SHIN-DigitalDevilStoryTRPG― "BIRTH"
賽は投げられた
DM がらんとした部屋だ。
真藤 全体にどんな感じ?
DM 階段とエレベーターとトイレは、外の階と変わらない。あとは、な−んもない。
まりあ 暗いの? 《持続光》はないかね、《持続光》は。
DM ないって。ウイル・オ・ウイスプ呼べ。
真藤 「俺、ペンライト持ってる」
立花 「返せ」
DM 部屋の真ん中に、人が一人倒れている。部屋中が血の海だ。
立花 ど、どんな人?(焦)
DM 髪の長い女だ。よく見ると、手に鉤爪があって、尻尾が生えている。
立花 ネコマタだ。どんな尻尾?
DM 襟巻にしたら具合の良さそうな、ふさふさした茶色の尻尾だよ。
立花 お狐さまだったのか。
紫 「大丈夫ですか?」
DM 女の人は、もう蒼白になった顔を君のほうに向けて、血まみれの手を差し延べる。
女 「‥‥‥‥あんた‥‥は、後継者、だね? ああ‥‥良かった。このまま、死んじまったら‥‥どうなるかと、思ったよ‥‥」
紫 《ディ》、かけよっか?
DM 傷は相当深そうだ。
女 「試練を‥‥受けさせてる、暇はない。力を返す‥‥受けとって、おくれ」
DM 彼女が差し延べた手が、ぽう‥っと光った。すると、それに応えるように、君の持っている地の鏡が輝きはじめた。光はふわりと広がって、やさしく君達を包みこむ。‥‥生命力が全回復したよ。疲労は半分だけ治る。わずかにもちあげられていた女の腕が、がくりと地面に落ちた。急速に生体マグネタイトを失ったようだ。
紫 でも、一応、《ディ》かける。3点くらい。
DM かけてくれてもいいが、もうこときれてる。
神崎 「どこかへ運んで埋めるとか、した方がいいのかな」
紫 「うん、お願い」
DM そう君達が話していると、鏡が突然、強烈な輝きをはなつ。目も呟むような白い光の中から‥‥君達に呼びかけるような、かすかな声が聞こえてくる。
立花 ‥‥どんな声。(もはや、声が死んでる)
DM 知力判定をどうぞ。全員成功? うん、立花さんには、聞き覚えのある声だね。
立花 どうせ、わかるよな。ぐすぐす。鏡握りしめる。
DM それと、女の人は部屋の中央に倒れてて、その周りにおっきく血だまりができてるんだけど、血のしたたった跡が、転々と階段の下の方に降りていってる。
立花 で、声は何て?
DM 呼びかける意思は感じ取れるけど、はっきり何を言っているのかまでは分からない。
真藤 鏡に、風景とか写ってる?
DM ううん。光ってるだけ。直視すると目をやられるよ。
立花 ‥‥階段、降りよっか。
真藤 4階からてくてく。あ、鏡に『國何おじさーん』って叫んでみたら? 向こうに聞こえるかもよ。
立花 なら、叫んでみよっか?
真藤 それで、応えるような声は聞こえた?
DM ‥‥(少し悩んで、ころころ)しばらくして聞こえる‥‥かな。
真藤 向こうに、通じてはいるんだ。だけど、こっちが聞き取れないんじゃ、しょうがないよな。
立花 どこにいるの〜、どこにいるのぉ〜?(泣)
DM 下まで降りるんだな。では階段を下りていると、どこからか銃声が響き渡った。
神崎 また銃か。
立花 下りて行ったら、普通の階なの?
DM 普通に3階に着く。
真藤 血の跡は?
DM 下まで、ぱたぱたと続いてるよ。
紫 追いかけてみようよ。
DM 血の跡は、だんだん、とぎれがちになる。
まりあ 〈追跡〉かな?
DM そうだね。〈追跡〉技能のある人。
真藤 あります。11レベルなんだけど(ころころ)あ、マイナス1でいけた。
DM 血痕が、とぎれとぎれに残っているのを見つけた。
真藤 「〈追跡〉するということは、一番先頭だね、俺が」
まりあ 「うん。頑張ってね」
神崎 それに続く。
真藤 くんくん、こっちこっち。きゅんきゅん。
DM なんか犬だな。(笑)
紫 「さあ、おいき」ぴしぴし。
真藤 「なんかゆかりちゃん、やっぱり今日はへん。人が変わったみたいだ」
神崎 「人が変わってるんだよ」(笑)(まさしく、その通りだな)
DM そうやっていると、不気味なほどに静まりかえっている街に、また銃声が響き渡る。
真藤 銃声は、どっちの方角から聞こえてくるんだ?
