DM 篠宮家に到着しました。
晴信 車から急いでおりる。
DM 待っていると約束したはずの望の姿はありません。
晴信 ???
れもん (チャイムを鳴らしながら)「篠宮さ〜ん!!」
DM 応答がありません。
晴信 ドアは開いてる?
DM カギはかかっていない。
晴信 中に入る。
DM ドアを開けると玄関の靴が乱暴に踏みつけられたようにちらばっている。そのとき、廊下の奥でガタンと言う音がして、おびえた表情の篠宮夫人が顔を出します。
大桃 奥さん、大桃です。いったい、何があったんですか?
篠宮夫人 「鈴子が、急におかしくなってしまって・・・」
大桃 鈴ちゃんは、今どこにいるんですか?
篠宮夫人 「分からない・・・私が話し掛けても、あの子はまるで私がそこにいないみた
いに・・・」
桜 何か、言い残しませんでした?
篠宮夫人 「あの子、「鈴子と約束があるから」って言って、家を飛び出していったんです」
桜 鈴子ちゃんが、そういったんですね。
篠宮夫人 (うなずく)
晴信 三田村さんはここに来ませんでしたか?
篠宮夫人 「いいえ・・・」
れもん 鈴子さんが行きそうなところの心あたりはありませんか?
DM 篠宮夫人は首を横に振りつづけている。
大桃 追跡技能のある人。
DM トリック技能で判定ですな。(笑)
一同 そんなの、ないよ〜(笑)
晴信 しかし、「鈴子との約束がある」っていったんだよな。ということは、事故が起こった現場に戻っている?
桜 確かに、私達が考えられるのは、学校くらいしかないものね。それに仮に鈴子ちゃん
がこの家を飛び出していったのだったら、望ちゃんがそれを追いかけていった可能性はあ
るよね。
れもん 望ちゃん、携帯もってないんだよね。
桜 時間のロスになるかもしれないけれど、学校に行ってみましょう。車を回します。
DM と、愛車に乗り込んでエンジンをかけようとしたけれど、ウンともスンとも言いま
せん。
桜 故障!? ボンネットを開けてみます。
DM エンジンのコンピューターがいかれてしまっているらしいです。
大桃 ちゃんと、メンテしてるのかぁ?
桜 (憤然として)もちろん! 毎日してるにきまってるじゃない!!
晴信 さっきまで問題なく動いていたのに。
れもん 誰かのいたずら?
DM そうやって覗き込んでみると、エンジンルームの一部に大きな穴があいている。ま
るで、何度もかなづちで殴りつけたようなかんじだね。
桜 な、なにぃぃぃぃ!!! わ、私の愛車になんてことをぉぉぉ!!!!(大噴火)
ほかの三人 こ、コワイ・・・
DM 聞き覚えのある、かんだかい子供の笑い声が桜の頭上で響くね。
桜 あいつら・・・!
DM もやもやとした半透明な人影が数体、笑い声を上げながら、飛び去っていきます。
れもん 走って追いかけよう。
桜 もちろん! ハイヒールでダッシュよ。
晴信 まて、多分あの方向は青蘭学園じゃないか。あそこまで、走っていくには、かなり
ツライだろう。
大桃 じゃあ、バス?
桜 それだと時間がかかりすぎてしまうわ。篠宮さんのおうちで車をかしてもらいましょ
う。
れもん 難しいかもしれないけれど、お母さんを説得してみよう。
PCたちは、ついていくと言い張る母親をどうにかなだめて(魅力チェックに成功)、車を借りて青蘭学園に向かった。
DM じゃあ、車を走らせていると、ポルターガイストから妨害がはいる。よけようとするなら、直感でチェック。
桜 げ。(ころころ)成功!
DM ならば、ボンネットや天井を三箇所くらいへこませながらも、無事到着した。青蘭学園の周りは人影がまったくない。正門は大きく開かれており、校内はうすぼんやりとした七色の光に包まれて、蜃気楼のようにゆらめいている。
桜 七色!?
