SHIN-DigitalDevilStoryTRPG― "BIRTH"


ブレイク・スルー


DM  網膜を焼きつくさかばかりの強烈な光が部屋を飲み込み、太陽が目の前で爆発したような感覚の後、君達全員の頭の中に、一つの風景が像を結び始める。自己主張の激しい白日夢を、突然、見せられたような感じ。(自分で言ってて、よくわからないな)
   やだー、見たくないものだ。きっとぉ。
DM  ヴィジョンは不鮮明で分かりにくいが、大きな『水』が横たわっている気配がする。その『水』の傍らには、これまた異形の生き物たちが大勢集まっている。頭は魚で、体は人間の姿をしている連中だ。
一同  ふんふんふんふん。
DM  20体ばかりいる生き物たちの群れの中に、一人、普通の人間がいます。生き物たちは、その人物に向かってひれ伏している。その中心に立っている人物こそ、なにを隠そう、黄さんです。
   黄さん、おえらいさんになったんだぁ。
DM  君達の思考にイヒカの驚きを含んだ思念がわりこんでくる。『なんと! アズミたちを従え、第3の力場をも取り戻すとは! あの者もお主たちの仲間か?』
立花  「一応、そうだけど」
   「てことは、黄さんもどこかへ行っているのかな?」
立花  「イヒカさん、あの魚類とお知り合い?」
イヒカ 「アズミじゃよ。ワシと同じく水の性をもつ、遠い兄弟のようなものじゃ。第3の力場の預かっておったのはヤツらなのじゃ」
立花  「ふぅん。で、あれはどこだが分かる?」
イヒカ 「ヤツらの住み家は、おぬしたちが言う井の頭公園じゃ」
立花  「ほかの力場の場所は分かる?」
イヒカ 「しらんな。それに、探ろうにも、この町全体が尋常でない邪気に覆われておって、ワシのカンを鈍らせておる」
DM  預かっていた力を鏡に返したために、彼自身、かなり弱ってしまってるようだ。と、そのとき、ヴィジョンのなかのアズミの群れの向こうに、無気味な人影があらわれはじめます。共通性のまったくない集団で、男や、女や、中には警官や自衛官の制服を着ているものもいる。
   「黄さん、黄さん、あぶなーい!」
神崎  「ヤバいよ、黄さん!」
DM  放心したようにたちつくしていた黄が、気配を感じて振り返り、アズミたちもハッと起き上がる。その彼らに向かって、無気味な連中は取り囲むように押し寄せてくる。突然、銃器をもってるやつが、手にしたライフルを発砲した。
紫・神崎 「やめて!」「黄さん!」
DM  集団対集団の大乱戦だ。アズミたちはそれなりにレベルはあるけど、数の差は圧倒的に不利だ。ましてや、火力の差は言うまでもない。黄さんもトンファーをふるって薙ぎ倒しまくってるけど、やがて、次から次へと押し寄せる敵の波の中に姿が消える。というところで、‥‥立花さん。
立花  はい?(笑)
DM  もう分かってると思うけど、アズミと黄を襲って来た集団は、アンデッドだ。
一同  ふん。
DM  だから、当然、彼らはあちこち『いたんじゃってる』けど、そのなかに一人だけ、きれいな姿の人が交じっている。屍鬼の中にはボディコニアンみたいに元からキレイなやつらもいるけど、その人は男性で、ゾンビ軍の指揮を取っているふうだ。
立花  それで‥‥そのひと、あたしが見覚えあるわけ?
DM  指揮者の男の横顔は、半年前に死んだはずの、君の元恋人のものです。
立花  まてーっっ、ちょっとまてぇぇっ。(一同爆笑)
DM  その心の叫びを聞いたかのように、彼はこちらをふりかえる。そして、その薄い唇が笑みのかたちに歪んだとき、とうとつにヴィジョンは消失する。ブレーカーが落ちた、テレビみたいに。
立花  (しばし放心した後)「‥‥イヒカさんっ、ここから井の頭公園にいくには、どうしたらいいのっ!?」
イヒカ 「2本の足で歩いて行けば良い」
立花  「そんな悠長な方法じゃなくて! あなたの力で何とかするんだ!」
DM  むちゃな注文を。(笑)
立花  「紫ちゃん‥‥ここを出るわよ!」
   行くよぉ。「黄さーん」
イヒカ 「またれい」
立花  (ドスのきいた声で)「いいたいことがあるんだったら、さっさと言いな!」
イヒカ 「‥‥今、アズミたちの気が消えよった」
   ヤダ、「もうー!! これ以上、人死には厭ー!」
神崎  それには、同感。
真藤  走って出よう。
DM  でも、井戸の上りはかなりツラいぞ。だれもサバイバル技能とってないでしょ?かなり、時間をロスする。
立花  タクシー動いてないよね?
