篠宮鈴子の病室は個室です。君たちが個室の並ぶ人気のあまりない通路に入ったとき、奥に一人の高校生らしい少女と、病室のドアを背にして立つ医師が何か言い合っているのが見える。
晴信  女子高生・・・? (ぴんときて)もしかして彼女の着ている制服は青蘭学園のものか?
DM  そうですね。午前中に何度か見かけた、青蘭学園の制服です。
れもん 制服を着ているってことは友達・・・?
桜   その可能性は高いわね。例の三田村さんかもね。
大桃  (うずうずしながら)俺、その医者に見覚えあるよね?
DM  あります。ほかの人も大方予想はついているようだけれど、ね。
大桃  りくどうのおっさぁぁん!!(医師に向かってダッシュ)
晴信  (冷静に)病院の中で暴れたら怒られるぞ、大桃。
桜   止めたって聞かないわよ。
大桃  そのまま一直線に走って行って、白衣の胸倉をつかむ。「おっさん! おれのこと、なんてゆーてくれた??」
DM  六道と呼ばれた医師は少女から視線を離すことなく、「ええっと・・」とつぶやきながら、大桃の両手を器用に横に払いのけます。
六道  (穏やかな声で)「何度も言うようだけれど、今は面会謝絶中なんだよ。せっかくきてもらったのに悪いんだけれどね」
大桃  おい! 俺の話、きいとんのかい! 体を割り込ませるぞ!
六道  (無言で大桃の頭を押しのけて)「鈴子ちゃんには、僕のほうからきちんと伝えておくから、君は帰りなさい」
晴信  あれ(大桃)の暴走を止めようかと思ったけれど、これはほうっておいても大丈夫そうだな。(苦笑)
桜   それとなく女子高生を観察します。どんな子なのかな?
DM  小柄で、まじめそうな女の子だね。ただ、鈴子の写真を見た後だと、地味な印象を受ける。耳の後ろのところできっちりと二つくくりにした髪は、カラーもブリーチもしていない黒い色だ。意志の強そうな眉と大きな瞳が、20センチ以上の身長差のある医師にむかって、じっと向けられている。
 医師は弱ったな、というふうに眉尻をわずかにさげ、指で顎をひねりながら少女の視線を受け止めていたが、ふいに少し離れたところで様子を見ていた桜たちの方に顔をむけた。