DM どこからか分かるかどうかは、知力判定で推測するように。
神崎 マイナス5成功。
紫 マイナス10。
立花 マイナス7。
DM マイナス5以上成功した人には、だいたいの方向は分かるな。もう外は結構暗いけど、血痕が続いている方角のような気がする。
立花 血痕って、井の頭公園の方?
DM いや、南じゃない。東の方。
真藤 血痕を〈追跡〉して、「こっちだわんわん」
神崎 「広人‥‥堕ちたな」
真藤 「神崎さん、代わってくれますかぁー?」(涙)
神崎 「俺、〈追跡〉なんかできないよ」
紫 「早く」
真藤 「このパーティ、ひどい。俺、このバイトやめて早く品川帰って普通の生活したい」(泣)
神崎 「同感」
DM 神崎は吉祥寺の住人なんだろ、どこに帰るつもりだ。ずっと血痕を追っていくと‥‥なんか、見覚えのある所に出た。
真藤 あのー、プレートとか掛かってませんか?
DM うん、なんたら研究所(正確には『綾津研究所』)とか書いてあるねえ。(笑)
真藤 はっはっはっは。(笑)立花さんの目付きが、ほんとーにこわい。
DM また、銃声がだんだんだん、と響く。もう、はっきり分かるだろうが、目の前の建物の中からだ。
立花 広人を押しのけて、入る。
神崎 「ちょっと立花、待った。先走りすぎるな」
立花 「神崎くん、止めるんだったらナイフで刺すわよ」
真藤 「というわけで神崎さん、先に行かせてあげましょう。レディファースト」
神崎 「しかし、このまま走って行かれても‥‥」
DM ドアは開いている。
真藤 「入りまーす」
紫 「入ろう、立花」
立花 走っていく。
神崎 コンピュータールームがあったことくらいしか、覚えてないな。
真藤 血痕は、この中にもある?
DM 知りたいのなら、捜してくれたまえ。
真藤 〈追跡〉か?(ころころ)いけた。
DM じゃあほんのちょっとだけど、見付けた。
真藤 血は、どこに?
DM こっち(会議室)のほうへ、てんてんてん。
真藤 立花ちゃんに聞いてみよう。「血痕の方へ行く?」
立花 「行く」
真藤 「決定権、どうしましょう。血痕にするかどうか」
まりあ 「え、結婚してくれるって、竜ちゃん?」(笑)
神崎 「誰が。一言も言ってないぞ、そんなこと」
まりあ 「お約束のボケよ」
紫 「行こうか、立花」
真藤 ドアの前まで来ました。ドアを調べてみたい。鍵がかかってるかどうか。
DM がちゃがちゃやれば、分かるよ。かかっている。
真藤 〈鍵開け〉。ほとんどどろぼーさん。(ころころ)がちゃがちゃ、ぴーん。
DM 開いたよ。
紫 「空き巣で食っていけるわよ、広人」さ、行きましょ。
DM また、だーん。銃声がする。
神崎 中で?
DM うむ。
真藤 ばーん。はい、開けました。
DM 男が、床に一人、うつぶせに倒れている。そして、もう一人、倒れている男の背のほうに拳銃の銃口を向けて、立っている男がいる。
立花 顔は、顔。
DM そりゃ〜、君の知ってる顔だよ。
立花 だからぁ、どっちが!
DM (冷たく)両方。
神崎 ‥‥うーん、よく分かった。
立花 ‥‥‥‥‥‥‥‥。
まりあ あたしが、駅前で見た男の人はいますか。
DM 知力判定で思い出して下さい。
まりあ “記憶力”がないんだな、これが。(いっころ)思い出せた。マイナス5成功。
DM 立っている方は、服装なんかからして、君が駅前で見た男のようだ。
神崎 倒れてる方は?
DM 倒れてる方は、君達は‥‥‥‥ちらっと見たことがある、か。
紫 あははははは。(乾いた笑い)
立花 え、どっちもおんなじ顔?
DM んなわけないだろーが。(笑) よっぽど混乱してるな。
真藤 待って。どっちか、『俺』が見たことある顔?
