紫 井の頭公園だよーん。
DM 公園の入り口は自衛隊によって封鎖されてます。
紫 はいれないんスかぁ? くそぉ、『クレヤヴォヤンス』(千里眼。高レベルのESP)が欲しーい。(笑)
真藤 じゃあ、自衛官につかみかかって聞く。
紫 まてまてまてーい!
DM 何を聞く?
真藤 「おっさん!」
自衛官 「オッサン?」
真藤 えーと、「おじ様」(笑)
DM 相手はひいてる。(笑) 「ここは立ち入り禁止区域だ。民間人は近寄らないように」
立花 「おじさん、ここでなにがあったの?」
DM 何があったのって‥‥。(前回のラストで言ったと思うが‥‥)
立花 「あたしの知り合いがここに行ったと聞いたんだけど」
自衛官 「この公園は、昨晩から封鎖中だから、人の出入りはない」
立花 「中に人はいないって事は、じゃあ、死んだってこと?」
DM さぁ。(笑)
立花 「ちょっと、中を見せて下さいー」
DM 難しいな、それは。よっぽど強力なコネがないと‥‥あ。
神崎 あるぞ、コネ。(笑)
全員の視線か立花に集中する。
立花 へ、あたし?(役得で『政府機関の特殊エージェントのコネ』を持っている)
DM ‥‥だが、かなり特殊な状況下だ。コネをつけられるかどうか、加護チェックをマイナス20のペナルティでやってもらおうか。(まだ余裕がある)
立花 (ころっ)いけた、01。
一同 おおーっ。
DM (ぎょへ〜、マジかぁ?)では、内閣調査室・第0課(超常現象担当・別名デビルバスターチーム。対悪魔討伐のスペシャリスト集団)に所属している、立花の知り合いがここに来ているということにしよう。(ヤケっぱち)
入り口の自衛官と入れろ、入れないの押し問答をくりかえしていた立花は、彼らの後でいそがしげに動き回っている隊員たちの中に、缶コーヒーを飲みながら、ぼさっと立っている中年の男を見つけた。
立花 「久我山さん!」
DM 彼は君に気付くと、びっくりした顔をして、近付いてくるね。
久我山 「立花ちゃんじゃないか、久し振りだなぁ」
久我山に会うのは、彼の同僚だった叔父の綾津 國何(あやつ くにか)の葬儀以来だった。缶コーヒーをうまそうにすすりながら、ひとなつこい笑みを浮かべた顔は、半年前と寸分の変わりも無い。同期の友人だが、キャリア組然とした叔父とは、正反対と言って良いほど、全然雰囲気が違う。
DM くわえタバコと、不精髭が絵になるタイプかな。日下のおやっさんを、若返らせたような感じの男性です。
立花 「久我山さん、ちょっといい?」
久我山 「うん?」
立花 (声を潜めて)「私‥‥國何さんを見たの」
久我山 (訝しそうな顔で)「國何だって? いきなり何を言いだすんだ。あいつは、半年前に死んだじゃないか」
デビルバスターだった叔父は死んだ。殺されたのだ。彼の敵である、『悪魔』の手にかかって。
紫 叔父さんに憧れて、同じような方面に進んだのか。
立花 「でも、見たの。久我山さん、見たの、見たの、見たのぉ!」子供に戻る。
久我山 「立花ちゃん、君は少し疲れてるようだ。たしかに君は、しっかりしているほうだけど、死んだ人間のことで、少し無理をし過ぎているんじゃないのか?」
立花 ちっがぁうぅー!(叫ぶ)「おじさん、怒るわよ!」
久我山 「怒るといわれても」(笑)
立花 (断固とした調子で)「でも、見たの」
久我山 「世の中、よく似た人だって、いるさ」
立花 「他人じゃない、夢の中で見たの!」(だだっこ)
真藤 後ろからツンツンとつつく。「この人に頼んで、おまえだけでも公園の中に入れてもらえないか?」
立花 「できる?」
久我山 「‥‥いいだろう。それで君の気が済むならね」
久我山は、怪訝な表情の自衛官に軽く手を振って、立花をバリケードの中に入れるように促した。久我山の後ろについて、霧に包まれた薄暗い公園内を歩いていると、一瞬、異世界に紛れこんだような錯覚に陥りそうになる。
DM 一番、人が集まっているのは、大きな池の周辺だね。立花は、井戸の中で見たヴィジョンに出て来た『水』が、きっとこれだと確信する。
立花 久我山さんは超常現象の専門家だから、ヴィジョンのことを言ってみよう。
DM 鏡や、イヒカのことも全部しゃべるの?