六道医師 「おや? 誰かと思えば、君たちか・・・久しぶりだな」
桜   あれ、私たちもこの先生と顔見知りなの?
れもん どうやら、そうみたいね。「ご無沙汰してます、六道先生」
大桃  納得いかんぞ。俺はちゃんと背景情報の役得で「専門家のコネ」をわざわざとってるのに、なんでみんなとも知り合いなんだ?(←ちょっとジェラシー)
DM  まぁまぁ、今までに大桃のツテで何度か顔をあわせていたことにしておいてよ。実際の「役得」として利用できるのは、ちゃんとルール的にコネ関係を取得しているキャラクターのみにするからね。
桜   知り合いの知り合いみたいなものね。
大桃  むぅ・・・じゃあ、六道のおっさんの袖をぐいぐい引っ張ろう。
六道医師 「なんだ・・・おまえもいたのか」
大桃  (ちょっとグサッときながら)オッサンを隅のほうにひっぱっていくけれど・・・(不安そうに)ちゃんとついてくる?
DM  大丈夫、ついてきますよ。
六道医師 「なんだ、みんなと離れて?」
大桃  (声を潜めて)「なんで、あんな話、俺のところに振ってきたんですか?」
六道医師 「あーん? おまえ、前から悪魔や幽霊がどうのこうのとうるさかったじゃないか。だから、わざわざ紹介してやったんだぞ。喜べ」
大桃  「そ、そんなん言うた覚えありません!」(半泣き)
六道医師 「悪魔を見たとか、今度会ったら俺がぶっ飛ばすとか・・居酒屋で怒鳴っていたのはだれだったかなぁ」
大桃  そ、それは酔った勢いというもので・・・
六道医師 (ちょっとやわらかい声になって)「篠宮さんに会ったのなら、分かるだろう。本当に気の毒な話なんだ。担当医師の僕も本当に難儀している。な、ここは助けると思って、一肌脱いでくれないか?」
大桃  センセェ・・・俺も協力するのはやぶさかやないんやけれど、(いっそう声を落として)このまま続けていたら、あいつらにどれだけしぼりつくされるか分からんのです。
れもん なんか言ってるな。(笑)
晴信  気にするな。(笑)
六道医師 「おっしゃ、この件がかたづいたら、一杯おごろう。ま、あんじょうたのむわ」
DM  六道はぽんと大桃の肩をたたいてみんなのところに戻っていきます。
大桃  ほろほろほろほろ。(うずくまって泣きぬれている)
桜   高校生の女の子に話し掛けます。(やさしい声で)「もしかして、三田村 望さんかな?」
DM  彼女は少し警戒した様子で、「あなたたちは・・・?」と問い返してくる。
桜   ・・・なんて答えたらいいのかな、この場合。
晴信  得意の「イトコ」でいいんじゃないのか?
桜   (苦笑して)また?
れもん うそをつく必要はないよ。正直にいきましょう。
桜   そうよね。(少女に向かって)「私たち、篠宮さんのお母さんに頼まれて、三ヶ月前の事故の件で調べているの。第一発見者が、鈴子さんと一番仲のよかった三田村さんという人だと聞いていたから、もしかしたらと思ったんだけれど・・・よかったら、お話を聞かせてもらってもいいかな?」
制服の少女(以下、望) (戸惑ったように)「わたし、三田村です。でも、おはなしって、なんでしょう?」
桜   う〜ん・・・なにから聞いていいものやら。
晴信  「そうだな、事件のあった日、どうして鈴子さんがあんなに遅くまで学校に残っていたのか知ってるかい?」
望   「わかりません。事件のあった日、私は委員会の仕事で学校に残っていたんですが、突然、すごい音がして・・・」
晴信  「ふぅん。・・・鈴子さんは以前から、一人で実験とかすることはあったのかな?」
望   (首を横に振りながら)「見たことありません。図書室では毎日自習とかしていたけれど」
晴信  「図書室、か」
れもん 科学にとりわけ興味のあるほう、というわけでもなかったのかな・・・?
桜   「鈴子さんは本が好きだったのかしら?」
望   「はい。彼女、頭よかったから。外国語の本とかも読んでいました。私にはなにが書いてあるかわからないような」
桜   「外国語の本・・・ねぇ」(考え込む)
晴信  「その本、どんな本だったか覚えている?」
望   「英語とも違うようなアルファベットが書かれていました。何語かは分からないけど」
晴信  ちょっと周防のほうに目配せしよう。
桜   もしかしたら、私のおうちにこっそりおかれているような本のことかしら、と思っている。(笑)
れもん こっそりじゃなくて、ずらりじゃないの?(笑)
望   「でも、そんな事を聞いて、いったいどうするんですか? 警察の人、じゃないですよね」
れもん あはははは。(乾いた笑い)「け、警察じゃないんだけれど」
桜   「そうね・・・探偵みたいなものよ」といっておこう。(笑)
晴信  ということになるかな?
れもん とりあえず笑顔で横でうなずいておこう。
晴信  まぁ、ここで話していても始まらない。とりあえず病室の中に入ってみようか。六道先生も、まさか俺たちまでは止めないだろう。
DM  晴信がドアのほうに手をかけようと動いたのを見て、よりドアの近くにいた望がさっと先回りしようとする。
桜   (反射的に)とめます。
DM  では、「強さ」で競争だ。
桜   「強さ」なんて12しかないのに〜(泣) どうやって判定するの?
DM  ここは、強さボーナス分(=「強さ」の値の十の桁の数値)の数、D6を振ってもらって、その数が多いほうを勝ちとします。桜の場合、強さが12だからボーナスは1。つまり、1D6を振って出た数を教えてください。
桜   (ころん)4だよ〜。三田村さんは?
DM  彼女はこう見えて実は20以上腕力があるんだよね。強さボーナスが2なので2D6を振って……6ですな。桜を振り切って病室にすべりこんでしまう。
れもん うわぁ、って驚いていても仕方がないから、後を追いかける。
DM  ドアをくぐった瞬間、れもんは室内が異常に涼しいことに気が付きます。
れもん うっ、さむっっ。思わず入り口で立ち止まって、中の様子をうかがいます。
晴信  柿崎が立ち止まってしまったから、「どうした」と後ろから顔をのぞかせよう。
DM  部屋の中央に据えられているベッドの上に人が寝ているんだけれど、地震でもないのに、ぎしぎしと振動している。
晴信  ベッドの上の人間は眠っているのか?
DM  そうですね、人形のようにぴくりとも動かない。その顔は、昨日篠宮夫人から渡された写真の少女のものだ。と、突然、部屋の隅のロッカーがばぁん、と開いて、なかから木製のハンガーが飛び出してくる。
れもん ひえぇぇぇぇ。(頭を抱える)
晴信  ! み、三田村さんは?
DM  ハンガーはベッドの前でぎょっとしたように立ちすくんでいる彼女に向かって襲い掛かるね。まるで、見えない腕に握られているように頭をめがけて飛んでくる。
晴信  やばいな。柿崎を飛び越えて、彼女をかばいます。
DM  敏捷力チェックに成功したらかばえることにしましょう。
晴信  敏捷力は15しかない。マスター、居合で落せないか?
DM  なるほど、不可能じゃないかもしれないね。
晴信  「居合受け」でハンガーを跳ねとばす! (ころん)成功!
DM  おみごと。目にもとまらぬ速さで抜き払われた晴信の一刀の前に、ハンガーはあえなくたたきおとされてしまった。そのショックで、ようやく彼女は悲鳴をあげる。
れもん 「さぁ、出て、出て」今のうちに彼女を病室から引っ張り出すよ。
大桃  ようやっと、出番のようやな。それも桜ちゃんの専門分野みたいや。
桜   なんでこんなのが私の専門分野なのよ。モモちゃんに続いて部屋に入ります。
DM  では、いよいよ初めての戦闘開始です。フォーメーションをとってください。
桜   あっきーとモモちゃんは前列、私とれもんちゃんは後列です。
れもん しかし戦闘といってもハンガーはもうあっきーはぶっとばしたんじゃないの?
DM  安心めされい。ベットの上にぼんやりと光る小さな人影のようなものが、三つほど浮かび上がってくるよ。今回から移動力の順に行動が出来ます。移動力が一番高いのは、れもんだったな。
れもん オバケの正体を「アナライズ」します。モバイル型COMPを「基本操作」。(ころん)成功。
DM  DAS(デビルアナライズシステム)が立ち上がる。では威力を決定してください。知力ボーナス分のD6+技能レベルが威力となります。
れもん 知力ボーナスが2で、「コンピューター」技能レベルは1だから、2D6+1で、(ころん)3と6が出たけれど・・・
DM  威力決定のときのD6で6の目が出たとき、その分サイコロをもうひとつふること(振り足し)ができるのは、以前のルールとおんなじです。
れもん じゃあ、もう一回D6を振って・・・4が出たから、最初に振ったダイスの目の3と6に技能レベルの1、これに振り足し分の4を加えて、最終威力は14になったよ。14レベル以下の悪魔だったらデータが分かる。
DM  それは、ばれまくりじゃなぁ。敵の正体は「ポルターガイスト」2レベルで〜す。(といいながらデータをれもんに渡す)便宜上、それぞれをポルターガイストA・B・Cと呼びます。
れもん (データを確認しながら)うわ、剣での攻撃が半減の上に、物理(射撃)の攻撃は無効じゃないか。いきなり何も出来ない人になってしまった。(苦笑)
大桃  次は俺やな。まかせとき! 目の前にいる人影(ポルターガイストB)に向かってヌンチャクで二回攻撃。(ころころころころ)両方、スカぽ〜ん。
ポルターガイスト (甲高い声で)「きゃはははははは」
れもん 馬鹿にされてるぞーっ。(笑)
大桃  あれぇ?(首をかしげる)
DM  次はポルターガイストズの番です。まず、Aがれもんを指差して向かってなんか祈っている。魔法回避してください。
れもん (ころりん)う、失敗。
DM  これは念動力(サイコキネシス)だ。れもんは見えない力に体を圧迫される。(ころん)威力は9点。
れもん 魔法防御でダメージを減少できるけれど…7点くらった。「いっ……今、腕が「みしっ」ていった…」
DM  では、Bがかわいらしい声で「ストーンレイン!」と叫んで……
PC達 ちぃぃっとも、かわいくない!!
DM  (無視して)花瓶や、果物ナイフやハンガーの破片など部屋中の小さなものが浮かび上がり君たちに襲い掛かってくる。直感チェックに失敗したら、頭をどつかれちゃいます。
大桃・晴信・桜 成功!
れもん し、失敗……。いきなり死んじゃうかも。
大桃  れ、れもんちゃんっっ!!
DM  ダメージは3点。物理防御点で減少できます。
れもん よかった〜。はじいた(ダメージを受けなかった)よ。
DM  では、最後のCも、もういっちょかわいい声で「ストーンレイン」
PC達 だから、かわいくないってば!!(笑)
 大桃だけが回避に失敗したものの、威力は少なく、ダメージはなかった。