大桃 ととと、とにかくセコムもこなさそうだし。
れもん 入りましょうか。自分も七色になったらどうしよう。(笑)
DM 建物も植物も、みな淡く光り輝いている。校庭なんて、まるでオーロラの海のように、深く濃い色彩に沈んでいるね。廊下は時々右に曲がったり、左にくねったりして、刻々と姿を変えている。
桜 異界化しかけいるのかしら・・・近くのドアをあけようとするけれど。
DM 手を伸ばしたとたん、ドアそのものが、ぐにゃりとへこんで、開けることはかないません。
晴信 化学実験室にいこう。鈴子さんがむかうとすれば、きっとあそこだ。
桜 そうね。ええっと、たしかこの廊下の奥だったと思うけれど。
DM 歩いているうちに周囲の風景が360度回転したりしますね。
桜 エッシャーの絵みたい・・・気分が悪くなってきた。
れもん ふぇぇ〜、迷っちゃいそう。(お目目ぐるぐる)
DM 頭が痛くなるようなところをしばらく進んだところで、全員直感チェック。
晴信 成功。
DM では、晴信君、D6を振ってください。
晴信 (ころ)4。
DM 先頭を歩いていた君は、前方の廊下に面したドアの向こうから、かすかに人の話し声が聞こえてくると思った。
晴信 なんだろう・・・ドアに近づいてみよう。
桜 どうしたの? あっきー??
晴信 ここから、人の気配がしたと思ったんだが・・・
DM 晴信の耳には、人の声のほかにも水音が聞こえるね。
晴信 あけたくはないけれど、あけたほうがいいんだろうな・・・入ろう。
れもん あっきー、気をつけて。
DM ドアを開いた晴信は、一瞬気が遠くなる感覚の後、自分が冷たい水の中にいることに気がつく。
晴信 は!?
そこは大きな室内プールだった。撮影用の照明に照らされて、青い水がきらめいている。
だれかが大きな声で、私の名前を呼んでいる。思い出した。そう、私はとても怖い思いをしたのだ。
自分の置かれた状況を認識した瞬間、長い黒髪の奥から赤いもやが浮かび上がってきた。
私の背中からは天使の翼のように、銀色の鋼鉄の塊が生えている。そこから、もやは生まれてくるのだ。
翼はどんどん重くなり、私を押しつぶそうとする。私はその重みに抵抗しながら、空気をもとめて死に物狂いで顔を上げた。
そう、そして、そのときはっきりと見たのだ。罪悪感と恐怖をたたえた、あの大きな瞳を。
DM 晴信は精神力でチェック、
晴信 (ころころ)クリティカルで成功。
DM 頭のなかで、少女の声が響く。「マイカ、許せない」
晴信 ・・・う〜ん。(悩)
DM 唐突に晴信は、自分が閉じられたドアの前に立っていることに気が付くね。
桜 変な体験をしたのは、あっきーだけなの?
DM うん。みんなからはドアに手をかけたまま、晴信がじっと立ち尽くしているようにしか見えなかった。
桜 ちょっと、あっきー、しっかりしてよ!
晴信 あ、ああ・・・
れもん どうしたの? 顔色が悪いよ?
晴信 変な夢をみたんだ・・・体験したことをみんなに話す。
大桃 ドアに触ってもなにも起こらない?
DM おこりません。
晴信 考えていても仕方がない。進みつづけよう。
DM しばらく歩きつづけると、また直感チェック。
れもん・大桃 成功。
DM 成功度が高かったほうは、D6を振ってください。
れもん 5です。
DM では君は、あるドアを通り過ぎたとき、中から女の子の声を聞いた気がします。
れもん (足を止めて)なにか、きこえた。
桜 そう? 私には何も聞こえなかったけれど。
れもん 声の聞こえたドアに近づくけど。
DM なかから女の子の話声が聞こえますね。
れもん 内容はわかる?
DM ぼそぼそしゃべっているみたいで、はっきり分からないね。
大桃 じゃあ、今度はオレがあける?
れもん よろしく。(笑)
大桃 ドアに手をかける。
DM 君は片手に本を持って、暗がりの中に立っている自分に気がつく。
大桃 さっきの話を聞いているから、そんなに驚かない。
DM 本は見たことのない文字だけれど、なぜか君は内容を知っているね。
大桃 なに?
