真藤 出発する前に、どこか全員休憩出来る所はないかな?
立花 ちょっと休憩する? それとも、すぐ行く?
紫 行く。「黄さーん」
立花 地図の赤丸印のところ? それとも信明寺?
神崎 印のほうだろう。
立花 分かった。一応、信明寺のほうにも連絡を入れておこう。
紫 公衆電話を探す。あ、でも、電話番号聞いてないー。(笑)
立花 電話帳があるでしょ。『しんみょうじ』で、ひけばいいの。
DM ぷるるるる、ぷるるるるる、ガチャ。「もしもし、どちら様かな」住職が出る。
紫 「あ、住職さんでしょうか?」
住職 「いかにも。そういうお宅はどちら様ですかな?」
紫 「私、真駈と申しますけど‥‥かくかくしかじかで。黄さんが、黄さんが」
住職 「おお、学丈なら出掛けとるよ。何でも、公園の方角に妙な気を感じるとか言って、飛び出していきおったわ」
紫 「だからぁ、かくかくしかじかなんですけれどぉ」
住職 「いやー、あやつがそんな簡単にくたばりゃせんって。なにせ、わしの親友の息子じゃからな。カッカッカ」
紫 「それはそうだと思うけど、そう思いたいけど‥‥とにかく、帰ってないんですよね。えーと、じゃあ、もし帰って来たら‥‥」(みんなを振り返って)だれも、携帯電話なんかもってないよね?
DM もってない。
紫 「じゃあ、もしかえってきたら、ウチの家の留守電にでも入れて下さい」
住職 「るすでん? ふむ、るすでんをいれるんじゃな。ふむふむ」
神崎 駄目かもしれない、これは。(笑)
紫 「お願いします」お願いします、と言ってガチャーン。
立花 「ダッシュゥッ!」
DM ここから徒歩なら、急いでも30分以上かかる。
途中のアクシデントは起こらなかった。しかし、目的の場所は立花の記憶にあるものと、がらりと変貌していた。場所はたしかに叔父が生前に住んでいた屋敷があった場所だが、その家と隣3軒が併せてなくなっており、代わりに真新しい鉄筋コンクリートの二階建のビルが建っていた。
DM 入り口は両開きの曇りガラスのドアだ。電子ロックがついている。コンクリートのうちっぱなしの壁に、『綾津研究所』と刻まれたシルバープレートが嵌め込まれてる。
立花 「‥‥」(声を上げる気力もない)
紫 「立花さん、ここって知り合い? こんな、珍しい名字の人、あまりいないわよねぇ」
立花 「しらないよぉぉ‥‥」マスターのバカヤロー。(泣) インターホン、ある?
DM あるよ。
紫 ぴんぽーん。
DM 「どちらさまでしょうか」と女性の声が答えて来る。
紫 「えーっと、ここに綾津國何さんという方が住んでいたと思うんですけどぉ」
女性 「綾津國何は、この研究所の所長です」
一同 ‥‥‥‥。
立花 (クールな声で)「‥‥じゃあ、國何さんに会わせて下さい」
女性 「失礼ですが、お名前をどうぞ」
立花 「立花です。綾津立花」
女性 「少々お待ち下さい‥‥‥‥所長がお会いになられるそうです。中へどうぞ」
DM ロックがかちゃりと外れて、ドアが内側へ開く。
立花 入る。
DM 玄関のドアの向こうに、もうひとつ、自動ドアがある。自動ドアを抜けると、玄関ホールになっていて、正面に無人の受付がある。まぁ、マップを書こう。
立花 頭の中、混乱しまくっています。くぅぅ。竜ちゃんでも、くすぐってやる。
神崎 ひゃあ、こちょばい。(笑) 「いきなり、何をするんだぁ!」
立花 ほほほほ‥‥(そろそろヤバい) あーあ、久我山さん連れて来たら良かった。
DM 彼は勤務中だ。まきこまないように。(笑)
立花 大丈夫、あの性格なら仕事だって休める。
紫 むちゃくちゃ言うなよ。
神崎 まがりなりにも、おえらい方なんだろ?
DM みんながホールに入ると、ガシャンガシャンガシャンと入り口のシャッターが降りる。自動ドアも開かない。
神崎 もう慣れてるから、驚かない。(笑)
DM 入り口の右手に伸びる通路のつき当たりは、上り階段がある。右側は、ホールに面してドアの付いた大きめの部屋が二つ。それぞれ奥からミーティングルーム、コンピュータールームのプレートがかかっている。左には個室らしいドアがひとつある。
紫 移動する前に、真藤を回復する。クリティカルして32点回復。
真藤 おおっ、鼻血ふきふきだ。(笑)
立花 所長室は?
紫 そういうのは、普通、上でしょう。
真藤 ミーティングルームか‥‥。中に入ったら、ゾンビがズラーッといて、こっちを振り向くとかだったら、ヤだな。
立花 しゃあない。上に行きます。
他のPC え?
