FMNEXシリーズ第11話です。
どうぞ!!
第15話「夏・・・始まりし頃・・・」
こうして、あの夏の次の夏が始まりました。
そして、今日。再びあの場所を訪ねてみたいと思います。
その場所は・・・・「ファーム富田」さん・・・・
夏の間だけ動く汽車、「ノロッコ号」に乗ってあの駅に
着きました。
夏だけの汽車・・・・・夏だけの駅・・・・・
そして・・・・夏の思い出・・・・・
全てのものに、夏・・・・そして、あの時の思い出が・・・・
ホームに着くと、どこからか匂い立つラベンダーの香り
それは、この場所から始まった富良野の香りなのです。
話せば長くなるけど、富良野とラベンダーはここから
始まりました・・・・
ホームから歩くともうすぐ・・・この前は橘さんとバスで
出掛けたけど・・・・今回は一人・・・あの場所に歩いて
行きます。
「うわぁ〜もういろいろ咲いているのね。」
着いたその場所には数々の紫色の花が咲いています。
観光シーズンも始まり辺りには、いろいろな観光客の人達が
います。
「あ〜ぁ、こんな事ならカメラ持ってこえば良かったなぁ〜。」
私は少しだけ後悔をしていました。
この風景をカメラで写して橘さんにも見せてあげたかった。
でもそれも心だけのもの・・・・・
実際、お土産屋さんで売ってるオートマチックのカメラで
この風景の素晴らしさそのものを写して橘さんに送っても
それはただの情景を伝えただけにすぎません。
でも、本格的なカメラは使いこなせませんし・・・・・
結局、写真は取らないでこの胸に出来るだけの素晴らしさと
感情を詰め込んで橘さんに話したいと思います。
「あの〜っ・・・・」
「はい、なんでしょう?」
「写真・・・・お願いできますか?」
「ええ、いいですよ。」
1組のカップルが写真撮影のお願いにきました。
「はい、いいですかぁ〜行きまぁ〜す。」
カシャ!!
私は、紫色が映えるラベンダーをバックに2人の
写真を写しました。
「ありがとうございます。」
「いいえ、旅行ですか?」
「ええ、九州の方から来たんですけど。」
「九州ですか?それは、遠いですね。」
「ええ、でもここは本当に風景がいいですね。」
「そうですね。私の住んでいる美瑛の方も本当に
良い風景ですよ。」
「美瑛は明日行くので、その話を聞いて本当に
待ちどおしくなりました。」
「ええ、是非来てくださいね。」
最後に、ちゃっかり住んでいる美瑛の宣伝もしたりして・・・・
でも、本当に美瑛の見渡す丘の風景は素敵です。
人によっては人生観を変えてしまうようなそんな
風景です。
私もその1人かも知れません。普段は、丘陵が多くて
歩いたりするのも大変ですけど、晴れた日に見る美瑛の
風景は、本当につつみ込まれる様なそんな気さえします。
それに、東京にいてアトピーに悩まされていた時からすると、
美瑛の町に来て、あの丘の風景を見て育って、ここまで
元気になれたし・・・・・
「写真・・・・かぁ・・・・・」
写真で、ふと思い出しました。
1年前に来た時。橘さんが私の写真を写してくれたんですが
その時は、おじさんのカツラをつかんじゃって、あわてて逃げて
結局、2人の写真を撮る事が出来なかったんです。
今考えると、それが残念でした。
でも・・・・考えると、もう一度来てみたいというチャンスが
出来たんですよね。
「済みませ〜ん。ラベンダーカルピス一つください。」
「はいどうぞ。」
私は、店員さんからラベンダーカルピスを受け取ると
パラソルの付いたテーブルに向かいました。
お日様は、夏を喜んでいるかの様に眩しく照らしていて、
もってきた麦わら帽子からでも、その日差しを感じます。
そして、このラベンダーカルピスは、ここのオリジナルで
少しだけ、紫色っぽいした感じがとっても素敵です。
向こうのテーブルからは、数人の人が外国語を話ながら
笑っています。
このラベンダー園は、日本はもちろん。海外でも人気の
高い所なんだそうです。
実際、ここのパンフレットには、日本の方用の他に
中国語でかかれた物もあります。
ちなみに、中国語でラベンダーは「薫衣草」って書くそうです。
薫る衣なんて、素敵な感じがします。
少し、休んでまた花を見に行く・・・・
橘さんに、い〜っぱい話す為に・・・・・
そして、1年前の自分の思い出を振り返る為に・・・・・
一通り、見てきて私は売店の方に向かいました。
「相変わらず、いろんなグッズがあるのね。」
ここは、観光の他にこうしたラベンダーをモチーフにした
お土産物も売っています。
「え〜っと・・・・あった!!」
私は、その中から枕用のポプリを買いました。
これは、前回来た時にも買ったんですけど、枕の中に
しのばせて置くと、ほのかにラベンダーの薫りがして
落ち着いて眠れるんで気に入っています。
「橘さんにもお送ろ〜っと・・・・」
橘さんの分もちゃんと買いました。
今回は写真を写さなかった分、せめて薫りを楽しんでもらおう
と思います。
「さてと・・・そろそろ汽車の時間だ・・・・」
私は、「富田」さんを後にして、駅に向かいました。
駅のホームで汽車を待ってると遠くには入道雲が見えます。
汽車に乗り込み、少しするとやっぱり夕立が降ってきました。
本当に夏が来たんだ・・・・・
そう感じた1日だったなぁ〜なんて、思いながら窓の外を
眺めていました。
EX第11話 おしまい。

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