DM もちろん、「悪魔の召喚」だ。
そう、これは私の切り札。そして、最後の望み。
暗幕はすべて下ろしているので、部屋の明かりは床の魔方陣を囲む蝋燭の光だけだ。
儀式はこのうえなく順調だった。
あたりまえだ。血のにじむような努力をして、すべて最高のものをそろえたのだ。呪文書も、触媒も、そしていけにえも。
魔方陣の上には、少女が横たわっている。
彼女の顔はちょうど明かりの陰になって見えないが、私は呪文を唱えながら心の中で、礼をつぶやいた。
「ありがとう。あなたのおかげで、私の願いはかなえられるわ」
呪文が終わったとき、魔方陣から大きな闇が立ち上った。
私は、微笑みを浮かべた。いとしい人を迎える、娘を演じたときのように。
DM そこで大桃君はわれに帰る。
れもん どうしたの、モモちゃん、ボーっとして。
大桃 トリップした。(笑) みんなに見たことを話す。
桜 魔方陣に寝ていた女の子の顔はわからなかったんだよね。話は依然として分かりにく
いけれど、先に進みましょう。
DM では、例によって例のごとく直感チェック。
れもん ふぁ、ファンブル〜(笑)
DM では、れもんはどうしても我慢できなくなって、手近なドアに手をかける。
れもん げ。
DM 一瞬意識が遠のいた後、目を開くと、そこは校舎と校舎をつなぐ、渡り廊下が広がっていた。
西日を背に受けて、すこしはなれたところ彼女が立っている。クラスメイトの三田村望。
一度もカラーしたことのないに違いない黒い髪が、日の光を受けて金色に燃えていた。死に面したときの魂も、こんな色で輝くのかしら。
彼女は私の考えなど、思いもよらないのだろう。いつもの、ちょっとはにかんだような感じの笑いを浮かべた。
「ねぇ、なにか私に出来ることってないかな?」
口調は軽いが、瞳は真剣だった。
「なにかしてほしいこととかない? 私に出来ることだったら、なんでもするよ」
彼女は輝いている。人の輪の中で、いつも暖かさを発散していた。それに引き換え、私の中に広がる、このつめたいものはなんなのだろう。
無償の善意。そんなもの、もう信じない。誰も信じることなんて出来ない。
私は胸が冷えていくのに任せながら、いつしか彼女に微笑みかけていた。
そして、ひとつの願いを告げた。
DM ビジョンが消えても、れもんの胸には、苦い薬を飲んだ後のような、不快な余韻が広がる。1D6だけ、ダークの属性を増やしてください。
れもん (ころ)3点。「う、トリップした・・・」
大桃 れもんちゃんがなったのは、望ちゃん? 鈴ちゃん?
れもん 目の前に望ちゃんが立っていたから、おそらく鈴ちゃんだと思う。
晴信 立ち止まっているわけにはいかないな。先にすすもう。
DM (ころころ)では、ぐねぐねと曲がっている廊下を20分ほどいったところで、直感チェックをしてください。
晴信 う、また成功してしまった。また6Dふるのか?
DM いいえ、もういいです。廊下を歩いていると、晴信は自分がいつのまにか高層ビルの屋上に立っていることに気が付く。
晴信 こんどはドアもないのか。
DM 君の前には、先ほどビジョンで見た安東マイカが眉をつりあげて、立っている。
マイカ 「私が何をしたっていうのよ! 証拠でもあるの!?」
晴信 なんだ?
DM 君の意思に反して、君の体は、一言も言葉を発さないまま、足を前へと進めていくね。それに押されるように、マイカはビルの縁の方へとあとずさっていく。
晴信 あ、危ない。
DM 声は出ない。君は追い詰められたマイカの肩を力いっぱい握り締める。マイカは悲鳴をあげるね。それにかまわず、君の手は彼女をビルの端から押し出そうとする。マイカは体をのけぞらせて、必死に君の腕にしがみつこうとしてくる。
晴信 危ないって!! よせ!