DM 今、ニュートラルか。きみは、立っている方しか見たことがない。
立花 あたしは、両方とも見たことがあるの? ええ〜、どっちがどっちなんだぁ〜?(パニック)
まりあ 君のラバーはどっちだ。
紫 ラバーが倒れてるんだ。ゾンビや、倒れてるのが!(一同爆笑)
真藤 あ、分かった。立ってる方が見たことあるってことは、寝てる方が、
まりあ ラバーだ。(笑)
真藤 胸から血が、どくどくどく。
DM 血、出てないよ。穴開いてるだけ。撃たれた所から、まだ、硝煙がたちのぽっている。
真藤 げえー、気持ち悪い。
DM 寝てる方はもう分かったよな。立っているのは、勿論‥‥久我山さんだ。久我山さんは、静かに、こうつぶやく。
久我山 「やっぱり、来ちまったのか。立花ちゃん‥‥」
立花 「‥‥何やってるのよ、あなた!?」
紫 「デビルをバスターしてるんじゃ」
まりあ 静観モード。竜ちゃんの後ろにかくれてる。
真藤 もう、(状況が)分からないから、見てるしかない。
神崎 うん。どうしようもないな。
真藤 「久我山さん、この人誰ですか?」
久我山 真藤の方を見て、「話に聞いたことはないかな。これが立花ちゃんの叔父で‥‥そして立花ちゃんの恋人だった、綾津國何さ」
まりあ 「3親等ってのは、結婚できないんだよね〜」
立花 叔父さんはどうしてるの?
DM 倒れたまんま。目は閉じてる。
まりあ 「パパぁ〜んが倒れてるわけなのね」
真藤 「‥‥‥もう『パパぁ〜ん』はやめろよぉ〜」(一同爆笑)
神崎 「まりあちゃん‥‥」
紫 「り、立花、しっかり」(友情モード)
久我山 「君が井の頭公園に現れた時から、もしかしたらこうなるんじゃないかと思っていたよ‥‥」
立花 「だから、何がどうなってるのか、さっさと説明しなさい!國何さんを撃ったのは何故なの?」
DM ちなみに久我山さんは、脇腹がざっくり裂けてて、そこを左手で押さえている。かなり出血しているようだ。
立花 「だから、さっさと説明しなさいってば!」
久我山 「何と言えば、いいんだろうなあ」(悩)
立花 「悩むなああああ!!」
紫 「久我山さんは、この人がアンデッドだって知ってたんですか?」
久我山 「ああ、知っていたよ。‥‥こいつを殺したのは俺だから」
紫 やっぱり分かってたか。
神崎 今まで、何人か撃ったのか? 銃声が何度も聞こえたけど。
DM 國何さん一人だけ。背中、6つ穴空いてるよ。
真藤 久我山さんひっぱって聞くけど、「こいつは、どうして殺されなきゃいけなかったんですか?」
立花 「こいつ?」(睨む)
真藤 立花ちゃんが怖い。(笑)「このおかた」(笑)
久我山 「それは‥‥君達が、俺の主に忠誠を誓うというならば、なにもかも教えても構わないが、そうはいかないんだろう?」と言って、紫さんの方をちらっと。
紫 「主って、あなた、一体誰に仕えてるの?」
久我山 「それも、言えないな」
立花 「それより、どうして叔父さんを殺したのか、それを教えて」
久我山 「こいつは知ってはならないことを知ってしまったからね、仕方がなかったのさ」
まりあ 「人に仕えるなんての、好きじゃないのよねー」
立花 「おじさんを殺した奴になんか、仕えたりしない!」
真藤 じりじりと、國何さんの方に近付いていきます。
久我山 銃を真藤の胸にマークして、「動くな」。
真藤 ぴたっ。
神崎 一発くらいなら、当たっても死なないか。(この銃はS&WM29扱い。ダメージは叩きで3Dである‥‥ダイス運が悪けりゃ、死ぬ可能性はあるな)
紫 「いっちゃえ、いっちゃえ」
立花 「広人、いきなさい」
真藤 「え〜〜〜〜っ」
立花 「いーきーなーさーいー」
久我山 倒れてる國何にちょっと視線を落として、「こいつは、いくら撃たれてもそう簡単には死んだりしないが、君なら死ぬかもしれないよ」
まりあ 死ぬかもしれないし、死なないかもしれない。
神崎 大丈夫、フルオート射撃食らっても死んでないんだから。(笑)
真藤 緊張状態に、おちいらないかな。ないよな、うん。
まりあ なりそうな気がするぞ。
DM なりそうだよな、うん。では、人格交替判定をどうぞ。
真藤 大丈夫だと思うけど(ころころ)はっはっはっは、ファンブルで失敗。
まりあ 1・2・3がライトで、4・5・6がダーク。あ、ダークじゃ〜。
神崎 さらに状況は悪化。広人を押さえよう。
久我山 「君達は、その鏡の、本当の事実を知っているかい?」
紫 「分かるわけないわね」
久我山 「もし、君達が、その鏡の力を全て集めてしまったら‥‥どんなことが起こるか、それが分かるだろうか」
一同 「分からない」
立花 「鏡なんかどうでもいい」
久我山 「‥‥君達は、我々にとって、もう危険な存在になってしまったのさ」
まりあ 「なってしまったんなら、仕方がないわねー」
立花 「我々って?」
久我山 「それは」
まりあ 「秘密です」(一同爆笑)
一同 『まりあぁ〜〜〜』
DM やはり、最後まで、おちゃらけてしまうなぁ。
真藤 もう、口押さえとこうかなぁ、この人。
神崎 「頼むからまりあちゃん、しゃべらないでよ」
真藤 「それは?」
久我山 (しばらく沈黙して)「‥‥東の王‥‥と言えば、分かるかもしれないが」
立花 知力チェックしていい?