桜   私の番ね。どうしよう…もう、ざくっと攻撃しちゃっていいかな?
れもん いいよ〜 どうせ、私は何もできないし。(←射撃系の武器しか持っていない)
大桃  俺は攻撃できるけれど失敗するし。
桜   それでは、「マハジオ!!」(複数対象の電撃系の魔界魔法)(ころん)……あ、発動失敗。(笑)
晴信  ……普通に切りつけます。標的は正面のA。(ころん)命中。
DM  じゃあ、こちらは格闘回避します。(ころころ)おわっ、ファンブル(大失敗)した!
晴信  よし!(笑) 威力決定で、振り足しが出たので、18点。
DM  ファンブルで威力は二倍になるけれど、もともと剣でも攻撃は半減するから、18点から物理防御点を引いた値が、実際のダメージとなるんだけれど……う〜ん、一撃で半死半生だ。では、1ターン目は終了。2ターン目、どうぞ。
れもん 暖かく見守る。(一同爆笑)
晴信  せめて防御姿勢くらいとれよ。
れもん 了解。防御姿勢をとるので、物理・魔法の回避がプラス10になります。
大桃  もっかい、ヌンチャクでBを攻撃。二回攻撃は両方当たり。
DM  二回目の攻撃を回避失敗した。でも、剣攻撃は半減だから、ダメージは無い。 ポルターガイスト 「キャハハハハハ!! キカナイヨー。そんじゃあ、お返しのストーンレイン!」
PC達 (声をそろえて)またかよ〜。
 桜以外が回避に失敗するも、威力は少なくやはりダメージはなし。続くBの大桃への攻撃ははずれ、Cが再び放ったストーンレインも回避ファンブルした大桃が7点のダメージを受けるにとどまった。やはり、3レベルのPCには歯ごたえがなさすぎたかな。