DM では、精神力チェック。
晴信 イヤな予感が。(ころころ)こういうときに限って失敗。
DM では、君はなんなくマイカの腕を引き剥がすと、彼女の体を宙に放り出してしまう。
マイカは金切り声を上げながら、30階の高さから地上へと落ちていき、鈍い音とともに
悲鳴がなりやむ。
晴信 (その場にひざをつく)や、やってもうた。(放心)
DM D6の出た目の数だけ、ダークの属性を増やしてね。
晴信 (ころころ)3・・・。どんどん、属性値が増えてゆく。
桜 それも、ダークでカオス。
DM ひどいねぇ。(←だれのせいだ) そこで我に返っていいよ。手はまだわなないているけどね。
大桃 どうした、あっきー。汗びっしょりだぞ。
晴信 私がやりました。(一同爆笑)
れもん ついに人殺しを。(笑)
大桃 俺達はひょっとして、鈴ちゃんの記憶を、身をもって体験しているのか?
晴信 それは、みんな前前から思っていたぞ。
桜 なんども同じことを言うようだけれど、私達に出来ることは。
れもん 先に進むことだけ、だよね。
DM そのとおり。(ころころ)それから、十分も行かないうちに、廊下が唐突に終り、正面に壊れかけたドアが現れる。
桜 ようやく実験室ね。
大桃 あっきー、どっちが入るかじゃんけんで決めよう。
結局大桃が負け、ドアを開いた。
大桃 そおっとあける。
DM 部屋の中は薄暗い。事故でほとんどものがなくなってしまった教室の真中に、人が
倒れている。
大桃 知ってる人?
DM 三田村望さんですね。
大桃 では、仕方ないですね。かけよります。
晴信 仕方がないのか?
DM 大桃が近づいていくと、彼女は、はっとしたように目を覚まします。
望 「大桃さん!? ・・・あれ、私・・・?」
大桃 なんで、君ここにおるねん?
望 「そうだ、私、鈴子を追いかけて・・・(目を閉じて)皆さんも引き寄せられてしまったんですね」
晴信 「引き寄せられた」? 違うよ、俺達は来ざるを得ない状況になったから、来ただけだ。
望 ・・・。
晴信 もしかして、君も変な夢をみたんじゃないか?
望 「夢・・・」(口元を抑える)
大桃 それより、鈴ちゃんはどこやねん。
望 「鈴子は、この部屋の奥に・・・」
DM 実験室の奥には、準備室へと続くドアがあり、望はよろめきながら立ち上がると、そちらに近づいていこうとする。
大桃 とめるとめる。力チェック?(わくわく)
桜 やりたかったんでしょ?
大桃 だって、力は自信があるんだも〜ん。(といいつつダイスを振り)あ、失敗・・・
DM じゃあ、あっさり振り払われちゃいます。
大桃 なよなよ〜(へたりこむ)
晴信 「大桃、そこをどけ!」 彼女をひきとめようとします。
DM では、今度は間に合うかどうか、敏捷性でチェック。
晴信 またニガテなところを。(ころころ)成功!
DM では、大桃を飛び越えて、回り込むことに成功した。進路をふさがれて、望は、くっと喉を鳴らすね。
晴信 一人で動いちゃ危ない。きみは後ろにさがっていて。
望 「でも、私、鈴子を守らなきゃ」
晴信 どうしてだい?
望 (つかれたような口調で)「鈴子がさびしいとき、「望」は彼女のそばにいないといけない。鈴子が助けを求めているときは、すぐに駆けつけなければいけないの」
晴信 ・・・俺達も一緒に行くから。
望 ・・・・・。
桜 とりあえず、様子が変だから話を聞いてみたほうがいいわね。
晴信 ああ。(望に向かって)どうして、君は鈴子ちゃんのためにそんなにしてあげるの?
望 (きっぱりと)「それが、私がここにいる理由だから」
一同 ???
DM 晴信がきょとんとしていると、望は「ごめんなさい!」といって、君の脇をすり抜けて、準備室の中に飛び込んでいく。
晴信 うわ!?
桜 追いかけなきゃ!