DM 君は知力チェックじゃない。〈神秘学〉で判定するのだ。自分も知りたいという人は、技能なし値で判定してくれ。判定値は〈知力マイナス6〉。
立花 (ころりん)いけた。
神崎 やるだけやってみようかな。
真藤 〈知力マイナス6〉う〜? 全然ムリだ。ファンブルしてる。
DM じぇんじぇん分からない。それって救世主(メシア)のことかな、とか思っちゃう。(笑)
紫 エルサレム東だしね。
まりあ 成功してるんだけど。
DM じゃあ、何かで聞いたことがあったのかな?『東の王』というのは、カナアンの豊饒神である、バールのことだ。
真藤 バールね。ベルゼブブとかバエル‥‥あーもー、どっちでもいいや。ダークでカオスな人だ。
神崎 イヤな奴だな。
紫 「私達には、関係ないわ」
立花 「それがどうしたっていうの。でも何で、久我山さんがそんな‥‥」
久我山 「それはまあ、『運命』とでも言っておこうか」
まりあ だ・だ・だ・だーん(それはベートーベン)。
真藤 おーい、『運命』はいいけど、國何さんを殺られた怒りがおさまってしまってるぞ。
立花 おさまってないわよ。いい加減殺したいんだけど、聞くことだけ聞いとかないとと思って。
紫 「けど、あんまり戦いたくないよね」
まりあ 「人じゃないものならいいけど、人殺すのはやだね」
紫 「うーん、何か妥協策ない? 見なかったことにするとか」(笑)
立花 「いーや」
真藤 「‥‥ということは、まさかと思うけど、見てしまった以上はもう君達をここから帰すわけにはいかないよという状況なのか?」(今頃理解したのか)
まりあ 「だってここまでぺラぺラしゃべっといて、はいさようならって帰してしてくれるわけないでしょ」
真藤 「あ〜」(泣)耳栓しとけばよかった。
立花 久我山さんとの話を中断して、國何さんの方を向きます。
DM 近付くの? 久我山さんは君に銃口を向けるが。
立花 う〜。
紫 「あのさ、そのぷすぷす(←國何)、生きてる?」(笑)
神崎 「生きてんじゃないの?」
紫 「立花もそれもらったら納得するだろ」
立花 「そうそう‥‥って、ちっが〜う。ほんとにちゃんと生きてるんなら納得するけど」
DM もう、これだけ傷んでたら、体も使い物にならんだろう。
立花 「で、どうする?」
紫 「それは、君に言いたいんだ」
D真藤 久我山さんに、「・・・・・・お前についたら、どういう利益がある?」
まりあ 「ここで殺されない」
紫 「それは当たってるな」
神崎 「でも、使い捨てだろう」
真藤 「『人殺し放題』って言われたら、多分ホイホイそっちついちゃうからな」
久我山 「俺の理想は、そうじゃない」
真藤 「俺の意見と違うなら・・・・・・消えて貰う」
久我山 「そうだね。俺と君達の『運命』はもう、交錯してしまった・もはや、ここから引き返すことはできない」拳銃をぽーいと床に投げる。
神崎 え? ほんとに放るのか?
DM 放ったよ。ちなみにその拳銃は、シリンダー式だ。今まで、何発撃ってたかな?
真藤 6発。
DM つまり、空、というわけ。
紫 だまされてたんだ。
DM そして、腰の短剣をすらっと引き抜く。二刀流だ。
久我山 「我々には、もうその『地の鏡』は必要ない。鏡は1枚だけで充分だ。‥‥立花ちゃん、君も、死んだ男のことなんか、さっさと忘れてしまえば良かったのに。忘れて‥‥平凡な人生を生きることを選んでいれば、俺の主の前にたちふさがるようなことをしなければ、俺も‥‥君を、殺さずにすんだ」
立花 「國何さんを殺したことは、何事にも代えがたいわ! あなたを、殺す!」