神崎 すごくコンピュータールームに惹かれたのに。(笑)
立花 いいよ。どうせ、死んでるんだし。(やけになってる)
紫 コンピュータールームに行くー。
DM ドアを開けると、ずらっとモニターが並んでいます。
神崎 うずうず。(笑)
紫 さわってみる?(笑)
DM そのとき、突然、機械が動き始める。びびびびびっ。
紫 「きゃー。あたし、ドロボウじゃないもん!」
DM 警報装置じゃない。(笑) 奥のほうのモニターの一台に突然電源が入る。カーソルが忙しく動いて、なにか文章を書いている。
神崎 読む。
DM 『メールがとどいてます』と打ってある。
紫 開封できるかな? あ、コードがいるか。
DM 読むなら、『ハッキング』だ。
神崎 13%以下を出せと。(笑) 4MPを消費して、4回集中します。
一同 がんばってねー。(笑)
神崎がパソコンと睨み合っている間の時間を利用して、ほかの人間たちは休憩することになった。(笑)
神崎 (一時間後)振るよーん、05。集中やらんでよかった。(一同爆笑)
DM 『ファイルを解凍しますか? Y/N』
DM そうだね。神崎は直感チェック。
神崎 (ころっ)ダメだ、なにも気付かない。やってしまう。
DM 画面にノイズが走り、水面のように揺らめいた。悪魔召喚プログラムが起動し、悪魔がランダム召喚される。神崎は6面ダイスを振って。
神崎 2だ。
DM ならば、神崎の目の前に、ぼんやりした金色の光をはなつ、大きな目玉の姿をした悪魔が出現した。イニシアチブはこちらが取ったが、行動は『様子を見る』。(笑)
神崎 アナライズします。成功。
DM レベル4、天使ウォッチャー。天使の使いとされる悪魔。(?)で、直接攻撃よりも、魔法能力にすぐれている。これは、もしかすると会話戦闘に突入か?(笑)
神崎 何をすれば良いのか分からないー。そういや、まりあは?
紫 ずっと前から、寝てる。(笑)
神崎 はぁ。とにかく話しかける「君は、一体?」
DM じゃあ、魅力度でチェック。
神崎 16。久々に成功してる。(笑)
天使 『我は、天使ウォッチャー。御使いたちの瞳にして、世を見守るもの』
立花 「仲魔になってもらえー」(笑)
神崎 「そ、そんなこと、イキナリ言われても」(おろおろ)「誰からここに送られてきたのですか?」
ウォッチャー 『我にも分からぬ。いにしえよりの契約とは異なる、奇妙であらがうことができぬ力によって、人間界に召喚された』
紫 ということは、別にコンピューター技能者がいて、そいつがここに送り付けて来たのか。
神崎 (イニシアチブをとった)うーん(悩)、とりあえずは武器をおこうかな。魅力チェックは成功。
神崎がベルトに差し込んだアタックナイフを取り外し、模造刀と一緒に床に降ろした。天使と名乗る存在は、自分から両手を空にした目の前の人間に襲いかかる事もなく、その様子を穏やかにみつめている。
ウォッチャー 『地上は、混乱と破壊の気に満ちている。不思議の技をもつ人の子よ、汝、この汚れた世に、いかなる道を示すつもりか?』
神崎 「混乱と、破壊か‥‥やっぱり、それは正すべきなんだろう」
ウォッチャー 『いかようにして?』
神崎 (しばらく考えた後)「分からない」
ウォッチャー 『‥‥』
神崎 「確かに、あなたの言うとおり、世界は混乱しているかもしれない。だけど俺は、混乱が、世界のすべてを支配してると、思わない。とりあえず、今、何が起こっているのか、事実を見極めたいんだ」
ウォッチャー 『迷いの中に生きるも、人の宿命。‥‥法の秩序に価値を見いだすものよ。我に何を望む?』
神崎 「あなたの助力を。俺たちとともに戦ってくれないだろうか」
慈愛と英知をたたえた巨大な瞳が、答えを待つ神崎をみつめ、冬の星のように瞬いた。
ウォッチャー 『汝の気高き魂は、守護に値する。我は天使ウォッチャー。貴方を主と定め、貴方が混沌と破壊の暗闇を進むとき、真実を照らす灯(ともしび)となりましょう‥‥』
敵の罠を逆に利用して戦力を増強した神崎は、コンピューターを操作して、このファイルを送ってきたのが、研究所の2Fの院長室からであることを突き止めた。ちょうどそのころ、休憩していた外のメンバーも目を覚ました。
神崎 (ぜいぜい)MPが、もうないぞ。
立花 竜ちゃん、魔法使わないから大丈夫よ。(ほかの一同も頷く)
神崎 なにか、納得出来ないものを感じる。(笑)
真藤 ともかく、こんなことをしてくるくらいだから、こちらの行動は手とり足とり監視されているんだろうなぁ。
紫 試されてるってこと?
立花 (迷いのない声で)「2階へ行こう」
神崎 「外の部屋は回らないのか?」
立花 (ゆっくりと首を横に振る)「いらない」
神崎 「分かった。立花に従おう」