一同  ないないないない。(笑)
立花  走る。
DM  井戸の外では比呂が待ってる。
   「井の頭公園」って叫んでダァッシュ!
立花  その横を走り抜ける。(立花は足が速いのです)
DM  じゃあ、比呂ちゃんも続いて走りながら話す。(笑) 「私にも感じられました。離れた2つの場所で、ほとんど同時に力が蘇るのを。‥‥鏡を手放さないという考えは、変わりませんか?」
立花  そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。「とにかく行くのよ!」
比呂  「気をつけて。この町に充満している『屍』の気がさらに強まったようです」
   「アンデットだったもんね」(ぜいぜい)
比呂  「そうです。その鏡をもってるかぎり、いずれ戦わなければならない敵になるでしょう」(はあはあ)
DM  境内から車道に続く石段にさしかかったとき、車道から、けたたましいクラクションの音が鳴り響きます。
   ずざざざざっ、きいぃっ。(止まった音)
DM  石段の目の前に車が止まっている。クラクションは鳴りっぱなした。
立花  「邪魔すんな!」
DM  停車してるのはアーミーグリーンのトラックだよーん。君達が近付いて来ると、クラクションが止まって、運転席と助手席のドアから自衛隊の制服を着た男たちが降りて来る。
PCたち うわーっ、ゾンビアーミー。
DM  まだ知らないって。(笑) その自衛官らしい男は、君達に向かって、「おむかえにあがりました。主が待っております」と言って、トラックの後ろのドアを開く。
立花  『悪魔識別』‥‥失敗。
真藤  自衛官につかみかかる。「井の頭公園までつれていけ」(どっちが悪者だかわからんな)
自衛官 「それは私の任務ではありません」
真藤  なら横を擦り抜けて行こうとする。
DM  腕をつかんで、引き留められる。
立花  「広人、犠牲になりなさい」(一同爆笑)
真藤  こんなことをしている間にも、時間が。敵は銃を持ってたし‥‥ああっ、だめだだめだだめだ。
DM  井戸からでるのにも、かなり手間取ったろうしね。
立花  「‥‥広人、神崎くん、やっておしまい!」
真藤  「俺、切れかけだ」
立花  「こっちは、トウに切れまくってるわよ!」(笑)
DM  戦うのね。(こんなことになるとは)じゃあ、イニシアチブ。
   こっちだ。サイコファイアーだよーん。でも、発動は失敗した。
真藤  Aに攻撃。アタックナイフは16で発動した。
一同  発動してどうする。(笑)
DM  06で回避。
まりあ ピクシーを召喚したいんだけど。
DM  ウィッカの召喚術は単位時間がわかんないんだよな。ま、いいか。
まりあ (ころっ)成功。
立花  コボルト召喚。
DM  魔道はたしか、単位時間がきまってたよね。結構時間がかかるぞ。召喚できたときには、おそらく戦闘がおわってるだろう。
立花  じゃあ、いいや。『悪魔識別』のための集中。
神崎  近いBに攻撃。命中した。
DM  回避成功。Aはウロウロしている。Bは仲間をよぼうとして失敗。2ターン目もそちらからです。
   もっかいサイコファイア。今度は気合で発動成功。目標決定の知力チェックはクリティカルだぁ!
DM  特性値クリティカル表ふる? べつにふらんでも、いいけど。
   振る。73でーす。
DM  あまりに、うまくいったので、ハイ状態になる。ハイ・チャートを振って。
   64。
DM  『バッド・ハイ』になる。(一同爆笑)
神崎  さ‥‥最低。(笑)
立花  振らんかったらよかったのに。
DM  はいはい。バッド・ハイチャートの結果は、『頭をかきむしって騒ぐ』だから、MPを2D6へらして、さわいどいてね。で、ダメージは?
   11発。しかも、『炎上』の副効果付き。
DM  へ、そんなオマケがあるの? しらんかった。回避は‥‥おお、ファンブッとる。(笑) こいつは炎によわいうえに、パワーヒットでそのまま来ることになるから‥‥うーん、Aは消し炭だ。(笑)
真藤  紫のパワーで消し炭。
神崎  そのかわりバッド・ハイですが。(笑)
 実はプレイ中、マスターは特性値のクリティカルを、魔法発動のクリティカルと間違えて、本来の2倍のダメージをうけさせてしまっている。よくあるミスです。(こら)
神崎  アタックナイフでBに移動攻撃。でも、失敗。
まりあ ナイフは外れた。ピクシーの攻撃は命中。
DM  18で回避。
立花  『悪魔識別』、成功。
DM  威力は?