桜   1ターン「マハジオ」に集中します。MPを1消費して、次のターンの発動判定に、10のボーナスね。
れもん 剣の攻撃が有効じゃないから、今は桜ちゃんの魔法だけがたよりだもんね。
晴信  こっちは、敵の注意をひきつけるくらいにはなるか。とりあえずAを殴ります。(ころん)成功。
DM  (ころころ)回避成功しました。
 3ターン目。防御姿勢をとりつづけるれもん、大桃は攻撃を失敗する中、悪魔の放つつぶての雨にちまちまとダメージを受けるPC達。そして、呪文の詠唱を終えた桜が、満を持して、得意の電撃の魔法を放つ…

桜   集中したから47以下で成功するから…(ころん)成功!
DM  ではこちらの回避ですな。(ころころころ)う〜ん、Aだけ回避失敗。この一撃でAは、ぽしゅぅん、と消えて、後ろに控えていたCがかわって晴信の前に出てきます。
桜   むぅぅ、二匹によけられちゃった。
晴信  でもこれで、一体減ったからな。Cに向かって斬りつけます。(ころん)う、失敗。
 4ターン目、れもんは防御。大桃の二連続攻撃は一発目は成功するものの、二発目はファンブルしてれもんに命中させてしまう。(れもん うわぁ、もう残りHP3だぁ。(笑) 退却しようかな)悪魔側は立て続けに晴信に向かってサイコキネシスを放つが、あっさり交わされてしまう。桜はれもんに「ディ」を唱え、れもんのHPを7点回復。晴信はCに切りつけるが回避されてしまう。
 5ターン目。れもんは防御姿勢を続行。大桃のヌンチャクは2連続でヒットするものの半霊体の悪魔にはたいしたダメージを与えられない。悪魔の超能力が再び晴信と大桃を襲うが、両者ともこれを回避。MPに余裕が少なくなってきた桜は「ジオ」(単体目標の電撃系魔界魔法)をBに向かって放ち、回避できなかった悪魔は瀕死の重傷を負った。晴信のCを狙った攻撃は命中し、若干のダメージを与える。(DM (ダメージを計算して)ちょっとだけ欠けたかな。 晴信 ちょっとかい)
 PC・悪魔とも有効打にかけるまま、結局戦闘は9ターンまで続き、結局、桜がMPをほぼ使い切る形で戦いの終止符を打った。う〜ん、最初の戦闘から爽快感がなかったなぁ。「相性」はメガテン戦闘の特徴といえども、剣攻撃半減・物理無効っていうのは、前衛のPCに余計なストレスを与えてしまったようです。れもんなんて、なにも出来なくなってしまったしなぁ。まぁ、今後の課題としましょう。

