EXシリーズ第1話です。
第1話『約束の続き。』
あの年越しから約4か月が経とうとしています。
こんにちは、私は愛田めぐみです。
橘さんが私のおでこにくれたプレゼント。そして・・・約束は
今でも、心に残っています。
結局、橘さんは3が日が明けると共にまた東京に帰って行き
ました。
でも、仕方がありませんよね。本州の方では冬休みがものすごく
短くて、7日辺りから新学期というのが当たり前ですから。
で、これまでの間に私にあった事というと、あれだけ心配
していた地元の高校に見事合格することが出来ました。
結果が出るまでは、ものすごく不安だったけど、掲示板に
私の受験番号が載っていた時には、うれしくてその場で大きな
ジャンプをしてしまいました。
でも、一緒に来ていた美穂ちゃんやちはるちゃんは、さすがに
私の姿を見て引いていました。
だってそうですよね。いきなりみんなの前で大きなジャンプを
したら誰だってびっくりしますよね。
ちなみにこの事を橘さんに話したら、大笑いされてしまい
ました。
で、今日はその高校の入学式のある日なんです。
もう、朝からお父さんもお母さんも大急がしで支度をして
います。
『おい、里子。カメラの準備は出来てるだろうな?』
『ええ、昨日の内にバッテリーもテープも準備していますよ。』
一番あわててるのは、案外お父さんかも知れません。
『にゃぁ〜』
クロちゃんも、この雰囲気を見てソワソワしているようです。
『ねぇ、クロちゃん。私、今日から高校生になるんだよ。』
『にゃぁ〜っ』
言葉は通じないけど、なんだかクロちゃんも嬉しそうでした。
『それにしても・・・やっぱりこの制服。少し大きかった
かしら?』
『いいじゃないか?これからまだ成長するかもしれないし。』
お父さんとお母さんが話している様に、ただ一つの問題点は
この高校の制服が少しだけですが大きいのです。
スカートは丈を詰めればいい話なんですが・・・
上着は手の平に少し掛かってしまう程大きいんです。
『よし。行こう!』
『あら、あなた。入学式まではまだ1時間以上ありますわ。』
『そうじゃないんだ。この牧場の玄関で記念写真を一枚撮ろう
と思うんだ。』
『そうだったの。』
私は、またお父さんに言ってみた。
『ねぇ、お父さん・・・。』
『なんだ?めぐみ。』
『その写真撮ったら、また橘さんに送ろうと思うんだけど』
『ああ、心配する事はないさ。ちゃんと考えてるよ。』
『ほんと?じゃぁいいよ。』
私は安心しました。橘さんにもこの制服姿を見せたかったん
です。橘さん、気に入ってくれるかな?
私達は、家を出て、牧場の入り口の所で記念写真を撮る事に
しました。
『いいか?撮るぞ!!』
お父さんがカメラのファインダー越しに言っています。
『いいよ!!』
そして、セルフタイマーのシャッターが押されてお父さんが
こちらに走ってきます。
しかし・・・
『あぶない!!』
お父さんが走ってくる途中に転びそうになったんです。
みんながあわててる間に・・・・
カチャ!
と、音がなってしまいました。この写真・・・現像された時に
どの様になって写ってるか心配です。
結局、もう一枚写す事になって、今度はちゃんと写せました。
その他にも、私だけ写したものや、お父さんお母さんを写した
もの、大きくなった里沙ちゃんの写真等いろいろあります。
(さすがに、クロちゃん達をダッコした写真を撮ろうとした時
には、折角の制服が毛だらけになっちゃうという事でダメって
言われてしまいました。)
結局、そこの場所だけでフイルムを1本使ってしまいました。
その後は、お父さんの車に乗ってこれから3年間通う高校に
向かいました。
もちろん、校門の前でも1枚写しました。
でも、やっぱり入学式は緊張します。
いろいろな事があったけど、『ああ、これから私も高校生なんだ
からしっかりしないとね。』って思いました。
で、後から聞いた話なんですけど・・・式の時にお父さんが
感動して泣いていたらしいんです。お母さんの話では『ふっ』と
横を見たらお父さんが静かにですが涙を浮かべてたんだって。
なんか、お父さんってかわいいって思っちゃいました。
でも・・・これで私がお嫁さんに行っちゃう時はお父さんは
どうなっちゃうんだろうって、少しだけ考えてしまいました。
数日後。写真が出来て来ました。
問題のあの写真は・・・みんなびっくりした顔で写ってました。
さすがにこの写真は橘さんに送れないので家族でちゃんと写って
いる写真と私が制服を来た写真を送る事にしました。
それから更に数日後に橘さんから電話があって
『すごくかわいいよ。』って誉めてくれたんですよ。
私も、受話器の向こうから言ってくれた言葉にうれしくなって
しまいました。
でも、今度は橘さんの方が大学の受験という事で大変だと
思います。
こんな遠い距離があるけど、橘さんの受験も成功するように
祈っていたいと思います。もちろん、あの日から始まった
恋も一緒に・・・
第1話 おしまい。

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