立花 夢の話として‥‥黄さんて人がアズミにひれ伏されてて、そこにゾンビたちがやってきて、そのゾンビたちの中に國何さんもいたという夢を見たと。
紫 奇麗だったと。
立花 ちがうわー!(笑)
紫 いや、だから國何さんはゾンビみたいじゃなかったってことだよ。
立花 ああ、そういうことか。(笑)
久我山 「(溜息をついて)國何は死んだ」
立花 「でも、あれは國何さんだった」
久我山 「‥‥。これは、あくまで噂だが、頑固な君を納得させるために言おうか」
立花 「なに、久我山さん」
久我山 「國何は、悪魔に殺されたんじゃなく、内部の‥‥0課の人間にヤられたんだって話がある。上層から、奴の抹消指令が出た気配があるらしい」
立花 「ええっ‥‥どうして?」
久我山 「分からない。噂だって言ったろ? だが、0課の人間が『標的』をしそんじることは、けしてない。仮に、それが同じ仲間だったとしても。君なら、よく知っているはずだろう」
一瞬、鋭い表情を浮かべた久我山の手の缶コーヒーが、ぐしゃりと握り潰された。
久我山 「とにかく奴は、既にこの世にいない人間だ」
立花 でも、ゾンビになったって可能性も、ないわけじゃない。
DM 腐ってなかったよ。(笑)
立花 腐ってなくてもゾンビは、ゾンビだ!
紫 君がその手で『送還』するのか?(笑)
立花 ‥‥ゾンビになってたら、私が送還する。(きっぱり)「で、ここの状況はどうなっているわけ?」
久我山 「どうもこうも。君が夢で見たと言うように、なんらかの戦闘が行われたという報告は入っている。証拠や痕跡は見当たらないがね」
立花 「ぜんぜん?」
久我山 「唯一、シンデレラがのこしてくれたガラスの靴が、これさ」
DM そう言って、緑色の粘液が底に溜まっている、小さなビンを見せてくれる。オカルトの知識をもっている立花は、それが生体マグネタイトの残滓だと気が付くよ。
立花 「久我山さんは、どうしてここに?」
久我山 「報告を受けた0課は、ここで悪魔同士の戦闘があったとにらんでいる。俺はその確認のために、引っ張り出されちまった」
立花 ここで、なにがあったのか、まではつかんでないのか。「政府エージェントのクセにー」
久我山 「俺はいわば、つかいっぱしりからな」
立花 「國何叔父さんの表向きの死因は、悪魔に殺されたってことになってるの?」
DM 「表向きには、仕事中の事故ということになっている」仲間のデビルバスターたちや、身内で唯一、叔父の真の素顔を知っていた君には、悪魔との交戦中に死んだと知らされていた。
立花 「叔父さんが死んだ悪魔との戦いの時、久我山さんは一緒じゃなかったの?」
久我山 「ああ‥‥。さあ、もういいだろう。亡くなった人を思うのは悪いことじゃないが、今を生きている君がいつまでも過去にとらわれているのは感心出来ない。少し周りを見回せば、外にもイキのいいのが、いろいろいたじゃないか」(笑)
立花 さぁ、誰のことかしら。
DM 久我山の視界の中には比呂も入っているかもしれないな。(笑)
久我山 「まあ、元気を出しなさい」ぽんぽんと肩をたたく。
立花 「ありがとう、久我山さん」公園を出る。
DM では、立花が疲れた顔をして帰って来る。
真藤 「どうだったぁ?」
紫 (急きこんで)「で、黄さんは?」
立花 「何もなかったわよ」
紫 「この後、どう行動すべきか‥‥」
神崎 「やはり、あの地図についていた印の場所か」
立花 「勿論。國何おじさんの家があった場所に行く」