桜   (疲れきった声で)とりあえず、悪魔は消えたのね。
DM  部屋の中は壊れた備品のかけらなどが散乱しているけれどね。部屋の中が静かになったのを感じたのか、外で息を潜めていたらしい望が部屋に入ってきた。病室の惨状を見て息を呑み、「鈴子ちゃん!?」と叫んでベッドに駆け寄ろうとするけれど。
大桃  「ちょっ、まだあぶないかもしれへん……」というけれど。
DM  言うだけなのね。なら、彼女はベッドのそばまでたどりつく。と、そのとき。
れもん いやな予感……
DM  君たちの頭の上のほうから「うふふふふふ……」と低い笑い声が響いてくる。
大桃  「だ、だれや!?」
 PC達をからかうように、無気味な姿なき声は笑いつづけた。

声   「やはりこの程度では、まだ力不足ということかしら……」
れもん 「かしら?」ってことは、女の子……?
声   「必ずやこの体を手にいれてみせるわ。私の魂のすべてをかけて!」
DM  声は笑いながらフェイドアウトしていく。声が消えると部屋を覆っていた重たい気配もゆっくりと消えていきます。
一同  う〜ん????(悩)
晴信  この声は三田村さんにも聞こえていたのかな?
DM  うん。その場に凍り付いてしまっている。
桜   目が点になってるのね。
晴信  まぁ、そりゃそうだろう。
DM  一応君たちも不気味な状況に置かれたわけだから、精神力チェックをして、失敗したら、彼女と同じように呆然となってしまう。
全員  しっぱ〜い。(笑)
DM  全員失敗かいな。(笑) では君たちはそろって、しばし放心状態になるが、ようやく部屋の中に入ってきた六道氏に軽くはたかれて正気に戻る。彼に続いて鈴子の母親である篠宮夫人も病室に入ってきます。
六道医師 「これはまた……いつもよりヒドイな。いったい何があったんだ?」(大桃に目をやる)
大桃  じゃあ、「かくかくしかじかまるまるうしうし」と説明します。
桜   ちょっとまってよ。最後のあの変な声のことも話してしまうの?
れもん そこは、はぶいておこう。お母さんの前だしね。「妙なものが出来て、襲ってきたんです」
六道医師 「それで、この病室で激闘を繰り広げたというわけか」
れもん こくこく。(うなずく)
六道医師 「なるほど、ひどい怪我だな。(れもんが一番ダメージが多かった) ここではまともなことはできないから、診察室のほうにきてくれたら処置をしよう」
大桃  おやじ、おれも、おれも!(すりよってくる)
れもん ぱたぱたぱたぱた。(尻尾を振っているらしい)
晴信は桜となんとなく視線を交わし、そして、それを病室の白い壁に移動させながら、自分達が六道医師に隠した「あの声」の言葉をぼんやりと反芻していた。意味が理解できず、それでいて頭の中から追い払おうとしてもしつこく残る感じは、最近の歌のフレーズのようだ。
だから、れもんと大桃が傷の具合を見てもらっている向こうで、鈴子の母親が鋭く息を飲む気配を感じても、それほど素早くは反応できなかった。
 ゆっくりと母親の視線の先をたどり、妙な違和感を覚えた。さっきとは、何かが違う。ベッドの傍らには彫像のように立ち尽くしたままの三田村望がいた。しかし、それ自体は別に不思議はない。彼女はずっとそこにいたのだから。

違和感の原因はその向こう側にあった。つい先ほどまで吹雪の明けた朝のスキー場のように、滑らかな隆起を見せていた掛け布団が、半分までめくれ上がっていた。いつのまにか、れもんたちの声が止んでいた。
 ベッドの上には、ほっそりとした少女の影が起き上がっていた。長い黒髪が一房、肩から滑り落ちたとき、しゃらりという音がきこえたような気がした。生物というより、造詣じみたその雰囲気。

「す、鈴子っ」
 何かがはじけたような母親の声に、晴信はやっと我に返った。
 整った娘の顔が声に反応してゆっくりと動いた。形の美しい、でもきっと触れたら乾いた感じがするに違いない唇が開き、寝巻きの胸がかすかに動く。

「おばさん……だれですか?」
 永い眠りから覚めた眠り姫は、静かに、そう吐き出した。

 最初の依頼は終わった。だがそれは、次の呪いの始まりにすぎなかったのだ。






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