立花  えっと‥‥5プラス1で、6。
DM  じゃあ、わかんない。「知らない。こんなもの、見たことない。こんな悪魔なんかいないわ。普通の人間よ」とおもっちゃいます。
   腐った人間なんか、普通じゃなーい!!
神崎  02で当たってる。14点。
DM  ちょっぴり通った。こっちは、神崎に01であたり。19点。
神崎  回避は‥‥おおファンブルだ。
一同  またかー。(笑)
   『手の防具事故』だって。ライダーグラブがとれちゃった。それだけ。
 3ターン目、PCの先攻。紫は精神力チェックに成功して、バッドハイから回復、真藤はミス。まりあのナイフは回避され、ピクシーの攻撃は通らない。立花は何も出来ず、神崎に至ってはファンブルで武器事故を起こし、命運を消費する。
 4ターン目、紫のサイコファイアが命中し、ダメージは少ないものの、炎上させる。まりあのナイフは命中するものの通らず、ピクシーのジオは回避される。立花は『送還』に集中。神崎が僅かにダメージを与える。
 ここまで読んでて、勘のいい人は気がついたでしょうが、この2ターンの間、悪魔(DM)が行動してません。マヌケですね、ほんと。
DM  5ターン目。紫はディに集中ね。そういや、比呂ちゃんに、なにもさせてなかったな。次のターンから、なにかさせようか。
真藤  そろそろ、させて。それはともかく、01で命中。
DM  16で回避した。まりあのナイフも避けた。
まりあ ピクシーの攻撃もあたってるよー。9点。
DM  それは防御点以下だ。(笑) はい、おつぎの人。立花も集中か。
神崎  攻撃、成功だよ。
比呂  『遠当ての術』やります。加護30以下で成功だから、(ころっ)成功。18点のダメージです。
DM  回避は失敗。やっと、半分くらいに減ったかな。(笑) Bは、真藤に攻撃。命中している。
真藤  この人、回避はできないんだよなぁ。ほら、ファンブル。
   チャートの結果は『敵の攻撃がクリティカル』(笑)
DM  46発、プラス頭にヒットして、ハイになる。
   ハイ・チャートの結果は『至福の笑みを浮かべて動かなくなる』(笑)
真藤  「俺ってシアワセ」
立花  「こーいーつーわー!」

 この次の6ターン目もほとんど状況が変わらず、7ターン目に至っては敵に仲魔を呼ばれてしまい、PCの焦りとは裏腹に、戦いは本格的に泥沼の様相を呈してきた。立花が神崎と真藤の武器を『聖別』し、NPCの比呂まで虎の子の『破魔矢』を放つ。結局、全員が持てる力をだしきる総力戦となり、13ターン目、どうにか勝利を収めた。
立花  車はつかえるの?
DM  一応、動くよ。
真藤  「誰が運転するんだよ。俺はできるぞ」(笑)
立花  「やれ!」
DM  待てい。真藤は役得で『愛車』を取ってないし、一般鍛練の『運転(4輪)』なんか持ってないだろう。なら、器用さの修正なしでチェックだ。
真藤  (ころころ)44。
DM  あーあ。それは事故る。(笑)
一同  事故ぉ?
DM  視界が悪くて、ハンドルを切り損ねた。全員加護チェック。成功すれば、1D6のダメージ。失敗した人は、それに20ダメージを加算+気絶だ。
神崎・立花 成功。
   あたしも。比呂ちゃんなんか、クリティカルしてるー。
DM  加護チェック・クリティカルチャートを振るのを諦めるかわりに、誰かの失敗を成功に変えてもいいけど。(加護チェックのクリティカルはラッキーな事が起こる)
   誰か、助けたげる。(真藤を見て)おまえはだめだ。まりあを助ける。
まりあ やったー!「比呂ちゃん、ありがとー」
DM  当然、この車はもうつかえません。
立花・紫 とっとと降りて、走るー!
神崎  なんか、変な所でトラブッてばかりのような気がするんだが。(正解)
DM  車を降りるときに、座席にこの近辺の地図があるのに気が付く。地図のある一点に印が付いているんだけど‥‥立花、その場所は昔、君の恋人の家があった場所だ。
立花  「なぜ‥‥」(つかれはてた声)
DM  というとこで、みなさま、井の頭公園へごあんなーい。



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